※この作品はR-18です。

TS少女は孕みたい   作:ゆきかお

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TS妊娠がマイナージャンルと聞いてびっくりしたので初投稿です。
TS妊娠もっと増えて(懇願)


こんなにも月が美しく輝く夜は

 あの人と出会うまでを振り替えると、ろくなことがなかったことを再確認する12年間だった。

 ちょっとした気まぐれで行きずりの女と、情事に及んだらたまたまデキちゃった。堕ろそうにも気づくのが遅すぎた。

 致し方なく生まれてきた不義の子が俺、悠人。

 地元の名士の家の、現当主である父親は認知せず、母親は見放され、1人で俺を育てることになった。

 祝福されない出生の子の俺を、大変だっただろうに、愛を込めて育ててくれたのが、母が残した日記には克明に記されていた。

 

──ミルクから卒業して離乳食を食べた日、

夜泣きが止まらなくて泣きそうになった日、

はいはいから立って歩いた日、

ママと初めて呼んでくれた日、

過度に叱ってしまって後悔した日、

おままごとで一緒に遊んだ日、

手伝うことなく服を着れた日──

 

 数ある悲喜こもごもとした出来事を、生き生きとした筆致で描いていて、俺と過ごした日々がどれほど母にとって輝いていたのかが、痛いほどに伝わってきた。

 残念ながら母が日記に書いていた様々な出来事、遊び、伝えてくれた教訓を、俺は全くもって覚えていない。

 しかし、ふと思い出す度に心が締め付けられる、甘くさらついた匂い、それは母の匂いだということだけは覚えていた。

 

 そんな母親が交通事故で死んだのが、俺が3歳の時。俺の幼稚園入園の為の買い出しに出ている時に、不運にも轢かれてしまったようだ。

 

 俺は確かにあった、母親との家族の繋がりを失った。

 

 身寄りがなくなった俺を、見放した筈の父親が迎えにきた。

 豪奢な外車に乗った父親が、母が死んだということを理解できていない俺を車の中に放り投げ、田舎の大きな屋敷に連れ込んだ。

 隅に俺を置いて、不義の子を拾い上げた上に、更に我々に育てさせようとは何事かと喧々諤々の親戚会議を繰り広げていたのを覚えている。

 見捨てられた筈の俺をわざわざ拾い、しかし拾った責任を果たさず自分では育てるのが面倒だからと、親戚に育てるよう強要し、それが叶わないとなれば「この家は施設の子を出すらしい」という中傷を受けると脅した。

 あまりにも我儘で乱暴な主張だったが、名士としてのメンツが必要な以上、最後の脅しがクリーンヒットしたらしく、俺を親戚でたらい回しにすることによって決着した。

 

 そんな不名誉なガキを、立派に育てようと思う人間は残念ながらいなかった。

 学校に期待したが、田舎の負の面、閉鎖的で噂の流布が手早い環境が災いし、「名士の家の不義の子」として特に手を伸ばしてくれることなく、頼れる友人も特に出来ず、学年が上がっていった。

 誰も彼も、自分と関わろうとしなかった。

 いかにも不義の子だからと、いじめられそうなものだけれど、それはなかった。

 これは俺が、迷惑をかけるような行動をしなかったことと、父親が後ろ楯になっていたことに起因する。

 感情に任せ騒げば、不満を垂れれば、何が起きるかが分かっていた以上、それをする勇気はなかったが故に、必死に相手の顔色を伺って日々の生活を穏当に努めるようにした。

 そして父親が私の子どもに手を出せば私が黙ってないと言っていたらしい。

 名士の家の現当主という、顔がさぞ利くであろう肩書きと権力を持っている分、面倒な人間だったようだ。

 

 乱暴で我儘な屑で、必死に俺を押し付けようとする姿が、俺が最後に見た父親の姿だった。

 それでも行為中に一瞬でも愛しく思ったであろう女と、己の血を分けた子供に対して、思うところはあったのかもしれない。

 だから血の繋がりで俺を目の付く所に引き留めていたのだろう。

 中途半端に放っておかれたこちらとしては、余計なお世話だと断ずるしかないが。

 

 まあそんなこんなで、精神的な虐待は受けたが、肉体的、性的な虐待を受けなかったことは、ろくでもない人生でもマシな方だったと感じている。

 でもそれが、物心付いた時から覚えていた、どうしようもない息苦しさを解消する慰めにはならなかった。

 中途半端にあってしまった、血の繋がりという名の枷が、自分の手を、足を、首を縛り、どうにも動けないようにしているのが、息苦しさの原因だと何度も何度も頭の中で想像したことがある。

