異世界侵食列島日本 異世界の●●が日本にきたら? 65話からイラストつきです。 作:みなぽん
異世界からの転移者が確認されて、もう十年になる。
最初こそ「災厄」や「侵略」と呼ばれたその現象も、いまでは世界中の街で見られる日常の一部になっていた。
エルフは自然公園の緑化事業で働き、ドワーフは工場や建築現場で活躍する。ホビットはその器用な手先を活かして和菓子職人に。獣人たちは介護や運輸、農業の分野で欠かせない存在になっていた。
――そして今、日本一の漁業の街・千葉県銚子市。
潮の香りが風に混じるこの港町にも、ついに新たな「共生の波」が押し寄せてきた。
「リザードマンの受け入れ、だと……?」
朝の喫茶店《カモメ》で、常連の漁師・坂東忠は新聞を広げたまま顔をしかめた。
記事にはこう書かれていた。
“銚子市、国内初のリザードマン技能実習プログラムを承認”
“漁業協同組合と異種共生庁の連携で、海洋資源の共同管理を目指す”
「また厄介なもん引き受けたな、うちの市長も」
「でも、潮の流れや魚の生態に詳しいって聞くぜ。海の民ってやつだろ?」
カウンターの奥でマスターがぼそりと返す。
坂東は煙草をくわえ、苦笑した。
「そりゃ“海に詳しい”ったって、うろこにヒレだらけの連中だろ? 浜に立ってたら子どもが泣くわ」
その日、銚子漁港では、異世界からやってきた第一陣のリザードマンたちが船を降りていた。
濡れた鱗が朝日にきらめき、瞳は金色に光る。彼らは無言のまま、冷たい潮風を吸い込んでいた。
ADDSATが派遣した海棲エルフのミシェル ミシェイラがリザードマン達を市民に紹介する
「ワレラ、リザードマン。魚と共に生きる民。共に、海を守りたい」
だが、見物に来ていた市民たちは一歩、また一歩と後ずさる。
その鱗の音、鋭い牙、太い尾。
いくら“共生”と言われても、人間とはあまりにも違いすぎた。
坂東はその光景を岸壁から見下ろし、ひとり呟いた。
「……海を守る、か。俺たちが守ってきた海と、あいつらの海は、同じなのかね」
潮が満ちて、波が砕ける。
異世界の民と人間の境界は、まるでこの海のように、静かに混じりはじめていた。
銚子漁港の朝は、いつも潮と怒号に満ちている。
威勢のいい掛け声、エンジンの轟音、氷のぶつかる音――。
そこに、この春から新しい響きが混じるようになった。
リザードマンたちの、低く喉を鳴らす音だ。
「グルル……。水温、二度下がル。アジ、北へ行ッタ」
「よく分かるもんだな……」
漁師の坂東忠は感心したように呟く。
リザードマンの一人、隊長格のザイールは、濡れた鱗を光らせながら波間を見つめていた。
彼らは潮の匂いと波の動きだけで、魚群の動きを読むという。
その精度は、漁協の最新ソナーを凌ぐほどだった。
「魚は、音で逃げル。人ノ鉄船、音デ海ヲ壊ス」
ザイールの声は低く重い。
「静カナ舟、必要」
「静かな舟?」
坂東は眉をひそめる。
リザードマンたちは木造の帆走漁を好み、エンジンを忌避した。
油の匂いが魚を汚すという信仰があるのだ。
だが、人間の漁師たちにとって、それは“非効率”以外の何物でもない。
「そりゃ無理だ。燃料焚かなきゃ日が暮れちまう」
「ソレハ、人ノ都合」
ザイールの縦に裂けた瞳が、坂東を見据える。
そこに敵意はなかったが、確かな隔たりがあった。
それでも、彼らの技術は確かだった。
潮の読み、網の投げ方、魚を傷つけない締め方。
リザードマンの方法は古代的でありながら、美しく理にかなっていた。
坂東は次第に、彼らを“異形”ではなく“同業者”として見はじめていた。
だが、街の空気は違った。
港の食堂では、昼時に小さな言い争いが起きた。
「リザードマンが魚を獲るようになってから、うちの店の仕入れ減ってるんだよ!」
「いや、あいつらの獲る魚は質がいいんだ。むしろ市場が喜んでる」
「質がよくたって、あんな手で触った魚なんて食えるかよ!」
店のテレビでは連日、「異種間労働の不均衡」「食の安全」「文化摩擦」といった見出しが流れていた。挙句の果てには、リザードマンに女たちがレイプされるのではないかというありもしない噂まで流れた。
しかし、寡黙な彼らは、決して文句を言おうとはしない。
坂東はその夜、港の片隅でザイールに言った。
