彼もそれは同じだ…
だから私は別れるつもりで一つの質問をする…
最近彼氏の様子がおかしい…
普段通りに見えはしてるが、何かが違う感じがするのだ…
もしや浮気?
そんなモヤモヤを抱えたまま今日も普段通りの生活を送り、私は彼に抱かれる。
ギシッギシッギシッ…
二人の体重でベットが立てる音だけが部屋に響く…
もう最初の頃のようなドキドキは今はなく、繋がりを続ける為だけの行為に彼に対して疑心暗鬼な私は気付いた。
喘ぎなんていつ以来出してないか分からないけど気持ちいいのは間違いない、私の事を想って優しくしてくれてはいる…
だけど…その視線は私を見ているようで見ていない気がしたのだ。
だから気付いた。
こいつ…もしかして私の名前すら忘れたんじゃないだろうか…
そう考えた事で覚めた気分に陥ると、快感も感情も性行は私から何もかもを無くしていく…
快感だと感じていた筈の行いに無感情となった。
それでも、もしかしたら私の勘違いかもしれない…
彼は私の事をちゃんと見ているのか気になって、行為の最中だが言って尋ねてみた。
彼の肩に手をやって動きを止めさせる…
「ねぇ?」
「ん?」
「イク時に名前…呼んでみて…」
「…なんで?」
「いいから…」
腰を止めて会話を少ししたが、行為の最中にも関わらず互いに冷めた感じの会話であった。
愛し合うと言うことがこんなに空虚なモノだと考えたくはなかった。
だけど、もしかしたらこれでこの関係も終わりになるかもしれないな…
刺激のないこんな関係ならそれもありなのかもね…
腰を私の上で振り続ける彼氏の顔を見上げる…すると彼の目が私の顔を見てきた。
なに?どうしたの?
視線が交差し見詰め合うが言葉は交わさない…
その彼の目を見て浮かぶのは…
もしかして、私の名前を必死に思い出そうとしてるの?
そう考えた私の視線はきっと彼を道に落ちている石を見るように興味が無いものを見る目であったに違いない。
冷たい…肌と肌が触れ合って暖かい筈なのにとても冷たい…
そして、いつものように彼の腰使いが終わりを知らせていた。
彼はいつも最後は勢いよく叩き付けるように動かして終わる…
それを理解している自分に小さく笑いながら、彼の口から出る名前をただ待つ…
そして、その時はやって来た!
「イクッ!ともひろぉぉぉ!!!!」
「お前の名前じゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
こうして私たちの関係は明日も続いていく…
きっと自然体で居られる自分達は合っているんだろう…
だって…
「いや、沙弥が変なこと突然言うから…」
「あっ…」
覚えてくれてるんだから…
終