「フフ。次は私ですか?」
俺の身体の下で坂柳さんがそう問いかけてきた。
「はい。坂柳さんが一番気になる相手ですから。どうしてもえっちなことがしたいんです」
嘘じゃない。
帆波さんよりも、神室さんよりも、俺は坂柳さんのことが気になっていた。
「それは本当ですか?」
普段から自信に満ち溢れていて何処となく周囲を見下しているこの女を、思いっきりぐちゃぐちゃにしたらどれほど楽しいんだろうか。本当に気になる。
しかし、どうやってメチャクチャにするか……
「はい、本当ですよ。坂柳さんのことが好きなんです」
そうだな……
この女は完全に俺を自分のものだと思っているが、まずは軽くセックスでもして俺にのめり込ませる。
「一之瀬さんにも神室さんにも同じことを言っていたではないですか」
その後に梯子を外す。帆波さんのことが本当に好きになったとか言って、坂柳さんとは距離を取る。
「はい。でも本命は坂柳さんですよ。自分で言っていたじゃないですか、一番目の女だと」
自分のものだと当然のように思っていたものが、他人の手に渡って二度と手に入らない。これも飴と鞭だ。
「好きな人を、坂柳さんを気持ちよくしてあげたいんです」
そうなった時、いつも澄ました顔をしている坂柳さんだが、いつまで気取っていられるだろうか?
「私を気持ちよく、ですか?」
「はい。坂柳さんを気持ちよく、です」
「まあ、嬉しいです」
俺は坂柳さんを見下ろしながら、唇を彼女の口に近づける。
坂柳さんもそれを一切拒まない。
ああ……
「坂柳さん、好きです。キスしてもいいですか?」
「はい。私も里中くんのことが好きですから」
ちょろ……!女ってホントちょろいな……!
ホント、ちょ「ですが、キスの前に」ろ…………?
下半身に何か衝撃が走った。思わず下を見る。
何故か、坂柳さんの足が俺の股に突き刺さっていた。
そのまま二度、三度と急所が殴打される。
「ぉ…………ぇ…………」
その事実を認識すると共に、猛烈な吐き気が込み上げてきた。
俺は体勢を維持できず、ベッドに倒れ伏した。
全く訳が分からないまま蹲っていると、気がつけば坂柳さんは壁に手をつきながら立ち上がり、俺を見下ろしていた。
「里中くんは私に謝ることがありますよね?」
「がっ……ぁぁ……あ、謝る……こと……?」
坂柳さんに背中を蹴っ飛ばされて、俺は身体を丸めて耐えることしかできなかった。
「この一週間、動画を見ている間ずっと私のことを観察していたことについてです。いつも見張っていたんでしょう?私が発情する瞬間を見逃さないように」
坂柳さんは暴力的な笑みを浮かべながら俺のことを何度も蹴り飛ばす。
「ご、めんなさい……」
「生意気ですよ、本当に。ですが許してあげます。里中くんの、そのかわいげのある愚かさに免じて」
「お、愚か……?俺が……?」
散々に蹴られた後、頭を踏みつけられる。
あまりの吐き気に身体が動かない。ひたすらに気持ちが悪い。
「はい。里中くんは本当に単純ですよね。私があなたの望んでいる姿を少し演じてあげたら、簡単に大喜びして。扱いやすくて助かります」
「あの……は、発情してる姿は……」
「ええ、演技です。あの時の里中くんの顔はとてもかわいかったですよ?」
「そ、んな……」
俺を蹴るのにも飽きたのか、坂柳さんは杖を手に持ち、振り上げた。
「や、やめて……ください……」
「フフ。やめませんよ?」
そして杖を振り下ろして俺の身体を殴りつけ始めた。
「ぐ、あ……」
「大体、里中くんは初めに私に騙されているんですよ?私が告白をすると全く疑わずに上手く罠に掛かり、弱みを握られたわけですから」
「や、やめ……」
「だというのに、またです。これで二度目ですね。ですが、恥じることはないですよ」
杖を振り上げては、勢いよく振り下ろし俺の身体を痛めつけていく。
その度に今まで膨れ上がっていた俺の自尊心が萎縮していく。
「結局、秀才に過ぎない里中くんは天才である私に一生勝てないんです」
「…………ぅ…………ぁ…………」
「私が上で、里中くんが下。これは生まれる前から決まっていたことなんですよ。人というのはDNAが定めた以上のことはできないんですから」
散々に俺を打ちのめした後、杖を投げ捨てて俺の口元に足を近づけた。
「里中くん、私に従いなさい」
