※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか?   作:楓 湊

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前回から今回までのあらすじ

悠真くんは実は二重人格だった___

水乃月学園入学以前の記憶が無い部分はもう一つの人格の自分が握っているのではないかと推測した悠真くんは何とか対話を試みようとしたものの、SSとしての仕事が想像以上に多忙で中々時間を作ることが出来ず、話は進まない。

時間だって無限にあるわけじゃないというのに…と申し訳無さまで浮かび上がってきた所に情報収集している際に見つかって何やかんやとSSに入ることになった淳之介くんと再会してしまったではありませんか!

……と、まあそんな感じで四話、いきます


今回は没シナリオが最後にありますよっと。


4話 ひとりはひとり

 「思うんですよ、自分のキャラが浮きすぎてないかって」

 

 「いきなりどうした」

 

 「エロゲー制作の為に話題性のある反交尾勢力について調べようと思った所まではよかったんですよ」

 

 「お、おう…?」

 

 「そしたらどうして『もう一人の俺』が出てきて知らない間に女部田さんと戦ってて顔まで覚えられて最終的にはSSに入らされる羽目に…」

 

 「わかってるわかってる。それさっきも聞いたからな、元気出せよ」

 

 「結果的にはSSの内情を知れて良い参考資料に巡り会えたと思ってはいますけど!」

 

 「今日も頑固な態度で『悠』は出てきてくれないし…」

 

 「だからそれはさっき聞いたって。無限ループしてるぞ!」

 

 「こんなエロ展開が何時起こってもおかしくない島に居るのにそういう展開になっても興奮できないのは何でなんですか!!!」

 

 「それを俺に聞かれても…」

 

 昼休み。

 昼食を取りながら淳之介さんと会話をしていた。

 

 SSの隊員という立場上迂闊にNLNSのメンバーとの接触を避けなければならない為にこうして二人で食事を取る機会が自然と増えていた。

 

 「___それで、裏風俗の方はどんな調子です?」

 

 「思ったよりも数が多い。確実に一つ一つ潰していってはいるが、俺自身の実力不足が否めない」

 

 「そういやまだ訓練生でしたっけ、淳之介さんは」

 

 「どうしてお前が訓練生をすっ飛ばして正式に入隊してるのかが知りたいよ」

 

 「俺だって知りたいですよ…半ば脅迫みたいなモノですし…」

 

 どんな手を使ったかは不明だが、噂によると直接的な監視が必要という名目で暫くは一番隊で様子を見るとか何とかで強制的に訓練生から正式入隊させたということらしい。

 

 「でも射撃の腕は確かだって糺川先輩も言ってた気がするけど」

 

 「寧ろそのせいで確定したようなものですから…複雑です」

 

 「そっちはそっちで辛そうだな…」

 

 「………」

 

 「………………」

 

 お互い平等にダメージを受けた所で、教室へと戻り午後の授業を受けるのであった。

 

 

______

 

 

放課後

 

 授業中や休み時間等は精神的に疲労感を蓄積し、放課後からは肉体的にも疲労を蓄積する。

 それはSSの仕事内容が学園の外にまで及んでいるからだ。

 隊員の分際でもそう思うのだから、役職持ちが背負う苦労はもっと重いものなのだろう。

 

 ___それを考慮しても。

 

 「…なんで俺まで駆り出されてるんだろう」

 

 日が落ちて直ぐ、見回りと称して女部田さんと町中を歩き回されていた。

 とは言ってもSSの各隊員がグループを形成して巡回している為、自分だけが…などと言うつもりはない。

 

 「いい加減実力を見せて欲しいなーって思ったから今回は二人で組むようにしたんだけど…まだ”出てこれない”の?」

 

 「武器を持った時とかは感覚的に”同じ”になったような感じはするんですけどね。人格が出てくるのはまだというか、兆候が無いというか」

 

 「ふぅん…早く出てきてくれないとその内強硬手段に出ないといけなくなっちゃうよ?」

 

