※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか?   作:楓 湊

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選ぶという事は、誰かを選ばない事と同義。

何かを拾えば、何かを捨てなければならない。

誰かを生かすなら、誰かを殺さなければならない。

二兎追う者は一兎も得ず、というのだから今更無理強いはしない。

少年は、自らが思う”最良”で”最悪”な道を選ぶ。


19話 葛藤

 ___SS一番隊。

 

 SS中隊長である女部田郁子を隊長として擁するSS内でも屈指の戦闘力を誇る部隊。

 女部田隊長本人がアレだからSS内のパワーバランスがおかしいような気がしないでもないが、恐らく代わりに何かが抜けているから戦闘力の高い人間を一番隊に集中出来るのだろうと推測しておく。

 

 最も自分が縁の遠い隊であり、B世界では最も実力が近い隊でもあった。

 

______

 

 「…ある意味ハンドガンとナイフを扱う風紀委員長がいるんだから、シューベルトだって大丈夫だよ」

 

 「そう言って貰えると嬉しいよ。悠真が性帝から離れて行動が出来るという事は僕やスス子くんが信用されているという事だからね。今まで無傷で性帝を護ってきたキミの名誉を傷つけさせる訳にはいかないよ」

 

 正式に自分は性帝の護衛任務から外れると同時に、SSを抜けた…と表向きにはそう決定され、実際には私服警官のような、一般生徒のフリをしながら反交尾勢力の動向を探る任務に就いた。

 これによりSSの寮から自宅のアパートに帰る事となり、SS寮の立ち入りも禁止となった。

 

 最初はSS寮は以前の権限で自由に出入りが可能で浴場での話し合いに参加する事が出来るようにしていたがSHO特別監査役補佐である花丸凛が表向きにはSSではない生徒をSS寮に入れる事はどうなのかと抗議した結果、SSとして得られる殆どの権限や恩恵を失う事になった。

 因みに自分が所持している権限はハンドガンの所持及び発砲のみとなった。

 

 「___で、それで僕は何をすれば良いんです…?」

 

 「如月さんトリ公のリーダーを燻り出す囮になって貰います」

 

 SS寮での最後の夜。

 流石にこの日は秘密の話し合いに参加させられた。

 

 「囮…と。これでトリ公に接触しやすくなったのを良い事にトリ公に嘘を伝えて引っ掛けろ…と?」

 

 「察しが早くて助かる。一応、大脱膣ゲームの後にトリ公の襲撃があった時の戦闘準備は出来ているが…問題はその後だ。仮に此方の作戦が失敗し、トリ公のリーダーが誰か把握出来なかった場合は、悠真に総て話して貰う必要がある」

 

 「ほら、みんなそこまで演技が上手いってワケじゃないからさ、先に情報が手に入っちゃうと作戦が上手くいかない可能性があるから…」

 

 「…それまでに、確証を持って説明出来るだけの情報を集めろ…という事なんですね?」

 

 「ええ、その通りです」

 

 だったら話が早い。

 

 「長いお休みだと思っておきます」

 

 「……そこまで、悠真は関係が深いのか」

 

 「それを聞いたらダメなんでしょう。その時が来たら話します」

 

 

 そして、如月悠真はSS寮を去った。

 

______

 

 「___ただいま、おかえり」

 

 A世界とも何ら変わりない自宅の扉を開き、中へ入る。

 

 未だに清潔感の漂う自宅には家具がまるで無く、引っ越してきたばかりの簡素なものであった。

 

 そして、リビング中央にはテーブルがあり、一枚の手紙が置いてあった。

 まるで険悪な家庭環境に嫌気が指して妻が置き手紙を残して家出してしまったような雰囲気が漂うが、まだ自分は学生故に何もしていないと思い手紙を手に取り、読み進めた。

 

 

___大好きなお兄ちゃんへ

 

本島の生活に慣れてきました。 友達もたくさんできて、毎日がとても楽しいです。

 

お兄ちゃんは一人で青藍島に残って寂しくありませんか?

 

次の夏休みに、また会えることを楽しみにしています。

 

___茜より

 

 

 「……次の夏、か。会えるといいね」

 

 一人静かな部屋で、優しい字体で書かれた手紙をそっとテーブルに戻した。

 

__________

 

 ___ふと、目が覚める。

 

 時計の針は午前四時を指し、空は暗い。

 大きな欠伸をしながらそのまま起き上がり、制服に着替えてある場所へと向かう。

 

 市街地から大きく離れ、人など寄り付かない場所。

 島の住民でも何人が知っているのかさえわからない、ある神社へと。

 

 「___おはよう」

 

 「お、おはよう…ございます、如月さん」

 

 鳥居でじっと待っていると、此方の気配を悟ったのか一時間もしない内に彼(・)女(・)は姿を見せてくれた。

 

 「ごめんね、こんな朝早くに来てしまって」

 

 「いえ…それよりも、どうしてこの場所がわかったのですか?」

 

 「昔…来た事があるから」

 

 十年以上も前の記憶のせいかこんな神社だったか…と思わず首を横に捻ったものだ。

 

 「そうだったのですか…。それで、何か御用でしょうか…?」

 

 「…少し、二人で話す時間が欲しかったんだ。多分、今のままじゃ色々と言えなかっただろうからね」

 

 「それは…あの方の事、でしょうか」

 

 「……やっぱり、こ(・)っ(・)ち(・)の方もそこまで快く思ってないって事か」

 

 「こっち…とは…?」

 

 「もう少ししたら話すよ。今はその状況じゃない、お互いに」

 

 間違いなく現在の状況を彼女に話して行動を起こされては困る。

 

 「…それが、我らの…この島の為であれば、文乃は何も言いません」

 

 「察してくれて助かる。でも、必ず話す。その時は絶対に来る」

 

 「わかりました…その言葉を、信じて、待っておりますね」

 

 「だから、これまで通り…文乃ちゃんは文乃がやろうとしている事を、して欲しい」

 

 それから数十分、大脱膣ゲームの終わりまでは今まで通りに過ごして欲しい、と念を押してから神社を去った。

 

 

 ___保険は張っておいた。

 後は、時が来るのを待つだけ。

 

 先程の会話だけでSSを抜けた分の失った恩恵を補填する事が出来る程の収穫を得た。




あとがき

ヘンタイ・プリズン完走しました…!
意外とぬきたしの色々と関連と引き継ぎとをしている感じで、悠真くんのお話も確りとその辺りまで続けられそうなネタをたくさん得る事が出来ました。

流石にプリズンに悠真くんを入れるというワケではなく、グランドルートのエンディング後に絡ませられたらと考えています。

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