もはや、俺に選択肢は残されていなかった。
俺は坂柳さんの足に口付けた。
「フフフ。かわいいですよ、里中くん。良かったですね、念願のキスができて」
坂柳さんの口が大きく弧を描く。
「私はあなたの主であり、あなたは私のものです。ゆめゆめ忘れないように」
そう言って俺の顔を踏み躙ってから、坂柳さんは白の下着を脱ぎ、床に放り出した。
そして俺の上半身に跨って首を掴んだ。
「では、約束通り気持ちよくしてもらいましょうか」
俺の口に坂柳さんの割れ目が近づいてくる。
「頑張って気持ちよくしてくださいね、里中くん?」
俺は震えた舌で坂柳さんのおまんこを舐めた。
「く、うっ…………あっ……あっ……」
弱っ……
それが坂柳さんのおまんこへの率直な感想だ。
まだ、おまんこのびらびらを唇で軽く挟んで舌で舐めているだけだが、あっという間にイキそうになって腰が引けてしまっていた。
坂柳さんは必死に声を抑えて感じないように努力してはいるが、あまりのおまんこの弱さにどうにもならず、それがむしろ一層滑稽さを際立たせてしまっている。
「ふっ……くっ……」
おまんこを舐め続けていると、あまりに腰が遠く離れすぎてしまって舌が届かなくなった。
俺は仕方なく膣内に指を入れてトントントンとおまんこの上側のざらついた所を叩いて押した。
「あっ…………あっ…………あんっ…………」
すると、カクカクカクと口元におまんこが帰ってくる。俺は舌でおまんこを舐める作業に戻った。
おまんこの奥から溢れてくる、どろどろ白濁した愛液を舌で舐め取って味わう。これが坂柳さんの味か。
「な、にを……笑っているのです?」
どうやら俺は笑ってしまっていたらしい。坂柳さんに顔を叩かれながら咎められる。
「いえ……坂柳さんは敏感なんだな、と思いまして」
俺が笑ってしまったことと、その弁明の内容はどちらも坂柳さんには気に入らなかったらしい。
坂柳さんは俺に苛立ち混じりの視線を向けながら、冷たい声で言い放った。
「───私に勝てるとでも?」
「勝てる、ですか?」
「この場で里中くんの想定通りことが運ばれたとして、本当に優位に立てるのか……ということです」
「この状況、坂柳さんに勝ち目はないのでは?」
「僅かな経験の差など、学習の仕方1つで追い付き追い抜けます。むしろ勉強方法が悪かったと知ることになるかも知れませんよ?」
坂柳さんはさらに続けた。
「里中くんは現状で私よりも少し多く経験を積んでいるだけにすぎません。そして最後にものを言うのは才能の差。所詮は秀才の里中くんが、天才である私に挑んだところで結果は見えているでしょう」
そして俺を見下ろして笑みを浮かべた。
「……………………?」
坂柳さんが笑みを浮かべる一方で、俺は坂柳さんが言っていることをイマイチ理解できていなかった。
そういえば少し前から天才がどうとか言ってたな……
金玉を蹴られた嘔吐感に苦しんでいて大して聞いていなかったんだが、それを言ったら怒られそうだ……
まあ、なんでもいいか。
おまんこの強さに天才とか関係ないしな。
「とりあえず、イカせちゃいますね?」
俺は指でGスポットを押しながら、舌を大きく突き出しておまんこを下から上へ舐め上げる。
「あああっ!?ま、待って……♡」
ゆっくりと上に舐め上げるにつれて、坂柳さんは悲鳴を上げてガクガクと腰を震わせた。
そして坂柳さんのクリトリスを舌で押し潰す。
「〜〜〜〜っっ♡♡♡」
今まで懸命に維持してきたその澄ました顔もとうとう取り繕えなくなり、男に責められて苦しげに歪んだ女の淫靡な表情に変わる。
坂柳さんは身体を仰け反らせながらぴゅっぴゅっと潮を吹いて、俺に自身が負けたことを伝えた。
坂柳さんは天才らしいが、おまんこは弱かった。
「やはり、里中くんは私を舐めてますよね?」
あの後、メチャクチャにキレられて、散々に股間を蹴られてから杖で殴られた。
そしてそれだけでは終わらず、今はクローゼットに入っていたネクタイで首を絞め上げられていた。
「な、舐めて……なんて……ませんよ……」
俺は馬鹿にしてなんてない。
ただ、あんなにおまんこが弱いのに、どうしてクンニをする前は自信満々だったのかが気になるだけだ。
自分でやる普段のオナニーと俺のクンニが大差ないとでも思ったんだろうか?
