俺の名前は里中聡。
新高校一年生として、この高度育成高校学校に入学してから2週間程が経った。
初めての一人暮らしにもだんだん慣れてきて、クラスにも多少は話せる程度の友人は何人か出来てきた。
この学校は名門校とは聞いていたが、幸い学校の勉強には簡単についていけている。
テニス部の練習もさほどキツくはなくむしろ緩いくらいだ。勉強も部活も順風満帆というところか。
しかし悩みがないわけじゃない。
その悩みというのは、この学校は可愛い子が多すぎるということだ。
特に隣の席に座っている杖をついた銀髪の華奢な女の子。
坂柳有栖という子はあまりにも可愛すぎる。名前の通り童話の世界の住人なんじゃないかと疑うほどだ。
あまりにも可憐すぎるがために、坂柳さんを見るとつい邪な妄想が頭を過ぎてしまう。ついつい授業中何度も横目に見てしまい、頭の中の考えに自己嫌悪をする毎日だ。
こんなことをやっていたらいつかはロクでもないことになると分かってはいるんだが……
教室のドアを開けて中に入ると、いつもと同じように坂柳さんがすでに席に着いていた。
「おはようございます。坂柳さん」
「おはようございます。里中くん」
挨拶をすると坂柳さんは柔らかく微笑んで返事をしてくれた。可憐な笑顔だ。
昨夜はその可憐な笑顔を脳内でたくさん楽しんでしまって申し訳なくなってくる。
「神室さんも、おはようございます」
「……おはよう」
神室真澄さん。
彼女は最近坂柳さんと仲が良いようで、いつも一緒にいる。
神室さんは少し無愛想だが、この学校の女の子の例に漏れず可愛い。何でこの学校の女の子は可愛い子ばかりなのだろうか?
「おう、里中!」
そう声を掛けて来たのは、同じテニス部の橋本だ。男友達の中では最も仲が良い。
「お前、そろそろ彼女はできたのかよ!」
「いや、彼女なんてできる気がしないな……ハハハ……」
「おいおい、上の席が埋まらないと下の席が埋まるはずないだろ?頼むからさっさと彼女を作ってくれよな?」
一応このクラスの女の子の連絡先は大体持っている。それこそ、神室さんのような一部を除いてほぼ全員。
入学初日に自己紹介をする機会があって、その時に交換しあった。
それ以来メッセージを送ってくる子はそれなりにいる。放課後に遊びに行こう、といったようなお誘いも結構貰った。
それに自分は部活に入っていないにもかかわらず、テニス部の練習に応援に来てくれる子すらいる。そういう子はおそらく簡単に付き合えるのだろう。
「ま、まあ彼女のことはいいだろ、橋本。それに今日から体育は水泳だと。屋内プールとはすごいもんだよな!」
「こいつ、逃げやがったな……」
橋本はすっかり呆れ顔だ。仕方ないだろう。
女の子は大好きだが、付き合うのは少し気後れしてしまう。
「里中くん、泳げるの?」
「そうですね。人並み以上には泳げますよ」
「里中くん、テニスも相当上手いもんね!水泳も早そうかも!」
「里中くんの泳ぐとこ見てみたーい!」
男友達と話しているとAクラスの女の子グループがこうして話に割り込んでくることがよくある。
こうなると元々話していた男友達は当然いい気分はしない。
橋本はすっかり渋い顔になっている。すまないな、橋本……
彼女か。気が進まないというのが正直なところだ……
「よしみんな、席につけ。ホームルームを始める」
担任の真嶋先生が入ってきた。みんな大人しく席に着く。
俺も席について、チラッと隣の席の坂柳さんを見る。
恋人ね……坂柳さんを恋人にできれば、どれだけ幸せか。
だが、俺の本性を彼女に全て曝け出せば、引かれるどころじゃすまない……真っ当な学校生活は送れないだろう。
この学校生活は気に入ってるしな。手放したくはないが……
何気なく机の中に手を入れたら何か入っているのに気がついた。手紙?
