異世界侵食列島日本 異世界の●●が日本にきたら? 65話からイラストつきです。 作:みなぽん
まさか、転移先が「シンジュクエキ」などという謎の迷宮とは。
私、ポリィア・ウェンディ。ホビットの里では“偉大なる賢者”などと呼ばれていたけれど……今のこの状況では、ただの迷子の子どもにしか見えないらしい。
足元を通り過ぎる人々が、みんな私の頭の上しか見ていない。ああ、無情。
「お嬢ちゃん、迷子かい?」
駅員と呼ばれる青い制服の男性が、ひょいっと私を覗き込む。……ふむ、この者、魔力はゼロ。だが人間族にしては親切そうだ。
「ち、違いますわたくし、れっきとした大賢者ポリィア・ウェンディですの!」
胸を張って宣言したのに、「はいはい」と微笑ましそうな目で見られた。くっ……! この外見、なんて罪深いのかしら。
見渡す限り、鉄と光と人の波。馬もいなければ、荷馬車もない。魔力の流れもほとんど感じられないのに、巨大な金属の箱が「ゴオオオォン」とうなりを上げて進んでいく。
「これが……“でんしゃ”……というやつですのね……!」
呪文の詠唱のようにボソリとつぶやいた瞬間――
「おい、子どもが線路の方に近づいてるぞ!」
ぎょえ!? いつの間にか私は、柵の前まで歩いていたらしい。
「ち、違うのですの、観察していただけですの!」
「お嬢ちゃん危ないよ〜!」
駅員が抱き上げ、私はまるで仔猫のように引き戻された。屈辱である……。
「Suicaはお持ちですか?」
「……すいか?」
「ICカード……あの……お金を払うやつです」
ふむ。どうやら、この“でんしゃ”なる鉄の獣に乗るには、金貨ではなく“すいか”なる呪具が必要らしい。どこで手に入れるのかと尋ねると、透明な箱の中に入っているらしい。
「そこの機械で買えますよ」
私は自動券売機の前に立った。光るボタン。人の声ではない、だがどこか優しい音。
「……ほう。無詠唱型の魔導機ですのね……!」
目を輝かせ、ボタンを押す。
「ええと、“子供を選ぶんです」
「わたくし、大人ですのよ!」
係の女性が「ふふ」と笑った。どうして笑うの!? 本当に大人なのに!
無事に「すいかカード」を手に入れた私は、改札なる謎の関門に突撃した。
ピッ――
「うひゃっ!? ひ、扉が開いた! 自動認識式魔法陣ですの!?」
思わず杖を構えた私に、後ろの人たちがドドドと詰まる。
「おいちょっと! 止まるなよ!」
「はやく進めよー!」
「ま、待つのですわ!? 魔法の検問が――きゃっ!」
押し出されるように私は改札を抜け、怒涛のような人波に飲み込まれた。
「こ、これはまるで……冒険者ギルドの納税窓口のような混雑……!」
ホームにたどり着く頃には、髪はぐしゃぐしゃ、ローブは少し汚れ、そして心は若干折れかけていた。
それでも、私は賢者。
異世界の知をもってすれば、この“シンジュクエキ”とて必ずや攻略してみせる。
私は小さな杖を掲げ、地面に魔方陣を書き、小声で呪文を唱えた。
「《見通しの眼(シア・サイト)》」
視界にルーンが走り、人々の動き、路線図、発車ベルのリズムが網の目のように見えてくる。
「……ふふっ、見えましたの。これで、この迷宮の構造も理解できる……!」
が、そのとき。
「お嬢ちゃん、勝手に床に座り込んじゃダメだよ〜!それに落書きまでしちゃって困った子だなぁ」
「違いますの! これは高等占術ですの!」また、抱き上げられてしまったこうして、大賢者ポリィア・ウェンディと「シンジュクエキ」の戦いは幕を開けたのだった。
あのとき、私の賢者としての感覚が、空気の“震え”をとらえた。
「……魔力の波動ですの!」
次の瞬間、中央本線のホーム中央――赤とオレンジのラインが引かれたその床の上に、青白い光が円を描きながら広がった。
――異世界ゲート。どうやら私の転移だけでなく、他のものもこの座標に転移してくるようだ。ー
「う、うわああああっ! 床が割れてる!?」
「なにこれなにこれなにこれえええ!?」
人々の悲鳴と同時に、魔方陣の中心から現れたのは、二メートルをゆうに超える獣人――いや、あれは……
「……ミノタウロス、ですの!」
黒光りする角、隆々とした胸筋。腰には巨大なバトルアクス。
鼻息は“シュゴォォ”と蒸気のように白く噴き上がり、駅の空気がピリッと緊張した。
そのとき、タイミング最悪にも、ホームにオレンジ色の電車が――
ゴオオオオオオ――ンッ!!
「中央特快、まいりま〜す!」という無邪気な自動アナウンスと共に、鉄の車体が走り込んでくる。
「ぶもおおおおおおおおお!」ギギギギィィィィィィンッ!!
ミノタウロスは轟音とともに、突っ込んできた列車の正面をバトルアクスの一撃で受け止めた!列車の前面が5メートルほどの幅でパックリと割れている!スパークが飛び散り、金属が悲鳴を上げる。
「とんだ、ばか力ですの……!」
車内の乗客の悲鳴がガラス越しに響き、ホームは一瞬でパニックになった。
「ぎゃあああああ!」
「逃げろ! モンスターだ!」
「撮ってる場合じゃねえええ!」
スマホを構えていた若者たちが蜘蛛の子を散らすように逃げ、改札側から駅員が必死に拡声器を鳴らしている。
「モンスターゲート出現、全員避難してください!!」
ドゴォォン!!