 そしていつかこの枷がはずれて、どこまでも自由に走って行ける様を夢想した。

 そんな変化のない、真綿で首を閉められているような生活は、ある日最悪な形で一変した。

 

 小学5年生の12月、いつものように学校から帰路についていた所、物陰で潜んでいた謎の男に襲われて、首を締められたことで気絶して誘拐された。

 目が覚めた時には、暗い地下のような空間に裸で拘束されていた。横には俺を襲った男と、皺が目立つ女。

 目を覚ますのは不本意だったようで、男が少しばかり動揺していたが、女がそれをたしなめた。

 

──打った後にでもと思ったけど、今教えてあげる。

 

 そう言って女は2つの事実を突きつけた。

 数日前に父親が病死したこと、そして父親という後ろ楯が無くなったので、お前は邪魔だから売り払われたということ。

 淡々と事実を告げた後、可哀想なあなたに新しい人生をあげる、そう言うと女はポケットから注射器を取り出した。

 中に入っている薬液は、虹色のマーブル模様を描き続けている、明らかに危険なモノ。

 脳が警鐘を鳴らす。

 しかし拘束されてる以上、反抗など出来るはずもなくあっさりと注射を打たれた。

 どんどん嵩が減っていく薬液に怯えたその時、走馬灯のようにゆっくりと過る記憶の中に引っかかった物が、1つ。

 親戚の寄り合いでコソコソと話していた、噂話。

 

 身寄りのない男児を攫って、見目の整った少女へ変え、金を持った物好きに売り払う人身売買組織の話。

 断片的に聞こえてきた内容が、都市伝説じみた話で、たまたま覚えていたのだけれど、まさかあの会話は俺を売るための算段か、と考えた途端感じたことがないほどの熱が体の中から生じて、意識が飲まれていった。

 

 悪夢を見たような気がする。

 まとわりつくような不快感を抱えながら、ベッドから抜け出そうとするものの、両腕に重々しい手枷が付いていた。

 辺りを軽く見渡すと、拉致された場所とは違う、己が寝ていたベッドが置かれている以外は家具の一つも置いてない生活感に欠けた寂しい部屋だ。

 俺を寝かせる為だけにベットを置いた、急ごしらえた空間というべきか。

 俺以外の姿は見えない。

 

 突然ドアノブを開く重い音が響き、ドアを開いたであろう人間の足音が近づいてきて、俺の顔を覗き込んだ。          

 俺に注射を売った女がそこにいた。

 女は、痛い目にあいたくなかったら、立ってこちらに来なさいと命令した。

 一体ここがどこなのか分からない以上、反抗するのは危険すぎる。俺は被っていたシーツを捲り、ベッドの外へと這い出る。

 けれど踏み出した一歩で、胴体が一気に前のめりになり転びかけた所を女が咄嗟に腕を引き寄せて、転倒を阻止した。

 腕を掴んだ女は、直に慣れるわ、と興味の無さそうな声色で呟き、部屋の外へ向かって歩き出す。

 体の重心がどうもおかしい。油断すると、すぐに前のめりになる。その原因は、視界の隅にちらつく、二つの脂肪なのだろうか。

 見ないようにして、女に先導されていく。

 部屋を出ると、きらびやかな絨毯が引かれ、高いのであろう芸術的かもしれない絵画が吊るされた廊下を抜け角にある部屋へとたどり着く。

 色とりどりの可憐な女性服が掛けられたクローゼットに、部屋の隅にある大きな姿見が、ここが更衣室であることを主張していた。

 服を着せる、鏡の前に立ちなさいと、女が命令する。

 現状の自分を認識したくないが、見ないという選択はできない。

 深く息を吐くと、鏡へと目線を向けた。

 

 そこにいた一糸纏わぬ自分の姿は、背は低く、顔は幼い。適度に脂肪が付いた男と比べて細い腕と足。小さく声を発してみれば、声変わりが来ていた自分の低い声とは違う、高く可愛いらしい声。

 女性の魅力的な部分が大きく発達していて、谷間に顔を押さえつければ窒息死させることも可能と思うほどに大きい胸部。みっちりとした、正に安産型と呼ぶに相応しい臀部。薄い陰毛が生えた、1本の筋がはしった女性器。

 今まで見てきた男としての無骨な体型はどこへやら、男の情欲を誘う、柔らかく丸みを帯びた体型になっていた。

 