「なあ、あんたら、やりにくくねえか」
「ワレラ、海ノ声ヲ聞ク。人ノ声ハ……時ニ、波ヨリ冷タイ」
ザイールは静かに海面を撫でた。
潮の光が、彼の鱗に映る。
「我ラノ海ハ、血デ染マッタ。人ノ争イ、魔ノ戦イ。ウンザリ、ダカラココキタ!チョーシノ海モ、同ジカ?」
坂東は答えられなかった。
だが、その問いは確かに胸に刺さった。
翌朝。
リザードマンたちは再び舟を出した。
彼らの鱗が陽にきらめき、海風が尾を揺らす。
漁港にいた子どもたちがその姿を見て、小さく手を振った。
――恐怖が少しずつ、憧れに変わる瞬間。
異世界と人間のあいだに、ほんの一筋の波路が開かれようとしていた。
夏が終わり、秋の風が海を荒らしはじめた。
銚子港の空気は塩と不安に満ちている。
リザードマンの受け入れが始まって半年、街の裂け目は深くなっていた。
市役所前の広場には、人間の漁師たちと、彼らを支援する環境団体、それに反対する市民たちやマスコミ、政治団体が入り乱れていた。
「リザードマンのせいで漁が減った!」
「彼らは海を守ってる!」
怒号とプラカードが入り混じり、ニュースのカメラがそれを映す。
ザイールたちは遠巻きにその光景を見ていた。
人間同士が自分たちをめぐって争う姿を、静かに、悲しげに。
その夜。
海は異様な気配を帯びていた。
気象庁の警報が鳴り、テレビが「台風並みの低気圧接近」と伝える。
漁師たちは慌ただしく船を係留し、港の店はシャッターを下ろした。
坂東は自宅の窓から、暗い水平線を睨んでいた。
「……嫌な潮だ」
電話が鳴る。漁協の若手からだった。
「坂東さん、海沿いの集落がやばい! 防潮板が壊れて、水が来てる!」
「なんだと⁉」
外は暴風。
坂東は雨具を掴んで外に飛び出した。
そのとき――港の防波堤の向こうから、低い咆哮が響いた。
「ちくしょう。助けに行きたくても1人が足りねぇ!」
リザードマンたちが、海沿いの集落に向かって走り始めた
全身を濡らし、目を光らせ、背に網やロープを背負って。
「坂東、海、怒ッテル!ヒトタチ危ナイ」
「わかってる! 行くな、危険だ!」
「我ラ、泳グ。ヒト、陸ヲ守レ」
彼らは迷わず、波へと身を投げた。
嵐の中、リザードマンたちは潮に強い体で流された船を引き戻し、転覆した漁船の乗組員を救出していく。高潮にさらわれた、住民たちも、彼らはその力強い腕で助けていった。
坂東も港に残る子どもと老人を避難させるために奔走した。
嵐の中心では、海が怒っていた。
鉄の船が波に砕け、魚市場の冷蔵庫が流され、リザードマンの集落の方にも高波が押し寄せた。
しかし――ザイールたちは古来の祈りを捧げた。
潮を鎮めるための異界の歌。
鱗に刻まれた古の文様が、雷光に照らされて淡く光る。
その姿を見た人間の漁師たちは、息を呑んだ。
誰もが「彼らは海を穢す」と罵った相手が、
いま命を懸けて、海と人を守っていた。
夜が明けた。
嵐は去り、街は傷だらけだった。
港の倉庫も、家も、多くが流された。
だが、死者は一人もいなかった。
それはリザードマンたちの迅速な避難誘導と救助のおかげだった。
市長が涙ぐみながら語った。
「……あの日、彼らがいなければ、銚子は半分沈んでいた」
瓦礫の中、坂東はザイールと並んで海を見ていた。
潮風が静かに吹く。
「なあ、ザイール。お前らの海と、俺たちの海……同じだったな」
「ウム。海ハ一ツ。命ノ母ハ、選バナイ」
坂東は笑った。
その笑いには、ようやく「仲間」への敬意があった。
港の上空をカモメが飛び、
潮の香りが、昨日よりも少しだけ、柔らかく感じられた。
嵐が去って三日。
銚子の街には、まだ潮と泥の匂いが残っていた。
港の修復作業の中心にいたのは、リザードマンたちだった。
彼らは休むことなく、倒れた防潮板を立て直し、流された船を引き上げていく。
その中に、傷を負ったザイールの姿があった。
腕の鱗が剥がれ、深く裂けている。
「ちょっと、動かないで!」
坂東の娘――坂東美咲が駆け寄り、救急箱を抱えて膝をついた。
彼女は市のボランティアで医療補助をしていた。
けれど、目の前の傷口に手を伸ばすとき、少しだけ手が震えた。
人の皮膚ではない。固く、冷たい鱗。
だが、流れる血の色は、人間と変わらなかった。
