※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでる童貞はどうすりゃいいですか?   作:楓 湊

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歪に切り取られた記憶は、混乱を招く。

独り、青い空を見上げては苦笑を零す。

___普通の恋愛が、したかったなぁ、なんて。


許されるはずが、ないのに。


6話 羞恥、覚悟

 何度も何度も、引き金を無心で引く。

 

 喜怒哀楽なんて存在せず、狙えばその方向に飛んでくれる弾丸を何処か心地良くも羨ましく思いながら、再び狙いを定める。

 

 「___ねえ、最近放課後はコソコソしてるみたいだけど、何をしてるのかな?」

 

 「___っ」

 

 不意に掛けられた声に狙いが外れ、的の端に弾丸が当たる。

 念の為に装着していたゴーグルを外し、声を掛けられた方へ振り向くとそこにはSS一番隊隊長の女部田郁子が笑顔で佇んでいた。

 

 「…派手じゃなければ咎められないみたいなので、情報収集の方を少し。後はこうしてずっと射撃訓練をやってます」

 

 「ふぅん…別に捕まえに来たって訳じゃないから安心して? 本当にちょっと気になっただけだから」

 

 「ええ、わかってます。結果的に仕(・)事(・)の方にも繋がってますから」

 

 「仕事…ねぇ。どっちの仕事、なのかなぁ?」

 

 「そこまで教える義理はないですけどね」

 

 「…一応所属は一番隊なんだけどね」

 

 「でも隊の招集に呼ばれたことないので…」

 

 そもそも戦闘力の面で自分は当てにならないことは自覚している。

 その上、自分の存在はあまり許容されるものではない為に訓練であっても呼ばれることは無かった。

 実質、幽霊隊員なのである。

 

 「それじゃあ、今度の演習に呼んでも文句言わないよね?」

 

 「もちろん、何かプラスになるのかはともかく、行きますけど」

 

 「だったら決まり。サボってないって証拠、ちゃんと見せて欲しいなぁ」

 

 「手抜きなんてしませんよ」

 

 「本当はあ(・)っ(・)ち(・)のキサラギくんと戦いたいけど…」

 

 「…? 何か言いました?」

 

 「ううん、なんでも。それじゃあそれまでちゃんと頑張ってね」

 

 何とも緩い雰囲気のまま会話が終わり、ひらひらと手を振りながら女部田さんは去って行った。

 

 「___続けるか」

 

 再び誰も居なくなった所で深呼吸の後、ゴーグルを着けなおして射撃を再開した。

 

______

 

 その後、二、三時間程度で訓練は切り上げて調(・)査(・)の方へ動き出した。

 

 敢えて人が立ち入ることがないような場所を重点的に数箇所に絞って散策することにした。

 行くアテがまったくないということもあり、結局は総当りしかないのが厳しい所だ。

 

 そして仮に探していた『琴寄文乃』を見つけられたとしてもその先をどうするのかまったく決めていないこともあり、できれば自分が最初に見つけることにはなりたくないと心底願っていた。

 更に運良くNLNSの方で保護に成功することができれば何も言うことが無いくらい完璧だと思っている。

 

 「…今日も収穫がなさそう」

 

 寧ろない方が個人としては安心だが、SSの一員としては複雑だった。

 こうして制服に腕章を付けている以上、どんなに内部で否定的に捉えられていても単位で見ればSSの人間として捉えられる。

 ある程度の自由に責任が伴うのは至極当然の話で、自分のような特例の存在が悪目立ちするわけにもいかない。

 

 そう考えた結果、日を重ねるごとに散策の時間は短く、訓練の時間が長くなってしまっていた。

 何時しか誰かを顔色を伺い、自分の行動がまるで他人受けしないものだと罪悪感を抱いているようで気持ちが悪かった。

 

 今日はもう帰ろう、と半ば諦め気味になって来た道を引き返すことにした。

 

______

 

 「___さて、と。今日はちゃんと来てくれたね。前言ってた通り、今のキサラギくんの強さ、私にもみんなにも見せて貰うからね?」

 

 約束通り、一番隊の演習に参加する筈だったのだが…

 

 「それはわかってるんですけど…なんで、み(・)ん(・)な(・)見てるんですか?」

 

 一番隊だけで行う演習かと思っていた。

 然し、周囲に居る人数はその何倍も多い。

 言わせて貰うとすれば、SSの隊員のほぼ全員らしかった。

 

 「いやいや、おかしい…ただの演習なんですよね。こんな大人数で演習だなんてSHOから要請でもあったのでは…」

 

 「いやぁ、色んな人にこの話をしてたら見たいって声が多くて、何時の間にか皆の前でやることになってて…?」

 

 「えぇ…」

 

 甚だ良い迷惑だった。

 

 「でもほら、見られてると、手加減なんて出来ないでしょ~? 本気を出してもらうのが目的なんだから、それはそれでいいかなって」

 

 「手加減するしない以前に恥ずかしいんですけど…そもそも勝てるわけがないって話なんですけど」

 

 「そりゃあイクが勝つのは当たり前だよ? 勝敗よりも、キサラギくんがどれだけ戦えるかを知りたいだけなんだから。皆の前でセックスするよりはマシでしょ?」

 

 セックスと引き合いに出されると反論出来ないのが何よりの現実だ。

 しかも既に人が集まっているということもあり、ここで断ることだってほぼ不可能だろう。

 

 「…呆気なく終わっても、知りませんからね…?」

 

 「やだなぁ、見世物じゃないんだから、あっさり勝敗がついても誰も文句は言わないよ。ただ___」

 

 「暇を持て余すようになったら皆ナニをしだすかはわからないけどね?」

 

 「つまり、死ぬ気でやれ…と、ここが乱交パーティー会場にならないように、かぁ…」

 

 変なプレッシャーを戦う前から背負い込み、装備の調整に取り組むのだった。

 

 

 

 




あとがき

次回は真面目な戦闘パートです。
悠真くんの戦力的位置づけを行うつもりなので前回書いたプロフィールの更新は次回のあとがきにて行う予定です。

因みに原作ストーリーの進行との関係で悠真くんが郁子ちゃんにハメられることはありません。
どう頑張ってもここからヤって貰うのは不可能というか、そう感じたので、一応セックスするのであれば最序盤ということになりますが悠真くんは童貞を失うと青藍島に染まってBAD END確定になるので注意が必要です。
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