全然理解できないが、他にも言いたいことはある。
おまんこの感度に才能なんて関係ないだろう。
そもそも、どうやって学習しておまんこの感度を鈍感にするんだ?
敏感にする方法は知っているが、鈍感にする方法なんて俺は聞いたこともないぞ……
「ああ、舐めてますね。完全に舐め切ってます」
坂柳さんのネクタイを絞める力がさらに強くなった。
「な、にも……言って……な……」
「おや、目は口ほどに物を言うという言葉をご存知ないので?」
首を絞められ続けてだんだんと意識が遠のき始めている時、神室さんが起き出した。
「ん……んん……」
「ああ、神室さん。良いタイミングでした。ちょっとこの生意気な彼を懲らしめるのを手伝ってください」
「…………えっ?」
ああ……苦しい……
「ほら、早くしてください。これは命令ですよ」
「……でも…………」
「嫌われたくないから逆らえないと?どれだけ里中くんに躾けられたんですか、全く……」
ホント、くるし……
「神室さんは見たくありませんか?大好きな彼があなたに虐められて、許しを乞う姿を」
「聡が……?」
「ええ。あなたが彼を痛めつけて、苦しめて、許しを乞わせて、支配するんですよ」
「聡を……支配……?」
もう……むり…………
「うっ……んんっ……」
「ああ、ようやく起きてきましたか。もう8分も経過していますよ?」
頭上から坂柳さんの声が聞こえる。
俺は強烈な便意で目が覚めた。気がついたら全裸でうつ伏せに寝ていた。
そして俺の目の前で坂柳さんがベッドの上に立っていた。
「こ、これ……なんです?トイレ行きたい……」
身体を起こそうとしても全然起き上がれない。
そこでようやく、何か柔らかくて重いものが俺の背中に乗っていることに気がついた。
それは、神室さんのお尻だった。
「神室さん……?何をしてるんです?」
「……何って、上に乗ってるだけだけど……?」
はぁ?何を言ってるんだ?
「さっさと退いてくださいよ、今すぐに」
「…………っ」
俺の上で神室さんがビクリと身体を震わせ、少しだけ腰を浮かせた。
いいから退けよ。何考えてるんだ、この女は……
その時、俺の頭を坂柳さんが思いっきり踏みつけた。
「うぐっ……」
「フフ。どうするんですか?この状況では里中くんに勝ち目はありませんよ?」
坂柳さんに頭を踏まれ、せっかく少し浮いていた神室さんの腰は元の位置に戻ってしまっていた。
ど、どうする……?どうすると言われても……
「一応言っておきますが、漏らしてしまっても別に構いませんよ?神室さんが片付けてくれますから。ですよね?」
「……ええ。そうね」
漏らす……?いや、漏らすわけにはいかない……
どうする……?
俺が気絶しているうちにいつの間にか全裸にされて、浣腸をされて、動けないように押さえつけられて……
これで、どうしろと……?
「……た、助けて……」
「全然聞こえませんね。もっと大きな声で言ってくれませんか?」
「坂柳さん、助けてください!」
俺の命乞いを聞いて、頭上で坂柳さんが笑い出した。
「フ、フフ。助けを求めるべき相手が間違っていませんか?あなたを押さえつけているのは私ではありませんよ?」
俺は顔だけ後ろを振り向いて神室さんを見上げた。
そして助けを求めた。
「助けてください、神室さん……」
神室さんは俺の身体の上で大きく身体を震わせた。
「……まだ、神室?」
「……真澄さん。お願いします……」
さらにぶるりと身体を震わせた後、真澄さんは俺を見下ろしながら口の端を吊り上げて笑った。
真澄さんは俺の口の中に指を入れて舌を弄び始める。
「聡。あんた、よくも散々に私を弄んでくれたわね?」
「ゆ、ゆる……ひて……たひゅけて……」
「フフ、フフフ……!惨めですね、里中くん?」
ま、まずい……本当にまずい……
「……お尻、叩いてもいい?漏らしたらちゃんと掃除してあげるから……構わないわよね?!」
「ひゃ、ひゃめ……」
坂柳さんのせいで真澄さんがどんどんサドに目覚めていってる……!
