抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか? 作:楓 湊
真面目にシリアス展開書きたいのに仮面ラ○ダーネタばっかり思い浮かぶので複雑な気持ちになってます。
それはそれとして少し周りとは違うモブキャラで終わる筈だった悠真くんが好奇心で動き出した結果始まってしまった本編。
さっさと主人公キャラの設定を確立させて物語をぬるっと入りやすくする為に記憶が蘇る重大なヒントという名の潤滑油を投下しておきます。
原作キャラの皆様方の幼少期がやたらと重いので悠真くんのまで重くする必要はあったのかと思わなくもないですが、何とか今回で今までの行動の理由付けをして、今後の行動を定めさせてみせます。
…いつ登場するのかな文乃ちゃん
人間の精神は上手く、面白く出来ていると思う。
罵られたり酷くされたりしたら鬱になったり、褒められたり優しくされたりしたら気分が高揚する。
昔に遭った嫌な思い出も、都合よく無かったことにしようと思えば出来てしまう。
何年も仲良く遊んでいた友達のことだって、同じくらい間が空くと忘れたりする。
結局はどれだけ当時は大事な記憶だったとしても、忘れるものなのだと思う。
そして、忘れてしまえば思い出すまでそれらに関した事柄が一切繋がらない。
記憶が無い時点で『自分が経験していないこと』なのだから。
__________
『___お兄ちゃんは、ちょっと怖いけど…とっても、優しい人だよ』
「___なんて、言われていましたよ?」
「そうだっけ…」
SSに正式に加入してまだ初日。
早朝から訓練があるとか何とかと普段の雰囲気から察して来てみたものの、『貴様は取り敢えず記憶を取り戻すのが先だ!』と糺川先輩に言われてしまい、唯一自分のことを知っている(らしい)人物である冷泉院会長と対談する羽目になってしまったわけで。
いつも多忙だって噂を耳にするのに自分一人の為に時間を取らせても良いものなのか…
「っていうか妹いたんですね、俺…って、いるとしたら…」
「現在は亡くなっているかもしれませんね」
「そういえば俺の家族って居るのか…?」
記憶が無いから何か理由があって独り暮らしをしているのではないかと前向きに考えていた。
然し、自分の現在の心境から考えても___
「これを会長の前で言うのは気が引けますけど…」
「この島の”悪い部分”のせいで、死んだ可能性が高い」
この記憶喪失が”家族の死”であるならば、その原因は病気などのようなモノである筈がない。
そうあって欲しいという願いも大きく含まれてはいるが。
「………」
「…どうしました?」
「…何故、SSが戦闘訓練を受けているか、わかっていますか?」
「…? 条例違反者の取り締まり…だけじゃない…?」
「その通りです」
そういうことならあの軍隊も顔負けな厳しい訓練の様子も納得がいく。
そもそも少数派である反交尾勢力に対して過剰戦力の筈だ。
過剰戦力でも他方に戦力を注いでいるのであれば反交尾勢力に向けられる戦力が少ないのは確か。
寧ろ、反交尾勢力より優先順位が高いかもしれない。
「………」
「これでも、まだ記憶が戻りそうにはありませんか?」
確実に美少女の類に含まれる会長が笑みと共に声を掛けてくれているが、唐突にこの島の秘密の一端を知ってしまったようで考え込んでしまう。
「大丈夫ですか? 何か思う所があれば、言ってくださっても良いのですよ?」
「……SSが、SHOが反交尾勢力以外に敵対する勢力と言えばセックスを否定する者ではなくセックスを悪用する者…島の外の環境で当て嵌るとしたら…風俗。でも条例があるのに風俗なんて存在意義がない…ってことなら風俗が実在するなら存在意義が必要で、金を払ってまで誰とヤりたいかなんて、この島だと___」
「…私にも聞こえるように教えて?」
「___未性人を商品にした違法な風俗…さしずめ、ヤクザ絡みですか」
「……正解ですよ」
「よし…っ!」
こんなに長考したのは何時ぶりだろうか。
何処となく湧き上がってきた達成感に声を上げるも、会長からの視線は避けられず、すぐにわざとらしく咳き込んで思考を戻す。
「少しは自分の記憶に近付けたら良いのですけれど…今日はこの辺りにしておきましょうか。明日からは礼の所で訓練を受けて貰うのですから」
「ええ…わかりました」
記憶の断片らしき要素は回収できた。
と言っても、把握できた事実は妹の存在だけ。
その娘が存命なのかすら推測することしか出来ない辺り、未だに記憶は戻りそうにないのだろう。
妹の存在が記憶を思い出す強力な鍵ではなかっただけなのか。
