機械ですけども!
陰唇の間から愛液が漏れて流れている。指先でつつくまでもなく、クリトリスが勃起していることがはっきりと見て取れる。ふうん、と呟いて優一郎は指先を軽く舐めた。濡れた指先でクリトリスを軽く刺激する。すると多輝が微かに顔をしかめる。ほんの少し眉を寄せた多輝の唇から辛うじて聞き取れるだけの声が漏れる。それを聞いた優一郎は小さく笑った。
「感じてるんだね」
そう言ってくすくすと笑いながら優一郎はクリトリスを弄った。久しぶりに見たせいか、多輝の機体は思った以上に生身を再現しているように感じられる。優一郎の胸には作った当初よりも強い満足感がこみ上げていた。他の機体は性的な刺激にも機械的な反応を示す。だが多輝の反応は人のそれと殆ど変わりない。作った優一郎でさえ、多輝に触れていると人なのではないかと勘違いしてしまう程だ。
人のそれと変わりない身体なのに。優一郎は胸の奥でそう呟いた。正直なところ、優一郎は自身で人に近いものには全く感じないのではないかと思っていた。機械的な反応をする故に、ヒューマノイドである彼女たちに感じることが出来るのだとずっと思ってきた。だが多輝の機体は彼女たちのものとは違う。なのにこうして触れているだけで心の底から情欲がこみあげてくるのだ。
膣内に指をそっと挿し入れる。優一郎の視線には自分でも気付かないうちに熱がこもっていた。
「多輝は、多輝だからね」
くすりと笑って優一郎は指で執拗に膣壁を弄った。少しずつ多輝が反応を示し始める。やがて多輝は掠れた声を漏らし始めた。
「んっ……。ゆう……いちろう?」
微かな喘ぎ声の中に自分の名前を見つけ、優一郎は口許に笑みを刻んだ。多輝の耳元に唇を寄せてそっと囁く。
「おかえり、多輝」
膣壁を指で弄りながら優一郎は多輝の耳にそう囁いた。すると多輝がぴくりと身体を震わせる。少しずつではあるが、目覚めてはいるようだ。優一郎はちらりと隣の実験台に目をやった。そこには多輝の本来の肉体が横たえられている。先の事件で傷付いてはいたが、その傷も自然に治癒してしまっている。
親指でクリトリスを捏ねながら強く膣壁を擦る。すると多輝が腰をひくつかせた。感じ方が徐々に強くなっている証拠だ。優一郎はうっすらと笑って陰部を覗きこんだ。すっかり濡れそぼった陰部を大胆に探る。ついでに、と手を伸ばしてもう片方の局所に触れると多輝は如実に反応を示した。掠れた声を上げて腰を軽く持ち上げる。
「今日は前に入れてみる?」
言いながら優一郎は実験台に這い上がった。ズボンのジッパーを下げて勃起したペニスを引っ張り出す。まだ自ら誘うほどには覚醒していないのだろう。多輝はまだ目を開けてはいない。
陰唇を指で割り開く。膣口にペニスをあてがって優一郎は多輝の顔を覗き込んだ。うっすらと頬が赤く染まっている。優一郎は多輝に口づけながらゆっくりとペニスを挿入した。口の中で多輝が微かに呻く。
何の障害もなくペニスはスムーズに膣の奥に入った。優一郎は微かに眉を寄せて顔を上げた。身体を起こして指を陰部に運ぶ。繋がった部分を何度か探ってから優一郎は指をじっと見下ろした。愛液の付着した指先が鈍く光っている。
「処女じゃない?」
優一郎の作ったヒューマノイドには人のそれと同様に処女膜の機能を果たすものが取り付けられている。ペニスが挿入されるとその部位が破れて赤い液体が流れる仕組みになっているのだ。が、多輝の陰部はその形跡がない。優一郎は目を細めてしばし指先をじっと見つめた。
これまで優一郎は多輝の膣にペニスを挿入したことがない。もし目を離していた間に多輝の処女膜が破られたとしたら。優一郎は目を閉じて多輝を見た時の状況を思い出した。別邸に言った折、由梨佳が気になることを言っていた。
「母さんか」
小さく舌打ちをして優一郎は目を開けた。あの時に由梨佳が呼んでいたのは総一郎だけではない。はっきりと多輝の名前も口にしていた。つまり、由梨佳がそう呼んでしまう程度には多輝と交わっていたということだ。直接にペニスを挿入しなくても、指等で強い刺激を与えたのかも知れない。やれやれ、とため息をついて優一郎は改めて多輝に覆い被さった。
額をそっと合わせてゆっくりと腰を動かし始める。優一郎は緩やかな刺激を与えながら多輝の名を呼んだ。掠れた喘ぎを漏らしていた多輝がやがて薄く目をあける。
「どう? 気持ちいいかい?」
にっこりと笑って優一郎はそう問い掛けた。その瞬間、多輝がはっきりと目を開ける。
「え……え!? えええええ!?」
一瞬の間の後に多輝が驚きの声を上げる。優一郎はくすくすと笑いながら身体を起こした。多輝が瞬きを繰り返して瞼をこする。
「嫌ならやめてもいいけど」
笑いながら告げると多輝が途端に真っ赤になる。久しぶりのその反応に優一郎は小さく笑った。慌てたように多輝が身体を起こそうとする。
「え、えと、あの……い、嫌じゃない……けど」
「けど、どうしたの?」
懐かしさに笑いながら優一郎は訊ねた。真っ赤になった多輝が慌てたように目を逸らす。優一郎は片手で多輝のあごをつかみ、自分の方へと顔を向けさせた。どうしたの、と再度問う。
「ええと、あの、ど、どうしておれ……えっと、優一郎……さん? と、こういうことに……なってるんだ? ……じゃない、ですか?」
何をどう学んだのかは判らないが、多輝の言葉遣いはこれまでと変わっていた。いや、もっと言えばしどろもどろといった感じだ。優一郎はああ、と呟いてじっと多輝の目を見つめた。
「そうか、そうだったね」
多輝の記憶は封じられている。そのことを思い出して優一郎は正面から多輝を見据えた。驚いたように瞬きする多輝の額にそっと額を触れさせる。
「多輝、僕のことを思い出して」
ゆっくりと告げる。優一郎は意図的に言葉に力を乗せた。多輝が息を潜めて一瞬、全ての動きを止める。次の瞬間、多輝は慌てたように顔を上げた。
「ゆ、優一郎!?」
そう叫んだかと思うと、多輝は苦しむように顔を歪めて額を押さえた。それまで封じられていた記憶が一気に戻ってきたのだろう。優一郎はそっと息をついてもう一度、多輝の目を覗き込んだ。
「多輝、君のマスターは誰だい?」
「な、何でそんなこと訊くんだよ」
焦ったように多輝が目を逸らそうとする。優一郎は真顔で多輝の頬を両手でつかんだ。
「ごめん。記憶がきちんと戻ったかどうか確認するためなんだ。答えてくれるかい?」
すると多輝は不承不承といった態で呟いた。
「……優一郎だろ。他に誰がいるよ?」
それを聞いた優一郎はにっこりと笑った。軽く口づけて耳元に唇を寄せる。おかえり、と囁くと多輝が小さな悲鳴を上げて身じろぎした。
機械がちゃんと書けてないなあ……(泣)
すみません。