 自分が女になってしまった衝撃的な事実。

 しかしそれを受け入れる前に、手早く華美なドレスを着させられる。

 もう入ってもいいですよ、と女が扉の外へ話しかけると、扉を恐る恐る開いた、丸々とした体型の背が高い、中年の男がそこにいた。

 これの名前は悠人です。それでは、楽しい日々を。

 言い切ると、女は足早に退出し去っていった。

 男は俺の頭の先から足の先まで眺めると、どもりながら、これからよろしくね、と俺にぎこちない微笑みを、投げかけた。

 どうやらこの屋敷はこの男の物のようで、そしてこいつに買われたようだ。

 

 俺を買った中年の男は、おじさんと呼んで欲しい。

 そう言ってきたので望みの通りに呼ぶこととする。

 そして俺のことを悠ちゃんと呼んでいいか、と聞いてきたのでそう呼べばいいと返した。

 名前なんて数えるくらいしか呼ばれたことが無い為、どうでもよかった。

 そうして俺とおじさんの生活が始まった。

 

 購入したのだから、所有権を持つおじさんがどう俺を使おうが自由だ。

 どれほどひどい目にあわせようとも、行き場も逃げ場もない俺に拒否権などないのだから。

 初めて会ったときのおじさんは、俺の体をねちっこく舐めるように見ていた。

 盗み見たエロ本で偏った性的な知識を得ていた俺は、男と女はセックスという気持ちいいことをすること、女に暴力を振るい痛みに悶える女と強引にセックスする、レイプというものがあることを知っていた。

 故に、そういうことをされると覚悟していた。

 しかしおじさんは、俺を奴隷のように扱うのではなく、まるで一国の姫と思わんばかりの扱いをした。

 

「ご飯はどういうのが好き?」と、俺の為に料理を作って一緒に食卓を囲んだり、

「どういう部屋がいい?」と、不自由ないように部屋を与えて家具を置いたり、

「君の好きな服を選んでね」と、様々な服や下着を選ばさせて、

「どういうゲームや漫画を見てるんだい?」と、退屈を紛らわす色々な娯楽を提供した。

 俺にとっては、至れり尽くせりといった塩梅だ。

 何故こうするのかと問うと、「君が綺麗だから」と答えた。

 人の顔色を伺って生きてきた俺は、負の感情に敏感だった。

 でもおじさんからは負の感情が一切感じとれなくて、今まで受けたことのない何かを感じていた。

 今思えば、知っていたはずなのに何故分からなかったのか。

 幼い頃に忘れてしまった、好意という感情を。 

 

 そんなおじさんが作る食事は中々美味く、部屋は広い上便利な家具を使え、自分にピッタリで着やすい服を着て、ゲームをしたり漫画を読んだりする。

 男とは体の機能が異なる女としての慣れない生活には不便があるが、おじさんが手助けしてくれるおかげで、元の男としての生活の水準以上となっていた。

 ただこれがアメとムチの関係ならば、一体どれほどのムチが叩きつけられるのか。

 日に日にその恐怖が増していった。

 いつこの不可思議な生活が壊されるのだろうと、死刑執行を待つ罪人のような気持ちだった。

 

 俺が買われてから4ヶ月が経ち、春の陽気のように安穏とした生活に一切の変わりはなかった。

 しかし俺とおじさんの関係を変える、大きな出来事が発生した。

 俺は生理の真っ只中。腰痛と下半身の重苦しさに耐えきれず、シーツを深く被り怠そうにする俺を、おじさんはいつもの様に介抱した。

 お腹をさすり、温かい生姜のスープを用意する。

 いつもならば戸惑いながらも、その優しさによりかかっていた所だが、生理による情緒不安定と、溜まりに溜まった不安が爆発して癇癪を起こし、擦ってくれていた手をはね除け、叫んだ。

 

──何であんたは俺にやさしくするんだ!?ヤるならヤれよ!その為に買ったんじゃないのか!こうやって人を甘えさせて落とすのがあんたのやり方なのかよ!?ぐっ・・・うぅっ!

 

 嗚咽と共に吐き出した疑問と不安におじさんは、真摯な顔でこちらに目を合わせてはっきりと声を、出した。

 

───うん。僕はそのつもりで悠ちゃんを買ったよ。

 でも、会って初めて悠ちゃんの顔を見た時、何かがビビっと来て、胸が高鳴ったんだ。生まれて初めて起きた現象だった。初めはこれを何と呼ぶのか言葉が出てこなかったけど、そう、恋と呼ぶのかな。

 もしそうなら、君を尊重したいっていう意思に理由がつく。君がご飯を食べる姿、君が眠る姿、君がゲームする姿。その全てがいとおしいから、僕は君の手助けをしている。

 

 そうおじさんは告白した。

 ただ、とおじさんは続ける。

 

──この想いを君が鬱陶しいと、押し付けだと思うなら、僕は君を尊重して送りだすよ。

 浮わついた軽い気持ちで一人の人間の人生を手に入れようなんて、僕が甘かったんだ。でも──、

 

──っ、でも?