床を叩き割るようにして、ミノタウロスの斧がコンクリートを砕く。破片が飛び散り、ベンチや自販機が吹き飛ぶ。
「ふんッ! ふんッッ!!」完全に戦闘状態。
これは、もはや生半可な武器では対処しきれない。
「そこの獣人、止まりなさい!さもないと発砲します。」
青い制服に小さな筒を持った女性がミノタウロスに挑む
「止まれと言っているでしょう!」
婦人警官は拳銃を両手で構え、歯を食いしばっていた。
「警告を無視したら発砲しますよ! !」
彼女はどうやらミノタウロスを獣人だと思っているようだ。
しかし、亜人の牛の獣人とは違い、あれはれっきとしたモンスターなのだ
ミノタウロスは振り返り、その血走った瞳で制服姿を見下ろした。
ふん、と鼻を鳴らすだけで、言葉の意味など理解している風はない。
「いいですか! こちらは警告しましたからね!」
婦警がトリガーに指をかけた瞬間――
――ゴシャッ。ミノタウロスの拳が風を切り、婦警の脇腹にめり込んだ。
「かはっ……!」
制服が裂け、血がにじむ。体が宙を舞い、ホームの端の壁に叩きつけられる。
<div>そのまま崩れ落ちる。うつ伏せのまま苦しげに咳き込む。拳銃は転がって遠くに滑った。
「やめ……ろ…っ」
ミノタウロスはゆっくり歩み寄り、首根っこをつかんで持ち上げた。
「ギェッ……」
喉が絞まり、足が宙を蹴る。制服の襟が裂け、肌が露わになる。
獣の唸りと、布の裂ける音。呻き!「やだ、こんなところでやめて!」
ミノタウロスの勃起したちんぽに、彼女は怯えていた。
強い獣臭こちらまたで漂ってくる。
それがどうしようもなくいやらしくて不吉な予感を強めた。
彼女の股間にはミノタウロスの大きな亀頭が押し付けられており。
すでに濡れていたのかちゅっちゅっと音を立てていた。
ズプッ!「ひゃぁ……!」
パンツ越しに亀頭の先端だけが挿入されると。いまだに彼女は抵抗していた。
ズリュッ!パンッ!パンッ!
「やめろ…… ぐぅ……♡」
ミノタウロスは容赦なくパンツごと突き入れようとしている。彼女は足を暴れさせるが無駄であった。
「きゃああああ!」
その叫び声と共にミノタウロスの肉槍は彼女の生殖器の中に埋没していった。
ブモォォオオオ!! ミノタウロスの咆哮に合わせて激しく腰を振る。
ズチュ!グチャ!ヌッチュ!パンッ!パンッ! 肉欲塗れの音が響き渡る。
「あぁ……やめて…… やめてよぉぉ…… ぐえぇえ……♡」
「やめろ…… んひぃいぃいぃん!?♡」
彼女は腰を掴まれて激しく突かれてしまっていた。もう何を言っても無駄だろう。
モンスターの体液には、強烈な催淫効果がある。それにかかってしまえば、処女だろうが、幼女だろうがメス堕ちし腰を振ることになる。
彼女はパンツを脱がされることさえ許されていないのだ。ズプズプズプッとリズミカルな水音を立てながらどんどん奥へ進んでいく。
その行為はまさに蹂躙といってよいものだった。ミノタウロスのそれはあまりにも大きすぎるためかまるで別の生き物が寄生しているような感覚に陥ってしまうだろう。
パン! パン! パン! パン! パン! パン!
激しい抽送の音が聞こえるほど乱暴に扱われているのにも関わらず婦警は喘いでしまっていた。
「やぁあ…… ♡ 深いよぉ…… こんなの……っ すごいぃぃ…… ♡」
パン! パン! パン! パン! パン! パン!
「あぁあ…… 子宮壊れちゃうう……っ♡ 奥に当たるたび…… 壊れていく…… ♡」
その快楽の渦に飲み込まれながらも理性を保とうとする。
ミノタウロスはそれを嘲笑うかのように更に強く打ち付けていく。
「あぁ…… ♡ あ…… あ…… ♡ あ…… あ…… ♡ イク…… ♡」
ブビュルルルー!!
勢いよく放たれた精液が大量に注ぎ込まれていくと同時に絶頂を迎える彼女であった。
私は固唾を飲んでそれを見守っていた。
「何をしているんだADDSATは!あのままじゃ婦警さん殺されちゃうぞ」
ホームにいた群衆が叫んでいる。この世界では、あれほど人間がいるのに、冒険者や騎士はいないのだろうか、まるで羊の群れのように怯える人々!
私はローブの裾をひるがえし、杖を構えた。
「賢者ポリィア・ウェンディ、参りますの!」
――人混みの中をすり抜け、ホームの先端へ。小柄な身体は、こういうとき実に便利。
目の前では、巨体がバトルアクスを肩に担ぎ、咆哮していた。
「グォォォォォォォッ!!!」
私は杖の先端に魔力を集中させた。
魔方陣が床に浮かび、空気がビリビリと震える。
「――《拘束の鎖(バインディング・チェイン)》!」
金色の光がミノタウロスの足元から立ち上がり、両脚をガシィッと縛り上げる!
「グルォォォッ!?」巨体がわずかによろめいた。
「ちびっ子がやったのか!?」
―違うのですわ。ちびっ子じゃありません。私は賢者ですの
「……さあ、異界の獣よ。この“シンジュク”を荒らした責任――取ってもらいますの!」
私は杖を天にかざし、駅のホームを揺るがすほどの光を収束させた。
ミノタウロスの咆哮が、鉄骨の天井に反響した。
「グォォォォォォオオオオオオッ!!!」
耳をつんざく轟音と同時に、拘束の鎖がバキィッときしむ。
一瞬で完全には破れなかったのは幸いだが……奴の筋力は私の想定をはるかに上回っている。
(この魔力……上級個体ですの! ただのミノタウロスじゃありませんわ!)
