※この作品はR-18です。

お互い初めてのカレカノなんだが、彼女がエロに積極的すぎる   作:淫久兵衛太

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「なあ、九段下とは最近どうよ?」

 

 部室でスマホに入れた電子書籍を読んでいると、同じ文芸サークル部員である柘植に話しかけられた。

 僕はめんどくさいと思いながらもスマホから目を離して答える。

 

「最近どうって、まだ付き合いはじめて一週間もたってないんだからどうもこうもないよ」

 

「そういうことを聞いてるんじゃないんだよ。なんだ? 付き合っての感触っていうの?」

 

「別に普通だよ、普通。二人で一緒に帰ってるのは知ってるでしょ? 今もこうして深冬を待ってるんだし」

 

 深冬と付き合いはじめたことは、特に隠すつもりもひけらかすつもりもなかったが、帰りの待ち合わせ場所を部室にしたため当然のように即バレした。

 部員たちにはやし立てられたりからかわれたりで恥ずかしさを味わったが、喉元過ぎればなんとやらで、数日で当たり前のことと扱われはじめホッとしていたのだが。

 

「いやいや、もっとこう、あるだろ。なんていうかさ」

 

 まったく要領を得ない柘植の言葉に眉をひそめる。なにを聞きたいのかさっぱりわからない。

 

「ああ、もう、わからないかな! ……その、さ。どこまでやったのかなって」

 

 後半は声を潜めるようにして喋っていたが、広くもない部室の中では他の部員に丸聞こえである。柘植本人は気がついていないようだが、周囲から非難がましい視線が殺到している。ていうか皆さん聞いてたんですね……。

 僕は溜め息混じりに答えてやった。

 

「お前ね。百歩譲って聞くなとは言わないけど、流石に早すぎるんじゃない? 数日でどこまでいけると思ってるのさ」

 

「そんなのわかんねえじゃん! もしかしたら行くところまで行ってるかもしれないじゃん!」

 

 何故か必死そうな柘植。行ってたとしてもお前には言わねえよと僕がツッコミを入れる前に、外野の女子からの言葉が柘植を突き刺す。

 

「柘植、キモいよ」

 

「がふっ!?」

 

 オーバーなリアクションで崩れ落ちる柘植。悪いやつではないのだが、いちいちやかましいのがこの男の欠点だ。

 

「違うんだって……。俺は初心(うぶ)なふたりがちゃんと恋人できてるか心配してるだけなんだって……」

 

「だけにしてはだいぶ下世話な言い方だったけど?」

 

 女子からの追撃で今度こそ柘植は沈黙した。

 まあ、サークルに入って数ヶ月で新入生同士のカップルができたらうわつくのは、まあ逆の立場であればわからなくもないが、これは柘植が悪い。

 一連の流れを見ていた副部長の小林先輩が苦笑しながら話に加わってくる。

 

「まあ、柘植君の聞き方はどうかと思うけど、実際どうなの? あたしとしては別れられるとサークルが気まずくなるから長続きして欲しいんだけど」

 

 柘植に比べて至極真っ当な確認に、僕は素直に答える。

 

「さっきも言いましたけど、付き合いたてなんでなんともって感じですね。まあ今の感じだとすぐに別れるハメにはならないとは思ってますけど」

 

「お、自信満々だねぇ。その様子だと、それなりに進展してるのかな」

 

 からかうように言う小林先輩の言葉に、僕は一瞬返答をためらってしまった。その一瞬になにかを感じてか、机に突っ伏していた柘植の首が、ぐりん、とこちらを向く。

 

「生田……。お前、まさか……」

 

「柘植、うるさい」

 

 ついに女子から消しゴムが投げつけられ涙目になる柘植。僕は心を落ち着けるようにひっそりと息を吐いてから言葉を紡ぐ。

 

「……いや、手をつないで帰るぐらいのことが進展と言えるのかなと思っただけだよ。お前が思うようなことは無い」

 

「そ、そうか。そうだよな! 俺たち、まだ仲間だもんな!」

 

 嬉しそうな柘植の言葉はその場の誰からも無視された。

 