「神室さん、しっかり撮っていますね?」
「ええ。バッチリと」
「ほ、ホント……やめて……ください……」
俺は全裸で便座に座りながら、トイレをしているところを動画に撮られていた。
真澄さんは学生証を掲げながら、俺に向かってカメラを向けていた。
「今になって思えば、最初に握った弱みが大したことがなかったんですよ。それがいけなかったんですね」
坂柳さんが便座に座る俺を見下ろしながら話す。
「結果的に語った内容のほぼ全てが未遂で終わっていますから。だからここまで増長してしまったんでしょう」
「でも、今回のはそうはいかないけどね。学生証付きで排泄してる瞬間を動画で撮ってやるんだから」
本当に……最悪だ……!
「ところで、里中くんは一体いつ排泄するんですか?とっくに限界は来ているはずですが……」
こんな状況でトイレなんてしたくないに決まってるでしょうが……!
「きちんと私の言いつけを守っていれば、別に恥ずかしがらなくてもいいはずなんですが。私は以前言いましたよ?この一週間の間、いつお尻を弄られてもいいように身体を綺麗にしておいてくださいと」
……確かに言っていた。そして、昨日までは浣腸をしていた。
だが、今日は……
「フフ。里中くんは昨日の時点で私のことを舐め始めていましたからね。今日はしていないというわけですか。本当に仕方のない人です」
「一度浣腸をしておけば、二度目は大したこともなかったのにね」
浣腸だけはするべきだった……!
「今日は私たちがお世話をしてあげます。ほら、さっさと諦めて出してください」
「その杖でお腹をちょっと突いてやったら?」
「そうですね。あまり我慢をさせ続けても身体に良くないですから」
「ああ……あああっ!?」
必死の我慢も意味を成さずに決壊し、俺は無理矢理排泄させられた。
坂柳さんと真澄さんは俺がトイレをしている最中は一切話さず黙り込んで、俺の排泄音を隅から隅まで録音していた。
「すごい音でしたね。それに……」
「すっごい臭い……♡」
ホント、無理……
「まあ……♡ほら、里中くんの顔が真っ赤ですよ。かわいい……♡」
「うわっ……♡顔、赤くなり過ぎでしょ……♡」
「も、もういいですよね!?」
「いえ、まだです。今日は便座の中も撮りますから。学生証付きで」
「…………ゆ、許して……」
「いいえ、ダメです。里中くんが二度と私に逆らえないように、しっかりと弱みを握らせてもらいますからね?」
そして俺は坂柳さんに二つ目の弱みを握られた。
その後、坂柳さんと真澄さんに散々に弄ばれた。
「何が、セフレよ……」
「ま、真澄さん……強い……!それ強いです!」
「ふざけんじゃないわよ!付き合いなさいよ!」
「後ろっ……!舐めないでください……!ああっ……」
「付き合いなさい!さっさと付き合いなさい!」
「あああっ!?イック……!」
「神室さん、なかなかに張り切っていますね。では私も……」
「さ、坂柳さん!噛まないでください……!」
「おや?男の子は甘噛みされるのも嫌なんですか?女の子は軽く噛まれるくらいなら気持ちいいだけと聞きますが……」
「男は無理です……!と、特に亀頭は……」
「はあ、そうなんですか。男の子は弱いんですね」
「あぐっ!?だ、だから噛まないでください!」
坂柳さんと真澄さんに前後を責められて、その後は……
「早く飲んでくださいよ、里中くん」
「ん、んぅぅ……!!!」
「飲んでください。飲みなさい、里中くん……!」
「うわ……聡、かわいそ……♡」
「む、無理……尿を飲むのは本当に嫌です……」
「フフ。そんなことを言っておいて、里中くんの下の方は…………何で大きくなっていないんです?」
「コレ、あんたが飲ませ始めてからどんどん小さくなっていったけど……?」
「何を本気で嫌がってるんですか、里中くんは……屈辱ですよ……」
「き、汚いのはマジで無理なんです……」
「失礼ですね。他の女のものならともかく、私のものですよ?汚くなんてないと言うのが里中くんの義務でしょう」
「無茶言わないでくださいよ……」
「決めました。里中くんが私ので興奮するようになるまで、これから毎日飲んでもらいますから」
「こ、この人……暴君すぎる……」
「可哀想に……私が舐めて慰めてあげる……♡」
坂柳さんに尿を飲まされながら真澄さんにフェラをしてもらった。
そして今は、坂柳さんがいつの間にか沸かしていたお風呂に三人で入っていた。