「グォォオオオオッ!!」
鈍い音と共に、金色の光の鎖が粉々に砕け散った。
ミノタウロスの足元を縛り上げていたはずの魔法は、まるで脆い硝子細工のように容易く破壊されたのだ。
「な……なんですの!? この強度は……!」
驚愕の声を上げる間もなく、次の瞬間――巨体が風を巻き起こしながら私に向かって突進してきた!
その速度は先ほどの比ではない。完全にターゲットにされた。
「くっ! 《炎の矢(フレイムアロー)》!」
咄嗟に杖を振り上げ、魔力で練り上げた灼熱の矢を複数発射する。しかし、ミノタウロスは斧を豪快に薙ぎ払い、炎をことごとく消し飛ばした。それどころか、その衝撃波が私の軽い身体を紙切れのように吹き飛ばす!
「きゃあっ!?」
ベンチに背中から叩きつけられ、一瞬息が止まる。痛みで頭がクラクラする。だが、ここで気を失ってはいけない。
「グォルル……!」
ミノタウロスがゆっくりと近づいてくる。その目は獲物を見つけた捕食者のそれだ。バトルアクスの先端がギラリと光を反射する。
まずい。逃げ場がない。そして何よりも――
(魔力が、消耗が激しい……! この空間……妙に魔力の流れが滞っているのですの……!)
現代の駅という場所は、様々な技術や機械が作り出す特殊な結界のようなもので満ちているのかもしれない。私の魔法が本来の威力を発揮できていないのはそのためか?
ミノタウロスが斧を振り上げた。その顔には明らかに愉悦の表情が浮かんでいる。私のような弱者をいたぶるのが楽しいのだろう。
「ぐぅっ……!」
ミノタウロスの巨斧が振り下ろされる寸前、私は床に散らばったコンクリート片を蹴り上げた。僅かに軌道を逸れた斧が壁に深々と突き刺さる。私は這うようにして距離を取り立ち上がろうとするが、膝が震えて立ち上がれない。
「グォオオッ!!」
怒り狂ったミノタウロスが雄叫びを上げ、私めがけて突進してきた。鉄塔のような太い腕が伸びてきて―!
「ひっ……!」
両肩を掴まれて引き寄せられる。ゴツゴツとした岩のような皮膚が頬に触れる。荒い鼻息が髪を揺らし、獣臭が鼻腔を侵す。間近で見る牛頭の目は血走っていて、理性など欠片もない欲望だけが宿っていた。
「離して……くださいまし……!」
必死に手足を動かしてもビクともしない。それどころかミノタウロスは嗜虐的に笑みを浮かべると、私の体を軽々と持ち上げた。服が乱れ、膝上のフリルスカートが大きく捲れ上がる。
「いやっ……見ないで……!」
慌てて押さえようとするが両手首を握られて頭上で固定されてしまう。ショーツが丸見えになっているのが恥ずかしくて堪らない。しかもその白い布地は既に溢れ出た蜜でじっとり濡れていた。
「グォルル……」
ミノタウロスは嘲笑うように低く唸ると、指先で布越しに秘裂をなぞった。
「ひぁんっ!?」
敏感な粘膜への刺激に思わず声が漏れる。その反応に興奮したのか、太い指が上下に往復し始めた。くちゅくちゅと水音が響き渡る。
「やめて……そんなところ……あっ、ああぁ……」
抵抗しようと腰を捩るが却って逆効果だった。淫液で滑る指がヌプリと布地越しに割れ目に潜り込んでくる。太く硬い指先が襞の奥を探るように蠢き─
「んあああっ!?」
クリトリスに当たった瞬間、電流のような快感が全身を貫いた。薄桃色の乳首はシスター服越しにも分かるほど尖り、ピンクのショーツのクロッチ部分からはトロトロの愛液が糸を引いている。
「こんな……辱め……受け入れるわけには……!」
魔力を練り上げようとするが駅舎の特殊魔力のせいでうまくいかない。そうこうしているうちにミノタウロスは腰布を乱暴に破り捨てた。露わになったのは黒光りする極太の肉棒。血管が脈打ち凶悪な形をしている。
「そんな……大きなモノが……入るはずが……!」
恐怖で顔が引き攣る。だがミノタウロスは愉悦に満ちた笑みを浮かべると、私の腰を抱え込み挿入口へと押し当てた。
「やめてくださいませ……お願いします……」
涙ながらに懇願するが相手に届くはずもなく─ブヂュリッ!
