夜までになんやかんや全ての準備を済ませた私は、この都市一番の酒場、黒蝶の牝鹿亭へと足を運んでいた。酒場に入ると、様々な美人がストリップショーをしている傍らに戦友達が待っていた。
どうやら他に客はおらず、私達だけの貸し切りの様だった。
最初に話しかけて来たのはヘイズマン軍曹だった。
「よぉ隊長、やっと来たな?もう皆待ちくたびれる所だったぜ!」
「済まない、少し野暮用でな」
「知ってる。マルクに聞いたよ、新設部隊の隊長ってのは大変そうだな?」
「それほどでも無いさ。装備も武器も設備も全部中古品だが、兵士だけは新品だ。一から教える分、変な癖も付かない」
「そりゃあ良い。古参兵は面倒なのもいるからな」
「お前の事か?」
「おっと、こりゃ一本取られたぜ!」
ゲラゲラと笑い合いながら一通り挨拶を終え、席へと座っていく。合計で50人位が座った所で裸一歩手前のウェイトレスがやってきた。
「ご注文はお決まりになりましたか?軍人さん」
「おいおいさっき座ったばっかだぜ?」
「よせよせ、どうせ頼むもんは鼻っから決まってるだろ?」
「確かにそりゃそうだ」
「って事だから取り敢えずビールな。ラガー飲みたい奴は?」
「俺が飲む」
「俺も俺もー」
「あいよ、つーことでラガー人数分とビールをそれ以外の人数分な。ツマミは適当で。それとめちゃんこ可愛い美人も欲しいね」
「承りました、少々お待ちください。キャン!」
「良いケツしてるな嬢ちゃん!ぐへっ!?」
注文が終わり、去ろうと背を向けるウェイトレスのお尻をリッツ伍長が叩いてビンタを貰っているのを横目にしつつ、卓や他の卓に座る面々を見る。全員つい昨日まで私の部下や同僚であり戦友であった。その内の一人、マルクが切り出してきた。
「で?どうなんだワイヤット?新しい部隊は上手くいきそうか?」
「そうそう、どうなんです隊長?生意気そうな奴はいましたか?」
「どうにか…と言った所だな。生意気な奴がいるかどうかはまだ分からん。それにまだ会って一日しか経ってないかかな。まぁ少女だから生意気な奴なんていないだろうが…」
多分、と続ける前にマルクの顔が相手に嘘をつかれた様な表情になっていた。
「…ちょっと待て。今何つった?」
何か引っかかる事でも言っただろうか?
「生意気な奴がいるかどうかの事か?」
「いや違う、その次だ」
「少女だから生意気な奴なんていないだろうか?」
「それだ。少女だって?子鹿みたいな見た目をしてる男の隠語か?」
「いや、正真正銘少女だが?」
そう言った瞬間、周りの卓で聞き耳を立てていた戦友達がガタガタッと音を立てた。それに我関せずとばかりにマルクは呆れた表情になっていた。
「うわぁ…ホントかよ。聞いて無いぜそんな話」
「だろうな。なんてたって新設部隊なんだから、聞くはずもない。私も昨日聞いたばかりだしな」
「新設部隊万歳だな」
嫌そうな顔でそう告げるウィリス伍長。全くもってその通りだなと内心で頷いて置いた。
「まぁでも、少女の部隊なら後方任務だろ?手取り足取り腰取り出来るって訳だ」
「俺達が前線で切った張ったの戦争している後ろで、配下の少女達としっぽり楽しもうだなんて随分偉くなりましたね隊長」
「おいおいやめてくれ、私はロリコンじゃない。それに、私が率いる部隊は後方任務ではないよ」
「そりゃ嘘だろう?軍はそこまで落ちぶれちゃー」
「ウィンター作戦…忘れた訳じゃ無いだろう?」
それを告げた瞬間、全員が押し黙った。まぁそれはそうだ。あの作戦で私達はなんとか生き残れたが、他は全くそうでは無かった。訓練時代に一緒になっていた戦友は軒並みその作戦で死んだ。ここにいる皆、大体似た様なものだ。多くの同胞達をあの作戦で失った。
だからだろう、マルクの横にいたヘイズマンは苦虫を噛み潰したような顔になっていた。
「あんな作戦、忘れられる訳がねぇ…」
「あぁ…そうだな…辛い戦いだった…」
「…あの作戦…今でも生きてるのは奇跡だって思ってるよ…」
いかん、場がしんみりし始めてしまった。ウィンター作戦なんて口走るべきでは無かったか。だがそれ以外に少女の部隊を前線に立たせる理由なんて私には思い付かない…うーん、どうしたものか。
そう思っていたら複数のウェイトレスがビールを持ってやってきた。
「はい、軍人さん。ご注文のビールです」
「お?やっと来たか。ありがとな嬢ちゃん、後で夜のお付き合いをしないか?」
「ご注文を一杯してくれたら付き合ってあげても良いですよ」
「商売上手だなぁ」
そんなロット伍長の言葉を皮切りに場がまた暖まり始めた。丁度よくウェイトレスが来てくれた事を感謝しよう。
「あぁ、やめだやめ。しんみりしてちゃ仲間が浮かばれんよな」
「あぁそうだな」
「ならとっとと昇進祝いするか!皆立てぇ!!」
「「「おう!!!」」」
ジョッキを片手に戦友達が立ち上がる。私も立ち上がり、マルク達の言葉を待った。