「うんうん、清い感じで大変けっこう。プライベートで何やってもかまいやしないけど、問題起こしたり、他の部員を巻き込んだりするのはやめてよね」

 

「いや、他の部員を巻き込むってなんですか……」

 

「昔あった話らしいんだけど、新入生同士で付き合い始めた初々しいカップルの男のほうが、なんか自信つけちゃってサークルの他の女の子に手を出して修羅場になったんですって。男は結構悲惨な目にあったらしいよ? 刺されたとかもがれたとか」

 

「こわっ! そんなことしませんよ! 僕は深冬一筋ですから!」

 

 思わず叫ぶ僕に、その場にいた部員がお〜、と声をあげて拍手をし始める。

 ……なんで僕がこんなはずかしめを受けなきゃいけないの? 

 その時、部室のドアが開き深冬が入ってきた。深冬は部員が拍手する中でうなだれる僕を見て首を傾げた。

 

「……なにかあったんですか?」

 

「いや、ただ生田が九段下一筋だって宣言しただけだよ」

 

 にやにや笑いながら流れの一部を切り取って伝える小林先輩。下世話な部分を言わないのはありがたいけどありがたくないですよ? 

 そんな先輩の言葉に、深冬は照れた様子を見せつつも、僕の方を見て言った。

 

「ありがとう秋広君。その……、私も、秋広くん一筋だから」

 

「あ、ありがとう……」

 

 顔を真っ赤にしてなんとか言葉を返す僕。部員は皆湧き立っているが、何故か柘植は視界の端で死んだような顔をしていた。

 

「くぅぅ! あのおとなしかった九段下が人前でこんな事を言えるようになるなんて! やっぱり恋は人を変えるんだねえ。ほら、さっさと仲良く帰りなよ」

 

「あ、はい……。それじゃ、お疲れさまです……」

 

 泣いてもいないのに目元を拭う仕草をしている小林先輩に促されて、僕は深冬と共に部室を出た。

 そのまま部室に居座ればまた付き合っているのがバレたときのようにはやし立てられるのが目に見えていたので正直ありがたい。小林先輩の気遣いに感謝である。

 正門を出ると、僕らは自然と手をつないだ。

 これは特に決めた訳ではないのだが、なんとなく大学内では控えている。

 お互いの考えが合致したみたいで少し嬉しい。

 

「さっきはどうしてあんな感じになったの?」

 

「いやあ、それがね……」

 

 僕は深冬に小林先輩との会話内容について説明した。柘植の下世話な話はどうでもいいのでばっさりカットだ。

 深冬は話の中でも過去の修羅場に興味を示した。

 

「ふうん。文芸サークルの人たちって落ち着いた人ばかりだと思ってたけど、そういう人もいるんだね」

 

「まあ、どんな人だったかは知らないけど、たぶん大学入ったら急にモテだしたとかで調子に乗っちゃったんじゃないかな、その人も」

 

 高校時代さびしく過ごしていた人でも、大学の自由で明け透けな雰囲気にあてられたりとか、酒の勢いとかで、なんかこう、行けてしまう事は多々あるのだろう。僕なんかまさにそうである。

 そうして勘違いして、やらかして、大変な目にあうのだ。大学とはかくも恐ろしいところである。

 そういった思いと、男として多少擁護したい気持ちもほんと、極々ちょっとだけあっての言葉だったが、深冬は思案顔で言う。

 

「そうすると、秋広君も危ないかも」

 

「危ないって、僕がモテモテになるってこと?」

 

 冗談のつもりで聞き返したのだが、深冬は表情を崩さない。

 僕がモテると思ってくれていることは嬉しい話だが、残念ながら僕にモテ要素はないので、そんな懸念はするだけ無駄だと思うのだけど……。

 

「だって、サークルの女子でそういう話をした時、秋広君を悪く言う子はいなかったもの」

 

「そ、そうなの?」

 

 どちらかと言うと、女子が男抜きで集まってそんな話をしていることの方に驚いた。

 やっぱり女子って恋バナとか好きなんだな。

 しかし、僕が悪く言われていないというのはありがたいことだが、なんかやさしい人で終わりそうな微妙な評価な気がする。

 苦笑しつつ、僕は深冬を安心させるように言った。

 