「冷たく感じるか?」
ザイールが、静かに尋ねる。
「ううん……思ったより、あったかい」
美咲は微笑み、薬を塗る。
ザイールの金色の瞳が、じっと彼女を見つめていた。
その視線に、怯えよりも不思議な安らぎがあった。
その日から、美咲は港のリザードマン宿舎に通い、手当や看護を買って出た。
少しずつ彼らの生活習慣も理解していく。
魚を無駄にせず、骨まで供える“潮の祈り”。
夜明けに海へ向かって鳴らす“帰潮の歌”。
美咲はそれらをノートに書き留めながら、ザイールに尋ねた。
「どうしてそんなに海を敬うの?」
「海ハ……神デハナイ。母。時ニ優シク、時ニ子ヲ試ス。ワレラハ、母ノ胸デ眠ル民」
その言葉に、美咲はなぜか涙がこぼれそうになった。
彼女の母は早くに亡くなり、海辺で育った。
潮の香りとともに、ずっと“母”を思い出していたのだ。
ある夕暮れ。
港の桟橋で、二人は並んで海を見ていた。
太陽が海に沈み、空が茜から紫に変わる。
波が、静かに寄せては返す。
「美咲……」
ザイールの低い声が潮騒に混じる。
「ヒトハ、我ラヲ恐レル。ダガ、ナゼ、貴女ハ恐レナイ?」
「最初は怖かったよ。でも……怖いって、“知らない”からだって気づいたの」
美咲は夕日に照らされながら、微笑んだ。
「知ったら、怖くなくなった。あなたが、誰かを守る人だって知ったから」
ザイールはその言葉を胸に刻むように黙った。
鱗の下の筋肉が、微かに震えた。
やがて、彼はゆっくりと両手を差し出した。
冷たく硬い手。美咲はその手に、自分の指を重ねた。
人とリザードマン
肌の温度も、血の流れも違う。それでも、潮の香りだけは同じだった。
風が吹き、海鳥が鳴く。その音の中で、美咲は確かに感じた。
“共生”という言葉の奥にあるもの―― それは「理解」でも「協定」でもなく、ただ一つの「愛」だった。、
海と鱗の狭間で
潮の満ち干きが二人を包んでいた。港の灯台が薄明かりを投げかける小さな漁師小屋で、ザイールと美咲は息をひそめて向き合っていた。壁には使い古された漁網がかけられ、床にはまだ乾かない潮の跡が残っている。
「本当に……いいのか?」
ザイールの低い声は、洞窟の底から響くように美咲の耳を打つ。金色の瞳孔が細まり、不安と期待が入り混じった光を宿していた。彼の長い爪が畳の端を握りしめ、甲殻のような鱗が月明かりに浮かび上がる。
美咲はゆっくりと頷いた。彼女の頬は潮風に焼けて赤く、しかし今はさらに熱を帯びていた。
「怖くないよ。むしろ……」
彼女はザイールの太い首に手を回し、額を触れ合わせた。その瞬間、冷たい鱗と柔らかな肌が初めて触れ合う。
「あなたをもっと知りたい」
ザイールの身体が微かに震えた。鱗の一枚一枚が逆立ち、胸元から肩へと波紋のように広がっていく。彼は深く息を吐き出し、美咲の髪に鼻先を埋めた。海の匂いの奥に潜む、甘く暖かな女の香り。
「美咲……」
彼の声は熱を帯び、舌が伸びて彼女の首筋をなぞる。滑らかな感触に美咲は小さく喘いだ。本能的な接触に、彼女の理性が解けていく。
寝床に敷かれたボロ布の上で、二人は裸体を絡ませた。ザイールの大きな体が覆いかぶさると、影の中に別の生物の輪郭が浮かび上がる。硬質な鱗と軟らかな皮膚の境目、筋肉の隆起と冷たい血管の脈動——全てが美咲の五感を刺激した。
「痛くしないで……」
美咲が囁くと、ザイールは腰を引いて位置を探った。彼の生殖器は人間ほぼ同じ形を持ち、カリ高な尖端が備わっていた。それが慎重に美咲の股間に触れる。
「焦らず……ゆっくり」
彼は自らの分泌液で潤し、美咲の内側に丁寧に入り込む。痛みはない。代わりに、異質な存在が自分の体内に侵入する感覚が全身を貫いた。
「あっ……んっ……」
美咲の声が漏れる。ザイールはすぐに動きを止め、彼女の表情を伺った。金色の瞳が闇の中で燃え上がり、喉から低いうなり声が漏れる。
「美咲……これで……合ってるか?」
「うん……大丈夫……動いて……」
彼女の言葉に背中を押され、ザイールは緩やかに腰を動かし始めた。ゆっくりと円を描くような動きが、美咲の内側を未知の快楽で満たしていく。
「凄い……こんな感じ……初めて……」
彼女の足がザイールの腰に絡みつく。汗ばんだ鱗に指を這わせると、彼の体温が上がっていくのがわかる。美咲の指先が腹部の深い割れ目に触れると、ザイールは喉を鳴らして腰を突き上げた。