 

──正直に言えば一緒にいて欲しい、僕は君を愛したいんだ。悠ちゃん、君はどうしたい?

 

・・・こちらも正直に言えば、一体どうすればいいのか分からなかった。

 もしおじさんの言うとおりにここから出られたとして、それからの展望は見えなかった。

 もちろんこれは閉鎖的な環境で生まれ育った事に起因するだろう。何も知らない、分からない以上、見通す事ができないのは当然だ。

 そしてこの生活が落ち着いていて、息苦しさが消えた生活であることは事実で、今まで受けたことのない何かが手に、入る──。

 

──その時、やっと気づいた。自分が受け取っていたものが愛だということに。

 母親から受けた忘れていたもの。

 そんな想いに気づかないほど今の己が鈍感で、知識と見聞、経験が不足していることを痛感する。

 ならば、と俺は重い体を起こしおじさんの目線の高さに合わせて、告げる。

 

──一緒にいてあげてもいい。その代わり、色々なことを教えてよ。何も分からない俺に。

 もっと賢くなれる方法とか、美味しい料理の作り方とか、人の愛し方とか・・・とにかく、全部。

 

 おじさんの愛が俺にとってどうなのか。不快ではないことは確かだが、はっきりとは分からない。

 それなら分かってから答えを出せばいいだろう。

 時間はそれなりにあるのだから。

 

──・・・うん、分かった。僕が悠ちゃんの知りたいこと、全部教えてあげる。なら、とりあえず横になろう?

こういう時は体を温めてゆっくり寝るのが大事だよ。

 

──・・・そう、する。

 

 そう言うと、おじさんは冷めてしまったスープを飲み干し、新しい器に温め直したスープを注いでくれた。

 ありがとう、と素直に好意を伝え器に口を付け飲む。

 体の内に柔らかな火が灯るような温かさが、ほっとする。痛みが和らいで、おじさんの内心、これからの未来が判明したことによって安心して、眠気が訪れていた。

 うつら、うつらと現実と夢の狭間にいる俺の頭を、おじさんが撫で、おやすみ、悠ちゃんと囁く。

 その声が荒涼とした自分の心にじんわりと染み込んでいって、深く眠れるような気がした。

 

 こうやって、何も与えられなかった元男の少女である俺と、愛を与えるのが初めてのおじさんの、不器用な交流は、ゆっくりと、だが確実に進んでいった。

 

 受けられなくなった義務教育の代わりの勉学。

 芸術や文学を学ぶことで深める教養。

 日々の助け合いの中に生まれる想い。

 家族としての繋がり。

 

 色々なことを教えてもらう中にはおじさんの情報も入っていた。

 おじさんを知れば知るほど、繋がりが強固になるのを感じて、どんどんと質問していった。

 

 甘いものが好きだが、最近腹が出て来た為控えているという話。

 それなりの大学の出で、色々な方面に手を出してきたが、今は親の土地や遺産によって日々を楽しく暮らしているという身の上話。

 

 あの人身売買組織との繋がりの話。

 ある日唐突に俺に注射を打った女が現れ、元男の美少女を買わないかと、持ちかけられたらしい。

 購入後はこちら側への一切の干渉と公言を禁じる。

 そして我々も二度と関わることはなく、口を閉ざす。

 そんな契約を。

 

 心の内に秘めた欲望を言い当てられた動揺と、そんな欲望が実現するかもしれないという高揚に駆られ、勢いのままに買ってみたら、本当に俺が来たということ。

 元々都市伝説かよと疑っていた所に更に拍車をかけた。奴らは一体どういう存在なのか、謎が深まるばかりである。

 だが、この生活の中では路傍の石に等しい存在だ。

 努めて忘れることとする。

 

──そんな日常を積み重ね、俺が買われてから早一年が経ち、再び春が訪れていた。

 少し歪だけれど、満たされている二人の日常は、今もなお続いていた。

 

──お父さん、ごはん出来た。

 

──ありがとう悠ちゃん。最近は作ってもらってばかりで悪いね。

 

──ううん、気にしないで。俺がお父さんの為に作りたいから。

 