「まあ、大丈夫だよ。僕が浮気できるほど器用に人付き合いできるとは思わないし。それにさっきも言ってたけど、僕は深冬一筋だから」

 

 先ほど会話のノリで言った時よりも、本人に直接言う方が何倍も恥ずかしかった。

 一年前の僕は大学入って数ヶ月でこんなセリフ言ってるとは微塵も思っていなかったので、ちょっと感動も覚える。

 

「ふふ、ありがとう」

 

 僕の臭いセリフを笑い飛ばさず、恥ずかしそうにはにかむ深冬は、とても可愛かった。

 駅の方に歩きながら会話していた僕たちは、

 駅への道からそれて裏道に入っていく。

 向かう先は、付き合うにあたっての決め事をした、あの公園だ。

 恋人になりたての僕たちが、ただ帰るだけで解散するというのは味気なく、時間が許す限りここでおしゃべりをして帰るのが日課になっているのだ。

 お店に入ってもいいが、二人ともバイト代が書籍に消えるタイプだったし、なんとなくこの公園に思い入れができていることもある。

 僕らはベンチに並んで座った。

 手はつないだままである。

 

「けど、皆んなにはキスしたことは言わなかったんだね」

 

「まあね。あんまり色々言うとめんどくさくなりそうだし」

 

 そう言いながら、さりげなく周囲を確認する。そろそろ夏が近いこともあり、すでに周囲は薄暗くなっている。街頭のない公園周辺は人も近づかないようで、人影はなかった。

 

「それもそっか。それに……」

 

 僕と同じように周囲に視線を向けていた深冬が、顔を寄せてくる。

 僕も合わせて体を深冬に向けた。

 僕らはついばむように唇を合わせる。一瞬の触れ合いの後に離れる。

 しかし、準備は終わりだと言わんばかりに、唇はまたすぐさま重ねられた。

 先ほどの触れるだけだったおとなしいキスとは違い、唇を押しつけ合うようなキス。

 そして、お互いの唇の間から舌が突き出され、積極的に絡み始める。

 長く続いた口交が終わると、深冬はちろりと唇を舐めた。

 

「こんなこと毎日してるなんて言ったら引かれちゃうかな?」

 

 そう言って微笑む彼女の顔は薄暗がりでもわかるくらい上気していた。

 

「これはさすがに皆には言えないね」

 

 僕の言葉に深冬はくすくすと楽しげに笑った。

 これも、一連の日課の一部だ。

 最初のうちは、僕も深冬もキスがしたい時は言葉に出していたのだが、そのうちお互いが相手がキスをしたい時の表情や雰囲気というものをわかってきて、今ではわざわざ言葉出さずにしたい時にしている。

 問題は、お互いに求め過ぎて会話が途切れ途切れになることだ。

 物足りなさを感じた僕は、こちらから顔を寄せて深冬の口内に舌を差し入れる。

 嬉しそうに迎え入れてくれる彼女の唇と舌。麻薬のような快楽がどうしようもなく脳を刺激する。

 しばらく舌から送られてくる感触を堪能していると、一層体を寄せてくる深冬にあわせて、腕にやわらかいものが押し当てられる。

 ふにょん、というよりも、ぐにゃり、とやわらかいものが押しつぶされるような感覚。

 

「…………」

 

 これが深冬の胸であることは間違いないだろう。

 最初のうちは余裕がなくて、気が付かなかったが、キスをするために体が近づくと二の腕や肘に当たるのだ。

 しかし、女性の胸とはいえこんなにやわらかいものなのか。

 昔触った自称Gカップの同級生、神田の胸は、もっと硬いというか、小さかった気もするのだ。

 無論、僕は男子校出身なので、その同級生も男だ。

 彼は体重百二十キロ越えと言っていたので、深冬とは比較できるものではないが、胸という意味では変わらないはずだ。たぶん。

 

「あっ……」

 

 僕の気がそぞろになったことを不審に思われたのか、深冬は自分の胸が僕の腕にあたっていることに気がついたようで、恥ずかしそうにしながらばっと体を離した。

 

「ご、ごめん!」

 

 僕の謝罪に、深冬は申し訳無さそうな顔をする。

 

「秋広君になら全然いいよ。むしろ私がごめんだよ。あんまり体型にいい思い出がないからつい」

 

 彼氏相手とはいえ全然いいというのは心が広すぎでは? 