「そこ……好キ……」
彼の呼吸が荒くなる。二人の動きが徐々に速度を増し、擦れる音が湿気に溶けていく。美咲は彼の首に両腕を回し、頬を鱗に擦りつけた。
「もっと……強く……いいよ……」
その言葉を合図に、ザイールの動きが激しさを増す。打ち付けるように腰を使いながらも、彼女の快感を最優先する繊細さを見せた。美咲の体が跳ね、声が途切れ途切れになる。
「あぁっ……!すごい……あなたって……!」
「美咲……君ノ中ハ……暖カクテ……痛クナイカ?」
「全然……気持ちいい……大好き……」
二人の結合部からは独特の粘液が溢れ出し、畳に淫靡な模様を作り出す。ザイールの腰に滴り落ちる汗と愛液が混ざり合い、美咲の肌に垂れ落ちる。
「僕も……君ヲ愛シテイル……」
彼の声が切なく響く。美咲の子宮口を何度も突き上げながら、ザイールは大きく背を仰け反らせた。尻尾が畳を叩き、興奮を隠せない様子だ。
「きて……一緒に……」
美咲が爪先を立てる。彼女の体が弓なりに反り返り、ザイールの剛直が最も深い部分に到達する。次の瞬間、熱い精が放たれ、美咲の体内で爆発した。
「あぁーーっ!!!」
彼女の絶叫が小屋に響く。同時にザイールも低く唸り声を上げ、長い射精を続けた。最後の一滴まで注ぎ込みながら、彼は美咲の体を抱きしめる。鱗越しに感じる鼓動が、互いの存在を確かめ合う。
余韻の中で二人は体を重ねたまま動かなかった。潮騒が遠くから聞こえ、月明かりが二人の絡み合う影を描いている。ザイールの生殖器が引き抜かれると、大量の液体が畳に流れ落ちた。
「凄かった……本当に……」
美咲は彼の肩に頭を預け、かすれた声で囁いた。ザイールは彼女の髪をそっと撫でる。
「コレガ……人間ノ……愛情表現カ?」
「うん……でもこれは特別。私たちは特別なの」
美咲の言葉に、ザイールの瞳が柔らかく輝いた。彼の唇が美咲の額に触れる。熱を帯びた鱗が彼女の頬を撫でた。
「永ク……共ニ……」
言葉にならない約束が交わされる。海の香りと汗の匂いが混ざり合った空間で、二つの魂がひとつになりかけていた。
窓の外では満月が海面を照らし、寄せる波がいつまでも優しく音を立てていた。
市役所の廊下は静寂に包まれていた。窓からは午後の日差しが差し込み、床に複雑な影を落としている。坂東美咲とザイールが並んで立つ姿は、まるで異質な彫像のようだった。美咲の着物の袖がザイールの硬い鱗に触れそうになり、彼女はわずかに身を引いた。
**「婚姻届ですね。**」
窓口の担当者が、眼鏡越しに書類を凝視している。名前欄には『坂東 美咲』と『ザイール・ガルバン』。配偶者の氏名欄には『リザードマン』と記されていた。
**「異種族間の結婚は初めてになります。**」
職員が書類をぱらぱらとめくりながら呟く。
「法的には問題ありませんが……ご存じの通り、日本では前例がないので……」
美咲は唾を飲み込んだ。彼女の横でザイールがわずかに体を強張らせる。金色の瞳孔が針のように細くなった。
**「手続きは通常通りでお願いします。**」
美咲が毅然と言い切ると、背後からどよめきが起こった。廊下にはいつの間にか十数人の市民が集まっていた。好奇の目とスマホのカメラレンズが二人に向けられている。
「おい、本気かよ……」
「リザードマンと人間が……気持ち悪ぃ……」
囁き声が壁に反響し、ザイールの耳が微かに動いた。
その時だった。
「写真撮っていいですか~?」
若い女性が近づいてきた。リザードマンの鱗に指先を伸ばし、鼻をひくつかせる。
「うわっ!本物の爬虫類くさい!」
周囲がどっと笑い、ザイールの肩がピクリと震えた。美咲は咄嗟に彼の腕を掴んだ。
職員が慌てて声を上げる。
「皆さま!ここは公的な場です!静粛にお願いいたします!」
混乱の中で二人は申請書を提出し終え、市役所を後にした。外ではすでにテレビ局の車両が停まっており、マイクを持った記者が待機していた。
**数日後―**
ニュース速報が街中を駆け巡った。
『異種族カップル誕生!?リザードマン×日本人少女の禁忌愛』
ワイドショーでは、スタジオの専門家たちが議論を交わしていた。