 そんな春の柔らかな日の光が窓から差し込む台所で、お父さんと一緒に食事を摂る。

 この食事を終えたら少しの休憩の後、数学の勉強を行う。しっかりと頭を回すカロリーを摂るべく、旬のキャベツを使ったロールキャベツは、いつにもまして、いい仕上がりだ。

 申し訳なさそうに、しかし嬉しそうにお父さんが食べる姿に心が満たされて、思わず笑みが溢れる。

 芳しい香りと湯気を立てる昼食に、箸を伸ばした。

 

──この一年間で、いつの間にか俺は、おじさんに父性を見出だしていた。

 己の父にそうあって欲しかったという願望をおじさんが叶えてくれているからだろうか。

 そういう経緯があって、ある時おじさんのことをお父さんと呼んでしまった。おじさんは驚きながらも、凄い喜んでいて、間違えた自分もしっくりときていた。

 故に、今はおじさんのことをお父さんと呼んでいる。

 

 お父さんとの今日の1日を終え、風呂から出ると自分の寝室に入り、ベッドへとダイブする。

 少しの間、ベッドの感触を堪能していると、お父さんの笑顔がよぎった。最近、どうも多いのだ。

 特に何もせずとも、お父さんという存在が頭の片隅から離れず、何とも、もやもやが止まらない。

 娘が父親に抱く感情としては敬愛があるだろう。

 しかし今もやもやと心が疼かせる謎の感情は、少なくともそれには当てはまらない。

 心の疼きがもっとお父さんを知りたいと思わせる。

 今よりも深く強い繋がりを作るために。

 どうやってと聞かれれば、どうすればいいか不明だ。

 何となく、聞くのは憚られた。

 

 思考に耽る最中、ふと妄想する。

 お父さんの腕の中に抱かれ、乳や秘所を愛撫される様を。そうしてメスになった自分を、お父さんがイチモツで、本能のままに貪る様子を。

 我に返って、そんな卑猥な光景に自分とお父さんに当てはめ考えていることに、そして拒否反応がない自分に驚く。

 何故?とまた疑問が増える前に、体勢を変えうつ伏せになる為に身動ぐと、自分の股の違和感に気づく。

 思わずトランクスに手を入れると、いつもは尿かおりものぐらいしか付いてないそこに、ねちゃりとした粘性を帯びた、透明な液体が付着していた。

 性的な知識はお父さんが必要な事だと教えてくれた為に、その正体が判明する。

 女性が性的に興奮した時に分泌される液体、愛液だと指し示す。

 

 どきん、どきんと心臓が激しく鼓動を刻むのを止めない。頬が紅潮して、林檎のように染まるのを感じた。

 自分はあの人が好きだ。今までもこれからも、自分を尊重してくれて大事に扱ってくれるから、父として家族として好きだと思っている。

 決して男として好きではないと確信していた。

 何故なら自分は元男だからだ。体が女になっているが中身の精神が男な以上、ありえないと断言できる。

 だが現にこうやって、男を求めて性器は濡れている。

 どんどん疑問が重なって分からなくなって、思わず顔を枕に埋める。

 

──分からないなら聞けばいい。または、試せばいい。

 

 俺の中の誰かが囁く。恐らくそれは俺のメスの部分。

 聞くのは、早いだろう。

 

・・・試してみれば、分かるかもしれない。

 

 恐る恐る、ジーンズとトランクスを脱ぐ。

 パジャマのズボンにまで軽く染み込んでいたそれは、トランクスの窓の部分をベトベトに濡らしていた。

 外気に触れて、ひんやりとする股間。

 自ずと右手が伸びていく。自慰を、行う為に。

 自分の細長く華奢な指が最も蜜をこぼしている場所へ向かって、触れた。

 

──ひゃっ、ん。

 

 人差し指が淫蜜を纏う。

 おずおずと、発情した胎内へ指を差し出した。

 風呂上がりで火照った人差し指を、イチモツだと勘違いしたのか、まだ男を知らない筈のそこはぐねりぐねりと奥へ飲み込もうとする。

 温柔な膣内はゆだった風呂のような熱さ。

 奥まで入れるのは怖い。入り口の辺りで指を動かす。

 

──んっ、んっ、はあっ、ううぅ。

 

 ここ1年で聞き慣れた、幼い少女の声が快楽に歪む。

 お父さん、お父さん。

 うわ言のように、熱に浮かされて呟く。

 呟けば、呟くほど頭の中がピンクでいっぱいになる。

 お父さんでシている背徳感で、おかしくなりそうだ。

 指の膣壁をかき回す動きが激しくなっていく。

 

──お父っ、さん。お父さん!あっ、ーーーーーーっ!