周囲に見られないように身体で隠しつつ手紙の中を確かめると、こう書かれてあった。
今日の放課後にあなたの部屋でお会いしたいです。
大事なお話があります。
坂柳有栖
急いで坂柳さんの顔を見る。
彼女は真っ直ぐに真嶋先生を見ていた。
しかしその顔には、心なしか気恥ずかしそうな笑みを浮かべていた。
これはアレか?これを貰うのは慣れてはいるが、まさか坂柳さんからとは。
手紙の形で貰うのは小学校以来だが、彼女らしいといえばらしいな。イメージ通りだ。
しかし、これを貰ったということは……どうすればいいんだ。
嬉しいやら恥ずかしいやら戸惑いやら、色々な感情にかき回されて、俺は真嶋先生の話を右から左へ聞き流した。
正直に言って今日の授業のことは全く思い出せない。
かなり楽しみにしていた水泳のことも全く覚えていない。本当に気が付いたら終わっていて、橋本に今日のテニス部の練習は休むと一言言ってから、俺は自室で1人悶々と彼女を待ち続けていた。
坂柳さんがまさか俺のことを……
一体どうすればいいんだ……普通に付き合うのか?いや、俺の本性がバレたらあっという間に振られるのがオチ。
坂柳さんはかわいい女の子揃いのこの学校でも群を抜いて魅力的だ。
ここで付き合わなければあっという間に彼氏ができるに違いない。そんなことを認められるか?
普通の恋人関係はあっという間に破綻する。だったら……
俺の考えが良からぬ方向に行ったところで、ピンポーン、とインターホンが鳴った。もう来たようだ。
急いで玄関に行って扉を開けると、坂柳さんが杖をついて立っていた。
「こんにちは、里中くん。放課後に会うのは初めてですね?」
「え、ええ。確かに、そうなりますね」
彼女を中に入れ、鍵を閉める。
「どうぞ。大したものはないですが、上がってください」
「ではお邪魔します」
そう言うと坂柳さんは部屋の中に入り、靴を脱ぐために座り込んだ。
俺はその間にキッチンに行き冷蔵庫から用意していたコップにオレンジジュースを注ぐ。
トレーに乗せてベッド横のテーブルに運ぶと、坂柳さんは窓から外の様子を眺めていた。
「坂柳さん。あの、良かったらこれどうぞ」
「お気遣い、ありがとうございます」
俺は今、必死に平静を装っていた。
なんでこの人はリビングで待っているのではなく、当然のように俺の寝室に入っているんだ?
男の寝室に入るということの危険性を分かっていないのか?それとも俺が考えすぎなのか?
坂柳さんはこの状況で全く動揺していないようだ。俺なんて邪な考えが止まらないのだが。
この学生寮は防音がしっかりしている密室だぞ?入学時に真嶋先生からそう説明されたが、実際にその通りだ。
坂柳さんは男を甘く見過ぎだ。
「私があの手紙をあなたに贈った理由、分かりますか?」
「一応、何となくは……」
「そうですか」
そう言うと、坂柳さんはこちらを向いた。
「里中くん。ほら、座ってください」
坂柳さんに手を引かれ、ベッドに座らされる。
俺が座り、彼女は立つことで偶然にも見下ろされる形になった。
おいおい、これは坂柳さんも期待してるってことでいいんだよな?
「やっぱり、分かりますよね。私が何を考えているか」
坂柳さんはとびっきり悪戯な笑みを浮かべた。
そうだ。この笑顔がいけないんだ。俺は悪くない。
坂柳さんが隙だらけなのにもかかわらず、あまりにも魅惑的なのが悪いんだ。
俺は散々我慢した。
なのにこんな据え膳みたいな状況を作られたんじゃ、もうしょうがないよな?
ここで無理矢理、坂柳さんを俺のものにしてやる!
俺の考えが邪に染まりきった時に、彼女は言った。
「そうです。私の用はここにあります」
ここ?一体どこのことだ?