「きゃああああっ!!!」
貫く鈍い音と共に凄まじい痛みが襲ってきた。子宮口まで達した亀頭が内臓を圧迫し呼吸すらままならない。
「お゛ぉぉ……痛い……裂けちゃいます……わ…」
苦悶に歪む顔を覗き込むようにミノタウロスが身を屈めてきた。牛の舌がざらりと頬を舐める。鉄錆のような味が混じっていた。恐らく自分の出血なのだろう。
「んくっ……ふぐっ……」
パンッ!パァンッ!と乾いた打擲音が響く度に結合部から鮮血と愛液が飛び散る。未成熟な蜜壷は強引に広げられ、子宮まで蹂躙されているというのに……
「なんで……気持ちよく……なんて……」
相反する感情が脳内で渦巻く。心では拒絶していても肉体は正直だった。突かれる度に子宮が疼き愛液の分泌が増していく。それは恥知らずな己の体に対する嫌悪感すら生じさせた。
「グォオオッ!!」
野獣が吠えると同時に律動が加速した。巨大な肉杭が抜き差しされる度に内臓が掻き回される感覚。そして最奥まで突き込まれた刹那──
「ひぃっ!? 熱い……中で……!」
ドクッドクッと大量の精液が注ぎ込まれる感触。腹の中で温かいものが広がっていく。それと同時に自分も絶頂を迎えていた。無理やり与えられた快楽に抗えなかった屈辱が胸を締め付ける。
「ぐふ……ぅ…」
全て吐き出し終えたミノタウロスがゆっくりとペニスを引き抜く。ゴポリッと音を立てて子宮から溢れ出した白濁液が太腿を伝い落ちる。力尽きたように倒れ込んだ私。「ブモオオオオオオ!」迫り来るミノタウロス
「この程度で……終わるものですか!」
最後の抵抗とばかりに、自爆魔法を発動させようとした、その時――
『――総員、目標ミノタウロス!』
凛とした命令がスピーカーから響き渡った。
同時に、ホームの入り口から制服に身を包んだ集団が雪崩れ込んできた。彼らはそれぞれ銃火器や特殊な装置を携えている。そして隊長格のものは特別な装束を身に付けているようだ
「ADSSAT異次元災害特殊強襲部隊(Another dimension disaster Special Assault Team, )の第四機動隊 立花珠姫です! 市民は速やかに避難してください!」
長い黒髪の美しい凛とした美形の女性だ。
リーダー格の女性が叫ぶと同時に、隊員たちが素早くミノタウロスを取り囲み始めた。
「対魔装備部隊、前へ! 誘導班は非戦闘員の誘導を継続!」
「四機の立花珠姫!戦巫女じゃね?すげぇ」近くにいた男が感激の面持ちで叫んだ。
「同じく第四機動隊のイリア ランバート、私たちが来たからには、好きにさせないわよ」赤い髪のレイピアを構えた少女が怖じることなくミノタウロスと向き合う。S級冒険者であっても脅威に感じる相手に、あの態度、よっぽどの実力者がよっぽどの馬鹿のどちらかだろう。
「ブモオオオオオオ!」怒り狂うミノタウロス。だがADSSATの隊員たちは冷静沈着だ。連携してミノタウロスの行動を制限していく。
「グォアアアッ!!」ミノタウロスが咆哮を上げバトルアクスを振り回すが隊員たちは巧みに回避し攻撃を加えていく。一人ひとりは私より弱いかもしれないが統率された動きが大きな力を発揮しているようだ。
「見事ね、これが“組織戦”というものなのかしら!?」
私はその様子を呆然と眺めていた。単独の冒険者として育った私にとってそれは未知の光景だった。
やがて戦いは終焉を迎えた。ADSSAT隊員による的確な連携攻撃によりミノタウロスは追い詰められたのである。
「グォオオ……!」ミノタウロスが苦し紛れに突進してくるも待ち受けていたのは絶望的な光景だった――
「烈風斬!」黒髪が叫び!「流星突き」と赤髪が呼応する。魔力を乗せた突きと斬撃の同時攻撃!
「グォオオオオオオオッッ!!!」
ミノタウロスの頭蓋が爆散し、血煙が噴き上がった。
勝負あり。凄まじいまでのコンビネーションだった。
「――戦闘終了。生存者確認を急げ!」
隊長格の女性――立花珠姫が冷静に指示を飛ばす。周囲の隊員たちが傷ついた婦警のもとに駆け寄り救護を開始する。
私は膝をつき呆然としていた。賢者たり私が自分が何もできなかったことが悔しかった。しかし同時に安堵もあった。あの怪物が消えたことで少なくともこれ以上の犠牲者は出ないだろうからだ。
「お嬢ちゃん大丈夫か?」
声をかけられたので振り向くとそこには見覚えのある青年が立っていた。「お嬢ちゃん呼ばわりした男だ」
「あらあなたは……」
「こんな小さな子供に牛野郎め!怖かっただろう」彼は服を脱いで私の裸身を包んでくれた。そして私は子猫のように抱き抱えられる。
「あ、あの、、」(私、こう見えても大賢者で、367歳ですの)といえればどれだけ楽だろうか。
私は複雑な気分で頷いた。彼の気遣いは嬉しいが同時に情けなさも感じるのだ。
「お兄さん、お名前は何と言うのかしら?」
「俺か?俺は神代武臣。ADSSAT所属の技術屋だ」
「神代……さん……」
私は彼の顔を見つめながら小さく呟いた。なぜだろうか初めて会ったはずなのにどこか懐かしい印象を受けたのである。そして何故かとても安心できたのだ。
「あの怪物は一体なんなんだ?突然駅にあらわれて、新宿駅には防御結界があるのに」
武臣さんは困惑した様子で言った。
「ぼうぎょけっかい?」(防御結界、それが私の能力をナーフしたのかしら?)私は幼女ムーブで問う。子供のように抱っこされているとこう振る舞うしかない。私は泣く泣く子どものふりをする。
「あれ?君は知らないのか、いまこの世界では異次元からの転移が始まっているんだ、異世界の亜人や冒険者が店員してくるだけならいいが、危険なモンスターも次々やってきてるんだ」
武臣さんが困ったような顔で言った。
「知りません。だってこの街に来るのは今日が初めてなのですもの」
私は首を傾げて答えた。すると彼はますます困惑した表情を浮かべたのである。
「えっと……そうかと遠くから電車で来たのかなあずさに乗って長野から来たの?」
「遠い所から……来たのですわ」私は曖昧に答えた。異世界から来たと言っても信じてもらえるかどうかわからないし説明するのも面倒だからだ。
「そうか……まぁ色々あって混乱してるだろうけどとりあえずここから離れようか」武臣さんは優しく微笑むと私を抱き上げて歩き出した。
「とりあえず状況が落ち着くまで、この駅の休憩室にいてくれ。シャワーもある、ヒーリングが使える隊員も呼んでくるよ。」
私は彼の腕の中でぼんやりと考え事をしていた。(これからどうしようかしら?)