 「具体的には?」

 

 「それはやっぱり、実力行使かな?」

 

 「それ一歩間違えたら取り返しがつかなくなるんですけど…」

 

 「その時は運が無かったと思うしかないよね」

 

 「さらっと言わないでくださいまだ死にたくないです」

 

 緊張感が振り切れてネタに聞こえてきた。

 

 「でも…今のキサラギくんと過去のキサラギくんって合体すればまとまって簡単になるのにね」

 

 「それが一番なんですけどね…」

 

 

 これ以上話が進むことはなかった。

 

 

 あれやこれやと、提案してくれる分には大変嬉しいのだが、結局出来ない、不可能、無理などという結論に至って話が途切れるのを繰り返し、気付けば何の収穫も無く巡回は終わりを告げてしまうこととなった。

 

 

 『___ふン、あの女は好きになれない』

 

 と、一人になってから”悠”は口を開いた。

 

 「ちょっとくらい話してくれたっていいと思うけど」

 

 『アレは戦闘狂だぞ。あそこまで俺に執着するなんて相当だ』

 

 「負けるのが怖い、とか?」

 

 『そういう次元の話じゃない。というかそもそも、SSとは対立している立場なんだぞ』

 

 「今は俺もSSだよ」

 

 『現状を鵜呑みにするな。何時状況が変わってもおかしくない』

 

 「だからこうして俺を表に出そうと頑張ってるんだけどなぁ…」

 

 『もう少しタイミングを考えろ』

 

 「そんな、ヒーローは遅れてくるみたいなアレじゃないんだから」

 

 『そりゃ全員のとってのヒーローになれるわけがない。でも、手が届く範囲くらいなら十分可能性があるだろ』

 

 「…ちゃんと、過去の俺も夢があったみたいで良かったよ」

 

 『ドスケベ条例を否定する気持ちに変わりはないからな』

 

 「で、タイミングは?」

 

 『……お前のことを気に入る女ができれば、な』

 

 「何それ。こんな島でそんなまともな恋愛ができるわけないだろ?」

 

 『だからそれくらいの価値に匹敵することがあれば、構わないって言ってるんだよ』

 

 「……せめて、戦闘経験くらいは欲しいんだけど…訓練してないし」

 

 『それを戻したら何のために過去を封じたのか意味がないだろ。大人しく拳銃片手に頑張るんだな』

 

 「…なぁ」

 

 『なんだ?』

 

 「お前は、俺…なんだよな?」

 

 『___そうだ。お前は俺で、俺はお前』

 

 「一つになったら、お前はどうなる?」

 

 『一つになる。こんな独り言で会話もできなくなるだろうけどな』

 

 「でもそれが、最終的には必要なんだろ?」

 

 『どんなに苦しい過去でも、乗り越えて進めるようになったらな』

 

 「___わかった。だったら…暫くは一人で頑張るよ」

 

 『おう。エロゲーの方は任せろ』

 

 「…できるの?」

 

 『アレを最初に考えたのは俺だぞ?出来ない筈がない』

 

 「だったら…任せようかな。その分俺は楽になるし」

 

 

 やっぱり、”俺”は”俺”なんだと、はっきり思う。

 会長が言っていた『___お兄ちゃんは、ちょっと怖いけど…とっても、優しい人だよ』も今ならわかる。

 

 どんなに荒っぽくて素っ気ない態度でも、俺は俺なんだ。

 自分が理解できる範囲のことしか出来ない。

 

 さっきの会話だって、もしかしたら全部自分の妄想かもしれない。

 強がっているだけかもしれない。

 

 それでも。

 

 それでも。

 

 過去を乗り越える覚悟は出来ている。

 自分で塞いだ扉を再び開く時は近い。

 

 自宅に帰り、椅子に座ってPCに向き合うと、今までとは違って何処か安堵するような面持ちで、意識を託した。

 

 

4話 終

__________

 

これからは没シナリオです

__________

 

