あ、でも機械なのでアレでしょうか。
3Pですかね。
頼みの綱、一本だけになっちまったな。内心で呟きながら順は息をついた。いや、もしかしたらその最後の一本ですら既に切れかけているのかも知れない。
「そろそろ出るかな。ほらぁ、ちゃんとやってくんないとさあ。出ないっしょ? 真面目にやんないと」
言いながら順は二人に手を伸ばした。水輝と火藍が順の両脇にいる。彼女たちは順の腰に顔を伏せ、熱心にペニスをしゃぶっている最中だった。順は彼女たちの頭を優しく撫で、天井を仰いだ。
二人の膣にはそれぞれ順が手ずから作った特製のバイブが挿入されている。もっともそれは人の目に映る形はとっていない。人の目から見れば水輝と火藍、両方の膣から愛液が溢れている様子しか判らないだろう。だがバイブは確実に二人を嬲っている。順は目を細めて二人を見下ろした。左にいるのが水輝。右にいるのが火藍だ。藍色の長い髪を背中に散らし、水輝は虚ろな眼差しを上げた。
「ん? どったの? 水輝ちゃん」
バイブはごく弱い振動を水輝に与え続けている。そのことにとうとう我慢が出来なくなったのだろう。水輝は懇願するように順にすがりつく。
「お、お願い……いかせて。もう、我慢が」
「だめー。却下ー。ほら、火藍ちゃんを見習わないと」
そう言って順は目で火藍を示した。火藍はうっとりした面持ちで順のペニスに舌を這わせている。火藍が水輝のようにねだらないのは当然だ。マスター登録しているために、火藍は順のペニスを口にするだけでも深い快感を得ているのだ。だがそのことを順は水輝には説明しなかった。ほらほら、と水輝の背を押す。すると諦めたように水輝は再び順のペニスを口に含んだ。
都子はあれから眠ったままだ。別の器に急に変わったためだけではない。器を変えるたび、都子の眠りは長くなる。そしていつかは長い……それこそ永遠の眠りにつくのだろう。順はぼんやりと天井を見つめて息をついた。
「あ。出る」
呟いて順は手を伸ばした。ペニスを口に咥えていた火藍の頭を強く押す。唇がペニスを根元まで扱く。それと同時に順は一気に射精した。火藍の口から漏れて溢れた精液を水輝が舌で丹念に舐めとる。
「んじゃ、六戦目ー。今度は火藍ちゃんの番か。水輝ちゃんはちょっと休んでていいよ」
にじるように火藍が順に寄る。不服そうに唇を尖らせる水輝に順は苦笑を向けた。これあげるから、と水輝の口にカプセルを一つ運ぶ。水輝は小さく頷いてカプセルを飲み下した。そのままころん、とベッドに横になる。
「キスしてくれる? ああ、先に入れていいから」
言って順は火藍に唇を寄せた。火藍が無言で順に口づける。そうしながら火藍は陰唇を指で割り開いた。すっかり濡れそぼった陰部に順のペニスが食い込んでいく。目を閉じて口づけを受けた順の脳裏にぼんやりとした光景が映る。
草原に水輝が立っている。今の水輝とは違う。女ではあるが、容赦のない嗤いを浮かべた水輝だ。対峙する者に向かって水輝は告げる。お前を殺す、と。それが天の命だと。
「まずはゆっくり動いてね。そう……アソコをオレの下腹に擦りつけるようにして。うん、そんな感じ」
火藍は順に言われるままに腰を動かし始める。膣壁がペニスを柔らかく包んで擦る。順は目を閉じたまま煙草に火を点けた。
それをお前が言うのか。
水輝に対峙したそれはそう言って微かに笑った。すると水輝がぴくりと表情を変える。
「ヤだなあ。まだ水輝ちゃんを呼ぶの? いいかげん、誰がマスターかちゃんと覚えないと」
火藍はあられもなく声を上げながら熱心に腰をくねらせている。涎が唇の端から垂れているのを見止め、順は指でそれを拭った。濡れた指先を口に運んで下から火藍を突き上げる。
一閃した藍色の刀がそれの胸に吸い込まれる。嘘のように静かな一撃だった。そうか、お前が俺を殺すのか。呟きはだが、風に流れて誰の耳にも届かない。
「そろそろ水輝ちゃんも元気になった? っと、まだ駄目だよ。さすがにオレも二人同時には犯せないってば」
決して手に入れられない輝きがあの瞬間、酷く遠くに見えた。紅い煌きが天を貫いた時、それは目を閉じた。情け容赦のない水輝のやり方については特に文句を言おうとは思わなかった。なぜならそれが本望だったからだ。
水輝に自分を殺させれば火藍は少しは思い出してくれるだろうか。散り行く自分のことを少しは悼んでくれるだろうか。残酷とも言えるほどに容赦のない水輝のやり方に、少しは心を動かされるだろうか。そんな望みを抱いたまま、命は消えかけた。
そう、決して消えはしなかった。心は器に閉じ込められたまま、命も凍てついたままでそれは形を残してしまったのだ。
風に紛れて消えてしまっていれば誰も苦しむことはなかった。他の龍神と同様にそれはごく当り前に転生していただろう。そうならなかったのはひとえに火藍への想いを隠し切れなかったからだ。いや、それは隠そうともしてはいなかった。火藍がその想いに気付かなかっただけだ。
気付いていればあるいは運命は変わっていたのかも知れない。だがそれは過ぎてしまったことだ。
「あれ? もういくの? 駄目だなあ、勝手に」
ひくつく火藍の腰の動きを強引に止める。はだけた胸に唇を寄せる。順は火藍の腰を押さえたままで焦らすように乳首を舐めた。横目に水輝を見やる。水輝は苦しむような面持ちでじっと火藍を見つめている。それが余計に順の癇に障った。
「んっ、くっあああっ!」
絶頂に駆け上がる寸前に放り出されて焦れているのだろう。熱い息をつきながら火藍が身体を震わせる。密着した肌の間に愛液が溢れてくる。順はふっと嗤ってねっとりと糸を引くそれを指にすくった。腕を伸ばして水輝の唇に指をむける。水輝は待ち構えていたように順の指にしゃぶりついた。うっとりとした目で指に舌を這わせる。
二人の機体に注入されたナノマシンは優一郎の研究室から順が勝手に持ち帰ったものだ。大量に保管されていたそのごく一部がなくなっただけだったからか、優一郎はその事実を大したことだとは思っていなかったようだ。順は目を細めてシャツのポケットに手を入れた。ポケットの底に残っていた最後の一つを摘み上げる。指に挟んだカプセルを順は静かに火藍の股間に近づけた。
場面的には美味しいはずなのに、順的にはちっとも美味しくないぽいです。