「文化の多様性と言いますが……これはさすがに無理がありますよね」
「そもそも『愛』とは何か、考えさせられます」
そして、芸能人たちが、適当な知識で侮蔑的な言葉を並べ立てる
「調教……?」「洗脳された女性……」「性奴隷……?」
画面下のテロップが残酷な文字列を浮かべる。スタジオでは司会者が眉をひそめながら口を開いた。
「つまり……意思による関係ではなく、リザードマンの魔法か何かで何らかの支配構造があるということでしょうか……」
カメラが切り替わり、政治活動家と思われる人物のインタビュー映像が流れる。
「これは完全に奴らによる侵略ですよ。あの娘さんはもう頭がどうかしてる、完全に奴の性奴隷になってますよね。昨年もサキュバスによる洗脳の事例があったでしょう。異世界の人間と矯正なんて無理なんですよ。」
亜人排斥団体の代表が画面に登場する。
「亜人全般に言えますが、あいつらは特に最悪です。リザードマンには人間の価値観が通用しません。これは極めて危険な状況です。おそらく銚子の街では次々と女性たちがレイプされるでしょう。」
テレビの向こうで2人の結婚をめぐるニュースは炎上していた。
美咲の父親である坂東忠がマイクを突きつけられて狼狽えていた。
「あの……親としては……まぁ……幸せならそれでいいんじゃないかと思ってまして…それにザイールはいいやつですよ。漁師としても有能です。…」
炎天下に晒された老漁師の顔が苦渋に歪む。
坂東家の前に座り込み抗議を行う活動家たち。ビラには『倫理の崩壊』『公共の敵』といった文字が踊る。
SNSでは#美咲解放運動というハッシュタグがトレンド入りし、『人間と爬虫類の交尾動画流出』といった人工知能を使った偽物のセンセーショナルな投稿が拡散されている。
「ザイール、こんなの全然気にしなくていいんだからね」
美咲は居間のテレビを消し、ソファに座り込んだ。手には結婚証明書のコピー。ザイールが背後から静かに抱きしめる。「でも、他のリザーブドマンたちも肩身の狭い思いをしているだろうな。なぜ愛し合うことがそんなに責められなくてはならないのだろうか。我にはわからない。」ザイールが苦く笑う。彼の瞳が窓の外を見つめる。街は沈黙に包まれていた。漁師たちもリザードマンも銚子の港はかつてない静けさに包まれていた。せっかく芽吹いていた街の共生が、外部の人間の人によって壊されようとしていた。
そして、とある事件が火に油を注ぐ形になった。外房の浜辺で、深夜、東京から遊びに来ていた女子高生たちが、鱗のある人型のものにレイプされると言う事件が起きたのだ。それを彼らは、真っ先にリザードマンと結びつけた。
「人間をレイプする害虫を駆除しろ!」「トカゲ人間どもをぶち殺せ」
この問題は地元の人々ではなく、あれこれ騒ぎ立てたい政治家やマスコミやプロ市民たちの祭りとかしていた。そして、その日、銚子の海浜公園に集まったのはネットにあり立てられたそうした連中だった。まるで魔女狩りでも始めそうな勢いだ。
一方で銚子の街の市長やADDSATのミシェル、地元の漁師や漁師の奥さんたちはザイールと美咲の仲を守り抜くと決めた。海に生きる者たちは真実をわかっていたのだ。
銚子海浜公園の惨劇
ニュースは一夜で燃え上がった。
「リザードマンの日本侵食計画」「リザードマンが罪のない女子高生をレイプした」
どれも根拠のない、下劣な見出しだった、だが、ネットの炎上は止まらない。
匿名の怒号がSNSに溢れ、拡散される。
プロ市民団体、政治家、過激なネット活動家――。
「このままでは日本が滅びる」と叫びながら、彼らは銚子海浜公園に集結した。
夜の公園は、拡声器と怒声とスマホの光で埋め尽くされていた。
「リザードマンを叩き出せ!」「異種交配反対!」「美咲を救え!」
誰も彼女の意思など気にしていない。
坂東がその場に駆けつけたとき、空気はすでに異様だった。
暴徒が投石を始め、警察の規制線が揺れる。
地元の漁師たちと、その奥さんたちは、リザードマンたちを守るように彼らの前前に立ち塞がる
その奥、桟橋の向こうに――ザイールたちの姿があった。
彼らはただ静かに海を見ている。
「なあ……この街以外の人間が何好き勝手にやってくれてるんだよ!」
坂東の叫びは、怒号に掻き消された。
その時だった。