「それにしてもこの一週間、遊び尽くしましたね」
「そうね。すごい濃い毎日だった」
「最後に酷い目に遭いましたよ、本当に……」
まあ、三人で入ると言っても、バスタブは一人用のサイズだから三人同時には入れない。
今、バスタブには真澄さんと坂柳さんが同時に入って、俺は外で身体を洗っていた。
坂柳さんはお風呂に入りながら自分の端末で動画を見ていた。そして真澄さんも坂柳さんの背中側から覗いている。
「ほら、見てください神室さん。学生証の里中くんの気取った顔とこの真っ赤になった顔を。これがいわゆるギャップ萌えというやつでしょうか?」
「そうね。私はこっちも好きだけど。イケメンだろうが誰だろうが、出すものは大差ないっていうのが良いっていうか……これもギャップ萌えね」
一人用の大して大きくない浴槽で、花の女子高生二人が身体をくっつけて仲良さそうに端末を見ていた。実に微笑ましいな。
なお、見ているものは……知らぬが花だな……
「今日のところはこの程度の弱みが限界ですか。いつか、さらに強力な、三つ目の弱みを握ってあげますから。楽しみにしていてくださいね、里中くん」
「これ以上の弱みって一体何ですか……もう許してくださいよ……」
坂柳さんの端末はこの一週間の動画の全てにアクセス出来るようになっている。
理由は室内カメラのアプリの管理者アカウントが坂柳さんのものだからだ。俺は普通のユーザーアカウントにすぎない。
そして俺の趣味で撮った学生証のエロ写真も、坂柳さんに渡せと言われて送信した。
これが何を意味するかというと、坂柳さんがその気になれば俺の学校生活を簡単に破滅させられるということだ。
ついでに帆波さんの人生も何度か破滅させられるだろう。
坂柳さん、悪用はしないでくださいよ……?
いや、無理な話か……そもそも悪用する以外にどう使えば良いんだ。
「それにしても、あんなセックスで初体験を済ませることになるとはね……」
「おや、里中くんが相手では不満でしたか?」
「相手に不満があるわけじゃなくてその内容よ……別にムードなんてなくていいからもう少しこう……」
真澄さんには色々と思うところがあるらしい。それもそうか。
「俺と初体験をするって時点であまり期待しないでくださいよ。帆波さんの初体験もなかなかに酷かったでしょう?」
「まあね……」
「初体験なんてそんなものですよ。理想と現実が一致することはなかなか無いです」
初体験なんてどうでも良いだろう。一回してしまえばそれで終わりだ。
「そのようなことを言うということは、里中くんの初体験は酷いものだったのですか?」
坂柳さんにそう聞かれた。真澄さんも黙って聞いている。
「まあ、そうですね。俺はレイプでしたから」
「は?レイプ?」
真澄さんは驚いた様子を見せていた。
しかし、坂柳さんはそうでもない。ある程度予想していたのだろうか。
「小学校の六年生の頃でしたね。習い事の帰り道で知らない女にいきなり車に連れ込まれて、スタンガンか何かで気絶させられました。目が覚めたらフェラをされていて、そのまま犯されましたよ」
「あんた子供の頃にそんなことされたの?それは性格も捻じ曲がるってものね……」
真澄さんに言わせれば俺の性格は捻じ曲がっているらしい。事実か。
「それで話は終わらないんでしょう?もしそれだけならば女遊びなんてするようにはならないはずですから」
坂柳さんは何もかもお見通しらしい。
確かにそれだけで終わっていれば俺は女性恐怖症にでもなり、同性愛にも目覚めたかもしれない。
「レイプされれば小学生だって反撃します。ただ、あの女は舐めていたんでしょうね。所詮、小学生だと。特に拘束されていたわけでもなかったんです」
確かに最初は恐怖で何もできなかった。だが、それがあの女の油断を誘ったのかもしれない。
騎乗位でやっている時に鳩尾を力一杯殴り飛ばすとお腹を押さえて動かなくなった。さらに顔を横殴りにして結合を解除した。
小学生とはいえ、俺は子供の頃からスポーツをかなりやっていた。そして女は無防備。極め付けには極限状況での馬鹿力。
女一人、簡単に沈められた。
「そしてあの女が蹲っているのを見下ろした時に思ったんですよね。『なんだ。女ってこんなに弱いんだな』と」
大人の女をガキの俺が簡単に制圧して見下した。
それが全ての始まりだった。
そこからはむしろ小学生の俺が社会人の女を犯した。
