あ、エロシーンがビミョーにあります。
さわっと触りだけです(汗)
「あ、あの、これ飲むかなとか思っていれてみた」
言いながら多輝が手に握っていた片方のカップをずい、と優一郎に突き出す。優一郎はにっこりと笑ってありがとうと告げた。受け取って一口啜る。程よくいれられたコーヒーが喉の奥に落ちる。多輝は優一郎がコーヒーに口をつけるまでの間、所在なげに佇んだままでいた。
多輝は今、空色のメイド服に身を包んでいる。エプロンは服に合わせた薄い水色だ。ふんだんにフリルのあしらわれたその服を、最初多輝はとても嫌がった。が、見たいな、という優一郎の一言で多輝の態度は一転した。ちなみに下着も服とコーディネートしてある。
「何か用事があるの?」
コーヒーを啜りながら優一郎は再び椅子に腰を下ろした。多輝がおずおずとそんな優一郎に近寄る。周囲を伺うように視線を動かしてから、多輝は別に、と呟いた。手にしていたカップを口許に寄せる多輝を眺めながら優一郎は小さく笑った。
「美味しいよ。ありがとう」
そう言って優一郎は首を傾げてみせた。すると多輝が真っ赤になってそっぽを向く。また別に、と呟いた多輝に優一郎は手を伸ばした。コーヒーを啜りながら軽く多輝のスカートを引く。多輝は驚いたように目を見張り、慌ててスカートを押さえた。
「なっ、何すんだ」
一つだけ気がかりなことがある。多輝の機体は未だにログ取得用のスティックを受け付けないままだ。試しに分解してみたのだが、機体ログを保存する部分だけが頑丈に封じられており、物理的な力を一切受け付けなくなっている。そのことを思い起こしつつも優一郎はにっこりと多輝に笑みかけた。
「いや、似合ってるなあと思って」
優一郎の言葉に多輝は真っ赤になった。慌てたように身体をよじる。優一郎はそんな多輝の手をつかんで自分の方に寄せた。多輝のカップの中身を覗き込む。どうやら多輝は自分用には紅茶をいれたらしい。ふうん、と呟いて優一郎はそのカップに口をつけた。一口だけ飲んで目を上げる。多輝は真っ赤になったままうろたえている。
「え、あの、紅茶のが良かったか?」
「両方好きだから」
うろたえつつ訊ねた多輝に優一郎はそう返して笑みかけた。え、と多輝が困ったような声を上げる。優一郎はまだ多輝の手をつかんだままだ。多輝はつかまれた手と優一郎を見比べてから拗ねたように口をつぐんだ。
機体ログを取得出来ないということは多輝がここにいない間のログを見られないということだ。記憶については多輝もほぼ思い出しているから、立城の屋敷で大体何をしていたのかは判る。が、恐らくそれが全てではないのだろう。そのことも優一郎には判っていた。そうでなければわざわざログを封じる必要がない。
ここに戻った後、優一郎は多輝を使って斎姫がどういう状況に置かれているのかを探るつもりだった。だが今の状態でそれをすると、潜入先の情報を後々にデータとして取得することが出来ない。それに、と優一郎は胸の奥で呟いた。立城が何もしないままで多輝をここに戻したとはどうしても思えないのだ。恐らく立城は何か意図があって、あえて多輝を放り出すような真似をしたのではないか。そう思えてならない。
「えーと、こっちも要るならやるけど?」
困惑気味な多輝の声に優一郎は我に返った。どうやら無意識に多輝をつかむ手に力がこもっていたらしい。ああ、と苦笑して優一郎は多輝の手を離した。すると多輝が明らかに残念そうな顔になる。
「多輝。それで、決断はついたのかい?」
コーヒーを啜って優一郎はそう告げた。何を訊かれたのかはっきり理解しているのだろう。多輝が急に真面目な顔になる。
「元の身体に戻るってやつか? 確かにここんとこ、力が使いにくくはなってるけど」
多輝の力はここを出る前よりはるかに増している。ヒューマノイドの機体がどれだけ龍神の力に適合しやすいとは言え、咄嗟の時に使う強大な力には耐え難い。現に多輝は実験的に行った力の放出の際に何度か機体を破壊してしまっている。一つ一つの故障は小さくとも、それが積み重ねられればやがては機体に大きな異常が出る。ふむ、と呟いて優一郎は唐突に多輝のスカートをめくり上げた。いきなりのことに対応できなかったのか、多輝は慌てた声を上げて手にしたカップを取り落としそうになった。
「厳密にいうと違うんだけどね。変わってしまった君を完全に元に戻すことなどできやしない。ましてや」
君が本来は女性であることは動かし難い事実なんだし。そう続けながら優一郎はカップを机に置いた。慌てる多輝を余所に露になった多輝の下着に手を伸ばす。ガーターベルトや吊られたストッキングの色までメイド服に統一してあるのは、保美の趣味らしい。
「ばっ、ばかっ! や、やめろってば!」
「こんなに濡れてる」
薄く笑いながら優一郎はそう囁いた。真っ赤になった多輝が懸命にスカートを戻そうとする。だが優一郎は指先でしっかりと下着の中のしこりを探りあてた。掠れた声を上げて多輝がスカートを握る手を震わせる。
頑張って機械を書こうとしているのは判るんですけども……(昔の自分に向かって)