鍵の掛けられた部屋にふたりきり。
教師と生徒。
――そして男女でふたりっきりのその部屋は、さっきから妙な沈黙に包まれており異様な緊張感が漂っていた。
しかしいつまでもそうしてるわけにもいかないと、遂に年長者である壮年の教師から静寂を破る。
「あくまでキミの紋章の謎を、解き明かすのにこれは必要なことであってだな」
「もちろんわかってます。だから早くしてください」
「う、うむ。そ、それもそうであるな、……では、その、し、失礼して」
「だからさっさとしてくださいっ!! 余計に恥ずかしくなるじゃないですかっ!!」
ぴんとした口ひげは先端まで、キレイに隙なく整えられている。
右目には片眼鏡のモノクル。
貴族よりも貴族な身だしなみをした紳士、ハンネマン=フォン=エッサーはゆっくりと手を伸ばした。
今年の士官学校で最年少となる15歳。
白い髪に白い肌。
小さな体躯。
で。
肌蹴られた制服の上着。
子供扱いされるのをナニよりも嫌っているが、どこからどう見てもまだまだ子供な、リシテア=フォン=コーデリアの剥きだしにされた乳房に。
ちなみにハンネマンは51歳。
起伏の乏しい胸に触れようとするその姿は、犯罪的なモノを想起せずにいられなかった。
なにせ同年代である士官学校の生徒であっても、リシテアとのカップリングにはやはり若干の背徳感がある。
もしこの光景を覗いている者がいたなら、悪戯されてるようにしか映らないだろう。
が。
リシテアに告げたら激怒するだろうが、無論そのような幼女趣味から、ハンネマンはこのようなことをしてるわけではない。
紋章学の父と称される彼の行動の基軸となっているのは、いついかなるときでも常に紋章の謎を解き明かすことである。
運命を縛る理不尽極まりない残酷な格差を無くすことである。
その身体に本来ならば一つしか宿せない紋章を、二つ宿しているリシテアは研究対象として格別だった。
摂理を捻じ曲げられて得たチカラの代償に、彼女は仲間と未来を語ることさえできなくなってる。
短命な教え子を救ってやりたい。
そういった教師としての倫理もあるにはある。
人間として当たり前に持ってなくてはいけない感情も大いに刺激された。
けれどなによりも。
ナニよりも学者としての根源的な欲求を抑えられない。
年甲斐もなく胸が躍る。
ごくっ。
だから無意識に生唾を呑み込んで、喉を上下させてしまったのは、学者としての知的好奇心ゆえだと、ハンネマンは強く自分に言い聞かせた。
断じてそれ以外の理由など存在しない。
そうやって仮説を立てることを拒否した紋章学の父は、娘のような年頃の教え子の乳房に微かに震える手を重ねた。
ぺたり……。
ボリュームに欠ける奥行きのない柔らかさの、さらに奥から少女の心臓の鼓動が伝わってくる。
まだ発育が始まったばかりのデリケートなふくらみには、このときにしか味わえない早摘みならではの初々しい感触があった。
成人女性にない脆く儚い柔らかさに、ハンネマンの鼻息が口ひげをそよがせる。
紋章の研究にかまけて実践の経験はご無沙汰だが、紋章学の父は老いてますます盛んでありオトコを辞めてはいなかった。
「リシテア君」
「な、なんですか?」
肌が抜けるように白いからなのかより際立つ。
怒ったような顔をして羞恥の朱色に、ほんのり染まる魔道の天才少女は、知らず知らずのうちに、紳士を紳士でないモノに変えていった。
年の離れた同学級の友人からは、末恐ろしいコと密かな賞賛を受けてたが、もうすでのこの段階で恐ろしい。
社会的なステータスがあればあるほど、人生踏み外しそうないけない魅力が詰まってる。
「まずは深呼吸してみてくれたまえ」
「え? あ、は、はい」
平らなお腹が息を吸うと僅かに膨らんで、吐くとほぼ同時にまた元に戻るをくり返す。
するとバストに添えられただけのハンネマンの掌にも、フニフニとした健気な感触が呼吸に合わせて確認できた。
自然と紋章学の父の表情は、愛でるような柔和なものになっていく。
