抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか? 作:楓 湊
最も効率的に一人で足止めをする為に積極的にSSの合同訓練に参加し、情報収集に励んだ。
そして引き渡しの日になると、想定通りSSとNLNSが交戦状態に___
隊列を崩す為に最も簡単な手段は頭を取ること。
司令塔さえ屠ってしまえば一時的な混乱に陥る。
流石にどれだけ練度が隊長クラスになっていたとして、全員を足止めすることは自分には出来ない。
一人ずつ足をライオット弾で撃てば止まりそうだが、流石にそこまでの余裕も無い筈だ。
「___なんて、計画しててもその通りに事が運ぶとは思えない…」
日が沈む頃合いになって今更ながら小声で自らの計画に少し不安を覚えていた。
琴寄文乃の引き渡しは今夜行われる。
必然的にSSやSHOに察知され、襲撃されることは確定している。
現に自分もこうしてSSの隊員と行動を共にしなければならない状態になっているからだ。
「如月。私の傍を離れるなよ…反交尾勢力との戦闘なら個人で戦力になるのはお前が一番なんだからな」
「買いかぶり過ぎにも程がありますよ___って、まさか」
視界に映った小さい人影の存在に対し態とらしく声を上げた。
『あれは…反交尾勢力及び捕獲対象を確認!』
通信が入って周囲に緊張感が走る。
「出たか___私が向かうまでそこから逃がすな! 如月!」
「……了解」
まだだ。
タイミングは最高の時に。
一気に前線へ走る。
___ワケにはいかない。
「___っ!」
最前線に到達する前に足を止め、両腰のホルスターからハンドガンを抜いた。
そして正面___糺川先輩の向かう先、既に戦闘を開始している何番隊か忘れた…SS隊員の脚を狙って射撃を行った。
「如月っ!? 何を___!」
「…ちょっと早すぎた気がするけど、これでSSとも…!」
命中してるかどうかなんて関係ない。
自分の仕事は時間稼ぎだ。
仲良くなった人はいるが、改めてSSに対して情があるわけじゃない。
だから、もう躊躇わない。
「まさか…このタイミングで、裏切るつもりか…?」
向かっていた方向から自分の方へと向き、呆然とした様子で糺川先輩は立ち尽くす。
彼女には銃口は向けず、あくまでも淳之介と文乃と戦う隊員だけを撃つ。
「裏切りじゃありません…そもそも、仲間になったつもりもありませんし」
「屁理屈を…利用するだけ利用しておいて…っ!」
「下につく者の僻みでしょう…さっさと処罰していれば済んだ話なんですから」
糺川先輩を引き付ける気はない。
彼女が一番”脆い”ことを知っている。
だから、自分は戦わない。
「僕の相手なんか、してる場合じゃないでしょう?」
「___!」
そう言って漸く糺川先輩はハッとしたように目を見開き、すぐさま逃げた淳之介達を追っていった。
「他の人は…足止めさせて貰います」
糺川先輩は淳之介に任せ、自分はそれ以外の隊員の相手をする。
手持ちの弾薬はおよそ五十ほど。
最悪銃身で殴れば___今後、SSで補給を受けられない以上、弾薬もハンドガンもなるべく消耗するわけにはいかない。
「___相変わらず、無計画、か」
嫌悪から軽蔑の視線に変わる。
周囲の評価なんて今更気にする程でもないが、知り合った顔が居ないのはある意味幸いだったというしかない。
今はもう夜更け。
ならば___
「”バトンタッチ”で…」
意識を”悠”に託した。
______
「___はっ」
唐突に目を覚まし、起き上がった。
目覚めた場所は、自宅ではなく見たことのない秘密基地のような場所だった。
「大丈夫か?」
声の方を振り向くと、そこには淳之介含む男女数人が立っていた。
見たことある人物といえば、ビッチで名高い片桐奈々瀬
「なら、此処が___」
NLNSのアジトということになる。
「…あの時は助かった」
「いや…そっちに大隊長を押し付けて申し訳ない、です」
「気にしないでくれ…それよりも、身体の方は?」
「痛みってことはありませんけど、何だか左腕の感覚が鈍くなった…かもしれないです」
かもしれない、という確信には到達しない程度の違和感だが、少し不安だ。
「でも、戦闘になるとちゃんと動いてくれるので困らないとは思いますが…」
「……取り敢えず、その話はまた落ち着いてからにしよう」
「それよりも、今は文乃のことだ」
自分を心配してくれていた優しい顔は何処へと言わんばかりに淳之介の表情は怒りや後悔の色に満ちていた。
__________
おまけ
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『セックスの前に相談するべき内容ではない』
「如月さん、ご希望のシチュエーションなどはありますか? 何でもお相手しますよ?」
「シチュエーション…世界観とか重要ですよね。こんなムードも何もない青藍島とは違う設定で童貞卒業出来たら何よりです」
「私としては普段は控えめな性格をしている如月さんが私と二人きりになった途端に荒々しいもう一人の如月さんのような隠された一面を晒して荒々しいわからセックスを披露して頂きたいのですけど___」
「それはシチュエーションじゃなくて細かいプレイ内容では?」
「同じようなモノではないのですか?」
「ぜんぜん違いますけど!?」
「具体的に何が違うのでしょう…」
「シチュエーションは設定、プレイは内容ですよ」
「設定…関係性などを改めて決めてなりきるということでしょうか?」
「そういうことです」
「つまり、如月さんは”冷泉院桐香”とはセックスする気が無いということですか…?」
「そう捉えるとは思いませんでしたよ」
「然し、一度セックスを行った仲なら二回目、三回目も勿論あるわけで…そこまで自分を偽って我慢しなければならないというのは…」
「そうですねその辺の欲はエロゲーとか音声作品で我慢します」
「是非そうしてください。矢張りセックスするのであれば私を理解して欲しいんですもの」
「セックスで相互理解が出来るとは思いませんけどね」
「私にとっては重要なコミュニケーションの手段なので」
「それで…プレイとなると…あ、言っておきますけど、童貞にさっきみたいな鬼畜プレイを要求しないでください」
「経験の無い未熟なおちんちんでは私をわからせるのは難しいですからね」
「それ以前の問題なので」
「では、私から優しく逆レイプというのは如何でしょう」
「歳下から逆レイプされるとかまあ個人的にはアリですけど…」
「意外とマゾ寄りなんですね」
「人のこと言えませんよね?」
「お互いのことがわかるということですね♪」
「性癖だけしかわからないですけど」
「それだけで十分では?」
「まあセフレならそういうのもアリ…なのかも…?」
「セフレで良いんですか? 恋人でも良いんですよ?」
「飛躍しすぎですよ」
「それで私は先輩と甘々セックスしてくるので、如月さんは郁子と甘々セックスしてきてください」
「僕に死んでこいと仰るわけですか」
「お嫌いでした?」
「好き嫌い以前に巻き込まれる二人のことを考えてあげて欲しいです」
「残念…然し、矢張り”理解している”みたいですね…」
「悔しいですけど、理解してますよ、それは」
「ふふふ、もっと距離が縮まった気がしますね♪」
「それは良かったです…」
あとがき
おまけは前回にて約束してしまった悠真くんの初セックスについて掘り下げた会話になります。
我ながら怪文書キマってると思いますが、ノリとテンションでどうにかしています。
やっぱり、このままの√だと淳之介は文乃ちゃんと結ばれて、悠真くんが冷泉院さんの隣に立つことになるんでしょうかね…(誰に聞いているんだか)
会話だけで成り立つ話もそれなりに好きなので、今後もおまけとして載せていければ良いと思います。