 

 高まった快感が一気に弾けて、悦びの波が体を何度も震わせる。初めての女の悦びに脳が怯えながらも浸っていた。

 そんな折、

 

 ガチャリと、扉が開いた。

 

──悠ちゃん?どうし、た、の・・・。

 

 脳味噌が快感と恥ずかしさでおかしくなって何の動きも見られない。寒々とした空気が部屋を満たす。

 名前を連呼していたのだから、優しいお父さんがそれを気にして確認しにくるの当然といえば当然だ。

 鍵を閉めていなかったのも悪い。風呂上がりで油断していた。

 どうする、どうする。冷えつつあった頭が、フル回転するがどうにも空回りだ。深呼吸して、もう一度自分を見つめ直す。

 試してみれば答えを得られる前に、ぐちゃぐちゃになってより分からなくなった。ならもう手早く、聞いてしまえばいい。

 あまりの展開に追い付かない脳が、投げやりな回答を導き出すと、部屋の前で困惑し続けているお父さんへと抱きついた。

 

──俺、お父さんのことが好き。

でもまだ分かんない。父親として好きなのか、男として好きなのかどうか。

だから、ね。いつものように教えて・・・?

 

──・・・悠ちゃん、いいの?後悔、しない?

 

 ゴクリと生唾を飲む音。お腹に押し付けられた、お父さんのズボンを膨らます、興奮の証がひくりと波うつ。

 みなぎる雄臭い匂いに反応して太腿から生温い粘液が滴り落ちる。

 それは女としての、期待の表れなのかもしれない。

 

──後悔しないよ。・・・お父さんの、好きにして?

 

──悠ちゃんっ!

 

 力強く抱き締められ、持ち上げられると、先ほどまで自慰していた俺のベッドに押し倒される。

 自分を組伏せ見下ろす、興奮で息を切らしたお父さんの姿に、氷点下まで下がっていた頭と陰部が再び熱を、帯び始める。

 お父さんの顔が近づいてきて、体を委ねられるよう、目を閉じ、体の力を抜いた。

 そうすると、唇と唇が触れ合って──。

 

──結局の所、この夜を越えて分かったことは、自分はお父さんを父親としてみていて、尚且つ男として見ていること。

 そしてお父さんもそう。

 娘のように可愛がりつつも、影では俺で獣欲を滾らせ、オナニーしていたらしい。

 もう忘れていたのだが、一年前の初めて出会った時に、いやらしい目で体を見てきたのだから、当然といえば当然だ。よく一年も待っていられたなと感心する。

 夜が明けるまで性交した結果、相反すると思っていた二つの感情は、すんなりと同居した。

 

 こうやって俺たちは父と娘の親子であり、男と女の、番の関係になった。

 

 とはいえ、勉強することが寝る前に一つ増えただけで今までの、家族としての生活が大きく変わることはなかった。

 いつものように食事を一緒に摂り、お父さんから勉強を教わって、一緒にお風呂に入って、そしてその延長線で、一緒の寝室で交わりあう。

 

 食べ頃の、関係が壊れることを除けば手を出すことができる好みの少女を前に、一年という長い月日を耐えたことで、どろどろと煮詰まった強い性欲をお父さんは、自分に様々な形でぶつけてきた。

 手淫や口淫をさせるのは当然で、特殊なシチュエーションに基づいての淫行、卑猥な単語を並べて台詞にし、それを言わせて興奮したりと、中々性癖をこじらせているのを感じる。

 そうして興奮の箍が外れる度に、強要してしまったと、自己嫌悪して落ち込むお父さんの姿はもう見慣れてしまった。

 しかしそうやって、自分を労ってくれるのが好ましくはあるけど。

 お父さんはとんでもないスケベである。

 

 そして、戸惑いながらもそれに従順に答えて、乱れる自分も、恥ずかしながらスケベと言わざるを得ない。

 思春期という性欲が強い時期というのを加味しても、大好きな人への感謝の奉仕と称して、朝立した陰茎を、ヌいてあげようと率先する奴がスケベでないわけがなかった。

 肉体的に深く繋がって、満足するかと思っていた考えは裏切られ、どんどんとお父さんとの行為に耽って、更に更にと欲張っていく。

 

 お父さんが喜ぶように、何の色気もない男物のTシャツやジーンズから、女らしいオープンショルダーやスカートへと切り替えた。

 夜の性活を盛り上げる為、性欲を誘うえっちな下着とか、色んなコスプレ服を揃えてみた。

 お父さんは専門外だった化粧も一緒に学ぶことで徐々に覚えていった。

 

