※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか?   作:楓 湊

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後から良く考えてみた。

SSに顔を覚えられていて、反交尾勢力との関係もある___

誰と、戦うべきなのかわからない。


20話 使えない腕

 SSを抜けた後の一日は思った以上に短く感じた。

 

 ハッキリ言って長い休暇どころではなく苦痛を伴う無意味な時間であった。

 

 此処がA世界だったならば、迷わずエロゲー制作に執念を燃やしていた事だろう。

 然し、B世界で制作したモノはA世界に持ってくる事が出来ないのだから、制作に取り組む意味が無いのだ。

 

 「___だからって毎日のように来てごめんね…」

 

 「いや、いいよ…私以外には誰も居ないんだし」

 

 仕方なく放課後は橘家に行き、家事を手伝うようになっていた。

 

 トリ公の人間と関わる時間を増やす事で水引の計画を知ろうと考えたが、恐らく水引と仲の良い自分ならば知(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)筈だと考えた。

 故に、積極的にトリ公の人間との関わりは増やしたが露骨に計画を尋ねるような事はしなかった。

 

 「…にしても、SSを抜けさせられた事に誰も言及してくれなかったのは有り難い話だね」

 

 「それは…まあ、秋野さんがSSに近い位置に居るから…っていうのもあるけど、悠真さんと連携するのも必要だったから、ある意味結果オーライというか」

 

 「なるほどね。確かに僕の実力ってそこまでハッキリしないからなぁ…」

 

 「具体的には何が出来るの?」

 

 「射撃くらいかな。ミドルレンジくらいからの」

 

 「あー…それだと、被っちゃうから秋野さんも積極的じゃなかったんだ」

 

 「扱い難いんだろうね、色々と」

 

 その具体的な理由は知らない。

 

 「じゃあデータ管理とかは?」

 

 「出来るのかなぁ…というより、麻沙音ちゃんだけじゃ厳しい感じなの?」

 

 「まぁ…最近は他のシステム組んだりしてるから…」

 

 「そういえば僕も知らないんだよね…何を作ってるのかは」

 

 「秋野さんそれも教えてないの? 親友なのに?」

 

 「SSに居たからでしょ、多分。そういうの見てたら会長が全部見ちゃうからね…」

 

 確か、会長は粘膜接触で思考とか記憶とか色々わかるらしかった。

 それを水引が知っていれば最重要事項にあたるであろう計画に関しては教えない事が合理的だと判断できる。

 

 「じゃあ、今なら言っても良い…のかな」

 

 「言っても良いなら直接言ってくれるだろうから、まだダメなんだと思う。親友だからこそ教えられない事だってあるんだと思うし」

 

 「ん…わかった。じゃあ私から説明する」

 

 「話聞いてた?」

 

 「聞いてた。悠真さんが黙っていれば良い話だし…コレに関しては知ってて困る事なんて無いと思うし」

 

 「信用してくれるのは嬉しいけど…立場上何とも言い難いね」

 

 「それでも、って言ったら?」

 

 「黙って聞いて、聞いた事を他言しないように黙っておくしかない」

 

 「………これを見て」

 

 僅かな静寂の後、徐ろに麻沙音にタブレットの画面を見せられた。

 

 「……ハメドリくん?」

 

 それは、まさしく『ハメドリくん』だった。

 

__________

 

 『キミの名前は?』

 

 『秋野…水引』

 

 『秋野…水引。んーっと、水引ちゃん、でいいかな?』

 

 『ちゃん…!? 男、なのに…良いの…?』

 

 『だって可愛いし、呼び方に性別なんて関係ないからねー』

 

 

 「___どうなっているかじゃない。それを見て、どう感じるかなんだ…」

 

 大脱膣ゲームを前日に控えた夜。

 橘宅から自宅に戻る最中に曖昧になっている記憶から捻り出した言葉が、不意に口から出てきた。

 

 「でも、それだけじゃ足りない」

 

 目先の情報にだけ頼らない。

 内面的な事情も理解して初めて成立する理解、共存。

 

 それをA世界では望み、成し遂げた。

 此方の世界で出来ない道理はない。

 

 邪魔をする者が居れば…戦うしかないのか。

 事情が違うだけで、敵対しなければならないのか。

 

 「とにかく、大事なのは明日だ…」

 

 明日、大脱膣ゲームの後に、トリ公が動きを見せる。

自分は味方としては信用されていないのか、そのような指示を受けていない。

 

つまり、邪魔者だった。

 

「___そこのキミ、ちょっといいかな?」

 

「はい? なんです…?」

 

「一人言…聞こえてきたけど、大丈夫…って、如月さん?」

 

「ん、えっと貴女は…SS一番隊の…」

 

気配さえ気付けなかった。

それは相手がSSだったからかもしれないが、背後から話し掛けられるのは何処か悔しかった。

 

「夜も更けてきていますから…気を付けてくださいね」

 

「もちろん、今帰る所だったからさ」

 

「こんな遅くまで何を…?」

 

「それはまぁ…視察と訓練かな。ハンドガンも取り上げられちゃったし、身体を鍛えようと思ってね」

 

「そうでしたか。今度…一番隊の訓練に見学という形でお誘いしましょうか? 中隊長も喜ぶと思うので」

 

「女部田が…?」

 

「はい。とても高く評価されていましたよ。射撃の事なら自分よりも、と言っていました」

 

「だったら、暇が出来たら呼んでくれても」

 

「あ、ありがとうございます…!」

 

そう言って別れた。

 

一人言について何も言われなかったのは幸いだった。

 

 




あとがき

夏海さん可愛いが過ぎますね…!
と、唐突に登場させたくなったので…

次回こそ、戦闘が…!
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