鍵が腐るほど記憶の錠が老朽化してしまい、外壁を破壊することでしか記憶を無理やり引っ張り出すことが出来ないのか。
「考えても仕方ない。明日から頑張ろう」
そう決意し、すっかり薄暗くなってきた空を見上げながら校門へと歩み出した。
___が、
「あ、やっとトーカちゃんとのお話終わった?」
「何時まで話しているんだ…桐香様は日中は多忙なんだと教えた筈だよな?」
SSビッグスリーの内二人が待ち構えていた。
「ええ。あんなに長い時間男性とセックスせずにお話したのは初めてね」
そして背後から会長が登場してきた。
普通に帰らせて欲しい…
「えっと…お三方で寮に帰られるんですよね? だったら俺はこれで___」
「待て。私と郁子は貴様に用があるんだ。如月悠真」
「はい? なんで俺に?」
「それはぁ、”こんな時間じゃないとデキないコト”をするからだよ?」
「何このエロゲーみたいな展開は…」
この島だとそれが常識だということを完全に忘れていた。
「…あの日以来、郁子がずっと貴様のことを言っていたからな…」
「だってイクとまともに戦える人が全然居なくてちょっと気になってたんだもん」
「なんだ、セックスのことじゃないのか…」
「何か言ったか?」
「いえ、なんでもない、です」
「___それで、イクの方が強いってこと示す為にも決着を付けたいなぁって思ったんだよね」
「あー…今は、勝負にならないと思いますよ…? それ、記憶が無い時の俺ですし…”今の俺”は、一度も戦ったことないですから」
「えー、そこを何とかデキないの? 折角SSに入ったんだから言い訳なし、恨みっこなしで戦えるのに…」
「そこを何とかできたらさっきまでの会話意味ないじゃないですか…」
どうしたら良いものか。
「…というか、明日から訓練に参加するんですから帰らないとマジで耐えられるかどうか…」
「イクと戦ったら新人向けの訓練なんて必要ないってわかるかもよ?」
「それは駄目だ! こいつにはSSとして戦闘以外にも叩き込まなければならないことが沢山あって___」
「「………」」
最終的には糺川先輩と女部田さんの二人で口論になってしまっていた。
何分くらい続くのだろうかと不安になった時だった。
『___そんな簡単にホイホイ姿を現してたまるか』
「は? 何を言って___」
良い掛けて、止めた。
誰かに声を掛けられたというよりは、自分の中から脳内に直接掛けられたような声。
その正体は、もう言うまでもなかった。
「どうかしましたか?」
「…”今日は”出てきてくれないみたいです」
「___それはどういう意味だ?」
「そのままの意味です。『もう一人の俺』が…言ってるみたいで」
「もう一人の…って正気か? そんな創作物みたいな話、信じられないぞ」
「でもこれ以上説明できないというか…一言聞いただけですから」
「その話も含めて、取り敢えず明日にしませんか? あまり深追いするほど急を要する話でもありませんし…そうよね、礼」
「それは…そうですが」
「郁子も。自由に”切り替え”ができるようになってからでも良いんじゃないかしら」
「…それもそうだね。今日の所は諦めるけど、その分期待しちゃうからね?」
「それはまぁ…ご自由に…」
会長が取り纏めてくれたおかげで話は収まったようで何よりだった。
問題を先送りにしただけという事実は置いておいても、謎の一端を掴んだことは価値が大きい事だ。
ただ、自宅へと帰る道で何度も『もう一人の自分』を呼ぶものの、その日は二度と何かを話すことはなかった。
_____
自宅へ帰ると真っ先にPCの電源を入れ、デスクトップ画面が表示されると真っ先にメモ帳を開き、キャラ設定の欄にある『主人公:悠』の欄に新たに設定を書き足した。
『主人公:悠・二重人格の少年。普段は気弱だがとあるタイミングで人格が切り替わり、強気な態度に変わる。』
それだけ書いた所で上書き保存し、PCの電源を切った。
今日はほとんど会話だけで一日を使い果たしたような気がして妙に疲労感が強く、ベッドに寝転んでから眠りに落ちるまでそう時間は掛からなかった。
明日はげっちゅ屋さまで購入したぬきたし2が届くので特典の礼先輩のボイスドラマCDを聞きまくったりするので次話の投稿が遅れるかもしれません。
予定としては、√通りに淳之介くんがSSに入って、礼先輩からハンドガンを貰う所までは進みたい感じです。
その間に悠真くんは『もう一人の自分』、つまり悠くんとの対談を目指します。
そのうち没シナリオ的なネタエピソードや本編採用されないエッチシーンなどを本編の最後などに書いたりしていきます。
だいぶわちゃわちゃになりそうですが、ご容赦を。