その疑問が湧き出るのと同時に、下半身に何か衝撃が走った。
下に目を向けてみると、坂柳さんの杖が何故か俺の股間に突き刺さっていた。
「え……?あっ……ぐ……」
「全く、盛りの付いた犬ですね」
股間が潰されている。
その事実を認識した途端に、鈍痛と吐き気が俺を襲ってきた。
思わず呻き声を漏らして脂汗を掻きながら、必死に苦痛に耐え続ける。
今何が起こっているのか、訳が分からない。
ただ分かるのは、坂柳さんは今なお杖の圧力を強め続けて、俺の玉も竿もさらに強く押し潰されていると言うことだけだ。
「な、にを……?」
「何を?先手を打たれる前に先手を打っただけです。先の先というやつですよ」
坂柳さんの杖を掴んで何とかその力を緩めようとしたが、無駄だった。
俺は座った体勢、しかも急所を潰されている一方で、彼女は立ったまま杖を押し付ける形だ。
とても抵抗できるものじゃないし、力もろくに入らない。
杖を股間で突かれながら蹲る男とそれを妖艶な笑みを浮かべながら見下ろす少女。
上下関係は誰が見ても明らかだった。
「バレて……いたのか……」
「ええ、分かりやすかったですよ? あなたが考えていることは。私を無理矢理自分のものにしたかったんですよね?」
「う、ぐっ……ああ……そうだ」
「そう考えたのはあなたが初めてではなかったので。そういう人の雰囲気は何となくわかるんですよ」
あっさり自分の罪を認めてしまった。
自分の急所を抑えられているからか、妙に弱気になっているのか?
それとも今の坂柳さんの、今までの人生で見たこともない妖美な魅力に頭をやられているのか?
頭の中はこんなことを考える余裕があるほど妙に冷静で、しかし現実には何も出来ず、ただ彼女の杖に手を置いて蹲ることしかできない。
「フフ、安心してください。あなたがやろうとしていたことに対して、私は何とも思ってはいませんから」
「はぁ……はぁ……」
「ただ、もしよろしければ教えていただけませんか?あなたが今日、これから何をして私を辱めるつもりだったのか。その全てを包み隠さずに」
その言葉を聞いた瞬間、堰を切ったかのように俺の口から言葉が流れ出した。
「俺に好意を抱いていることを利用して、自室にノコノコ顔を出したところを無理矢理犯すつもりだったんだ……!さ、幸い、今日は金曜日。そして相手は杖なしでは満足に歩けない。土日の間はずっと閉じ込めて、何度も何度も可愛がって嬌声を上げさせてやろうと……!」
「なるほど。しかし、無理矢理犯すというのはリスクのあることだと思いますが。相手が教師にその事実を漏らしたら大変なことになるのでは?」
「相手は俺に好意を抱いてるんだ!どうにでもなる。無理矢理犯すといっても力づくにひん剥いて、濡れてもいないのに無理矢理ねじ込むなんてことはしない!たっぷり気持ちよくさせた後に、『俺も元々好きだった。つい暴走してしまった』とか言えば、相手もそこまで悪い気分になるはずがない!」
「なるほど。一応の考えはあったのですね。それで、私にどのようなことをしようと?」
「まずは身体中にキスをしながらおまんこを丁寧に弄って弱いところを探し出した後に、徹底的にそこを避けて焦らしながら身体を出来上がらせてやるつもりだった!身体が出来上がった後はクリトリスを軽く弄り、好きだ好きだと耳元で囁きながら、セックスを坂柳さんから懇願させてやった!」
「ずいぶん具体的ですね。妄想ですか?それとも以前にも同じ事をやった事が?」
「女はこれで何人も落としてきた!街中でたまたま見かけた遊び慣れてそうな女にやれば、あっという間にのめり込んだ!他の男と遊ぶのはもうやめるから連絡先を交換してくれ、と言わせてやった!さらに中学の堅物巨乳美人の人妻教師にも同じことをやったら、離婚するから付き合ってくれと土下座までしたくらいだ。流石にマズイと思って、この学校に……」
