※この作品はR-18です。

橘小春は頭も尻も軽い   作:猪熊夜離

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今回はエッチなし!


橘小春ノ乳腺開発事情
エロマッサージ師に目をつけられた橘小春


 ここだと言って連れて来られたのは雑居ビルにある一室だった。ドアを開けると病院のような受付がある。受付の向かいがソファの置かれた待合スペースになっていた。店内には小さくヒーリングミュージックが掛かり、アロマの匂いが広がる。リラックスできる空間を演出したいのだろう。

 

 受付と待合スペースの奥はパーティションで一つの空間を二つに区切っていた。パーティションはスライドドアが付いており、閉めれば全方向が完全に目隠しされる。

 

 プライバシーを確保して施術に集中してもらうためだろう。

 

 キョロキョロと落ち着かない様子で橘小春は辺りを観察した。初めて来る場所に興味津々といった風にも見える。

 

 緩くウェーブ掛かった茶色い髪を背中まで伸ばし、眼鏡を掛けた柔らかい雰囲気の女だ。眼鏡の奥で忙しなく動く垂れ気味の目は見る者の庇護欲、あるいは嗜虐心を掻き立てる。

 

 小春は間の抜けたとこがある女だった。

 

 良く言えばおっとりしてる、悪く言えば愚鈍で頭の回りが悪く、そんな彼女に癒やされるという者も居れば、見ているとイライラするという者もいた。

 

 小春自身は母の京香、姉の結花がしっかり、キビキビと動くタイプの切れ者だったため、なぜ自分だけ家の中でタイプが違うのかと訝しんだこともある。

 

 京香曰く小春は父親似で、あの人もおっとりして周りの人間の癒しになる人だったと、亡夫の思い出を振り返りながら教えてくれた。

 

 父親似と言われて二度とは会えない存在を思い、胸が苦しくなった。橘家は父親が早くに亡くなり、若くして未亡人となった京香が女手一人で二人の娘を育てた母子家庭だ。途中からは隣家の男の子ユウも加わり四人家族となった。

 

 父親の分まで京香は働いた。娘二人を大学生になるまで育て上げた。ユウも昨春から高校生。なかなかできることではないと小春は京香を尊敬していた。頼もしい母親は小春の憧れでもあった。

 

 楽しい人生だった。父親が居なくても小春は不便や不自由を感じることがなかった。このまま幸せな時間を過ごせるのだろうと信じて疑ってなかった。

 

 愚かだった。

 

「こちら問診票になります。最初に記入していただけますか」

 

「はい」

 

 女が差し出してきたバインダーを受け取る。一般的な病院などでも見るフォーマットの問診票だ。身体でつらいところはあるか、どこを重点的にほぐしてほしいか、触って欲しくない部位はあるか、過去に経験した大きな怪我や病気はあるかなどが書かれている。

 

 小春は過去を思い出しながら一問ずつ答える。途中まで順調だった彼女の手が止まったのは『出産経験はありますか?』という質問。少し迷って『いいえ』を丸で囲んだ。出産経験はない。質問に対して嘘はついていない。だが後ろめたさはあった。

 

「できました」

 

 声を掛けると女が近づいてきて笑顔でバインダーを取る。サッと目を通して問診票が埋まってることを確認すると、笑顔で「少々お待ちください」と言って従業員スペースに入って行った。

 

 女の見た目は二十代。医療用スクラブを着ていて、胸のネームプレートには殿山と書いてあった。小春は彼女に声を掛けられ、ここまでついて来た。最近オープンしたばかりのマッサージ店で、客引きをしてるのだと殿山は説明した。

 

「オープン期間中なので特別に無料体験コースやってます。身体でつらいところありませんか。最近疲れたなと感じることは?」

 

 殿山は営業スマイルを浮かべてグイグイ近づいてきた。引っ込み思案で押しに弱い小春は彼女を振り切ることができず、気がつけば殿山のペースに流されていた。こんなとき京香や結花なら毅然とした態度で断るだろうにと己の気の弱さを恨めしく思う。

 

 小春にはマッサージに苦手意識があった。それを口実に男たちの慰み者となった過去は、いまも消えない記憶として残っている。精神的な痛手だけではない。生まれてくることがなかった命を思うと一度は我が子を宿した子宮が、しくしく疼いた。

 

 断ろう、逃げようと思う小春であったが、殿山はつれない返事に慣れてるのかベテランボクサーが対戦相手をコーナーへ追い詰めるように回り込み、巧みに逃げ道を塞いで休みなくラッシュを浴びせてきた。

 

 はっきりした意思表示ができないうちに店へ連れて来られ現在に至る。

 

 大丈夫だよね、ちゃんとしたお店みたいだし、店員さんは女の人だから。あんなこと何度も起きないよね。

 

 小春は殿山が消えた従業員スペースのほうを見た。まだ準備が終わらないのだろうかと考えていると、ドアが開いて殿山が出てくる。その後ろに別な人影もついて来た。

 

「いらっしゃいませ」

 

 そう言う男の見た目は三十になったかならないか、短髪にメタルフレームの眼鏡を掛けた客商売らしくこざっぱりした印象の人物だった。

 

 それでも男のマッサージ師は小春に強い警戒心と不信感を与えた。

 

 一年前、小春は京香、結花、ユウと家族旅行で海に行った。温泉宿で一泊して部屋にマッサージを呼んだのだが、そのとき来た男たちは女三人に媚薬を、ユウには睡眠薬を盛った。強力な媚薬で発情した三人にマッサージは毒だった。

 

