※この作品はR-18です。

魂の座 二部 緋色の遺言   作:伊駒辰葉

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ビミョーにエロシーンに突入です。
あっ! TR警報! です!


メール便でギフト 2

 煌く光の帯が多輝の胸に次々に吸い込まれていく。

 

「多輝!」

 

 優一郎は慌てて多輝に駆け寄った。多輝は苦しそうに呻きながら床に転がっている。自身の身体を抱える多輝にそっと手をかけて優一郎は顔を上げた。振り返って試験管を見やる。だが既に試験管の中身は完全になくなっていた。

 

「き、気持ち……悪い……」

 

 多輝の顔色は酷く悪い。優一郎は多輝の汗ばんだ額に手をあてがった。どうやら発熱しているようだ。

 

 まだ警報は鳴り続いている。どうやら多輝の力に反応して試験管の中身が変化してしまったためらしい。この実験室はいざという時のために、多輝を除く龍神の力を感知したら警報を鳴らすようにされているのだ。

 

「多輝。落ち着いて。大丈夫だから」

 

 そう言いながら優一郎は白衣のポケットに手を入れた。反射的にねじ込んだ白い封筒を取り出す。封筒の表にも裏にも何も書かれてはいない。優一郎は顔をしかめながら封筒の口を開いた。中から薄い作りの便箋が数枚出てくる。

 

 どうやら試験管の中には龍神の身体から作り出したものが入っていたらしい。淡々とした文章からそのことを読み取って優一郎は眉間に寄せた皺を深くした。何でわざわざそんなものを寄越したのだろう。疑問に思いながら優一郎は手紙を読み進めた。シャーレに培養されているのは龍神の身体を構成する力の細胞だという。優一郎は一度、シャーレの乗った台を振り返ってから再び手紙に目を落とした。

 

 最後に署名がされている。それを読み取った優一郎は目を細めて息を潜めた。多輝にも感知されないようにこんなものを送りつける相手の心当たりなど限られている。が、手紙に記されていた名前は優一郎の予想したどんな相手とも違っていた。

 

 木村財閥は巨大な実験場を幾つも抱えている。そのどこかから恐らく盗まれたものだろう。本来は決して外に出るものではないことは間違いない。そもそも龍神は死んでも死体は残さない。

 

 優一郎は苦しむ多輝に待っているように声をかけてから立ち上がった。端末の乗せられた机に歩み寄る。優一郎は無言で机の引出しを開いた。小さなシャーレを中から取り上げる。だが既にその中身は空になっている。優一郎は目を細めてじっと空っぽのシャーレを見つめてから、再び机の中を探った。

 

 書類やファイルに紛れて一枚の便箋が出てくる。

 

 天と地の混じるところ。雷と炎が混ざった時、風が生まれる。

 

 書かれた文字をじっと見つめてから優一郎はポケットにねじ込んだ便箋を取り出した。どちらもペンで書かれている。手書きのその文字は酷似しているように思えた。

 

 度重なる騒動の中で優一郎は一つの仮定を導き出していた。あの日、風と共に現れた少年は恐らく都子と呼ばれた者だろう。そして風の主と優一郎が呼ぶ順は都子と懇意であるか、若しくは血縁関係があるのではないか。だから優一郎はあの日、残された封筒が少年を通じて順が残したものだと思っていたのだ。

 

 だがそれが全て勘違いだったとしたら。優一郎は手の中に便箋を握りしめて俯いた。

 

 ふと、多輝の呻き声が聞こえてくる。優一郎ははっとして多輝の傍に戻った。多輝は先ほどと変わらず、苦しんでいる。

 

「多輝。症状は、どんな状況か、説明できるかい?」

 

 静かに優一郎は訊ねた。すると苦しさに顔を歪めつつも多輝が懸命に言葉を吐き出す。

 

「中……で……なんか……暴れて、る」

 

 途切れ途切れに言ってから多輝が腕に力をこめて強く自身を抱きしめる。その腕が小刻みに震えている。優一郎は痛ましさに目を細めて優しく多輝の背をなぜた。

 

「多輝。そいつらを誘導するんだ。一箇所に。できるね?」

 

 そう告げた優一郎を多輝が涙の滲んだ目で見上げる。判った、と頷いて多輝は目を閉じた。紺色の光が薄く多輝の身体から滲む。身体全体を覆っていたその光はやがて少しずつ小さくなり始めた。それと共に強い輝きになっていく。

 

 光がゆっくりと収縮し、やがて多輝の胸のところで制止する。人で言えば心臓のある部分だ。

 

「よし、見える。多輝……いくよ」

 

 優しく声をかけて優一郎は光の灯る胸の上に人差し指をあてがった。軽く力をこめると指がシャツをすり抜けて多輝の胸にゆっくりと突き刺さる。だが感触らしいものはない。優一郎は意識的に力をかけて多輝の体内に手を潜り込ませていた。苦しみに歪んでいた多輝の頬にうっすらと赤味が差す。

 

 優一郎は慎重に手を進めた。人差し指が完全に多輝の胸に潜る。続いて右手を沈めながら優一郎は微かに笑みを浮かべた。多輝の呼吸が明らかに変化している。普通、他者の侵入は酷い痛みを伴うが、優一郎はわざと力をかけて多輝の感じる痛みを別のものにすりかえているのだ。

 

 自身を抱えていた多輝の腕がゆっくりと解ける。優一郎は静かに指を進めて手首までを多輝の胸に埋めた。しばらく探ると指先に何かが触れる。何の気なしに優一郎がそれを指先でなぞると多輝の身体がびくんと跳ねた。

 

「あっ、んっ! ゆういちろう!」

 

 掠れた声で喘いだ多輝の身体は徐々に変化しつつある。優一郎はくすりと笑って指先に触れたものを何度かつついた。その度に多輝の身体がびくびくと跳ねる。平らだった胸に柔らかな膨らみが生まれ、身体つきが細くなる。膨れていた股間が沈み、腰周りが女性特有の曲線を描く。その段になると短かった多輝の髪はすっかり伸びていた。




こういう手を使うのは大体一人。
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