「避難してきたというわけですか。成功体験があったわけですね。さて、私に懇願させた後は何をさせるつもりで?」
「無理矢理ベッドに抑えつけて後ろから犯すつもりだった。快感に何度も身体を跳ね上げようと、その度に何度も抑えつけて、自分の無力さをしっかり分からせてやる。その後は正常位で向き合いながら俺の唾液をたっぷりと流し込んで、俺の女だと宣言させた後に、その自信たっぷりな顔に出して汚してやろうと……」
「そうやってあなたは女の子を自分のものにしてきたわけですね?ご協力、ありがとうございました」
いつの間にか杖の圧力は消えていた。
はあ、と息を吐きベッドに倒れ込んだ後に、カチッという音とピコンという音が聞こえた。
「申し訳ありません、里中くん。さっきまでの発言、録音させていただきました。ボイスレコーダーと端末のアプリの2つによって。アプリの方はクラウドで連携してありますので、私から端末を取り上げたとしても消去するのは難しいかと」
「……好きにしてくれ。どのみち俺はもう終わりだ……」
自分が必死に覆い隠していた邪悪な計画を全て洗いざらい吐いてしまった。あの異常な状況下では、もはや正常な判断はできなくなっていた。
何故か後先考えず、この人に自分の汚い欲望を見せつけたくてしょうがなかった。
そしてこんな状況なのにもかかわらず、俺のモノはイキり立って坂柳さんを犯せとうるさいのには笑いが出てくる。
「そう落ち込まないでください。言ったじゃないですか。私は何とも思っていないと」
「その録音をすぐに暴露しないというのなら、何に使う気だ?俺に何の後ろ暗いことをやらせようと……」
「別にそのような事は考えていませんが……強いて言うならお友達になってほしいということくらいです」
「絶対に逆らえない弱みを握って、お友達とはな……」
むしろ即座に教員に連絡しないとは本当に怖くなってきた。一体何をさせられるんだ?
「大丈夫です。あなたがどういう人なのかはよく分かりましたから。あなたが私のお友達になってくれるのなら、私もあなたに対する報酬を用意することができます」
「報酬?」
「ええ、さっき呼びましたから。おそらくそろそろ来る頃かと」
ちょうどたった今、インターホンが鳴る。
俺が出ないといけないか、と身体を起こし掛けた時、「そのままでいいですよ」と坂柳さんの声が掛かった。
しばらくすると勝手にドアが開き、誰かが入ってくる。
こうなることを見越して、坂柳さんはさっき鍵をこっそり開けていたらしい。
中に上がってきたのは神室さんだった。
「勝手に入っちゃったけど、本当に良かったの……ってあんた達、何やってたの?」
当然の疑問だろう。俺は汗だくでベッドに仰向けに倒れ込んでいる一方で、坂柳さんは涼しげな顔でそれを覗き込んでいるんだから。
「良いタイミングでしたよ、神室さん。ちょうど彼の弱みを握ったところでしたから」
「は?弱み?」
坂柳さんは録音したボイスレコーダーを流して、俺の横に座った。
『俺に好意を抱いていることを利用して…………』
録音されたのはここからだったか。
神室さんは立ったまま、呆然として内容を聞き流す。
坂柳さんはベッドに座って、俺の腕や腹や足など色々なところを触って遊んでいた。
そして俺は坂柳さんに身体を触られながら、この録音が終わるのをただ待ち続ける。
『ご協力、ありがとうございました』
そうしてボイスレコーダーが流れ終わった後、室内にはしばらくの静寂が訪れた。
神室さんは口を開こうとしないし、坂柳さんは相変わらず俺の身体を弄るのに夢中だ。そして俺が口を開けるような状況ではない。
しばらくした後、坂柳さんは悪戯な笑みを浮かべながら俺の耳元で呟いた。
「残念でしたね、里中くん。あと少しで私を屈服させて自分のものにできたのに……」
そうだ。あと少しで俺は……この女を……!
