※この作品はR-18です。

魂の座 二部 緋色の遺言   作:伊駒辰葉

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エロシーンですがBL警報発令です!


緋色の遺言

「いえ、僭越なことを申し上げました。それでは失礼致します」

 

 静かに告げて優一郎が深々と礼をする。火藍は首を傾げるだけの返事をした。

 

「……な……に……」

 

 微かな声が順の唇から漏れる。火藍は剥き出しになった順のペニスを右手で握った。手のひらから力を叩き込む。その瞬間、順は声にならない声を上げて仰け反った。

 

「貴様はどうせ抵抗するだろうと思ってな」

「ま……て…………ゆ、う……」

 

 火藍の言葉には答えず、順は震える腕を身を翻した優一郎に向けた。順は知っているのだ。優一郎がその気で力を使えば、確実に順は滅ぶことが出来る。

 

「また、お会いしましょう」

 

 肩越しに振り向いた優一郎がにっこりと笑う。順に笑みを向けてから、優一郎は静かに部屋を出て行った。伸ばされていた順の腕が力なくベッドに落ちる。

 

「往生際が悪いな、順」

 

 力を叩き込んで強制的に勃起させた順のペニスを火藍はゆっくりとなぞり始めた。順は力なく首を横に振り、必死の面持ちで火藍を押しのけようと腕を突っ張る。だがその腕は見た目にもはっきりと震え、抵抗にすらならない。

 

 亀頭を指で擦る。順は火藍の愛撫を受けてあっけなく射精した。迸った精液を手に受け止め、火藍は順の身体を抱き起こした。

 

「や……だ……。だ、めだ……って」

 

 殆ど声にならない声で順が拒絶の言葉を吐く。だが傷つきすぎた順の身体にはろくに力が入ってはいない。火藍は易々と順を腕に抱き、その場に腰を下ろした。後ろ向きで抱えた順の尻に精液を受けた手を滑らせる。

 

「諦めろ。それとも何か? わたしにされるのは不満だとでも言うのか」

 

 冗談のように言いながら火藍は手に溜まっていた精液を順の肛門に塗りつけた。その瞬間、びくりと順が身体を跳ねさせる。たっぷりと精液を絡めた指の先で窄まった部分を執拗に捏ねる。

 

「やっ、やめ……っ」

 

 掠れた声で言いながら順が腰をひくつかせる。どんなに意識は嫌がっていても、身体は火藍の力を受け入れようとひらいていく。火藍は足を順の身体に絡ませ、指先を開きかけた肛門に挿入した。

 

「くっ、んあっ!」

 

 甘い吐息の混ざった嬌声が順の唇から漏れる。火藍は指をゆっくりと腸内に埋めながら順の首筋に唇を落とした。何度も指を出し入れして精液を腸壁に塗りつける。しばらく指で腸内を愛撫した後、火藍はおもむろに順の腰を抱えた。

 

 いきり立ったペニスが音を立てて腸内に潜る。火藍は背を反らして声を上げた順を両腕に抱き、腰を跳ね上げた。その瞬間、中ほどまで進んでいたペニスが一気に根元まで腸内に挿入される。

 

 その瞬間、火藍は低く呻いた。容赦のない力で器を形作る力を吸われ始める。急激に脱力感に襲われる。だが火藍は震える腕に力をこめて順を揺すり始めた。粘ついた音を立ててペニスが腸内に出入りする。

 

「あっ! ダメ、だって、ば! ちょっ……や……あ!」

 

 大きく上下に揺すられながら順が懸命に言葉を紡ぐ。火藍はその場に順の身体を押し倒し、本格的な抽迭を始めた。膝をついて伏せた順の尻に向かって腰を何度も叩きつける。

 

 あなたのゆく道に、幸多かりし事を。

 

 かつて順を愛した龍神も、恐らく同じことを思っていたのだ。だからこそ、出来れば穏やかな道をと願い、祈り、そして宝珠を順に託して逝ったのだろう。

 

 どんどん力が抜けていく。火藍は歯を食いしばって一際強く腰を叩きつけた。奥深くに届いたペニスの先端で抉るように腸壁を突く。そうしながら火藍は震える手で順のペニスを握った。息も絶え絶えに悶える順を強く抱き、ペニスを扱く。

 

 射精したのはほぼ同じタイミングだった。火藍が腸内に射精した直後、順が悲鳴のような声を上げて腰を大きく震わせる。火藍は手とペニスに順の脈動を感じながら掠れた声を漏らした。器の中で黒宝珠が溶け、ペニスを通って順の中に勢いよく吸い込まれていく。

 

 脱力した順を力を振り絞って抱え起こし、火藍は再び抽迭を始めた。次第に意識が朦朧としてくる。だがここで意識を手放してしまっては意味がない。順の背中に額を強く押し付け、腰を何度も跳ね上げる。そうしながら火藍は無意識のうちに順の名を呟いていた。

 

「お前を呼ぶのは、これが最後だな」

 

 火藍は想いをこめて告げた。

 

「順。わたしはお前を愛している」

 

 器に残っていた青宝珠が溶けて形をなくす。声を上げて仰け反った順の腸内に勢いよく力が注ぎ込まれていく。火藍は目を閉じて、その感触に深い息を吐いた。

 

 ずるりと音を立ててペニスが肛門から抜ける。火藍はふらつく身体を意志の力で支えて順の前に回った。立て続けに二つの宝珠を体内に注がれた順はぼんやりとした視線を中空に彷徨わせている。火藍はそんな順にそっと唇を寄せた。唇を合わせたまま、順の胸に手をあてがう。

 

 すまないな。最後まで痛い思いをさせて。

 

 胸中で詫びて火藍は手を一気に順の胸に突き立てた。順がそれまで閉じかけていた目を見開く。火藍は片腕に順の身体を抱え、口を塞いだまま、順の胸に突き立てた手を動かした。

 

 順が決して体内に取り込もうとしていなかった緋宝珠は、火藍の予想通りそこにあった。恐らく苦しむ順が無意識に吸い寄せたのだ。火藍は緋宝珠を掴み取って右手を順の胸から抜いた。

 

 緋色の輝きが現れる。火藍は順の手に緋宝珠を押し付けた。だが順は自分からは宝珠を握ろうとしない。肩で息をしながら、順が力なく首を振る。

 

「オレ……は……こんなの……」

 

 火藍は無言で順の右手に緋宝珠を握らせた。順の右手の上に左手を重ね、火藍は微笑んだ。

 

「断罪の主、茜の名の許に」

「嫌だ! オレは、オレは」

 

 どこにそんな力があったのか、順が叫んで緋宝珠から手を離そうとする。だが火藍は頑として手を離さなかった。

 

 真紅の光がゆっくりと空から降りてくる。光はやがて屋敷を通り、火藍の許に届いた。断罪の印が浮き上がる。

 

「オレは、こんなの、望んではいない!」

「この者を」

 

 そう言いながら火藍はそっと目を閉じた。

 

「断罪する」

 

 そう、火藍が告げた瞬間、順の手の中で緋宝珠が強い輝きを帯びる。輝きを増した宝珠は一気に緋色の矛へとその姿を変えた。矛先が真っ直ぐに火藍の胸を貫く。せめてもの慰めなのだろうか。貫かれた火藍が痛みを感じることはなかった。

 

 泣き叫ぶ順の声も、何もかもが遠くなっていく。

 

 火藍は微笑みを浮かべたまま、最期の言葉を唇で刻んだ。

 

 生きろ。

 

 身体を形作っていた最後の力が弾ける。火藍は緋色の砂となって散った。

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