「先に上の口に飲ませてあげるよ。ほら、ちゃんと舌を動かして」
そう言いながら立城は火藍の頭を上下に揺すり始めた。相当、苦しいのだろう。火藍はくぐもった声を上げて立城の膝に爪を立てる。だが立城は構わず火藍の頭を揺すった。歯を立てるなという忠告は耳に入っていたらしい。火藍は歯に唇を被せている。内側に硬い歯を巻き込んだ唇で擦られると、それだけで快感がこみ上げる。立城は笑いながら火藍の頭を揺すり続けた。
口の中を擦り、喉の奥に達する。そして引き戻す時には蠢く舌で鈴口を撫でられる。火藍の口内をペニスで擦りながら、立城は痺れるような快楽を味わっていた。
「凄い、気持ちいいよ、火藍。ここまでいいのは久しぶりだよ」
熱い吐息が自然と漏れる。立城は興奮に滲んだ目を落とした。苦しそうに呻きながら火藍は懸命に舌を動かしている。だがきっとそれは呼吸が苦しいから反射的に身体がそう動いているだけだ。そう思いながらも立城は火藍の頭を揺する手の力を緩めなかった。
「いつもはね。力なんてかけなくてもいいんだけど」
誰と交わる時にも意識はしたことがない。そう告げてから立城は足を大きく開いた。呼吸が次第に速くなる。少しずつ慣れているのだろう。火藍の喉は先ほどまでより大分、滑りがよくなっている。
「今日はね。精を放つ訳にはいかないから、あえて力をかけているんだ。本来、精液を造るための器官……睾丸部分に力を直結してるんだけど」
徐々に快楽が強くなる。立城は説明しながら、時折、深く息を吐いた。力を繋ぐための時間稼ぎも兼ねて念入りに火藍に愛撫したのだ。執拗に愛撫を繰り返したために受け入れる側の火藍の準備も整っている。立城は荒い息を吐きながら火藍の頭を大きく揺さぶった。
「だから君が咥えてるのは本当の意味での肉の棒だよ。だって、いつもみたいに、意識なんて、している余裕、ない……からっ!」
言い終えた瞬間、立城は火藍の頭を強く押さえた。勢いよく喉を擦ったペニスから一気に熱が噴出される。立城は背を仰け反らせて掠れた声を上げた。火藍の喉に突き入れられた鈴口が、びくりびくりと脈打つ。
熱の放出は一度きりではなかった。三度に及ぶ噴射の後に立城は息を吐いて身体の力を抜いた。痺れるような脱力感が襲ってくる。火藍は喉の奥に届いたそれを音を立てて飲み下している。が、数度に渡る噴出のためだろう。飲みきれなかったそれは金色の糸を引いてじゅうたんに零れていく。
ふっ、と肩から力を抜いて火藍が顔を上げる。赤い唇を舐めた火藍はうっとりとした目で立城を見つめた。先ほどまでの苦しさはもうすっかりないようだ。立城は呼吸を乱したまま、苦笑してみせた。
「甘い……」
そう呟いて火藍はもう一度、頭を伏せた。ペニスにこびりついたそれを丹念に舌で舐め取っていく。立城は熱を放出したばかりのペニスに再び刺激を加えられて吐息を漏らした。
「そう……。君にはこの蜜をたくさんいれてあげる。マスターに運んであげるといいよ」
まるで蜜蜂のようにね。そう続けて立城は火藍を押し退けた。よろけた火藍をその場に押し倒す。立城は火藍の腿に両手をかけ、足の間に身体を割り込ませた。膝を開いて互いの股間の高さを調節する。
熱を放出したにも関わらず、立城のペニスはまるで衰えていなかった。腹を打つほどにそそり立ったペニスを秘部に近寄せる。挿入を期待しているのか、火藍はそれだけで甘い声を上げた。立城をまるで迎え入れるかのように腰を浮かせる。立城は火藍の腿を裏側から強く押して股間を上向かせた。火藍の濡れた秘部が照明を鈍く照り返す。その様はまるで飢えた獣が口から涎を垂らしているようだった。
「あ、ふぅ……はやくぅ」
甘い声で囁かれるだけでびくりとペニスが脈打つ。立城は薄く嗤ってじわじわとペニスを秘部に近づけた。鈴口がねっとりとした陰唇に触れる。
「早く? 何を?」
言いながら立城は腰を少しだけ前に出した。鈴口からゆっくりと滑らせて竿を秘部に乗せる。火藍の秘部にペニスを乗せた状態で立城は腰を前後に細かく揺すった。ペニスに残った金色の蜜が淫猥な音を立てて愛液と混ざり合う。その様を眺めながら立城は唇を歪めた。このまま濡れた陰唇に一気に突き入れたいという衝動に駆られる。だが立城はその衝動を堪えて火藍をしばし焦らし続けた。
射出する内容が違っていても感じる衝動は同じだ。火藍の秘部の上を滑らせているだけで脈打つような快楽に襲われる。立城はペニスを押し付けるようにして腰の動きを次第に速めた。濡れた音を立てて前後するペニスの鈴口に透明な液体が滲んでくる。その様を見つめながら立城はくすくすと笑った。先ほどから火藍はずっと甘い誘いの声を上げている。早く、挿れて。かき回して。そんな言葉を聞くたびに快感が一層強くなる。
「ん、こうしているだけで、凄い……ねえ、火藍。もっとちゃんと顔を見せてよ」
痛みを堪えるように火藍は額を手で押さえている。腕に遮られてその表情は半ば隠れているのだ。立城の言葉に呼応して火藍が腕を退ける。現れた表情を見止めた立城は口許を嗤いの形に歪めた。相当に焦れているのだろう。火藍は切ない眼差しで立城を見つめている。唇の端からは昂奮のために涎が伝い、頬は赤い。そして火藍の目からは涙も零れていた。
断罪の際の厳しい顔からはとても想像できない表情だ。快楽に歪む火藍の表情を見ながら立城は笑った。ずきん、と痛みに似た快感がこみ上げる。
次でこのエロシーンはラストですー。