突然やってきたこの世界でこれからどのように生きて行けば良いのか全く見当もつかない状況だったのである。(でも何とかなるんじゃないかしら?)
そんなことを考えつつ私は彼の温もりを感じながら眠りについたのである。
駅の休憩所で私はヒールをかけてもらい、シャワーと言う便利な身体洗浄の部屋で体を洗った。
そしてADDSATの隊員が駅の中にある小さな店から色々と飲み物や食べ物を持ってきてくれた。そのすべてが私たちの世界で食べるものよりも、はるかに美味しくカラフルで洗練されていた。
「君はポリィアっていうのか」と神代武臣が言う。
「ええ、ポリィア・ウェンディと申しますの、私はこの世界の住人ではないのです。ついさっき新宿駅に飛ばされてきたのですわ。」私は礼儀正しく挨拶した。
「そうか、お父さん、お母さん会いたいよね。かわいそうに、」彼は優しい笑みを浮かべた。
「あの、、子供扱いしないでくださる。私はホビットで、これでも367歳で大賢者なんですよ。」むくれて答える私に、彼は爆笑した。
「あはははごめんね、ポリィアさん、ちいちゃな子供のくせに変な話し方すると思ってたらそうなんだ。でもあんまり君が可愛いからさぁ今でも俺の頭バグってるよ。君はミノタウロスにと戦ってたんだね。あの魔法は君がやってたんだ。すごいね。」ごめんねしながら、私の頭をなでなでしてくるのは困ったものだ。
「当然ですの! 私は賢者ポリィア・ウェンディですのよ!」
ぷいっと横を向きながらも内心では少し嬉しく思う自分がいる。褒められて悪い気はしないものだ。
「その件で相談したいんだけど……」
武臣が真剣な表情になって腰を下ろした。
「実は新宿駅周辺の結界システムがおかしくなってる。原因はおそらく異世界転移による異常エネルギーの流入だと思う。今新宿駅は魔物が徘徊する。ダンジョンとかしてしまった。ここに閉じ込められた市民は千人規模になる可能性がある」
「なんですって!? ダンジョン化……?」
私は椅子から飛び起きそうになった。
「現在の状況だと、新宿駅を中心に半径1キロくらいが外部と遮断されてる。ネット通信も電話もGPSも使えない。だから救援部隊が入れない。突入したADDSATは俺も入れて50人、これで千人の市民をモンスターから守りながら、この事態をなんとかしなきゃいけないんだ。」
「そんな……! 」
「そこで君の力が必要なんだ。魔法の専門家として!俺と一緒に新宿の目まで行ってシステムの暴走を止めて欲しいんだよ」
武臣の真剣な眼差しが私を見据える。
「力なき人々を助けるのは、賢者としての勤めですわ 」
私は杖を握りしめ、立ち上がった。
「行きましょう。あなたのいうしすてむとやらを見せていただきたいですわ」
私と神代武臣は新宿駅東口を抜け、西口へ通路に降りた。
ADDSATの一般隊員は珠姫の指揮のもと市民たちの護衛にあたり、私たちにはイリアランバートという赤髪の少女と2人のADDSAT隊員が同行してくれた。
湿ったコンクリートの匂いが鼻をつく。明滅するLED照明と防災設備の警報音が耳障りだ。
「ここも今はダンジョン化してモンスターが跋扈してる」武臣が警戒しながら歩を進める。
「なるほど。空気中の魔力濃度が異常に高いですの……!」
私は杖を掲げ、視界に魔力分析のルーンを展開した。暗がりの中に蠢く影が複数見える。
「キィーッ!」鋭い鳴き声と共に、蝙蝠型の低級モンスター「ダークバット」が奇襲を仕掛けてきた。
「《魔弾(マジックショット)》!」
私は杖から青白い魔力の光球を放ち、迫りくる蝙蝠を撃ち落とす。
「ポリィアさん!右からも!」
イリアの警告と同時に、背後の曲がり角からゴブリンの集団が現れた。緑色の肌をした小鬼たちが汚れた牙を剥いて襲い掛かる。
「任せて。《炎刃(フレイムエッジ)》」
イリアのレイピアが魔力で赤熱し、振るわれるたびに炎の軌跡が描かれた。
ゴブリンたちは火だるまと化し、甲高い悲鳴を上げて床に転がった。
「やるねぇ! レイピア使い!」私は感嘆の声を上げた。
「まあね!Sクラス冒険者相当って言われてるわ!」イリアは得意気に胸を張る。
ADDSATの隊員たちも小型銃で援護射撃をしてくれる。どうやら魔力弾を撃ち出す機構らしい。
私たちは警戒しながら進んで行く。
「……やはりおかしいですの」
私は眉をひそめた。
「確かにここの魔力濃度は高すぎるわ。まるでダンジョンボスがいる。本当のダンジョンみたい」
イリアも同意する。
「この空間そのものが、誰かに管理されてる感じがするですわ」
魔力解析を続けると、壁や柱の至る所に微かな刻印が走っていることに気づいた。
「これは……魔力制御紋様!? 意図的に魔力を誘導してる……!」
「どういうことだ?」武臣が訊ねる。
「この場所を作った存在がいますの。人為的にダンジョン化を進行させてる……!」
「これは多分、バベル旅団のマジックテロね!異世界のモンスターを神と崇めるカルト教団なのよ」イリアが
険しい顔で言った。
「バベル旅団……」
「私たちADDSATが追っている奴らよ!」
通路を抜けた先の壁が突然崩れ落ち、内部に巨大な空間が露出した。
「これは……地下構造物……!」
広大な円筒形の空間。天井は遥か高く、無数のパイプやケーブルが絡み合い、中央には巨大な魔力炉が設置されている。
「新宿駅中央管制センターだ!」武臣が叫んだ。
「ここがシステムの中枢ですのね……」
私は魔力感知をさらに広げる。
「まずい……! ここの魔力暴走が原因で……あそこにいる魔物!あれは!あれは……!」
「なんだって!?」
「あれは……『ドラゴン』ですの!!ダンジョンの核となる最上位モンスターですわ!!」
巨大な影が魔力炉の上に佇んでいた。漆黒の鱗に覆われた竜。額に禍々しい魔石が埋め込まれている。
「グゥゥ……!」
コアドラゴンがこちらに気づき、赤い瞳が怪しく光った。
「撤退しますの!」
私は即座に判断した。
「無理よ!あれはSクラス級の脅威!対処できる手段なんて」
イリアが悲鳴のような声を上げた。