 もっとお父さんに可愛がられたい。もっとお父さんに愛されたい。もっとお父さんを愛したい。

 その願望は徐々に強くなっていって、ある強い決意をさせた。

 

 母になりたい。

 

 お父さんの一存で、挿入するときはいつもゴムをつけていた。望まぬ妊娠を避けるため、お父さんの生殖願望はいつもそこに収まって揺れていた。

 でも今はその膣へと張り付いて離れないような白濁液が、どうしようもなくお腹に欲しい。

 

 父と娘、男と女とは違う精神的に、肉体的に繋がった関係である夫婦となって。

 夫婦の繋がりである明確で物理的な証を、子供として。

 元男という余計な肩書きを捨てて、誓う。

 

──俺は、私になって、お母さんになる。

 

*

「今日、本当にするんだよね?悠ちゃん」

「うん。私、お父さんの本当の家族になりたいから」

「・・・分かった。僕、悠ちゃんをママにするために、頑張るからね」

 

 私とお父さんの初夜から一年。

 シャワーを頭から被りながら、お父さんに返事する。

 この日の為にここ一週間はエッチなことをしていない。

 この日というのは、私の誕生日。

 お父さんに祝われるまで、誕生を望まれなかった私にとって不要な日だと思っていたけど、今はこの日が待ち遠しく、誇らしい。

 既にお祝いの言葉は起床と共に受け取っていて、14歳の誕生日を祝す、ご馳走やバースデーケーキを食べた。

 サプライズと、差し出されたプレゼントの箱を開くと結婚指輪が入ってたことに、感動して涙が溢れて仕方なかった。今も左手の薬指にそれが収まっている。

 そして誕生日の終わりに、私は夫婦の営みを行い、愛すべき夫の精子で、妊娠する。

 

 湯船に浸かった裸のお父さんを見たいが何度も何度も体を重なり合わせたおかげか、お互いの裸を見るだけで、性欲が体をうずかせるようになった。

 故に見てしまえばもう歯止めは聞かなくなるだろう。

 なるべく見ないように、でもちらっとだけ見ながら、会話する。

 

「前言ってた奴を用意したんだけど、その、ほんとに大丈夫?」

「大丈夫だって、着てあげるよ」

「・・・ありがとう。先に出て準備してるね。ゆっくりでいいよ」

 

 浴槽から体を浮き上がらせて、脱衣所へと向かっていく後ろ姿を見つめながら、洗い残しがないかを念入りに確認すると、浴室の扉を押し開き、バスタオルを掴む。

 肌の水気を拭い、またシャワーを浴びるのだから髪はドライヤーを使わずバスタオルで簡易的に拭く。

 そうやって自分のいつも服をいれている籠を覗くと、女子学生服の上下がそこにあった。

 広げてみるとしっかりとした生地で、少なくとも凡百のコスプレ衣装かのようなテロテロとした質感ではない。

 学校というものを忌避していた私に配慮して、お父さんは学生服や体操服を着させなかった。

 しかし学生服を着た私が見たいという欲望を抑えきれなかったようで、おずおずと頼み込んできたのを、私が了承したことで成立した。

 

「すごい、本気だなお父さん・・・」

 

 今夜に懸ける本気度に少し戦きながらも、用意してくれた学生服を掻き抱く。

 

 学校に思い出も、思い入れもないけれど、それをお父さんが塗り替えてくれると言うなら、私は喜んで着てあげよう。

 

 脱衣所を出て共同の寝室へとたどり着く。

 少しだけ緊張しながら開くと、いつも通りの、サイドランプの暖かな燈色の光で満たされた空間が広がった。

 中央に鎮座するベッドに座り込んでいた、お父さんの顔が喜色満面となる。

 

「おおっ!とっても可愛いよ、悠ちゃん!」

「えへへ、ありがとう」

 

 寝室に備え付けた大きな姿見に私が写る。

 身長の低さに比例しているのだろう童顔、黒々としていて、しっとりと纏まったショートヘアに、あまり外には出ないため、日に焼けてない真っ白い肌には、風呂上がりによる朱が差していて、自分で言うのもなんだが色っぽい。