「ワイヤット上級軍曹の少尉昇進に!」
「新設部隊の隊長就任に!」
「あの忌々しい作戦から生き残れた事に!」
「散っていった同胞達に!!」
「乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」
ジョッキをガチンと鳴らして、一気にビールを流し込む。喉をキンキンに冷やされたビールが通っていき、五臓六腑へと染み渡る。いつ飲んでも美味い酒だった。
ーーー
それからはもうどんちゃん騒ぎだった。美人なストリップガール達が服を一枚一枚脱いでいき全裸になったのを野郎共でワイワイ鑑賞したり、ウェイトレス達を並べて尻や乳房を揉み比べとかいうアホな事をして軽くビンタされたり、それはもう凄かった。
だがそんな楽しい時間ももう終わりが近づいていた。全員が酔いに酔いまくっていて、中には前後不覚になってる奴もいたからだ。
そんなものだから自然と解散が決まった。予め金は全員から平等に回収しており、足りない分は後日払う事にしていた。故に簡単に解散出来た。
唯一誤算だったのは、ここはストリップショーがある酒場でストリップガール達とウェイトレス達は全員娼婦だって事と、仲間たちが普通に帰って行ったことだ。そのおかげで私だけが彼女達に絡め取られた。
「…なぁ…私も帰りたいんだが…」
「ダメで〜す。私達の身体をこんなに弄んで裸にひん剥いた癖に、抱きもせずに帰るなんて許しません」
「そうよそうよ。それに隊長さんになったって聞きましたよ、しかも中隊長!私達を買うのなんて簡単でしょう?」
「いや、中隊長になったのは昨日からなんだがー」
「良いから良いから、今日一晩貸し切りにされちゃって私達の収入少ないのよ?その分をちゃんと搾り取って置かないと、ね?」
そう言って彼女達にモノを掴まれた。こうなってしまっては満足させるまで離してはくれないだろう。私は諦めて大人しく彼女達を買う事にした。
「…はぁ、分かった。じゃあ案内してくれ」
「よっしゃ、そうこなくっちゃね。さ、皆準備して!お得意様専用室に案内するわよ!」
「はーい!」
「…ぼったくりはやめておくれよ?」
「する訳ないじゃ無い。軍人さんにぼったくりなんてしたらウチのお店、すぐ潰れちゃうわ。ここにある色街は皆軍人さんを相手にしてるもの」
確かにそうだった。今や大多数の男は軍に取られ、それ以外の全ては女と少数の男達が何とかしている現状だ。工場も、店も、農業すら女か少年ばかりになっている。
まぁだからこそぼったくって軍人にそっぽを向かれたら、立ち行かなくなってしまうだろう。それ以外に客は殆ど来ないのだから。
「すまん、失言だった」
「良いのよ。その代わりたんまりとお金と精力、搾り取ってあげるから。覚悟しておきなさい?」
「ああ、了解だ」
そうして2階の部屋へと案内された。中へ入るとまず目に入ったのはベッドだった。流石お得意様専用室と言うだけあってベッドはかなり大きい。10人載せても空きがあるだろう。それ以外にも程よく調度品が置いてあり、高級感を部屋全体に醸し出していた。良い部屋だった。
「流石は専用室と言った所だな」
「ええ、私達自慢のヤり部屋よ。これから日の出まで、ずっと私達全員と溶け合う様に愛し合えるわ」
「それは良い。それで?誰が最初に受け止めてくれるんだ?」
「そうねぇ…先ずは、貴方の服を脱がす事からかしら?」
そう言って周りの女達が寄ってくる。そしてみるみる内に服を回収されていき、最後には私はパンツ一丁になっていた。ぼったくりならここで外に放り出されているだろうが、まぁ先程の言葉でそれは無い事は分かっている。私は落ち着いた表情で言った。
「いい手際だな」
「ありがと。さ、貴方達、彼のパンツを外してあげなさい」
「はーい」
「なんかすっごいもっこりしてるぅ…」
「わぁ…」
そんな姦しい声が下から聞こえ、少し恥ずかしくなってくる。だが男は度胸、恥辱を耐え抜いてこそ真の男と言えるだろう。それに、娼館の女は大体皆同じ事を言っていたしな。
等と思っていたら、いつの間にか場が静まり返っていた。先程まで下から聞こえていた姦しい声が消え、目の前でニヤニヤと笑っていた女達もいつの間にか下を見ていた。
その視線を辿ると、私のモノであった。
「…どうした?私のイチモツに不満なのか?」
「…いえいえご不満なんて!(おっきすぎじゃない!?こういう固太りは大っきいなんて見たことないわよ!?いやでも見掛け倒しよね!?)」
「すっごぉい、初めてこんなおっきなの見たよぉ…(失敗しちゃったかもぉ…これ何人も食い荒らしてるオチンポだよぉ…)」
「それに、すっごく雄臭い…匂いだけで孕んじゃいそう…(ほんとにクラクラしてきちゃう。こんなのに一晩可愛がられたら安全日でも孕まされそう)」
ザワザワと漣の様に小声で言い合っている女達。取り敢えず私はベッドに座ってその様子を観察する事にした。