機械が弄られる感じのシーンです。
もしかして聞かれてしまったのかしら。由梨佳は不安に思いながらじっと俯いていた。そんな由梨佳の脇を優一郎が平然と過ぎる。しばらく進んでからふと気付いたように優一郎は振り返った。
「どうしてそんなにストレス値が高まっているんですか? 父さんも帰ってきているのに。まさかご存知ないとか?」
目を見張って由梨佳は硬直した。だが機体だけが由梨佳の意志に反して低いモーター音を立てている。だがこの時の由梨佳はそんな音を気にする余裕もなかった。離婚の件については優一郎と絵美佳には話をしていなかったのだ。
由梨佳はかつて優一郎の前で欲情してしまったことがある。あれは優一郎が中学生の時だった。我慢できなくなった由梨佳は淫らな自慰の姿を優一郎に見せ、優一郎はそんな由梨佳を抱いた。思春期を迎えた優一郎にしてみれば無理のない話だった。何しろ由梨佳は高校生の頃と全く容姿が変わっていない。一見、そんな若い娘が痴態を晒しているのだ。我慢しろという方が無理だろう。
そのこともあって今までどうしても離婚について言えなかったのだ。由梨佳は俯いたまま、かたく目を閉じた。
「時間がある時なら、母さんの身体を診ても別にかまいませんけど。今は多輝優先ですからね。母さんは父さんの下へ行ってください」
すげなくそう言ってから優一郎は歩き出した。由梨佳は慌てて顔を上げた。優一郎の背中が遠くなっていく。
あの頃と今は違う。優一郎は既に由梨佳の手を離れている。しっかりと親離れしている筈だ。由梨佳はそう自分に言い聞かせて遠ざかる優一郎に声をかけた。必死の面持ちで呼んだ由梨佳の声に優一郎が足を止める。
「何でしょう? 連絡できないくらい、状況が切迫しているなら代わりに父さんに電話しましょうか?」
確か今は秘密研究所にいる筈ですし。優一郎は淡々とそう告げながら由梨佳に近づいた。由梨佳は力なく首を振って目を上げた。涙が溢れて頬を濡らす。
「だめなの、総一郎さんとは……」
機体が勝手に動く。腰をぎこちなく揺すり始めた由梨佳は懸命にその動きを止めようとした。ストレスが限界に達しているのだ。優一郎が怪訝そうな顔で由梨佳を眺め下ろしている。
「代わりに連絡しますね」
そう言って優一郎は白衣のポケットから携帯電話を取り出した。それを見止めた由梨佳は慌てて首を振った。駄目だ。総一郎には迷惑をかけることは出来ない。それにもう自分と総一郎は何の関係もないのだ。由梨佳は震える手を必死で伸ばした。指が辛うじて優一郎の白衣の裾をつかむ。
「総一郎さんとは、離婚……したの! もう、迷惑はかけられないわ……」
目を閉じて由梨佳は叫ぶようにしてそう告げた。優一郎から返事はない。由梨佳は優一郎の白衣をつかんだまま声を殺して泣いた。情けなさとやるせなさと、そして寂しい気持ちが同時にこみ上げる。その感情は機体を如実に反応させ、欲情させていく。
由梨佳は壊れかけていた。機体だけではない。過度のストレスにより精神状態が不安定になり、心が悲鳴を上げていたのだ。通常では考えないようなことにまで考えが及び、不安が更に増大する。だが普段とは異なる精神状態のため、由梨佳はそんな自分の考えが機体のストレスを増加させていることに気付いていなかった。
だれか、助けて。由梨佳はぽつりとそう呟いた。追い詰められた由梨佳の脳裏に多輝の姿が思い浮かぶ。だが由梨佳は首を振って多輝の面影を脳裏から追い出した。多輝は壊れてしまったのだ。そう、自分が甘えていたために。
「離婚……。今更ですか? まったく何考えてるんだか……」
冷ややかな声に由梨佳は泣き濡れた目を上げた。ぼんやりと涙に霞む景色の中で優一郎の姿だけがはっきりと目に映る。そこに見慣れない表情を見止めて由梨佳は目を見開いた。優一郎は微かにだが口許に嗤いを浮かべていたのだ。
「で、僕にどうしろと?」
突き放すように言ってから優一郎は腰を屈めた。覗き込むようにして由梨佳を見下ろす。由梨佳の手から自然に力が抜けて落ちる。床に両手をついた由梨佳は次第に物を考えられなくなりつつあった。ストレスによる負担が大きすぎて機体が悲鳴を上げているのだ。
「助けて……おねがい! このままだと壊れちゃう……。おねがい、あそこを……」
ぴくりと優一郎が片方の眉を跳ね上げる。だが由梨佳はそのことに気付かなかった。腰をぎこちなく揺すりながら優一郎の足に擦り寄る。欲求が最高潮に達した由梨佳は、優一郎の足にすがりついて誘うように微笑んだ。妖艶な笑みを見止めた優一郎が目を細める。
「父さんには迷惑はかけられない。だけど僕なら構わないと」
そう言いながら優一郎が嗤う。すがりついた由梨佳の髪を軽くつかみ、優一郎はやがて声に出して嗤い始めた。だがこの時の由梨佳にはそんな優一郎の変わり様がはっきりと認識できなかった。お願い、と呟くように言いながら目を潤ませる。
「標準M字開脚のポーズをとってください」
言われるままに由梨佳は優一郎から少し離れた。廊下の壁に寄りかかってからスカートをたくし上げる。膝を折ってから自分の腿に手をかける。足を開いた由梨佳の前に立ち、優一郎は口許を歪めた。
「あの、ポーズだけ取ってもらっても困るんですけど。下着、脱いでいただけませんか?」
呆れたような声で優一郎が告げる。由梨佳はのろのろと下着を取った。濡れた下着を廊下に捨ててもう一度足を開く。陰部を優一郎に晒しているだけで快感がこみ上げてくる。由梨佳は涙を零しながら掠れた声を上げた。
「なるほどね。こうなってたのか」
腰を屈めて由梨佳の陰部を覗きこんでいた優一郎が失望感を滲ませた声を漏らす。由梨佳はかっと頬を染めて横を向いた。理性は殆ど残っていないが、由梨佳の女性器に対して優一郎が失望したらしいことだけは判る。
優一郎は履いていたスリッパを脱いだ。右足の靴下だけを脱ぐ。
「足の指で充分ですよね?」
そう言ってから優一郎は由梨佳の陰部に無造作に足を乗せた。驚きに目を見張った由梨佳は、次に悲しみに涙を浮かべた。そうか、わたしにはまともに快楽を与えてもらえる価値すらないのね。だがそんな悲しみも次に襲ってきた快楽に頭から吹き飛んでしまう。
壁に手をついて優一郎は右足の指で由梨佳の陰部を弄っていた。その顔には歪んだ笑みが浮かんでいる。クリトリスを踏まれ、膣口を嬲られる。由梨佳は優一郎に踏みつけにされながら、あられもない声を上げた。
ヒューマノイドはこの時点でドM仕様になってます♪