けれどその内側はどうなのかといえば、ハンネマンらしくもない猛々しいモノの片鱗が見え隠れしていた。
闇に蠢くケモノの貌が覗いてる。
いつしか繊細としか言いようのない手つきで、繊細としか言いようのない可憐なふくらみを、円を描くかのようにしながら撫でまわしていた。
「……んッ」
震えるリシテアの唇から否応なく、オンナだと意識せざるを得ない声が漏れる。
未熟な乳腺を攪拌でもするみたいにこねるハンネマンの掌に、思春期の少女に特有のツンと反抗するような生意気な感触があった。
硬く尖り勃った乳首を転がすように刺激しながら、可愛らしいふくらみを丁寧にねっとり揉みしだく。
「あンッ……んふぅ……」
普段のキャラと年齢に似合わぬコケティッシュな吐息に、眠っていたハンネマンの牡は執拗なまでの愛撫をくり返した。
貴族であり学者であり紳士であることが、そうして薄い胸を揉むごとに少しずつ薄れていく。
「ン・ふぁッ……」
上半身をくねくね揺らす、リシテアは夢にも思うまい。
自分が貴族でもなく学者でもなく紳士でもなく、ひとりの壮年の男をただのケモノに変貌させようとしてるなど、
「やッ……やンッ……やはぁッ!!」
処理できない感覚に襲われるリシテアに到底理解できるわけもなかった。
とはいえ、
「あ……ン……はふぁ……」
心はともかく身体はというとその感覚に、魔力を行使するときの高揚感に似た感覚によく馴染んでる。
それもそのはずで誰にもまだ教えたことはなかったが、ハンネマンにはもうすでに紋章全般についてある仮説が構築されていた。
紋章とはチカラである。
その肝心のチカラを引き出すのには、魔力が必要になるわけだが、どれだけ引き出せるかは魔力の強大さとは比例しない。
重要になるのはシンクロ率であり感応力だ。
……そして感応とは即ち官能。
多かれ少なかれ紋章のチカラを享受する者は、発動の際に性的興奮をも甘受しているはずだった。
リシテアならそれが2倍。
まして彼女は才能に驕らない努力する天才である。
「んふぁ……」
したがって謎を解明するには発動状態の維持が必須であるが、まさか部屋の中で魔法をその都度その都度ぶっ放してもらうわけにもいかない。
だから我輩はこのようなことをしてるのであって、あくまで研究のためにリシテア君の官能を喚起してるのだッ!!
などと自分で自分に言い訳しつつ、弁明しつつハンネマンの興奮がまた跳ね上がる。
心臓のある左胸を集中して揉みしだいているが、まるでそのことに抗議でもするかのようだ。
指一本触れてない右胸の先端部位もアピールするみたいに、透き通るように淡い乳暈の色を濃くしてぷっくり膨れてきた。
理論でなく本能。
嗅覚では嗅ぎ取れない妖しい牝のフェロモンの匂いに誘われて、
「えっ? あ、ちょ、は、ハンネマン先生、ちょっと待っ、せ、先生、待っ、ああああッ!?」
長身の身体をよろけるようにしてふらりと折ると、ハンネマンは放置されてた右乳首に顔面から躊躇うことなくしゃぶりついた。
口ひげのチクチクが絶妙のバフになってる。
リシテアは白い喉をさらしながら、すぐさま反応して生々しくも艶めかしい叫び声を上げていた。
耳に心地いいその淫らな響きが、ハンネマンの牡の獣性を煽りに煽って、硬く充血した乳首に荒々しく喰らいつかせる。
出もしない未発達な授乳器官を吸いまくり甘噛みしては、舌を絡めて舐め転がすことを狂ったみたいにくり返した。
「あはッ!?」
紋章に適正があるということは、それだけ感じ易いということでもあるが、おそらくリシテアの持つ相性は群を抜いているのだろう。
実の父親より年上の男の頭を掻き抱きながら、全身の皮膚を粟立て膝から崩れ落ちそうにガクガクさせていた。
細いがくびれの浅い腰をさり気なく、ハンネマンに支えられてなければ倒れ伏してる。
意外に逞しく力強い腕の中で、小さな身体は面白いように跳ねまわった。
絶命する寸前の末期の獲物みたいに、びくんびくんと全身を憐れに震わせてる。
それは、