 ”悠”が夜の活動を担当してくれることになり、SSとしての生活に少しばかり余裕が出来てきていた。

 とは言っても、楽に切り抜けられるばかりではない。

 

 

 ___謂れのない理由で突然決闘を吹っ掛けられることだってあるのだから。

 

 

 「さあ、そろそろ実力を遺憾なく見せて貰おうじゃないか、如月」

 

 「はい…ここまできたら仕方ないですね…」

 

 

 「「 変 身 ! ! ! 」」

 

 

 どうして二人で見合って変身なんかする必要があるのか。

 遡ること数分前___

 

 

 「ふン、これくらいでへこたれるなよ如月。私たちに付いて来るにはまだまだ実力不足だなっ!」

 

 「でも…追いつけないほど遠い訳じゃない…」

 

 「本気で付き合ってやるよ…十秒間だけな!」

 

 「___っ!? お前、そのセリフはまさか…アレを知ってるのか!?」

 

 自分は訓練もまともに受けずにSSに入隊してしまった為に、こうして休日に糺川先輩に頼み込んで手合わせをお願いしていた。

 つい、言ってみたかったから言ってみただけのセリフに、糺川先輩は過剰に反応してくれた。

 

 「アレって…そうですけど…まさか糺川先輩もご存知で?」

 

 「おお…!やっと理解できる人に出会えた…!」

 

 「あー、確かにこの歳になってハマってる人ってそうはいないですからね」

 

 「これは実際にやってみるしかないな!」

 

 

 そして今に至る。

 

 

 当然変身なんて実際には出来ないし超高速で動けるようになるわけでも強くなるわけでもない。

 でも、気分だけでも変わった気になれれば、良いのだろう。

 

 そう思えるくらい、糺川先輩は上機嫌だった。

 

 「よし、次はあのシーンを再現してみよう!できる内にできるだけやっておきたいからな…!」

 

 何でも弟たちに見せたいということで、手合わせそっちのけで再現ムービーを取ることになってしまった。

 

 

 礼「___さぁ、お前の罪を数えろ!」

 

 悠真「今更数え切れるか!」

 

 

 礼「___私は絶対に死ねない…一つでも命を奪ったら、お前はもう、後戻りできなくなる」

 

 悠真「……俺はそれを望んでる…」

 

 

 「これなら幾らでも撮れそうだな!」

 

 「ちょっと範囲が広すぎて思い出すのがしんどい…」

 

 「なんだ、最近は見ていないのか?」

 

 「それは…最近は見ている暇もないくらい切羽詰まった生活をしてますから…」

 

 「…それもそうか。でも、息抜きには丁度良かっただろう?」

 

 「ええ。気が楽になりました」

 

 ははははは、と気の抜けた笑いを互いに上げながら、自分はこれからもこんな感じでいくのなら復習しておかないと…と決意するのだった。

 

 

終




あとがき

すみません。
なんだかふっつーにお話が進みませんでした。

没シナリオのパクリ元は某仮面ラ○ダーからです。
露骨過ぎて本編に出てくる予定が無いので没シナリオとしています。

そういえば特典付きぬきたし2が無事に届きました。
早速ドラマCDの方を聞きましたが、めっちゃ良い内容でした。
没シナリオ動画にあったぬきたしヒロインエロ同人超速導入のやつといい、礼先輩のドラマCDといい、キャラにぴったりハマったドスケベを提供くださってとても興奮させて頂いております。

次回はどこまで進むのかわかりません。
正直悠真くんに焦点を当てたストーリーなだけなので時間は結構飛ばし飛ばしで描いてもいいかな、と。
このペースで30話くらいにはグランド√が終わればいいなと、思っております。

グランド√は2への連結点などの問題もあるので、恐らくその時点で悠真くんが誰かと結ばれるような展開は絶対に無いと思います。
やっぱり淳之介くんが中心に立っているぬきたしが一番ですからね。

というわけでそろそろ悠真くんには現実を知ってもらうことにしましょうか。
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