――海が鳴った。
ドロッ、と何かが水面を割った。重い音。粘つく泡。
夜の波間から、黒くぬめった影がいくつも立ち上がった。
「な、なんだ……あれ……」最前列の男が言葉を失う。
日の光に照らされたその姿は、リザードマンではなかった。
深い海の闇に生きる異界の悪魔――インスマスと呼ばれる“海の怪”。
異世界から流れ着いた災厄の眷属たち。
ギラリと濡れた目が光る。裂けた口から磯臭い息を吐き、
彼らは一斉に砂浜へ這い上がった。
「ギイイイイイ――!」
「皆さん、逃げてください。あれはインスマス危険なモンスターです。レイプ事件の犯人は、あいつらです。男は殺され、女はレイプされます。みんな早く逃げて」
ミシェルが剣を抜いて、彼らに立ち向かう。
「みんな逃げ、、あああああっ!いやぁ」
しかしたちまちに取り巻かれて激しいレイプの波に埋もれていく。
人々の悲鳴が、怒号を上書きした。
プロ市民も活動家も、政治家も――パニックに陥って逃げ惑う。
スマホで撮影していた男が、目の前で怪物に跳びかかられ、血の霧を上げて沈む。
公園は、一瞬にして地獄と化した。
「逃げろ――ッ!」「警察! 警察を呼べぇえ!」
銚子海浜公園の惨劇
公園の照明が赤々と揺れるなか、インスマスたちの爪が光る。黒い鱗が月明かりを反射し、彼らの目は深海の暗さを宿していた。
「ギャァアアアッ!」
最前線に立っていた男の断末魔が夜気を裂く。ネット活動家だった三十代の男性だ。彼の喉笛が一噛みで千切れ飛び、血飛沫が弧を描いて地面に撒き散らされた。スマホを握ったままの右手が砂に落ちる。液晶に映るのは逃げる群衆の背中と、自身の死の瞬間だった。
「あ……ああ……嘘でしょ……」
近くにいた二十代の女性が凍りつく。彼女は抗議Tシャツを着たまま震え、カメラを構える暇もなく襲われた。
インスマスの一匹が彼女の足首を掴み、砂浜に引き倒す。服が裂かれ、白い肌が露出する。抵抗しようと掲げた両腕は即座にねじられ、肘が折れる鈍い音がした。
「やめろッ!やめてええッ!」
彼女の絶叫は途中で途切れた。インスマスの生殖器が無慈悲に押し込まれる。それは触手状で膨張し、人間の器官を遥かに超えた容量で彼女の中を押し広げた。
「ぐぁッ……うぶぅッ……」
彼女の口から吐瀉物と涎が混じったものが溢れる。インスマスは容赦なく律動を繰り返し、周囲にも同様の行為が広がっていった。
砂浜には裸の女たちが散乱していた。ある者は髪を掴まれて仰向けにされ、別な者は四つん這いにされて後ろから犯される。誰かの腹が不自然に膨らみ、それは怪物の卵を植え付けられた証だった。
「誰か……助けて……」
震える声はすぐさまかき消された。別のインスマスが彼女の髪を引っ張り、後頭部を地面に叩きつける。脳漿が砂に染み込む様を、隣でレイプされる女が虚ろな目で見た。
男達の死体がそこかしこに転がる。男性の遺骸はすべて切り刻まれ、腐敗臭と生臭さが混じり、まるで下水道のような空気が漂う。
逃げ遅れた一人の若い母親は子供を庇いながら這っていた。インスマスがその背中を蹴りつけ、幼児が宙を舞う。母親は悲鳴を上げる間もなく押さえつけられ、着衣を引き裂かれた。
「ママ……どこぉ?」
子供の声が次第に弱まり、母親の嗚咽と怪物の粘液音だけが響く。彼女の太腿には太いイチモツが打ち込まれ血の筋が流れていた。
公園全体は血の海と化していた。砂粒が赤黒く染まり、あちこちに臓物が転がる。遺体は全て男性で女性h全員が裸に剥かれ、顔に恥辱の痕跡が刻まれている。
インスマスたちは満足そうに舌なめずりし、何体かは胎内にぶちまけうっとりとした表情を浮かべた。
空から眺めれば、それは赤い花が咲き乱れる花園のようだった。だが風に乗って運ばれてくるのは腐敗と獣欲の匂いのみ。天使たちは翼を閉ざし、神は視線を逸らすだろう。
地獄はここに在った。愛も憎しみも等しく貪り尽くされ、ただ汚辱と絶望だけが残る。
銚子海浜公園は「レイプと虐殺の聖域」へと変貌を遂げた。銚子の人々はその様子を呆然と眺めていた。しかし、この部外者共が血祭りにあげられた後は、自分たちに、その矛先が向くのは明白だった。
女性たちは裸に剥かれ犯され、男性たちは八つ裂きにされていくだろう
しかし、その時だ。ザイールが叫んだ!