俺はあの女の腹を殴ったり首を絞めたりしながらセックスをして、その後は女の免許証を自分のスマホで撮って逆に脅迫してレイプ女の車で帰宅した。
「いや、警察に通報しなさいよ……」
「何故かその選択肢がなかったんですよね。話してみたら普通の女だったので、罰として俺の奴隷にして終わりです」
「えっ?捕まってないの?」
「はい。警察にも俺の両親にも話してませんから。普通にOLやってると思いますよ」
この事はそもそも誰にも話したことがなかった。思えば、今初めて他人に話したことになるな。
それからというものの、俺は時々あの女の家に押し掛けては金をせびったり、置いてあったゲーム機で遊んだり、暴力的なセックスで好き放題したりと満喫していた。
真面目で習い事ばかりやっていた俺には全てが新鮮だった。
レイプから新たな世界が広がったというわけだ。
そこから先は特に言うことはない。
俺は中学生に上がり、女遊びに熱中して楽しく女の尊厳を踏み躙って過ごしていた。
そしてあの人妻教師に手を出してしまい、この学校に逃げてきて今に至る。
「なるほど。里中くんの根底にあったのは、過去の体験に基づく女性蔑視ですか」
「まあ、レイプされる前から女の子のことは見下しがちだったんですけどね。常にクラスの女の子や女教師にチヤホヤされて増長気味でしたし」
「いや、それは今もじゃないの……」
それもそうだ。俺は昔から成長してないらしい。
「ともかく、俺の話はもう良いでしょう。それよりも坂柳さんに聞きたいことがあるのですが……」
「何です?」
「坂柳さんもそのサドっぷりには何か理由があるんですか?いきなり杖で殴りつけてくるとか、ネクタイで容赦なく首を締め上げるとか。はっきり言って普通じゃないですよ」
もしかして、坂柳さんにも悲しい過去が……?
「いえ、私のこれは生まれつきですね」
「ああ、やっぱり?」
ただドSなだけだったようだ。
俺は身体を洗い終わったので、バスタブに浸かっている坂柳さんと位置を交換する。
坂柳さんを抱きかかえてバスタブから引き上げ、風呂場の椅子に座らせた。
これくらい自分でやって欲しいんだが、俺をこき使いたいらしい。やれと命令してくる。
尤も、坂柳さんは軽いから出来ないこともないが。
「それにしても……」
俺は真澄さんを抱きしめて一緒に風呂に入りながら会話を続けた。
真澄さんの肩に顎を置いて、ヘアゴムで短く纏まっている髪の匂いを嗅ぐ。うん、いい匂いだ。
「帆波さん、母子家庭だったんですね……」
正直、あれを知った時の衝撃は今日一日の中でもかなり印象に残っている。
「母子家庭の子なんて、初めて見ましたよ。しかも話しぶりからして金銭的にも困窮していそうで、更に驚きました」
「この学校は入学金も授業料も無料ですから、そういう子がいてもおかしくないですね」
「ええ。すごいですよね、この学校。中学までとはぜんぜん違います」
この学校は入学金も授業料も無料で、希望する進学、就職先にほぼ100%応えるという謳い文句を掲げていた。
しかし、いざ入学してみれば実態とはかけ離れていることが分かったが、それでも帆波さんのような貧困家庭の子には夢のような学校だろう。
退学にさえならなければ三年間無料で高等教育が受けられるんだから。しかも衣食住付きだ。
「聡の身の回りにはそういうのはいなかったわけ?」
「いませんでしたね。俺も含め、金銭的に恵まれている家庭の子ばかりです。まあ、私立の学校ですからそれも当然ですが」
「里中くんは何処の学校に通っていたんです?」
坂柳さんのその問いかけを皮切りに俺たちはお互いの出身校を教え合った。
「確かあそこって全国でもトップクラスの中高一貫なはずだけど。よく入れたわね……」
「小学生の頃は真面目だったんです。真澄さんも受験をして結構良いとこの私立に進んだんですね」
「まあね……って何硬くしてんのよ……♡あっ……♡」
真澄さんの胸を揉んでいると勃起してしまったので、少しお尻に擦り付けてみた。反応がなかなかにかわいい。
「それで、里中くん。私の出身校についての感想は?」
「もう完全にイメージ通りです。全国トップの名門女子校。言うことはないですよ」
「はあ……つまらないですね……」
本当に言うことはないから仕方ないだろう……
ああいや、一つだけあるか。
「そういえば、坂柳さんは外部受験をするのに苦労しませんでしたか?周りはみんな付属の高校にそのまま上がりましたよね」