「ああああッ!!」
牡の嗜虐欲をそそらずにはいられなかった。
ようやく口唇が離れたときには、苛め抜かれた乳首はぬらぬら濡れ光って、血が噴き出しそうなほど真っ赤になっている。
ねっとりした生温かさから解放され外気に触れたからか、ぶるるっと震える光景が牡であるならば網膜に灼きつかずにはいられない。
そして男はどれだけ若さを失ってても、かつては自分が少年であったことを忘れない。
ハンネマンは無意識に童心に帰ったような稚気で、付着した唾液を飛ばすみたいにぴんっと指で弾いた。
「ひンッ!!」
幼い身体が雷にでも打たれたように、弓なりに色っぽく仰け反る。
膝がカクンと折れた。
支えられながら沈み込むように、リシテアはぺたんっと女のコ座りになる。
仁王立ちしてるハンネマンの前に蹲り跪いていた。
スラックスの股間は布地を、突き破りそうなほど雄々しく膨らんでる。
激しい劣情のナニよりの証左だった。
淀みこそないがどこか夢遊病者のような動きで、太い血管を這わせぬらつく勃起をおもむろに取り出す。
実戦からしばらく離れてたが、まだ決して錆びてはいない。
泣かせてきたのが窺える。
女殺し。
やや黒ずんだ肉色には歴戦の凄みがあった。
縦割れの唇がある先端はしっかり剥けあがっており、砲弾だったら射程30マスありそうな亀頭を露出させている。
凶悪なカタチに膨張させたその刀身には機能美すら備えていて、名工と讃えられるゾルタンの作品であっても見劣りしてしまいそうだ。
貴族であり学者であり紳士であるという、普段の落ち着いた理知的な物腰から、推し量ることはきっと誰にもできないだろう。
ハァハァハァハァ……ハァ~……。
喘息のようだった荒く激しい息遣いがやっとのことで治まり、黙して語らない目の前の気配に何気なくふとリシテアは顔を上げた。
「ッ!?」
言葉もない。
悲鳴すら発せられなかった。
カウパー腺液を滴らせた裏スジのグロテスクな威容は、深夜のお化けを上回る格別のインパクトで少女の思考を断ち切る。
「リシテア君」
「え、あ、はい?」
「舐めてみてくれんかね」
「……はい?」
紋章の有無に関わらずリシテアは聡いが、このときのリシテアは意味を理解するのにかなりの時間を要した。
舐めるって?
いったいナニを?
もしかして、コレをってこと?
舌で?
誰の舌でって、まさか……わ、わたしの舌でコレを舐めるっ!?
「はぁああああっ!?」
視界に牡勃起をしっかり捉えたまま目を見開いて、言葉にならない声にリシテアは拒否の意志を篭めるが、そんなことではスイッチの入ってるハンネマンは動じない。
研究対象であり教え子であり同志でもある少女の吐息に、若かりし頃を髣髴とさせるペニスをぴくりと揺らめかせただけだ。
それに邪な目的を達するために、真実を捏造して嘘をつこうとしてるわけではない。
フォドラを祝福する女神に誓ってない。
ただ邪な目的が存在してないかどうかという、そうした検証の一切をハンネマンの思考は行おうとはしなかった。
「勘違いしてもらっては困る」
根拠はなくとも自信のある言葉というのは、不思議とその声に説得力というモノを帯びさせる。
ナニもそれは新任教師だけの専売特許ではない。
「キミと我輩は何故こんなことをしている」
「も、紋章の謎を、解明するためです」
「その通り。そして我輩は紋章学の父などと呼ばれてるわけだが、その我輩にしても紋章の深遠に、どこまで迫れてるかは正直わからない――」
なのであらゆるアプローチを、否定せず試みる必要がある。
ギンギンにしながら自信満々で、ハンネマンは年少者を諭すように言い放った。
このようなことを日常の中で口にすれば、元歌姫兼保険医兼ライバルでもある同僚や、奉仕精神に溢れた青獅子の学級の生徒辺りに、お爺ちゃん大丈夫? と痴呆症を心配されるようなイカれた耄碌発言でしかない。
が。
今この瞬間この空間では大丈夫だった。
ふたりとも知性の概念をどこかに置いてきたみたいに、お互い馬鹿になってるのでお互いを心配することはなかった。
