抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか? 作:楓 湊
橘兄妹との会話で自分が少数派にあたるが孤独ではないことが証明された。
然しながら自分の過去含めわかっていることの方が未だに少ない。
琴寄文乃の捜索なんて自分にできるかさえ自信がない。
そんな感じで珍しく複雑な問題に頭を悩ませている所にさらなる危機が____!?
というわけで二話です。
過去に出会ってました___というネタは使ってもいいのだろうか。
頑張って原作レイプにならないように努めます…
「______はっ」
まただ。
もう三回も連続でこの目覚め方になっている。
昨夜は確かにベッドインしてから眠りについた記憶があるのにも関わらず、気が付けば椅子に座らされている。
何なら自宅にある椅子ではないし腕や足も拘束されているし、極めつけには目隠しときた。
「……俺、捕まってね?」
緊張感が無いのも無理はない。
寝起きでシリアス脳になれという方が無理難題というものだ。
ただでさえドスケベ条例のせいで肩身が狭い生活を強いられているからかここまでの生命の危機に陥って死にたくないなんて足掻く気すら起きない。
寧ろ童貞のまま死ねるなら文句はなく、強制ドスケベの苦痛から解き放たれて幸せなのかもしれない。
まあ、捕まる前兆が無かった訳ではない。
寧ろキレイに『SSの取り締まりが強くなるかもしれない』なんてフラグまで立ててくれたものだから。
「つまり、強行手段に出るほどSSは切羽詰まってるって話なので…?」
「理解が早くて助かる」
左寄りの背後から聞こえたらしき声は先日も耳にした風紀委員長のそれだろう。
「ここまでするってことは確証がやっと取れた感じで…?」
「確証も何も、郁子と真正面から戦ってたじゃないか」
残念ながら記憶にない。
恐らく一昨日の話だろう。
「まったく身に覚えがないんですけどそれ本当に自分で間違いないですかね…?」
「間違いない。複数の隊員から見間違いのないよう確認を取ってあるからな」
「こんなモブキャラにも絶体絶命のピンチって来るんだなぁ…」
「何を言ってるのかは知らないが、本来ならば条例違反として罰を即執行する所だが…」
「会長が特別に貴様と話がしたいと仰っている」
「!!?」
ここまでくると自分は本当はモブキャラではないのでは…と思わずにはいられない。
危機は危機として変わらない。
ただ僅かに延命措置が為されたに過ぎないのだから。
「で、このまま話をしろ、と…?」
「当たり前だ! 何故違反者に配慮する必要があるんだ!?」
「くっ…」
ド正論過ぎて何も言い返せない。
「礼、拘束を外してあげても構わないわ」
「桐香様!? それはさすがに無防備過ぎるのでは!?」
「私と礼でみすみす逃してしまうほどの実力はなさそうだから大丈夫よ」
「………わかりました」
こっちが貶されているような気がするが、実際正論なので何も言い返すことは不可能である。
そして渋々了解した風紀委員長が拘束をそれぞれ解いていく。
拘束がなくなると、
「これで、気兼ねなく話すことが出来ますよね?」
視界が露わになって初めて自分の居る場所が生徒会室で、ここに居るのが自分と風紀委員長、そして_____
「もうおわかりかと思いますが、SS代表兼生徒会長の冷泉院桐香です」
全校集会で嫌というほど見た顔に聞いた声。
そして学園モノのエロゲーによくあるヒロイン対象に入りうるキャラの濃い人物。
一生会話などする筈もない筈の、高嶺の花。
「ええ、まあ…存じてます」
「貴方の噂はかねがね、礼含め多くの隊員から耳にしているわ。何でも入学してから一度も学園でドスケベした姿を見たことが無いとか。」
「そうですね」
「否定しないのは、強がり?」
「事実を肯定するのは普通かと…」
「それなりに私のことを信じてくれて嬉しいわ」
「…………」
「さすがに”私”のことは、覚えていないのかしら」