俺は苦労した。中学校側は高校受験に関して何も手伝ってくれなかったからな。
基本的に全員そのままエスカレーターで上がるから外部受験の生徒のことは考慮されていない。そのせいで何かと苦労した。
俺がそのことを聞くと、坂柳さんは予想外のことを口にした。
「私は特に。父がこの学校を理事長を務めているので、そういった苦労はなかったです」
「お父さんがこの学校の理事長……?」
「初耳なんだけど?」
坂柳さんが良いとこのお嬢様だろうということは予想していた。
だが、まさかこの学校の理事長の娘さんだとは……
いや、これでむしろ腑に落ちた。
「この学校、なかなかに酷いところがありますよね。甘い餌をぶら下げてノコノコやってきたカモに対して、恩恵を受けられるのはAクラスだけとか成績が悪ければ退学とか、後出しで色々と言ってきて」
冷静に考えると酷い学校だよな、本当に……
「でも理事長が坂柳さんのお父さんなら納得ですね」
実を見れば木が知れるというものだ。
坂柳さんのドSっぷりはきっと父親譲りなのだろう。
「……一応言っておきますが、父は普通の人ですよ」
「またまた、そんな冗談を」
「……まあ、良いです」
坂柳さんはそう言ってその話を切り上げた。
「それにしても、里中くんと神室さんは似たようなところがありますね」
特に話すこともなくなり、しばらく腕の中の真澄さんに愛撫をして弄んでいると、坂柳さんが妙なことを言い出した。
「んっ……♡私と、聡が……?」
「周囲には素行善良で通っている青少年が、ただ真面目でいるよりもずっと面白いことを見つけて非行に走る。そっくりではないですか?」
ああ。忘れていたが、真澄さんも坂柳さんに弱みを握られているとか前に言ってたな……
「それで?どんな悪いことをしてたんです、真澄さんは」
真澄さんは何も答えない。興味なさげに指先を眺めているだけだ。
一向に話そうとしない真澄さんの代わりに坂柳さんが答えた。
「万引きです。入学して早々に非行に及んでいるところを偶然見かけて以来、神室さんとは仲が良くなったんです」
「なるほど、万引きですか……」
真澄さんが万引きか。意外なのか、妥当なのか。
万引きをする人間のステレオタイプなんて分からないから何とも言えないな。
「どう思います、里中くん。このことについて」
「そうですね……」
坂柳さんがそう問いかけてきた。
今度は真澄さんはつまらなそうに前髪を弄り始めた。
どう思うか、なんて言って返答の内容は俺に一任しているかのように見えるが、それは形式上に過ぎない。
坂柳さんは明らかにこう答えろと言外に命じている。
俺もそれに逆らうつもりはない。命令通り答えた。
「少し、失望しました」
耳元でそう囁くと、俺の腕の中で真澄さんがびくりと飛び上がった。
恐る恐る後ろを振り向いてくる彼女と目が合う。
真澄さんの瞳は揺れていた。俺はそれをただ見つめ続ける。
やがて、真澄さんは俺の目から顔を逸らした。
「あっ……そ……」
真澄さんの震えた声が風呂場の中に響く。
俺は思わず坂柳さんと顔を見合わせた。
坂柳さんは悪い笑みを浮かべていた。俺も同じだろう。
俺は真澄さんの背中にくっついていたんだ。心臓の鼓動の速さで分かった。
真澄さんが関心がなさそうな素振りをしながらも、この話題を非常に気にしていたことに。
俺は真澄さんの身体を強く抱きしめた。
「嫌だな。冗談ですよ、真澄さん!そんなに間に受けないでください。俺と真澄さんの仲もそろそろ長くなってきたんですから」
俺は明るく真澄さんに声を掛けて励ます。だが、まだ真澄さんの元気は戻らない。
好きな男に否定されるというのはなかなかに効くものらしい。
「さて、万引きについてですか?実は俺も何度かやったことがあるんですよ。だから何とも思わないですね」
ちなみにこれは嘘だ。一度もやったことはない
金に困ったことはなかったし、わざわざ窃盗なんてリスクを冒そうと思ったこともない。
「主に盗んだのはコンドームです。女遊びをし始めた頃、俺はあれを未成年で買えるとは知らなかったんですよ」
「…………何それ」
ようやくクスリと真澄さんは笑ってくれた。
「それで、真澄さんは何を盗んだんです?」
「……お酒よ。お酒」
酒か。あれって美味いんだろうか。一度も飲んだことはないな。
「お酒ですか。俺も何度か盗んで飲んだことありますよ。美味しいですよね」