 

「けど、その。……別に悩むような体型には見えないんだけど?」

 

 僕は言葉を選びながら言う。

 深冬はスタイルがいいとは言えないが、別に太っている訳でもない。まあ、腕とか脚に比べて胴回りが多少幅があるかな〜? ぐらいには多少、ちょっとだけ思っていたが。

 

「う〜ん、そうと言えばそうなんだけど……」

 

 僕の言葉に深冬は困ったように微笑むと、明後日の方向を向いて何やら考え込んでしまった。……やはりフォローするつもりだったとはいえ、女性に体型の話は禁句だったか? 

 僕が謝罪の言葉を必死に考えていると、深冬はよしっ、と気合を入れるように小さくつぶやきベンチから立ち上がった。

 

「……秋広君、ちょっといい?」

 

 そう言って深冬は僕の手を取り立たせると、そのままトイレに向かって歩みをすすめる。

 

「ど、どうしたの?」

 

「いいからいいから」

 

 深冬はトイレの中には入らず、建屋の裏に進んでいく。なんか前にもこんなことあったなと思いつつ、僕は手を引かれるままついていく。

 トイレの裏は雑木林になっており、その先には線路との間を隔てるフェンスしかない。

 通りからも完全に見えない位置になっていて、そんなところに連れ込まれた僕はどきどきしっぱなしだった。

 深冬はトイレの壁を背にした僕の正面に立つ。僕の真上に有るトイレの窓から漏れる光が深冬を照らすが、うつむいた彼女の表情はわからない。

 

「み、深冬?」

 

 僕が呼びかけると、彼女はそれに反応を示さず、僕の手首を掴むと、自分の胸へと導いた。

 あっ、と思ったときには、僕の手のひらは深冬の胸を包んでいた。……いや、包んでいた、というのは語弊がある。服越しであるため、はっきりしたことは言えないが、深冬の胸は明らかに僕の手にあまる大きさだった。

 

「で、でかっ!」

 

 思わず叫んで、胸に触れた手に力が入る。僕の手は深冬の胸にぐにゃりと沈み込む。神田くんの胸など目じゃないやわらかさと大きさに、僕は興奮よりも先に驚愕してしまった。

 

「んっ……!」

 

「あ、ご、ごめん! 痛かった……?」

 

 声をあげる彼女に、僕は慌てて謝罪しつつ手の力を緩める。手自体は深冬に掴まれたままなので、胸に置かれたままだ。しかし、深冬が手を離したとしても、僕は手を引っ込められる自信がなかった。それほどまでに僕の何かを惹きつける感触だ。

 

「大丈夫、ちょっと気持ちよかっただけだから」

 

 深冬は顔をちょっと赤らめつつ言う。僕へのフォローにしろ本当にしろ、とんでもないセリフを聞いた気がする……。

 

「実際触ってわかると思うんだけど、私って胸がすごい大きくて……。普段は服装とかに気を使って体型を隠すようにしてるんだけど」

 

「た、確かにめちゃくちゃ大きいけど、むしろ自慢できるところじゃないの?」

 

 それで暖かくなってきてもあまり薄着していないのかと納得しつつ、僕は首を捻った。

 手足の細さや小さな顔からして、胸以外も肉がたくさんついているようには思えない。よくよく見れば顔立ちも整っているので、野暮ったい眼鏡や髪型を変えたらグラビアアイドルにでもなれそうな気がするのだが。

 ここ数ヶ月深冬の顔を盗み見続けていた僕が言うのだから間違いない。

 しかし、深冬はため息をつきながら言う。

 

「ぜんぜんそんなことないよ。小学校の高学年ぐらいから急に大きくなってきて、周りからはデブだとか牛みたいとかすごいいじられたし、中学の時はクラスの中心だった娘の彼氏を体で寝取ったとか言われていじめられたりしてね。私はその彼氏とほとんど口も聞いたことなかったのに」