 男たちの力強い手に触れられ、筋肉を揉みほぐされるとオマンコの筋肉が弛緩して股ぐらが濡れた。全身を揉みほぐす手に神経過敏になった身体が反応して腰が艶めかしく動く。最初は真面目にマッサージしていた男たちも次第に本性を現し、胸や股の際どい部分まで触られた。

 

 性感帯を刺激されて艶っぽく喘ぐ三人に、男たちは「そんな姿を見せられたら抜いてもらわないと収まりが付かない」などと難癖をつけ、手コキやフェラでの射精を要求した。

 

 一度その流れに乗ってしまうと男たちに主導権を握られる。小春たちは坂道を転げ落ちるかの如く、なし崩しでセックスに持ち込まれた。

 

 性欲の限界に達していた三人は一夜の過ちを受け入れた。コンドームを着けてもらったから大丈夫、避妊はしてるから気持ち良くなってもいい、三人で口裏を合わせてユウにさえ隠し通せば何の問題もない。

 

 しかし男たちは手慣れていた。そして並外れた巨根を持つ精豪だった。ユウとしたセックスが思い出せなくなるほど気持ちよくさせられてしまった。男たちの股間に生えてる女を屈服させるための凶器とユウの可愛らしいイチモツが、同じチンポというカテゴリで扱われてることが信じられなかった。

 

 男たちのチンポこそ偉大なオス様のチンポであり、ユウの爪楊枝はチンポに憧れた者が作ったイミテーションだった。

 

 小春は何度も気絶寸前の絶頂を味わった。途中で男たちがコンドームを外して生ハメしてきても彼女は断れなかった。ゴムを着けていても気持ちいいオチンポ様がゴムなしで入って来ると、気が狂いそうになる高みへ追い詰められた。

 

 生来のおっとりした性格と物事を深く考えない性質が合わさり、三人の中でいち早く男たちを受け入れ、彼らのチンポに媚びてラブラブエッチすることを選んだのは小春だった。恋人繋ぎの騎乗位でキスされながらハメられると、頭がぽーっとなって多幸感に支配されエッチでイクこと以外は考えられなくなった。

 

 本物のオス様のセックスは麻薬だ。オチンポ入れてもらえるなら何をされても良くなってしまう。狂乱の宴は小春から現実感を奪った。

 

 代償は数ヶ月後に発覚した。妊娠。当然である。避妊もせず三人の男に一晩中輪姦されたのだ。繰り返し射精された精液で子宮はタプタプだった。三人のうち誰が父親かも分かりはしない。

 

 京香、結花と共に一夜の熱情に身を焦がした罰を噛みしめた。幸い京香のツテで秘密裏に処置してくれるクリニックを見つけ堕胎できた。世間やユウには妊娠した事実を隠し通せたが、他の誰が知らなくても小春自身は知っている。

 

 かつて自分の子宮が子を孕み、誰にも祝福されず逝ってしまったことを。

 

 その記憶があるため、殿山の後ろから男が姿を現したとき、小春の警戒心は瞬間的にメーターを振り切った。脇に置いていたバッグを掴み、胸元に掲げて無意識に防御姿勢を取る。少しでも変な気配あれば帰る。無言で訴えていた。

 

「店長の長田(おさだ)です」男がぺこりと頭を下げた。「施術は殿山が担当しますが挨拶だけ」

 

「私が施術に入る間は長田が受付を、長田が施術に入る間は私が受付を担当することになってるんです」

 

 小春の不安を察して殿山が説明した。きっと自分のような客の反応にも慣れているのだろう。少しだけ警戒を解き、バッグを胸の前から下ろした。

 

「向かって右側の個室で施術を行います。中にお着替え用意してるので着替えてお待ちください」

 

 殿山に促されて小春は立ち上がる。途中で二度、三度と二人のほうを振り返った。殿山と長田は人好きのする笑みを浮かべ見送っていた。接客業の基本のスマイルだが、なぜか小春は彼らの笑顔に言い知れぬ不安を覚えた。

 

 

 

     ※

 

 

 

「あんな子よく見つけてきたな」

 

 小春がスライドドアの向こうに隠れると、長田が横の殿山に言った。

 

「でしょう? ビルの前で物色してる最中に向こうから歩いてきて、これは絶対に逃がしちゃいけないと思ったわよ」

 

 殿山は己の成果を誇って胸を張る。「かわいい系の美人オーラが遠くから見てもダダ漏れてたし、何よりあの巨乳……ううん、爆乳よ。確実にメートル級のおっぱい。男はおっぱい好きだものね。しっかり堕として稼がせなさいよ」

 

 バシッと殿山が長田の背中を叩く。長田は大袈裟によろけて見せながら笑みを浮かべた。それは小春の前で見せる邪気のない接客スマイルとは大違いの欲に塗れた汚い笑顔だった。すでに頭の中では、罠に掛かった獲物を仕留めるまでの攻略ルートが練られ始めている。

 

 やはり、おっぱい。まずは、おっぱい。何を置いても、おっぱい。

 

 あの爆乳を味わわない手はない。顧客にも好評を博すだろう爆乳を、しっかり躾けてやる。

 

「着替え終わりました」

 

 スライドドアの向こうから小春の声がした。

 

 長田と殿山は顔を見合わせ、お互いに準備完了の意味を込めて頷く。

 

「は~い。それじゃ始めていきますね」

 

 明るい声を出しながら殿山が小春の待つほうへ歩き出した。

橘さん最エッチ竿役選挙

  • ナンパ男の兄貴分(デカチン絶倫アラサー)
  • 偶然ビデオを見たユウのヤリチン同級生
  • 『咲子さんノ男性事情』に出てきた学年主任
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