「なるほどぉ」
「不本意であろうがリシテア君には、未来を切り拓く者として協力してもらいたい」
「……わ、わかりました」
非日常の為せる業。
馬鹿な会話が成立してしまう。
真面目だが馬鹿なことが、両者合意の下で始まった。
リシテアに未来を語れるようにさえしてやれば、将来の美人が約束されてる優美な細面が、醜悪極まりない牡器官の根元に近づいていく。
羽毛でくすぐるような吐息が吹きかけられて、
「むッ」
熱い眼差しで観察するハンネマンの口から、思わずといった小さな呻きが漏れた。
耳ざとく聞きつけたリシテアが、また何気なくふと顔を上げるが、
こくっ。
まさかちょっと気持ち良かったと言うわけにもいかず、ハンネマンはただ頷くだけで不安そうにしてる教え子を勇気づけ促す。
リシテアも小さく頷き返すと、再度さらに顔を近づけた。
乾いた汗と残尿臭が、少女の鼻孔に流れ込む。
しかしそれだけでない匂いもあった。
決して嗅覚では嗅ぎ取れない匂い……牡のフェロモンのニオイをリシテアの牝は感じていた。
理性でなく本能が命じてる。
だからできた。
仮に命じてるのが理性であったならば、他人の排尿器官に口づけることなどできない。
ファーストキスもまだな穢れなき清らかな唇が、
チュッ。
初老の男の勃起に捧げられた。
「んッ」
それはほんの刹那の接触であったかもしれないが、次のステップへのハードルを下げる大きな一歩になったのは間違いない。
小鳥が啄むようなキスから、舌先でチロッと捌けるようになり、舐めあげるようになるまで、時間はかかったが着実にリシテアは、淫らで格別な口唇愛撫のステップを順調に踏んでいた。
やはり貴族。
貴族とは知る者を指す。
「おおッ……う、上手いぞぉ……そう……そこはとくに敏感だからな……重点的に責めてみてくれんか……」
一を教えれば十を知るリシテアのフェラチオテクニックは、無論であるが初心者ゆえの初々しさたどたどしさはある。
しかし目を見張る驚異の上達ぶりで、誠に教師冥利に尽きた。
自分で自分の色に染めていくのを、実感としてはっきり味わうことができる。
白く美しい髪を撫で梳く手にも、自慢の弟子を褒める師匠みたいな、誇らしさのようなものを見ることができた。
「ん、ンふぅ、ン、ン、ン、んンンンッ……」
もーっと褒めてくれても、いいんですよ?
とでも言わんばかりにリシテアの舌遣いにも積極性が増していき、勃起の裏スジに余すところなく透明な唾液を塗り込めていく。
汚れの溜まりやすい雁首などの格別に味の濃い部分で、時折り涙目になり顔をしかめたりしてたが、カマキリの卵のようなシワ深い陰嚢まで、躊躇することなく自慢の一番弟子は舌を這わせていた。
「ではそろそろ、舐めるだけでなく、咥えてみるとしよう」
請われるままリシテアは、急角度でそそり立つ勃起を引き下ろす。
はむッ。
口内粘膜のぬめらかな感触で、濡れ光る亀頭がすっぽり包み込まれた。
「徐々にで構わんので、唇でしごくようにしながら、もっと根元まで咥えて頭を動かしてみてくれんかね」
なまじっか出来が良過ぎるだけにハンネマンの注文も、フェラチオ初体験のリシテアにするにしてはハードルが高いモノだ。
ちゅぷ……ちゅぷ……にゅちゅ……。
だが天才は応えられる。
「……んむゥ」
舌の付け根から湧きあがるエグ味を我慢しつつ、カウパー腺液のぬめりも利用して、全長の半分を収めるのがやっとの勃起をしごいた。
唾液塗れの太いシャフトに沿ってゆっくりではあるものの、喉につかええずきそうになりながらもスピードを上げていく。
ぬむッ……ぬむッ……ぬむッ……ぬむむッ……。
流石天才で早くもコツらしきモノを掴んだらしく、一定のリズムを生じさせるのに成功していた。
あどけなくいたいけな少女の唇から、ぬらつくシャフトが出入りするさまは、見下ろすハンネマンを視覚的にも愉しませてしまう。
格別に卑猥な光景に、
はッ!? い、いかんいかんっ!!
