アソコにぶっ込んでデータをやり取りするので……。
機械的にはアレですかね!w
多輝の作った料理はとても美味しかった。コロッケにコーンスープ、焼きたてのパン。大根と海草のサラダ。デザートにはレアチーズケーキ。それら全ては多輝の手作りだった。要も初めて多輝の料理を口にしたらしいが、何度も美味いと誉めていた。それまでからかわれていたことも忘れ、多輝は要の誉め言葉に嬉しそうに笑っていた。
食後の茶を飲みながら多輝はすっかりリラックスした表情で要に告げる。
「ようはあれだよ。こう、いっぱいの小さな光のようなものをイメージしてだな。それを使って形を作るんだよ」
そう言いながら多輝は指先を要に向けた。多輝の指が何かの形を描く。すると要の目の前に淡いブルーの小さな家らしきものが浮かび上がった。ふむふむ、と頷きながら要がその家に手を伸ばす。多輝のイメージが稚拙だからなのか、光の線で描かれた家はとてもバランスが悪い。描かれた通りに本当に家を作ったら、きっと傾いて倒れてしまうに違いない。
「あら。光ってはいますけれど温度はないんですのね」
「あー。あったかいとか冷たいとか? それもイメージすれば出来るよ」
そんな話をしている二人を優一郎は微笑ましく見守った。ごく当り前に接する分には多輝もそんなに要のことが嫌ではないらしい。
茶を飲み終えた三人はキッチンから実験室の一つに移動した。優一郎は実験室の明かりを灯して二人のために椅子を用意した。実験室の奥の机の傍に椅子を二脚並べる。珍しそうに実験室内を見回していた要を促す。多輝は慣れたもので、優一郎に言われる前に椅子に腰掛けた。
「まず要さん。あなたの記憶回路に、現状わかっている全ての龍神に関する情報をインプットします。覚悟はよろしいですか?」
言われることは予想していたのだろう。要は神妙な顔で頷いた。
「ええ。情報がなければ分析は出来ませんもの。望むところですわ」
そう言いながら要は立ち上がった。自分から傍にある実験台に登る。優一郎は多輝に接続用のデータ入出力スティックを取ってくるように頼んだ。多輝が判ったと返事して実験室の壁に沿って並んでいるスチール棚に向かう。
露にされた要の股間に優一郎は丁寧に潤滑剤を塗りつけた。次いで、多輝に手渡されたスティックにもまんべんなく潤滑剤を塗る。多輝は既に優一郎の机について端末を立ち上げている。優一郎は肩越しに見返ってそのことを確認してから要の膣内にスティックを静かに挿入した。挿入の瞬間、要がぶるりと身体を震わせる。どんなに快感のシステムを切っていても、これほど間近に優一郎が居れば要も何も感じない訳にはいかないのだ。
恋愛感情が快感に直結するシステムを含めた、ヒューマノイドに搭載された性欲を用いたシステムを快楽のシステムと呼ぶ。ヒューマノイドのことを学び始めたばかりの頃、優一郎はこのシステムの利点が理解出来なかった。だが今はよく判る。要から流れてくる情欲に絡んだ感情を読みながら優一郎はひっそりと笑った。すぐにその笑みを消して人で言う子宮部分にある接続口にスティックを接続する。
「こっちはいいぞ」
多輝が優一郎に背を向けたままで言う。優一郎はスティックの握り部分にある小さな液晶画面を覗き込んで、きちんと接続されていることを確認した。
「多輝。例のファイルのコピーを開始してくれ」
「了解」
すぐに多輝が答えてキーボードを操作する。優一郎はじっとスティックの液晶画面を見つめていた。データ送信中の表示を読んで顔を上げる。
要はまるで眠るように目を閉じている。
「直接に記憶領域を書き換えます。一瞬、思考が混乱する可能性がありますから気をつけてください」
「わかりましたわ」
そう答えて要が目を閉じたまま頷く。優一郎は黙って頷き返し、スティックから伸びたコードの先についた小さなボックスを取り上げた。蓋を開くと中から小さなキーボードが現れる。スティックから伸びているコードは二本。もう片方は多輝の間近にある端末に直接、繋がっている。
優一郎はキーボードを操作して要の機体に組み込まれているハードディスクにアクセスした。優一郎の操作に従って多輝の傍の端末から要の機体へとデータが流れていく。出来るだけ要に負担がかからないよう、優一郎はデータ送信量を細かく調整した。
要の機体の中から低い耳障りな音が響く。ハードディスクにデータを書き込んでいる音だ。だがその音がし始めても要はじっと目を閉じたまま静かに呼吸をしている。最初にみせたような恥らう様子はどこにもない。
データ書き換えは数分で終了した。手際よく片付けを終え、優一郎は要にそっと声をかけた。要がゆっくりと目を開く。だがその視線はどことなくぼんやりとしている。どうやらまだ、思考が混乱しているようだ。
「多輝。おいで」
手招きで多輝を呼んで優一郎は要に向き直った。多輝が急ぎ足で要の横たわるベッドに歩み寄る。
「……大丈夫か?」
心配顔で多輝が要の顔を覗き込む。その瞬間、要ははっとしたように目を見張った。
「要さんは非自律型ヒューマノイドなんだ。作戦中、きみと要さんにコンビを組んでもらうような状況も有り得る」
そう告げて優一郎は横目に多輝を見た。多輝が困惑した面持ちで優一郎を見る。どうやら意味が判らなかったらしい。優一郎はしばし考えてから多輝に判る言葉で説明した。するとぽん、と多輝が手を打って頷く。
ヒューマノイドは接続することでデータをコピーしたり、移動したり出来ます。
精密機器なので大きいパソコンみたいな感じでしょうか。
今ならかなり大きいスマホ? と言った方がいいのかな……。