「リザードマンの勇者たちよ!俺たちを愛してくれる人たちを守るんだ。銚子は俺たちの街だ。」
ザイールたちリザードマンは海岸線に整列し、刃と鱗を磨いた。
「同胞たちよ。今こそ我々の使命を果たす時だ」
隊長のザイールが低く響く声で告げる。金色の瞳孔が縦に縮み、戦いの昂ぶりを宿していた。
リザードマンは雄叫びを上げながら砂を蹴った。彼らの足裏は滑らかに砂を捉え、陸の戦士とは異なる進撃の音を奏でる。鱗が月光を弾き、刀身が青白く輝く。
人々の悲鳴、警察のサイレン、割れるガラスの音が混ざり合い、あたりは修羅場だった。
「グルルルルルルル――」重く低い、腹の底から響く咆哮!
インスマスの大群を割り、十数体の影が飛び出す。月光を浴びて煌めく鱗、たくましい尾。リザードマンの戦士たちが、ザイールを先頭に突撃したのだ。
ザイールは濡れた銛を一振りし、獲物を狙う獣のようにインスマスの群れを睨み据える。
「……潮ノ母ヨ、我ラニ力ヲ」
リザードマンたちは、人間の軍隊とはまったく違う戦い方をした。まるで一つの「群れ」として動き呼吸を合わせる。
一体が尾で砂を巻き上げ、インスマスの目をくらませ、もう一体がその間をすり抜けて銛を突き立てる。
倒れた敵の上に仲間が飛び、連撃が波のように繰り返される。
ザイールは敵の中心を目指して突進した。インスマスの一匹が政治家の男を掴み、波打ち際へ引きずっていた。
「や、やめてくれえええっ!」ザイールの銛が稲妻のように走る。
ぬめった腕を貫き、怪物は叫び声をあげて崩れ落ちた。
「クェェェェッ!」尾を叩きつけ、前進するザイール。その咆哮は嵐の雷鳴のように響き、インスマスの群れを怯ませた。浜辺に避難していたネット民たちは、その光景を呆然と見つめていた。
つい昨日まで“異形”だと恐れていた彼らが――今、自分たちを守るために命を賭けて戦っている。
「な、なんだよ……あいつら……」「すげえ……あんな戦い俺らじゃできねえ……」「俺たち……ずっと、あいつらをバケモン呼ばわりしてたのか……」デモに集まった連中も反省したようだ。
「あれこそ漢だ!外房の漢だ!あいつらは、俺たちの身内だ。一緒に戦うぞ。」
涙を拭う老漁師。両手を合わせて祈る主婦。
恐怖で震えていた子どもが、ザイールの背を見て、初めて「かっこいい」と声を漏らした。
インスマスの数はまだ多い。しかしも早く彼らは1人ではない。銚子の市民たちは皆、武器をとって、彼らと共に戦った。リザードマンの士気は波のように高まっていた。
ザイールが空を仰ぎ、低く咆哮する。
「潮ノ母ヨ――この浜ヲ、我ラニ守ラセロ!」
その咆哮が合図となり、全戦士が一斉に敵へ突撃した。
波を裂き、血飛沫が夜空に舞う。海の怪物たちは、一歩、また一歩と後退し――
やがて深い海の闇の底へと引きずり込まれていった。
夜明けが近づく。
波打ち際には、リザードマンと銚子の男たちの勝利の咆哮が響いていた。
ザイールが砂浜に銛を突き立て、息を吐く。その背中に、美咲が抱きついた。
浜にかがり火が焚かれていた。炎がリザードマンたちの肉体を照らす。
「勇敢に戦った男を慰めるのは女の役割だよね。みんな!」婦人部の奥さんが女たちに声をかけた少女も、熟女も、彼女の声に強くうなずき、自ら進んで服を脱いだ。
「リザードマンの皆さん、この街の人があなたたちに感謝の性行為をささせてくれるらしいですよ」ADDSATのミシェルも服を脱ぎ捨てた。
「ザイール もうあなたたちは1人じゃないわ、みんなで結ばれましょう 」美咲が微笑んだ。
夜明け前の浜辺に焚かれたかがり火が、濡れた砂と鱗を赤く照らしていた。リザードマンたちは戦いの興奮で体温を上げ、金色の瞳孔を縦に細めている。ザイールの太い尻尾が砂を打つたびに、周囲の女たちが小さく喘いだ。
「まずは一番活躍したザイールからね……♡」
美咲がしなやかな裸体を滑らせ、ザイールの首筋に唇を這わせる。熱い鱗が彼女の頬に触れ、彼女の吐息がリザードマンの鋭敏な嗅覚を刺激した。
「ウッ……美咲……君ハ……」
ザイールの腰が疼く。戦いの興奮と美咲の誘惑が脳天を直撃した。彼の股間から伸びるカリ高の尖端がゆっくりと鎌首をもたげる。美咲はそれに気づくと微笑み、自らの指で秘所をほぐしながら腰を落とした。
