※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか?   作:楓 湊

11 / 37
セックスに抵抗が無いからこその軽い挨拶のようなお誘い




10話 先約は私です♪

 「「「………」」」

 

 沈黙。

 

 取り敢えず自宅に上がって貰ったまでは良いが、それからどのように話をしたものか言葉を詰まらせていた。

 

 「…取り敢えず、僕に何の用があるのかを聞いても…?」

 

 「報告…とご挨拶、でしょうか…」

 

 「報告、とは」

 

 「文乃のことについてと、今後についてをちょっと話しておこうと思って」

 

 「…僕はそこまで信用に足る人間なのかな」

 

 「どういうことだ?」

 

 「…僕は、反交尾勢力よりもSSの方を良く知ってしまっている。顔もそうだ。ビッグスリーに顔を覚えられてしまっているし、SSに入れた理由のことも考えるとあまりそちらに良い方向に動けるかわからないんだ」

 

 ドスケベを避ける自分がSSに染まりつつある___訓練に傾倒することだってそうだ。

 あの組織はドスケベという要素を引いてしまえば良い居場所なのだ。

 

 それ故に、自分が簡単にSSを裏切れるかどうかわからない。

 そもそも、自分が行動したことによって悪い方向に傾く可能性だってあるのだから。

 

 「…SSに向かって銃を向けるのは難しいか?」

 

 「極力避けたいとは思っています。彼らだって、必死に生きていることがわかりましたから」

 

 でも、と続ける。

 

 「敵になるのなら、容赦はしない。何処かで割り切らないと…精神がもたなくなります」

 

 「…文乃」

 

 「…っ、はい、淳之介さん」

 

 「何を望んでいるのか、教えてやって欲しい」

 

 「…共存___」

 

 「乗った」

 

 あまりにも早い即答だった。

 

 「まだ、最後まで申し上げておりませんが…」

 

 「今のはつい…腑に落ちたというか」

 

 ドスケベ条例に喜んで従う者と、避ける者との共存。

 皆が青藍島で楽しく過ごすことが出来る手段。

 

 「簡単なことではないけど、必ず実現させる」

 

 「だったら…躊躇う必要はないかも、しれないですね」

 

 大義を抱くのも、悪くないと思った。

 いや、この人たちならば近い内に実現させてしまいそうな気はしている。

 

 「…ありがとう、ございます」

 

 「とは言っても、僕が出来ることはやっぱり少ないですよ。反交尾勢力の活動が活発になるにつれてSSの監視の目だって強くなりますし…」

 

 「その辺りのことは俺たちに任せて欲しい。如月にはちょっと別方向で頼みたいことがあるんだ」

 

 「別方向で…?」

 

 「それは___」

 

______

 

 「___最近ずっと自主訓練で顔を見せないと思ったら、次の合同演習に参加させて欲しいなんて…一体どういう風の吹き回しだ?」

 

 「めっちゃ説明してくれて助かります。流石にSHOの戦闘部との訓練なら、良い勉強になると思っただけですよ」

 

 翌日、風紀委員室に凸撃をかまし、糺川先輩に直接意思を伝える事にした。

 

 「それは例外なく如月も参加して貰おうと思っていたが…」

 

 「だったら良いんです…それでは___」

 

 「ちょっと待て。そのまま生徒会室へ行ってくれるか? 桐香様にこの書類を確認して欲しいんだ」

 

 「わかりました」

 

 すんなりと承諾、すんなりと開放された。

 自分自身、素行がSSらしくないという自覚がある為に新兵の教官も務める糺川先輩には何かと言われると思っていたが、何処か拍子抜けだった。

 

 かくして、生徒会室へ___

 

 「失礼します」

 

 「あら、珍しい来客ですね」

 

 「珍しくて結構です…あまり行きたい場所ではないので。これ、風紀委員長から急ぎで見て欲しい書類だそうです」

 

 「わかりました。折角来てくれたのですから、少しお話していきませんか?」

 

 「別に構いませんけど…話題あります?」

 

 「もちろん…セックスの話であれば」

 

 「それ一番需要ないですよだって経験ないですもん」

 

 「ええ、ですから童貞という観点からセックスについての感じ方などを是非聞いてみたいと」

 

 「……参考になるのかわかりませんけど」

 

 「参考にならなければ身体に聞くだけですので」

 

 「そういう使い方で身体に聞くって言われるとは思わなかったです」

 

 「私と如月さんの仲でしょう…?」

 

 「トモダチになったこともないような気がしますが」

 

 「ではこれから仲良くなりますか?」

 

 「自然な流れを装ってセックスに誘おうとしないでください」

 

 「そこまでは言っていませんよ? 性癖の共有程度ですが」

 

 「まあそれくらいなら…」

 

 「では手始めに一度セックスを…」

 

 「どうしてそうなるんです?」

 

 会話がまったく先に進まないのである。

 

 「どうしてそこまでセックスを拒むのでしょうか…」

 

 「どうして僕とセックスしたがるんでしょうか…」

 

 「それは、如月さんのことをもっと理解したいからですよ?」

 

 「その言葉からどうしてセックスに繋がるのか一生わからないかもしれないです」

 

 「では先約という形にしましょうか」

 

 「…はい?」

 

 「もし今後如月さんがセックスしたくなった時は私が最初にお相手を…」

 

 「!?!?!?!?!?」

 

 セックスに対する敷居の意識が違い過ぎるのだ。

 

 「何か不都合でも?」

 

 「いや…んん…ちょっと複雑な感情が…」

 

 生徒会長___冷泉院桐香は傍から見れば容姿端麗が過ぎる。

 エロゲーでも攻略対象に入っていれば最高難易度だと言わざるを得ない程に完璧なのだ。

 

 童貞的思考で考えればそんな人物からセックスしようだなんて言われれば二つ返事でOKする。

 ただ、此処は青藍島だ。

 

 「何でしょう、矢張り童貞卒業は処女が相手の方が良いのでしょうか…それとも単に年上の方が良かったですか?」

 

 「大事なのはそこではなくてどう卒業するかで…」

 

 「そういえばそうでしたね。では、シたいプレイなどがあれば何でもお相手しますよ?」

 

 「え、ちょっと揺らぐんですけど…」

 

 「じゃあ決まりですね?」

 

 「…前向きに検討しておきます」

 

 此処が青藍島だというだけでそこまでムードもクソもなくなってしまうのかと思わずにはいられなかった。

 




あとがき

というわけでセックスです。

あとがきを考えることも難しくなってきました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。