「私は飲まないけど……」
はぁ?じゃあ何で盗んだんだよ……
「フフ。分かりましたか、神室さん?その程度のことを気にする人間はここにはいないということですよ」
「そういうことです。というより、俺が高々万引き程度で失望する男だと見くびっていたことを謝ってくださいよ」
「はいはい、ごめんなさいね」
ようやく真澄さんはいつもの調子に戻った。
真澄さんは本当の自分を受け入れて貰って大満足。
坂柳さんは真澄さんが落ち込む姿が見れて大満足。
俺は真澄さんを簡単に一喜一憂させられて大満足。
これがいわゆる三方よしというやつか。
こんな状況を瞬時に考えて誘導した坂柳さんはやっぱり天才かもしれない。
のんびりと身体を洗っていた坂柳さんも、ようやく洗い終えたらしい。真澄さんと位置を交代だ。
俺は坂柳さんをお姫様抱っこをして一緒にお風呂に入る。
さて、ようやくこの人が俺の腕の中に収まった。
坂柳さんは俺の腕の中で自分の端末で忙しそうに動画の編集をしている。
お気に入りのシーンだけを切り抜いたり、静止画として残したりと冗長な部分を削っていた。
俺はそんな坂柳さんに色々と悪戯をしていく。
太ももをツーっと触ったり、小さな胸をふにふにと触ったり、耳を軽く舐めてみたり。
「フフ。何ですか、里中くん。くすぐったいです」
「坂柳さん、好きです」
坂柳さんの耳元で呟く。セミロングの銀髪が俺の頬にふわりと当たった。
「ありがとうございます。嬉しいですよ」
「坂柳さんとえっちしてみたいんですが、どうでしょう?」
首筋に舌を這わせながら尋ねる。坂柳さんは相変わらず動画を見ながら返事をした。
「セックスはなしでお願いします」
「どうしても、ですか?」
「どうしてもです」
仕方ないので、俺は坂柳さんの耳元で頼み込んだ。
「好きです、坂柳さん。一回だけしてみませんか?絶対きも、もぐぐっ……!」
「ちょっと静かにしてくださいね。動画がよく聞こえないので」
しかし、逆効果だったかもしれない。うるさかったらしく、口を手で塞がれる始末だ。
ダメだ。坂柳さんとのセックスはまだまだ遠いらしい……
「大体、里中くんの好きは軽いんですよ」
「か、軽い……」
そして俺の好意の言葉の評価は『軽い』だ。
本当に心外だ……
「別に嘘はついてないですよ?」
「ですが、軽いです。何故この程度のものに一之瀬さんはあっさり引っかかってしまったのか、私には理解できませんね」
坂柳さんのこの言葉に、身体を洗っていた真澄さんの手が止まった。
あっさり引っかかった側だからな、真澄さんも……
「本当ですよ、真澄さん。元々は帆波さんとの情事を真似していただけですよね。事情を知っておいて騙されないでくださいよ」
「……一之瀬との行為を真似するんだから、それっぽい演技をしただけよ……」
雰囲気を盛り上げるための演技か。
真澄さんはそういうことにするらしい。まあ、その方が俺もありがたい。
「それは良かった。もし本当に好きになられていたら困ります」
俺はそれに応えるつもりなんて毛頭ない。
「帆波さんと付き合っているのも、真澄さんとの行為も遊びなんですから。本気になるのは感心しないですね」
真澄さんはこの言葉を聞いて目を伏せた。彼女だってこのことは内心では分かっていただろう。
「俺は女を踏み躙ることが大好きな男だということを忘れないでください、神室さん」
俺はこの学校に入学してから自分の本性を抑えようと努力してきたが、結局失敗に終わった。
だが、そもそも抑える必要がなかった。
女は玩具。俺を楽しませる存在。
そんな俺の本性を受け入れてくれる人なんていないと思っていたが、そんなことはなかった。
俺は腕の中の小さな理解者を抱きしめる。
「さあ、坂柳さん。これからもたくさん女の子を踏み躙って遊び回りましょうか」
そう、この人も俺と同じだ。
他人は玩具。自分を楽しませる存在。
坂柳さんなら俺を肯定してくれる。
「退屈な学校生活になる。そう思っていたのですが」
坂柳さんは俺に振り向いて言った。
「思っていたよりも、楽しめそうです」
しばらくの間、俺と坂柳さんは顔を向かい合わせて笑い合った。
ああ、この学校に来て良かった。この学校に入ったおかげでこの人に会えた。
坂柳さんと恋人になれれば、どれだけ幸せか。
これほど俺を理解してくれる人なんていない。
坂柳さんと、どうにか付き合えないだろうか?