「……何というか、クラスの女子が聞いたら発狂しそうな内容だったわね」
神室さんは未だにショックを受けているらしい。
「ええ、本当に。イケメンランキング第1位の里中くんの本性がこれでは、女の子はみんな男性不信になってしまいますね」
「確かにね。実際に私もたった今、男性不信になったし」
神室さんはこっちを冷たい目で見下ろしつつそう言い放った。
仕方ないだろう、こういう人間なんだから。
「俺がどうしようもないやつだとはとっくに分かってるよ。それで、坂柳さん。俺への報酬っていうのは?」
「ああ、そうでした。その話でしたね」
そう言うと、坂柳さんは俺の首を撫で回しながら何の気なしにさらっと告げた。
「神室さん。里中くんを手で慰めてあげてください」
その言葉には俺も神室さんも目を剥いた。
「は?!なんであたしが!?」
「彼との契約なんです。お友達になる代わりに報酬を与えると」
「いや、なんで私なのよ。あんたがやりなさいよ!先に言い出したのはあんたでしょうが!」
それを聞くと坂柳さんはおかしそうに笑った。
「私は清純な身ですし、そのような事は……」
「どの口が言うのよ、どの口が!」
「それに可哀想だと思いませんか?私を犯せると思って期待していた彼を興奮させたまま、待てをするのは」
「それこそ知った事じゃないわよ!」
神室さんの猛抗議だ。それもそうだ。
「神室さん、あなたもまた私に弱みを握られている立場なのをお忘れで?」
「はぁ……いや、そうは言ってもね……」
「大丈夫です。これを用意しておきましたから」
そういうと坂柳さんはポケットからあるものを取り出した。
白の手袋、まさか……
「あんた……まさか……」
「はい、これを付けていただければ大丈夫です。牧場の牛の乳搾り体験みたいなものだと思ってもらえば平気ですよ」
「えぇ……」
「早くしてください、神室さん」
渋々といった感じで手袋を付ける神室さん。どうやら長手袋のようだ。よくそんな特殊なプレイに使われるようなものがこの学校で売ってたな……
それよりマジで手コキをしてくれるのか?!
「では、里中くんはこっちへ」
俺の手を引き、立ち上がらせる。
「下はとりあえず全て脱いでください。汚れるのが嫌なら上も脱ぎますか?」
「いや……下だけでいい……」
流石に制服をかっちり着込んでいる2人の前で全裸になるのは恥ずかしいというかみっともないというか……
まあそういうプレイだと割り切ってしまえば、それも悪くないか……
というよりも、これから起こるかもしれないことにとても期待している自分がいるのが少し悔しい……
ズボンとパンツを脱ぎ終わった後に神室さんがポツリと呟いた。
「ねぇ……何で今こんなことになってるのかしら?」
下は靴下だけの文字通り半裸な俺、白の長手袋を付けた神室さん、楽しそうにニコニコと笑っている坂柳さん。
なんでこんなことになったのか、もうよく分からない。
「さて、里中くんはここに座って」
坂柳さんに指示され、床に座りベッドにもたれ掛ける。
そうすると彼女は今度は俺の頭の横に腰掛けた。
「頭をベッドにつけて、楽にしてください」
坂柳さんが人差し指で俺のおでこを押すので、逆らわず後頭部をベッドに寝かせる。
大人しく従い続ける俺の様子を満足そうに眺めてから、坂柳さんは俺の頭上を跨いだ。
「えっ?」
思わず声が漏れてしまった。
坂柳さんは俺の顔を股で挟む形でベッドに座った。彼女のスカートが俺の髪に掛かる。
俺の頭のすぐそこには彼女の秘所があった。あと少しで俺のものになっていたはずのそれが。
全く想像もしていなかったシチュエーションに、既に下はバキバキに勃起していた。
「達するときはきちんとそう言ってくださいね?さあ、神室さん。始めてください」
「なんで私がこんなことを……」
ぶつくさ言いながら、彼女は恐る恐る俺の肉棒に手を付けた。
「どうですか?里中くん。こういうのが報酬というのは」
「今までに経験した事がない楽園です……」