「んっ……すご……い…」
最初は慎重だったが、一度竿が蜜壺に収まると美咲は大胆に腰を振り始める。彼女の胸が上下に弾み、汗と海風が混ざった匂いが立ち込めた。
「ザイールさんのも……いただきま〜す♡」
三人目の熟女がしゃがみこみ、ザイールの尻の谷間に顔を埋めた。彼女は器用に舌を使って彼の排泄孔と交接器の入り口を交互に刺激する。
「クォ……オ…ン」
低いうなり声がザイールの喉から漏れる。美咲の膣圧と熟女の舌技に挟まれ、彼の巨根がさらに硬度を増した。
その横では、ザイールと同じくらい体格の良いリザードマンに、女子高生が跨っていた。
「リザードマンさん……えっちな子好きって本当……?」
少女の太ももが震えながらも肉茎を導き入れる。彼女の若さゆえの締め付けにリザードマンは感激したように目を細める。
「アア……コノ温カサ……人間ノ身体ハ美シイ……」
彼の両手が少女の臀部を支え、上下に揺さぶる。女子高生は最初こそ恥じらいを見せたが、リザードマンの優しい動きに安心したのか、やがて積極的に腰を前後に振るようになった。
少し離れた岩陰では、2人の熟女がリザードマンを相手にしていた。
「ふふ……私は昔と比べたら枯れ木みたいなもんだけど……」
彼女は笑いながらも衰えぬ技術で彼らを翻弄する。一人の尻尾を手で扱きながら、もう一人の交接器を口腔で愛撫する。老婦人の舌技にリザードマンたちは興奮のあまり喉を鳴らした。
「ンゴ……ンゴ……」
「奥様……コレハ凄イ……ヒトノ口ノナカ……良スギル……」
彼女の豊富な経験は若いリザードマンたちに新たな快楽を教え込んでいた。
一方、漁師たちは酒瓶片手にその光景を眺めていた。
「おーいザイール!美咲ちゃんと楽しんでるかー?」
「あはは!うちの嫁も頑張ってるぜ!」
彼らは大声で笑いながらも、目はしっかりとリザードマンのセックスを見守っていた。女たちが腰を振り、リザードマンが呻くたびに、「おおっ!」と歓声を上げる。それは野球観戦に似ていた。
「いやあ、あの子高3か。いい腰つきだな〜」
「おっ!あっちのリザードマン、バックから攻めてるぞ!」
「おう!見てみろよ。お袋、まだ現役じゃねえか!」
彼らの笑い声が浜辺に響く。しかし馬鹿にしているわけではない。尊敬の念と羨望が混ざった祝福だった。
「さすがだなリザードマンたち!女泣かせだ!」
「まあ俺らも穴兄弟だな!ぎゃはは!」
「美咲ちゃーん!後で詳しく教えてくれよー!」
酒がまわると次第に卑猥な野次が増え始める。
「おおい!もう一発出してやれよ!」
「そっちのリザードマン!そろそろぶっ放す準備できてんだろうが!」
「ザイール!お前の嫁は俺たちの憧れだぞ!」
ザイールが一番初めに限界を迎えた。彼の背中が弓なりに反り、鱗が逆立つ。
「美咲……出ルゾ……!」
「うん……全部ちょうだい…… 」
美咲が足を彼の腰に絡めると、ザイールの下半身が痙攣した。熱い精液が子宮口を叩き、彼女の内股が震える。
「ああっ……ザイール……!すっごい量……」
その光景に漁師たちが沸き立つ。
「おおおお!出たぞ!」
「やったなザイール!次は俺の番だ!」
「美咲ちゃん!最高の嫁だな!」
周囲でも次々とリザードマンたちが頂点に達した。白濁液が砂浜に散り、女たちの嬌声が重なる。
「私も……いっちゃう……」
「あああっ!こんな奥まで来たの初めて……!」
「熱い……リザードマンさんの……すごい……」
ザイールは精液を出し尽くすと、美咲を優しく抱き寄せた。彼女の額に鱗をこすりつけながら囁く。
「君達が我らを受け入れてくれた……感謝する」
美咲は彼の腕の中で微笑んだ。
「あなた達も私たちを受け入れてくれた。これが本当の共生ね」
朝日が水平線から昇り始め、精子に濡れた浜辺を照らし出す。リザードマンと銚子の住民たちの絆は、まさに身体を介して生まれたのだ。
漁師たちは祝杯を挙げながら笑い合った。
「よっしゃ!今日はめでたい!今日から俺らは穴兄弟だ!」
「よーし!明日からもっといい釣り場教えようぜ!」
「ザイール!美咲ちゃん!結婚式は盛大にやろうな!」
彼らの絆は性を超え、命を超えて繋がった。これが新しい日本の形かもしれない――銚子の浜ではそう感じられた。