「とにかく……全員一旦退避!地上に出るぞ!」
武臣の号令で全員が出口へ向かった。
コアドラゴンが重々しく翼を広げると――
「ゴアアアッ!!」
炎のブレスが放たれた!灼熱の奔流が通路を焼き尽くす。
「きゃあっ!」
「ぐっ……!」
私たちは全力で駆け抜けた。背後の壁が融解し、熱風が髪を焦がす。
なんとか遮蔽物に身を隠することができた
「はぁ……はぁ……」全員が息を切らしている。
「あらあら残念。いいところまで行けたのに」
突然、女の声が響いた。
振り返ると、長身の女性が妖艶な笑みを浮かべて立っていた。
「誰だ?」
「妾はアルルス。バベル旅団の幹部よ。よくドラゴンの存在を感知したわね。なかなか面白い子じゃない?チビの魔法使いさん?」
私は息を整えながら杖を構え直した。
「貴様……この新宿駅にモンスターを呼び寄せて……コアドラゴンをここに配置してダンジョン化を進めたのですね!」
「その通りよぉ」アルルスがクスクスと笑う。
「この駅には人々のストレスや欲望など、膨大な魔力資源が眠っているの。妾たちはその力を使って、この駅に巨大な召喚ホールを作り出すつもりよ。東京全体をモンスターで追うほどのね。。あとは時間の問題だったのだけど、まさか君達がここまで嗅ぎつけるとは思わなかったわぁ」
「貴様らの目的はなんですの!」
「ふふふ……簡単なことよ。人類の愚かさに罰を与えるの。異世界の力を得た者が世界を支配するべきなのよ!」
アルルスが手をかざすと、周囲の空間が歪み始めた。
「あなたたちもエネルギーの1つになりなさい。傀儡兵!やっておしまい!」
黒い光が空間を包み込み――地面から、黒ずくめの兵士たちが現れる。
輪姦地獄:絶望の檻
「傀儡兵団……!」イリアが絶叫した。
黒衣の兵士たちが影のように湧き出し、私たちを取り囲む。その数は50を超えていた。
「さあ踊りなさい」アルルスが指を鳴らした。
「グギャア!」先頭の兵士が武臣に躍りかかる!
「この野郎!」武臣は必死に抵抗するが――
「やめろ!離せ!」
無数の手が武臣を羽交い絞めにする。魔族因子をもつ兵士たちの力は圧倒的だ。
「くっ……!」
武臣は床に押さえつけられ、四肢を完全に固定される。
「さあポリィアちゃん、イリアちゃん」アルルスの声が冷酷に響く。「あなたたちには特別なおもてなしを用意したわ」
「なにを……!?」イリアが震える声で問う。
「君たちの尊厳をズタズタにしてあげる。この男の目の前でね♪」
アルルスの命令一下――
「えっ……なにを……!?」
傀儡兵たちの手がイリアの服を引き裂き始めた!
「やめて!やめてよ!やめ……あっ!」
抵抗虚しく純白のブラウスが引き裂かれ、豊かな乳房が露わになる。
「い、いやぁあああ!」
さらにスカートを引きちぎられると、ピンクのショーツが晒された。
「いやっ!いやああ!やめてぇぇ!」
泣き叫ぶイリア。兵士たちは冷笑しながらショーツに手をかける。
「ひっ!やだ!やだあああ!」
イリアの絶叫が響き渡る。
一方私は――
「ちょっ……離してくだ……ああっ!」
小さな体が地面に組み伏せられ、首筋に生温かい息がかかる。
「くふ……」
幼い体が男たちの汗と異臭に包まれる。服はびりびりに破られ、下着が剥ぎ取られる。
「やだっ!やめて……そんなところ触らないで……あっ!」
小さな唇が強引に塞がれる。
「んー!んんんー!」
必死に頭を振るが拘束は強まるばかり。無骨な指が股間に忍び寄る。
「いっ……いやっ!痛い……っ!」
無理やり割り裂かれた秘裂に鉄のように硬いモノが突き立てられる。
「ああっ!痛い!痛いよぉ!」
メリメリと音を立てて体内に入り込む異物。
「いやああああ!」
イリアも同様に蹂躙されている。甲高い悲鳴が断続的に響く。
「イリア!ポリィア!」
武臣が懸命に叫ぶ。
「このクソ野郎!ポリィアを離せ!離せ!」
武臣の叫びも空しく、兵士たちの性欲は収まらない。
「ほら、ちびっこのちいちゃなまんこに、俺たちのちんぽが入ってるぜ」
買い上げられて結合部を武臣に見せつけられた
私の体が痙攣する。吐き気を催すほどの嫌悪感。
「もう……やめて……」ズチュズチュズチュズチュ、男が突き上げるたびに、私の割れ目から淫らな音が響く。
「このメスがちんぽ入れられて、おまんこ濡らしてるじゃん。ガキのくせに変態なんじゃねーの」(しょうがないじゃない子供じゃないんだもの)「痛い!いや!いや!やめてください!」私の悲鳴は無視され続け、子宮口を殴られるような激痛が続く。
一方イリアは拘束されその体に、たくさんの男が群がっていた。
「ADDSATの犬に成り下がった異世界人め!徹底的にわからせてやる」男の一物が、彼女の割れ目に容赦なく打ち込まれる。そして口の中にも汚らしいものをねじ込まれ、さらに乳房にもぐりぐりと男たちのものが押し付けられる、まるでちんぽの包囲網のような状態だ。
「やだ、やめろ……やめてよおおおっ!」イリアが泣き叫ぶ。その瞳から涙が溢れ出ていた。
そして武臣の方を見て、「だめ……神代君そんな目で見ないで……お願いだから……」と訴えた。
しかし男たちに凌辱されたイリアの体はぐったりと項垂れてしまうのだった……。
男たちは嘲笑しながらイリアの体を弄び続ける。
「ほうらこれでどうだ?気持ちいいだろ?」と男の一人が言った。
「いや……いやああっ!」とイリアが必死に抵抗するも男たちの力には敵わずただされるがままになってしまう。
そして彼女の割れ目にはたくさんの精子が注がれていく……。
「ぐふ……ううっ……」と嗚咽を漏らしながら犯されてゆく彼女を見ながら私は恐怖と絶望を感じていた。
そしてその惨状を見せつけられている武臣もまた無力感に苛まれていた……。
「ポリィア!イリア!」必死に叫ぶ武臣だがその声は届かない……。
「あぁっ……やめて……もう無理……壊れるぅっ!」
何度も絶頂を迎えさせられた体は限界を迎えようとしていた。
「イリアぁっ!ポリィアぁっ!誰か!誰か来てくれぇぇっ!!」武臣の悲痛な叫びが地下空間に響き渡った!