 

「そ、そうなんだ」

 

 僕は深冬の語る過去を聞いて顔を引きつらせつつ、なんとか相槌をうつ。

 前半も酷いが、後半はもはや理不尽だ。

 

「そうなの。中学の時は友達が守ってくれたからなんとか登校拒否にはならなくてすんだんだけど、男子にもすごい見られるようになってきて、怖くなったから女子校に行ったんだ。何かあったらと思って一応胸は隠すようにしてできるだけ目立たないようにしてた」

 

「……どうして共学の大学に入ったの? その、それだけ大変な思いをしてきたなら、女子大の方が安心できたんじゃないかなって」

 

 失礼かもとは思ったが、つい質問してしまう。大学のほうが色んなやつがいるので中高よりも怖い思いをする可能性は高いのではないだろうか。まあ僕の偏見だけど。

 

「私も迷ったんだけど、目立たない服装とかも覚えたし、なんとかなるかなって思って。それに、その……」

 

 深冬は一瞬ためらった後、恥ずかしそうにしながら小さな声で言った。

 

「その、れ、恋愛もしてみたかったから……。あっ! けど、恋愛がしたいから適当に告白を受けた訳じゃないからね! 言ったと思うけど、もともと秋広君のこといいなと思ってたから、告白してくれてラッキーというか、ありがとうというか!」

 

「そ、そうなんだ」

 

 なんだか僕まで照れくさくなってうつむいてしまう。そして、未だに深冬の胸を鷲掴みにしたままの手に気がついた。

 

「ああ、ごめん!」

 

 慌てて手を引き剥がそうとするが、深冬が僕の手首を掴んでいた手に力を込めてそれを阻んだ。

 驚いて深冬の方を見ると、恥ずかしそうにしながらも、そっと上目遣いで聞いてくる。

 

「その……。もしよければ、もっと触る?」

 

「い、いいの?」

 

 反射でぜひ! と即答しそうになるのをぐっとこらえて聞き返す。先程の話を聞いて無神経でいられなかったための対応だが、深冬は微笑んで頷く。

 

「いいの。……秋広君に揉まれると、すごい感じちゃうから」

 

 その言葉を聞いて、僕は思わず手に力を込めた。

 

「あっ……」

 

 ぐにゃりと形を変える深冬の胸と、あえぐような彼女の声に興奮して、僕は夢中になって彼女の胸をこねくり回す。

 服やブラジャー越しでも十二分に伝わるやわらかさ。よく、胸のやわらかさに対する表現に、マシュマロのような、という文句があるが、これはマシュマロではない別のなにかだ。

 じゃあ何に例えるかというのはすぐに思いつかない。深冬の胸の感触に脳をやられて思考が半分停止しているからだ。

 無心になって揉みしだいていると、深冬も自分で言っていた通り感じているのか、ぴくぴくと震えながら喘ぎ声を漏らしている。

 さっきから僕の逸物は固くなりっぱなしだ。湿った感触もするので、ガマン汁でガビガビになっているのは間違いない。

 深冬も無意識のことだと思うが、腰が引けてしまっているようだったので、逃さないようにもう片方の手で腰を引き寄せる。

 その時に脇腹に触れたが、やはり思ったよりも細い。この巨乳が強調されないよう服で上手に調整していたのだろう。

 腰を支えができたことで、一層胸を揉みやすくなり、こねくり回していると、深冬が囁くようにして言った。

 

「ねえ、私も秋広君に触っていい?」

 

「……? いいよ」

 

 触るってどこを、と聞く余裕もなく、考えなしに頷くと、深冬が僕の手首を掴んでいた手を離し、僕の方に伸ばしてくる。

 直後、下半身に刺激を感じて、僕は腰を震わせた。

 そちらを見ると、深冬の手が、僕の股間部分に触れていた。

 

「ここ、さっきからずっと元気だったみたいだから。秋広君も気持ちよくなって?」

 