下は手袋をした神室さんに手コキをされる一方で、上は坂柳さんと目をずっと合わせながら顔を撫でられ続ける。
ぼーっと呆けていると、ある程度慣れたのか本格的に扱かれ始める。
経験がないらしく、そんなに上手くはないが、手袋がとても気持ちが良い。とてもすべすべしていて、これで股間を撫でられるだけで感じてしまいそうだ。
「くっ……はっ……あっ……」
「里中くん、どうです?神室さんは上手くやれていますか?」
「ふっ……もっと……早くしていい……」
「だそうですよ、神室さん?」
「いいご身分ね。全く……」
俺に言ったのか、坂柳さんに言ったのか。
それは定かではないが、神室さんは扱くペースを一気に上げた。
与えられる快感が急に大きくなり、それに耐えられずに腰がカクカクと震える。
「さらにこういうのはどうでしょうか?」
そう言って坂柳さんは自分の足を交差させ、俺の頭を軽く締め上げた。
頬に当たる太ももの感触がたまらない。白のガーターストッキングからは良い匂いが漂ってきた。
「……あふっ……す、凄い……」
「ご満足いただいて何よりです。私のお友達になればこのような素晴らしい事がこれからも味わえますが、どうですか?」
「な、なります……お友達に……あっ……くっ……イ、イキそうです……」
「それは良かった。では口を開けてください」
無我夢中で口を開けると坂柳さんは俺の顔に両手を当てて固定し、上から唾液を垂らしてきた。
どろっとしたとても甘い液体を口内で味わいながら、俺は神室さんのすべすべした手袋に勢いよく射精した。
「うわっ……凄い出てる……」
「少しシャツにも飛んでしまいましたね。やはり上も脱ぐべきでしたか」
彼女達はそんなことを言っているが、どうでもいい。
俺は上で坂柳さんの太ももの感触を味わいながら唾液を咀嚼し、下で神室さんの手にひたすら射精するのに夢中だった。
「どうですか?神室さん。初めて男の子を高みに導いた感想は」
「……なかなかに面白かったわね。反応も素直でかわいかったし」
「はい。面白かったですね。あなたが扱くたびに彼、ビクビクと腰を浮かせて。大きな男の子が私の足の下で、惨めな恰好で必死に身体を捩る姿を見るのは楽しいです」
「ええ。そうね」
「それに何よりも、こんな彼でも女の子の中では憧れの相手というのがまた良いです。彼のことをテニスの練習にまで追いかけに行っている女の子達は、これを知ったらどう思うのでしょうね?」
「こんな惨めな姿を見たら幻滅しちゃうんじゃないの?未だに私の手に何度も擦り付けて、気持ちよくなっているようだし」
神室さんはそう言って、俺の亀頭の部分をギュっと締め上げてきた。
「うぐっ……!」
射精した直後の敏感になった状態でそんなことをやられたら耐えられない。
思わず腰を跳ね上げて強烈な快感を必死に逸らした。
「うわっ!凄い跳ねた!」
「ええ、跳ねましたね。なかなかに敏感になっているようで」
そんな俺の様子を見て笑う彼女達を尻目に、坂柳さんの唾液を飲み干し、神室さんの手に残りの精液を吐き出した。
長い射精を終えて、気だるげに放心している俺をよそに、坂柳さんと神室さんは帰り支度を始めた。
「さて、里中くん。あなたに3つ条件を出します。
一つ、私のお友達になること。
二つ、女の子を落とすときには私に声をかけること。
三つ、勝手な自慰行為の禁止。
これらをしっかり守ること。これらを守る限り、またご褒美がある、ということです。いいですね?」
俺は黙って頷いた。元より断れる話ではない。
それに今日経験したようなことがまたできるとなれば、考えるまでもない。
「フフ、よかったです。ご理解いただけたようで。これから楽しくなりますね、里中くん?」
「まさかこんなことになるとはね……考えてもみなかったわ」
そんなことを言いながら彼女達は部屋を出て行った。
そう、こういう経緯で俺は坂柳有栖に弱みを握られることになった。
イケメンランキング1位の里中という設定上だけの人物を借りてみました。