地下管制室は絶望に染まっていた。アルルスの哄笑と、傀儡兵どもの下卑た歓声。蹂躙されるイリアと私。組み伏せられた武臣の絶叫。
ザッ! 風切り音と共に現れたのは、長い黒髪を靡かせる一人の女。
右手には無骨な日本刀『和泉守兼定』。左腰には魔力増幅ユニット。巫女服が闇夜に映える。
「イリア……遅くなってすまない、私の大切な人を……よくもっ!」
声は静かだが怒りが燃え盛る。ADDSAT特務隊長・立花珠姫の双眸が金色に輝く。
彼女の手元で微細な魔法紋章が浮かび上がる。
「あら? 来たわね。待ってたわよ『ADDSATの戦巫女』様♡」
アルルスが愉悦に浸る。だが珠姫は一瞥もせず、刀の鞘を滑らせた。
シュッ!!
瞬間、空気が裂けた。傀儡兵Aの首が跳ね飛び、宙を舞う。
他の傀儡兵が反応する前に次々と斬撃が奔る。
「この女!殺れ!」「遅いわ……!」
和泉守兼定が閃光のように閃く。太刀筋は目にも留まらぬ速さで駆け巡り、次々と黒衣の兵士たちを切断していく。
「がああっ!」「ひぎゃあ!」
切断面から、魔力を帯びた血液が床を汚す。数秒で十数名が屍に変わり果てた。
「イリア!無事なの?」
「珠姫……ごめん……情けない姿……見せちゃった……」
半裸のイリアを保護しながら珠姫が問う。涙ながらに謝罪する恋人に珠姫が優しく頷く。
「大丈夫よ……私たちが来たから……もう安心してね」
「さあ武臣さん!今こそお前の出番だ!この空間の結界システムを修復できるか?システムが回復すればドラゴンも封印できるだろう。封印でるまでドラゴンは私とイリアが止める」珠姫が真剣な表情で問いかける。
「もちろんだよ!この地下システムの暴走を止めれば、モンスター出現を抑制できるはずだ!」武臣が力強く答え装置に向かって駆け寄る。
珠姫とイリアは武臣を護衛しつつ反撃体制を取る。
アルルスは余裕の笑みを浮かべながら眺めている。
「あらあら。回路を修復するつもり?それは無理だと思うわ~」
「なぜです?」ポリィアが問う。
「なぜならねえ……この駅の魔力供給源は『ドラゴン』だからよ」
「なんですって……!」珠姫が驚愕の表情を見せる。
アルルスが手のひらを翳すと、地面からさらなる傀儡兵団が沸き上がる。
「ドラゴンを倒さなければ、この状況はどうにもならないのよ、さあ再び踊ってもらおうかしら!ふふふ」新たな敵の襲来に全員が警戒態勢に入る。
「ぐっ……! この数では……!」珠姫が刀を構えながら呻く。
新たに現れた傀儡兵は30体以上。狭い通路で挟撃され、珠姫・イリア・武臣の三人は完全に包囲されていた。
アルルスが扇子で口元を隠し嗤う。「さあさあ、もう一度蹂躙されてちょうだい」
私とイリアに向けて冷たい視線を送る。
「させるか!」武臣が制御パネルに必死にコードを打ち込むが、回路は焼け付きシステムは応答しない。
「くそっ! ドラゴンがエネルギー源だと……?」
その時だった。
「ふふ……」
私の体が微かに揺れる。凌辱の余韻で震えが止まらないはずの体が――ゆっくりと起き上がった。
「ポリィア……!」
イリアが涙ながらに呼ぶ。
私は半裸のまま立ち上がる。乱れた金髪が顔を覆い、青い瞳だけが爛々と光っていた。
「イキがるな雑魚め!私は大賢者ポリィア・ウェンディ……」
アルルスの目が驚きに見開かれる。
「あなた……さっきまで犯されてたはずなのに……」
私は震える指で杖を掴み直す。全身に刻まれた陵辱の痕が痛むが、賢者の魂が意識を覚醒させていた。
「賢者……ですの?ふん……たかがちびっ子が何を……」
アルルスが余裕の笑みを浮かべるが、私から放たれる魔力の質に息を呑む。
「《魔力共振(マナレゾナンス)》……!」
杖を掲げると、周囲の魔力粒子が吸い寄せられるように集まってくる。
「こいつ、まずい……!」
アルルスが叫ぶが遅い。空間に膨大な魔力が充満し始める。
「ポリィア……何を……?」珠姫が呆然と問う。
私は杖を回転させ魔力を編み上げていく。
「ドラゴンを消滅させるには……コアの魔石を破壊する必要がありますの。でも今この戦力ではそれは不可能に近い……ならば別の方法がありますわ!」
「どんな方法が……?」イリアが希望に縋るように言う。
「ええ……ドラゴンも含めたこのダンジョン化空間を『魔法的にリセット』するのですわ」
「リセット……!?」
「つまり……ここから半径500メートル以内の魔力構造を全て初期化する『消去魔法』を使うのです。人間には影響はありませんが、魔力で召喚された者たちには、効果は絶大です。」