研究というのを失念してしまいそうだ。
肛門の括約筋と気を引き締める。
しかしそんな師匠の努力など弟子は知らずで、唇がシャフトを往復するテンポはスピードアップしていく一方だ。
「んッ、んッ、んッ……」
もっともリシテアはリシテアで楽ではない。
慣れない行為の連続で頬の筋肉が攣りそうになってくる。
「……うまいぞ……リシテア君……、すばらしい……言いつけを守るだけでなく……くッ、試行錯誤しておるな、むむッ……むぅううッ……」
しかし紋章という忌み嫌ってるパーソナリティを切り離したところで、こうやって自己を肯定されることにリシテアは格別に弱い。
カロンでもなくグロスタールでもなく、リシテア=フォン=コーデリアこそが求められてる。
どこかマヌケな響きのある師匠(仮)のうっとりした誉め言葉に、
じゅちゅ・じゅちゅ・じゅちゅ……。
卑猥な粘着音を立てこわばりを出し入れする自分の口元の、一挙手一投足まで逃すまいと注がれる煉獄のような熱い視線に、
ああッ!? わ、わたし、わたしなんて、わたしなんてハレンチことをッ!!
まさに身を灼くような恥ずかしさを感じながらも、前後のスライド運動は滑らかにさらに速度を上げていった。
と。
そうした切磋琢磨のおかげなのかせいなのか、とにもかくにもこの淫らな恥の実験の結果が唐突に訪れる。
少女の口唇を犯してるペニスの脈打ちが、これまでとは異なる激しいモノに変わった。
「り、リシテア君」
切羽詰まった声でハンネマンも状況を伝えてくる。
危険な兆候が現れてることにリシテアも気づいていたが、びくんびくんしてる勃起を咥えたまま離さずしごき続けた。
おしゃぶりをやめようとしない。
制止しようとしたのか、
「もう、も、もういい……、り、リシテア君、もういいから、いったん……いったん……いったん……、くッ、くぉおおおおッ!!」
欲望の命じるままにそうしただけなのか、ハンネマンは後になっても判別することはできなかった。
まあいい歳をして起こした若さゆえの過ちを、積極的に振り返ろうとしなかったのもある。
なんにせよ、
ガシッ。
教え子の白い髪の揺れを両手で押さえつけると、
「――んンッ!? むぶぅううッ!!」
ハンネマンらしくもなく串刺しにするみたいに乱暴に喉の奥を挿すと、腰をぶるると震わせてそのまま濃厚な白濁液を容赦なくぶちまけた。
びゅッ・びゅるるッ。びゅくびゅくッ!!
口内粘膜に包まれた亀頭が弾け、溜まりに溜まったスペルマが勢いよく迸る。
これにはリシテアも反発しようとしたが、天才の頭脳を収めた頭部を掴む手は微動だにしない。
粘性の高いドロドロの体液が、強烈な臭気を伴って口内に広がる。
「あむぅううううッ!!」
嘔吐感に襲われるが、なかなか射精が終わらない。
口内はみるみる征服されていく。
苦しい。
このままでは窒息してしまうかもというシンプルな恐怖から、苦みと生臭さに顔を歪め喉を幾度も上下させ呑み下す。
「ン……む……んー……」
宴好きの級長がこっそり用意してたお酒を、間違って飲んでしまったときの感覚に酷似していた。
食道から胃にかけてが、灼け爛れたみたいに熱くなる。
「リシテア君」
声がひどく遠い。
これも酔ったときに似てる。
「苦手な味つけは? 温度はどうだね?」
期待するのも今更だがデリカシーがない。
恥の実験室と化した部屋にはふたりのほかに誰もいないが、ナニはともあれ自分にばっか構ってほしくなかった。