 そう言って深冬がさわさわと撫でるように手を動かすと、ズボン越しであるはずなのに、強い刺激を感じてしまい、腰が引けた。

 しかし、深冬も僕へのお返しだと言わんばかりにもう片方の手を僕の腰に添えて逃さないようにしている。

 思わずまた深冬の胸をぎゅっと強く握りしめてしまうが、彼女はオクターブの高い喘ぎ声を漏らしつつ、嬉しそうな表情をする。どうやら強めなのが好きらしい。

 それからはお互い触り合いになった。

 僕は先程以上に強く深冬の胸を揉みしだき、深冬は深冬で僕の逸物の形を確かめるように全体的に撫で回している。

 お互いに刺激を受けて震え、口からは喘ぐような声が漏れている。

 このままではすぐに果ててしまいそうだったので、僕は刺激を紛らわせるように深冬の唇に吸い付いた。

 舌を入れると、深冬も舌を積極的に絡ませてくる。上からも下からも刺激を受けて、逆に気持ちよさがましてしまった。

 僕は焦って舌を引き抜いて言った。

 

「み、深冬! このままだと出ちゃうから!」

 

 流石に彼女の目の前でパンツの中に射精するのは恥ずかしい。だから、一回手を離してもらうつもりで言ったのだが、深冬の行動は僕の予想を越えた。

 

「いいよ。受け止めるから、射精(だ)して!」

 

 そう言って、ズボンの中に手を入れて、直接僕の逸物を包むように握った。

 先程までの感覚が目じゃないぐらいの刺激に目の前がちかちかする。深冬はそのまま手で亀頭をこね回し、僕に射精を促してくる。

 僕はほとんど思考停止状態だったが、深冬がズボンに手を突っ込むために前かがみになったことでできたワンピース襟元の隙間に無心で手を突っ込んだ。

 ブラの中に強引に手を差し込み、固く尖った乳首を探しあてると、それをぎゅっとつねる。

 

「あっ……!」

 

「ううっ……!」

 

 深冬が目を見開き、ぶるりと震えた。同時に握り込まれた深冬の手の中で、僕は射精する。

 どくどくと震えながら溜まったものを吐き出す僕の逸物を、深冬は握り続けながら、腰を震わせている。

 やがて、僕の逸物は最後の一滴まで吐き出してぶるりと震えた。

 お互いに、体勢を変えぬまま、荒い息を吐いている。腰に回し合っていた手は、いつのまにかお互いを支えにするかのように肩に置かれあっていた。

 深冬は呼吸を整えると、慎重にズボンの中から手を引っ張り出す。

 僕も慌てて深冬の服の中から手を引き抜く。

 

「……これが、精液なんだ」

 

 深冬は、僕の出した精液でどろどろになった手をトイレの窓から漏れる光にあてながら観察している。

 

「は、早く手を洗いなよ」

 

 なんだか彼女を汚しているのが申し訳なくなってそう言ったが、彼女は気にもしていない。

 

「全然大丈夫だよ。これは秋広君が私で気持ちよくなってくれた証拠でしょ?」

 

 そう言って微笑む彼女にじーんとくるものはあるが、手に顔を近づけて臭いを嗅ぐのは恥ずかしいからやめてほしい。

 そして、彼女は無造作に手についたものをちろっと舐めとった。

 

「ちょっ!?」

 

 僕は慌てて声をあげる。

 彼女は顔をちょっとしかめている。

 

「う〜ん。臭いは気にならないけど、味はやっぱり苦いね。なんども味わってればそのうち慣れるのかな」

 

 彼女の言葉に、僕は返す言葉が見つからず曖昧に笑うことしかできなかった。

 代わりに僕は頭を下げる。

 

「それより、ごめん。勝手に服の中に手を入れて」

 

 しかし深冬は全く気にした様子もない。

 

「いいよいいよ。私が先にズボンに手を入れたんだし。それに」

 

「私もすごい気持ちよくなってイかせされちゃった」

 

 無邪気に微笑む彼女を見て僕は確信する。

 家に帰って、キスの感触を思い出してひとりでシコるまでが日課だったが、今日はいつも以上に回数が増えるだろう。

 

 

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