「覚えて…って、一体何のはなs____」
普通に問答が続くのかと思いきや、唐突な謎掛けというか複雑な質問を投げ掛けてきたと思った。
”そのままの意味”だとも知らずに。
「何の、って貴方と私には昔、面識がある筈ですが…?」
「「は…?」」
「あら、礼も知らなかったの? 郁子には言った気がするけど…」
「いや、まさか…あるわけないだろ…。」
信じたくない。
何かの嘘だ。
というか、入学以前の記憶が無いのにどう思い出せというのか。
それらと同時に、そんなこともあったかもしれないと微かに思う邪な心もないわけではなく。
「桐香様、さすがにご冗談ですよね…!?」
風紀委員長が知らされてないのが狙って言った嘘、というわけでもなさそうだが…事実だったとしてそんなに驚くことなのだろうか。
「冗談じゃないわ。だって証明できるモノを持っているんだから」
「…はぁ。話すしかないのか…。」
まさかSSの人間に話すとは思っていなかったが、自分が入学以前の記憶がないことと、一昨日の戦闘の際の記憶が一切ないことを脚色することなく伝えた。
「_____と、いうことですけど」
「記憶喪失とは…これでは覚えていないのも仕方がありませんね」
「納得するのかよ」
「そうですよ桐香様! 記憶喪失の顔見知りだからって条例違反を許す訳には…」
「と礼が言うので、条件を提示しようかと」
「条件?」
「SSに入って頂けませんか?」
「どうしてそうなる」
どうしてそうなる。
「入って貰えたら勿論今回の件はなかったことに致します。然し、入らない、と言うのであれば礼の言う通り違反者として罰を執行せざつをえないでしょう」
「…つまり、拒否権は無いということで?」
こうしてSSへ強制加入されることが決定した。
______
「…と、いう事になったわけで…」
『いずれSSへ潜入する必要があったから結果オーライと言うべきなのか…』
これはさすがに報告しなければと橘さんに連絡した次第なのである。
「まさかあの会長と顔見知りとか有り得ないと今も疑ってはいるんですけどね」
『どの情報が真実か見定める必要があるから、随時可能な範囲で共有して貰えると助かる』
「了解です…」
電話を切り、ふう、とようやく自分の部屋に帰ってきて一息吐くことができる。
SSの下っ端戦闘員は役職持ちと違って寮に住むことができないそうで、変わらず自宅からの登校になることだけは救いだ。
エロゲー制作の手を止めなくても大丈夫というのは大きい。
あの、会長と顔見知り。
どうしてもその言葉が頭から離れない。
エロゲーキャラの設定としてそのまま導入しても魅力的なヒロインキャラになりそうだ。
…と、それは良いとして。
結果的にSSに入ることでドスケベを管理する側として少しばかり余裕を持つことができるようになる筈だ。
その上訓練も受けられて情報も貰えるとなっては、利用する以外の選択肢はない。
案外、悪いことだけではなかった。
ともう一人の自分に僅かながらに感謝しつつ、確認してからベッドで横になって眠りに入った。
______
『エロゲー制作進行具合 12%』
『ヒロイン開放率 10%』
『ストーリー完成率 不明』
…気付けば、SSに入る流れになってしまいました。
そういえば全然関係ない話ですが、げっちゅ屋さまだとぬきたし両作品が特典付きでまだ買えるんですよね。
衝動的にポチってしまいました。
DL版だけで事足りているのですが、矢張りハマっているらしくグッズまで揃えたくなってきました。
最近ではデスクトップ画像やスマホのホーム画面などもぬきたしになってしまって…ヤバい。
ということで次回は過去回想回になります。
会長と悠真くんの出会いから、その他キャラとの馴れ初めまで、頑張って矛盾しないように埋め込んでいこうと思います。
因みにぬきたし2の分まで悠真くんを出す用意は出来ております。(ストーリーが付いてくるとは言ってない)
仮面ラ○ダーネタもやっていきたいです