※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか?   作:楓 湊

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改めてSS一番隊所属となり、同じくSS一番隊に所属する太田部夏海とペアになった悠真。

今回はぐだぐだお話するだけの回___

___つまりは、羽休め回なのです


23話 ガチ勢

 「…やっぱり一番隊って皆バケモノ揃いなんだなぁ…」

 

 一番隊に勝手に入れられたとは言え、実際先日SSを抜けたばかりの人間に何か任務を与える事など出来る筈がない。

 故に、折角なので的撃ちをしながら夏海から一番隊について色々聞く事にした。

 

 「それでも、みんな中隊長の事を尊敬してて、好きだから纏まっていられるんです」

 

 「…だろうね。じゃないと直ぐに崩壊しそうだ」

 

 「それに、中隊長には誰も勝てないから」

 

 「知ってる…規格外の強さだし」

 

 「その基準で言うなら如月さんも十分バケモノですけど…」

 

 「まさか、僕はあそこまで強くないでしょ…」

 

 「トリ公とまともに戦って無傷で戻ってくるような人を普通の人だとは思いたくありません」

 

 「だから説明したでしょ、戦闘はしてないって…」

 

 何時の間にか誰かを発端として『如月悠真は性帝を離脱させる為にトリ公に一人で挑み、有効打を与えた挙げ句無傷で帰還した』という噂がSS内で広まっていた。

 

 「ホント、やってない事を広められると反応に困る…」

 

 「でも、実際それに近い実力は既にみんなの前で証明されているんですから、今更なのでは…?」

 

 「その過度な期待を裏切ったりしたら辟易されちゃうでしょ…だから自分はそこまで強くないって言い張ってるのに」

 

 実際、B世界の自分にそこまでの能力があったとして、それを今の自分に使いこなせるかと尋ねられても百パーセントは無理だと言える。

 故に、噂よりも大したことない事を示さなくては上げた期待を落とすような真似は信頼の低下に繋がりかねないからだ。

 

 「何か、良い感じに『如月って思ったより弱くね?』って思わせられないかなぁ…」

 

 「…別にそこまで如月さんは嫌われてないと思いますよ…?」

 

 「でも好かれてはないよね」

 

 「………」

 

 「え、何その間」

 

 「如月さんの監視役に立候補するとき、結構競争率が高かったんですけどね」

 

 「競争率?」

 

 ___要約すると、どうも自分の立場が比較的自由だからという理由で合法的にサボれると考えた悪い隊員が二割、忙しかったとしてもSSビッグフォーに近い立場の人間故に役職が上がるかもしれないと考えたまあ悪い隊員が三割、後はハンドガンの扱いに関して尊敬しているからという良い隊員が四割、残りの一割が所謂”ガチ勢”らしかった。

 

 「私は”ガチ勢”の中でも実力があったので…」

 

 「まぁ、結果的に良かったということにシておこう…」

 

 彼女以外のSS隊員とか面識がない者の方が大多数だったのでそれだけは怪我の功名だったと言える。

 

 「で、ガチ勢って何がガチなの?」

 

 「私は実力含め、色々…後は、私生活を知りたい人とか、セックスしたいとか…」

 

 「ロクなモノではなかった…」

 

 誇張されているコトをとても望む。

 

 「___って、まさか家まで付いてくる気か!?」

 

 「それはまぁ…監視しないといけないですから」

 

 「それでどさくさに紛れてセックスしたりとかしないよな!?」

 

 「可能性がゼロというわけでは…」

 

 「………一割のガチ勢ってお前だけかよ!」

 

 盛られた話だった。

 

 「バレてしまったのなら仕方ありませんね___」

 

 「お願いします、立場上セックスを避けなければならない身なのはわかってますけど…」

 

 「……今はダメだけど、確約は出来る」

 

 ここまで来ると意地でも避けたかったので、逃げる作戦に出た。

 

 「いつだったら良いんですか…?」

 

 「…この騒動が終わって平和になったら、かなぁ」

 

 「…本当に、そうなったら、良いんですね?」

 

 「流石に二言はしないよ…多分」

 

 後でこっちの自分に宛てた手紙を書いておこうと思った。

 『眠っている間に何があったのかわからないと思いますので、SS一番隊の太田部夏海さんに話を聞いてください』、とでも。

 

 「それじゃあ今日はもう帰ろうか」

 

 「えっ、もう帰るんですか?」

 

 時計は十七時を示している。

 

 「本当に今は仕事が無いからいいの。それとも何かしておきたい訓練でもあった?」

 

 「い、いえ…そういうのは、ないです」

 

 「じゃあ帰ろう。長居してると後がつっかえそうだし」

 

 そう言って訓練場を後にした。

 

 「………僕のデータになかったぞ…!」

 

 

__________

 

 「さーてっと、寝る場所の相談をしよう」

 

 女子と二人きりで帰宅したにも関わらず、如月悠真はやけに落ち着いていた。

 

 「それよりも如月さん、この手紙は何ですか?」

 

 夏海がリビング中央のテーブルに置きっぱなしの手紙を持っているのを見て、

 

 「それは…本島に引っ越した妹からの手紙だけど」

 

 と答えた。

 

 然し。

 

 「___如月さんの妹さん…茜さん、でしたっけ。もう亡くなっていますよね?」

 

 「______」

 

 ガチ勢はやはりガチ勢だった。

 

 「そう…だっけ。じゃあそれは、何時の手紙なんだろ…」

 

 「確か…如月さんのご家族は誰も青藍島の外には出たことが無い筈です」

 

 「どうしてそこまで知ってるのかなぁ…ガチ勢だから?」

 

 「何でも知っておきたいので」

 

 「……じゃあ、僕が精神異常者って事か…」

 

 「でも筆跡は如月さんのものじゃないですよ」

 

 「ホント何処まで知ってるんだ…」

 

 「隠れた性癖も知ってます」

 

 「なにそれ」

 

 「歳下好き…」

 

 「…なんで合ってるんだよ」

 

 「何でも知っておきたいので」

 

 と、大体何でも知っていた彼女と色々と答え合わせをした。

 妹や家族が死んだ日、その原因まで何かと。

 

______

 

 「その、おやすみなさい」

 

 「おやすみ」

 

 寝る時まで監視だから、という理由で同じ部屋で練る事になってしまった。

 

 彼女をベッドに寝かせ、自分は床に布団を敷いて。

 

 「……死因だけが違う、か…」

 

 彼女と確認した過去の出来事は大体A世界もB世界も同じだった。

 一つ違っていたのは妹___茜が殺された理由だ。

 A世界では水乃月学園に入学する前に自分が復讐に囚われていた所為で報復という意味で強姦されて殺された。

 然し、B世界では自分は復讐をしておらず、茜は交通事故で亡くなったそうだという。

 

 ___ここに来て、最大の謎が出来てしまった。

 手紙を書いて貰った意図と、内容。

 予想は一つだけアテがあるが、それは今は確認出来ない。

 

 何とも言えないもどかしさを抱きながら、無理やり布団を被って眠った。




あとがき

着実に繋げられている…のか…な?
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