抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか? 作:楓 湊
___その必要が実はないということに、未だ気付いてはいない。
現在、SSはSHOの言いなりになっている。
その形が事情を知る部外者からすれば異様な光景に見える。
島全体、逃げ場をなくすような形で配置されている警備の穴を上手く突きたいところ。
だったら、
「チュパちゃんを追っていけば良いんじゃないのかな…」
何故か淳之介の元に訪れ、”パコルロワイヤル”の情報だけでなくそのイベントに必要なアイテムまで持ってきた。
幾ら聞き分けが出来る賢さを持っていると言っても、流石に独立してこのような行動をするとは考えられなかった。
然し、それだけでは信頼に足る要素とはなりえない。
その信頼を補う要素に自分は成ろうと考えたわけだった。
「それで、この方向だと淳之介達と合流するんじゃないか!?」
「アソコニ、ススコガイルッ!」
チュパちゃんの向いている方を見ると、メインストリートで淳之介達が何やら大人数と戦闘中であった。
相手はSSやら一般人やら入り乱れている状況で、ちらほらと見知った顔が伺える。
「よし、チュパちゃん任せた___!」
何時でも姿を現せるように近くで待機しておくことにした。
残念ながら、自分にはバイブの扱いなんてできそうにないからである。
______
淳之介達は無事に条件を満たし、SHO本社ビルへと向かった。
戦いが終わり、熱気も落ち着いてきてSSも移動しようとしている所に無理やり合流した。
「シューベルト」
「___ゆ、悠真…!? どうしてこんな所にいるんだい!?」
「えっ、ユーパイセン!? 今まで何処に居たんっすか!?」
「え、僕は裏切り者扱いされてたんじゃないの…?」
何だか、反応が想像していたものと違った。
「いや、裏切り者はSSビッグフォーとしか聞いてないっすよ?」
「えぇ…」
「そうだよまったく…悠真が戻って来ないから人数が揃わないってSHOガードマンに言い訳をするのが大変だったんだからな…?」
「そうなんだ…いや、ごめん…てっきり裏切り者扱いされてて戻って来るわけにもいかないと思ってたよ」
「でも、会長達と一緒に居たのにどうして戻って来たんだい…?」
「こっちの作戦に協力して欲しくて…ね。いや、わざわざ聞く必要があるのかはともかく…」
「そんな大事な話をここでしても良いんっすか…?」
「良いよ…今更だと思うし。だって…本気で敵対する気はなかったんだろうし…いや、あの妹の方は知らないけど」
「は? 何か言いましたかサボり摩先輩?」
何時の間にか背後に居た。
______
「じゃあ、SSは完全に敵だと思ってないってことか…良かった」
矢張りチュパちゃんを使って支援してくれたのはスス子で間違いなかった。
「良かったって…これからどうやって逆転しようと思ってるんだい?」
「それは知らない」
「知らないって…ユーパイセンはあの中でもぼっちだったんすか」
「わざと聞いてないというか、僕の勝負は明日で終わりだからね」
この際だからと自分の思惑は総て話しておくことにした。
何処かの畜生妹がツッコミを入れてくるのはウザかったので無視した。
「___だから、SSの協力は最低限も必要不可欠ってわけなんだけど」
「確かに現在SSはSHOからの命令で様々な場所の警備と監視を行っているが…仮にSS全隊員がSHOを裏切ったとしても、勝てる可能性は限りなく低いままだぞ…?」
「でも、SSが味方につけば勝つ確率が出来る。それだけで良いんだ」
「そんなプラスにならない作戦に誰が協力するって言うんですかねぇ…私はパスしますよ」
「勝手に水引にでも県知事にでも報告してろよ。お前が大体どんな事をしでかしても対応してやるよ」
「やっぱりユーパイセン、今までストレス溜まってたんすねぇ…」
「あんなに語気が荒い悠真は僕のデータに無いよ…」
というわけで凛は本社ビルでまだ仕事があるからと去って行った。
現状をSHOに報告しないだけまだ温情が残ってたんだなぁ、としみじみと感じた。
あとがき
次回、ぬきたし2編最終回。
勝ち目のない水引との戦いを経て、悠真はA世界へ帰還し___