アルルスの顔色が変わる。「馬鹿な……そんな大規模な魔力操作は世界の法則が乱れる!君自身も消滅するぞ!」
「承知の上ですわ……!」
私は覚悟を決めた笑みを浮かべる。「ですが賢者である私なら可能ですわ! 、皆さんの安全は保証しますの!大賢者ポリィア・ウェンディの責任において」
「ポリィア……」
イリアが涙を拭って立ち上がる。「信じる!あなたを信じて戦う!」
珠姫がと武臣も私を守る体制をとる。
「さあ……これで舞台は整いましたわね……」
アルルスとドラゴンが目前に迫る。
私は大きく杖を振り上げた。
「賢者の秘術を発動いたしますの! 我、万象を記す書より名を抹消する者なり。始まりの理よ、終わりの果てに還れ。星々が産声を上げるより前、風が最初の形を持つより前、この世界に術はなく、光も闇もまだ名を知らず。
すべては白き静寂、虚空なる母の懐にあった。契約をほどけ――神と魔と人とを縛るすべての環を。記憶を砕け――呪文の記録を刻むすべての刻印を。鎖を断て――魔力の流れを束ねるすべての経路を。無限を閉じ、零を開け。我、今ここに『全ての術式を否定する《アーカ・インヴォルツ・テスタメント=ゼロスフィア》!!」》」
杖から眩い銀光が迸る!周囲の魔力粒子が逆方向に回転し始めた。
「この魔法は……魔力の根源そのものを分解する力を持っていますの……ドラゴンの魔石も例外ではありませんわ……!」
「やめろ!妾の計画が!」
アルルスが傀儡兵をけしかけるが光に触れただけで塵と化す。
ドラゴンがブレスを吐くが……銀光に触れた瞬間蒸発した。
「ゴアアアッ!!」ドラゴンの咆哮が悲鳴に変わる。
巨大な魔石に亀裂が入り――光の中へ溶けていく。
「あああっ……!」アルルスも魔力の全てを奪われて、泡を拭いて失禁した。
新宿駅地下全域が銀光に包まれる。
「これが……大賢者の本領発揮ですわ!」
魔力嵐の中で私は微笑んだ。空間自体が分解されていく感覚。
そして――全てが白い光に包まれた。
アルルスが捕縛され、地下システムの異常も正常に戻った。新宿駅は秩序を取り戻していた。
「ポリィアさん!」
武臣が駆け寄る。ADDSATの医療テントで治療を受けた私を皆が待っていた。
「お疲れさま……」
珠姫が優しく微笑む。イリアも無言で頷いた。
「ありがとう……みんなのおかげで助かりましたの」
私は杖を抱きしめた。あの決断が正しかったのか分からないけれど。
「そうだ…ポリィアさん…これを」武臣が何か差し出す。駅の売店で買った可愛らしいお菓子が袋に入っている。(こいつは、私が367歳だということをまだわかってないのかしら?私が好きなのは強めの火酒としょっぱい。おつまみだと言うのに。)
エピローグ
事件解決から三日後──
「ADSSAT技術開発部第三課、本日より配属となりました。ポリィア・ウェンディですの。よろしくお願いいたしますわ」
ADSSAT本部・第二技術棟の会議室で、私は緊張した面持ちで自己紹介した。制服姿で、首元にはADSSATのIDカードが提げられている。異世界の大賢者も日本の官僚機構では一新人職員だ。
「ポリィアさん!こっちだよ!」
会議室の隅で手を振るのは神代武臣。技術部課長代理だ。その隣には立花珠姫が優雅にお茶を啜っている。特務隊長でありながら管理職も兼務とは、まさに万能選手だ。
「よろしく。期待してるよ、ポリィア」
珠姫が柔らかく微笑む。彼女の黒髪が肩にかかり、巫女服を改造した制服がよく似合っている。
「ポリィアちゃん!あそこのアイスクリーム屋さん超おいしそう!あとで一緒に行こうよ!」イリア・ランバートが興奮気味に駆け寄ってきた。赤いミニドレスがスタイル抜群の肢体を引き立てている。
「あらイリアさん……休暇中でも騒がしいんですのね……」
私は呆れつつも少し安心する。あの壮絶な事件以来、友人たちの明るさがありがたい。
武臣が近づいてきて小声で囁いた。「なあポリィア。これさっきコンビニで買ってきたんだけど……食う?」
手には子供向けのお菓子が握られている。
「こらイリア!それに武臣!ポリィアさんは367歳ですのよ!レディにはもっと大人の嗜好品を……」
「ああごめんごめん!次からはワインとチーズにしよう」
二人のやり取りを見て思わず私の口元が緩む。
賢者としての使命もあるけれど、今しばらくは新しい友人たちとの日常を楽しむのも悪くないかもしれない。