 着ている学生服のシャツのサイズは、本来はぴったりなのだろう。

 けれど私の大きすぎるおっぱいが、シャツを持ち上げてしまって、ヘソが見えてしまっている。

 お父さんの要望の通り、ブラジャーを着けていない為、薄いシャツにピンク色の突起が浮かんでいた。

 明らかに切り詰められているミニスカートの中も何も着けてない。スカートを翻そうものなら女の子の大事な部分が見えてしまうだろう。

 お父さんがスマホを手に取る。

 あらゆる方向から学生の私を撮影できるようにと、その場でくるくると回り、様々なポーズを取ってあげる。

 アルバムと性欲が充実して、ご満悦のお父さんはスマホを置き、寝台の横に置いてある、テーブルの上の錠剤を手にした。

 

「じゃあこれを飲んでね悠ちゃん。前にも説明したけど妊娠促進剤で、一気に受精と着床が出来るようになる薬だよ。母体への副作用がない奴だから大丈夫」

「ん、分かった、あーん」

 

 お父さんが差し出した桃色の錠剤を舌先に乗せると、見せつけるように突き出し、舌でくるんで飲み込んだ。

 最近出来たという受精と着床を同時に行わせる薬は、凄まじい物だと思うのだけれど、特に体の内外で変わった様子はない。

 しかしこうしている内に、私が知らぬ内に私の体が、妊娠できる準備を整えていると思うと、何だか不思議な気分だった。

 

 体は洗った。服は来た。薬も飲んだ。

 準備は完了。ベッドの上へと乗り込んで膝立ちの姿勢で、お父さんへと近づいていく。

 

「胸と口、どっちがいい?お父さん」

「いや、今日は悠ちゃんの大事な日だからね。僕が悠ちゃんを悦ばしてあげる」

 

 いつもはお父さんに奉仕したいという、私の気持ちが優先されるのだけれど、今日は違うようだ。

 お父さんがベッドの上で胡座をかくと、おいで、と手で誘う。

 私は遠慮なくお父さんの足と股間の間にちょこんと座り込むと、お父さんは伸ばしていた手で私を抱きしめた。

 

「悠ちゃんはいつも柔らかくて、温かいね」

「お父さんもいつも温かくて、ホッとするよ」

 

 大きな胸板に顔を埋める度,本当にそう思う。

 いつも心の片隅にある愛情への飢えが、消散していく。

 お互いの温もりを堪能していると、抱き締めていた手で私の背中を軽く二度叩く。

 合図の意図を察した私は、顔を見上げると目を閉じ、お父さんの唇に、私の唇を軽く合わせた。

 ちゅっと、可愛い音が鳴る。

 今日のお父さんとのキスは甘酸っぱいレモンの味がした。

 いつもセックスをする時、お父さんは男のエチケットと言って、甘いフルーツの飴を舐める。

 文字通りの、甘いキス。

 ちゅっ、ちゅっ、啄むような軽い口付けを何度もすると、次は長く唇を押し付けあう。

 荒い鼻息とくぐもった吐息が頭をぐらぐらさせて、繋がっていることを強く意識させてくる。

 ぴちゃぴちゃ、音を立てて唾液を交換しあえばしあうほど、私の体の芯に火が点ったように、体がじわじわ熱くなって、もっと深くもっと強くとお父さんの唇を舌で割り、口内へと侵入する。

 砂糖でざらついた口内を味わう為、貪るように吸う。

 

「じゅう、ちゅる、んふっ、れろ」

 

 お父さんの口の中に残った甘い余韻を共有するのが、とても好きだ。愛欲にほだされて、目がとろん、と垂れ下がるのを感じる。

 3分ほどそうしていただろうか。お父さんの舌が引っ込もうとしていた。

 私の突き出されていた舌が未練がましく引き留めようとするけれど、これで最後と表す様に強く唇を吸うと、お父さんは顔を離した。

 

「ぷはっ、んっ」

 

 口の回りはベタベタで、恐らく私もそうだろう。

 今まで繋がっていたのにと、直ぐに寂しくなって、熱を思い出すように上唇をチロリと舌で舐めた。

 口付けの興奮が冷めやらぬまま、お父さんは私の胸をシャツの上からまさぐり始めた。

 手の上に優々と乗っかる程の二つのおっぱいを、優しく揉みしだかれる。大の大人の手でも余るほどの大きさのそれは、お父さんの手で自在に形を変える。

 揉まれれば揉まれるほど、シャツの皺が増えていく。

 

「あっ、は♥️」

 

 私が少しずつ喘ぎはじめたら、浮いたシャツの裾から腕を入れて、敏感な先端へと責めの対象を変えた。

 薄いシャツの中で大きな手が浮き上がる。

乳首の回りをゆっくりと指でなぞったかと思えば、キュッと摘まんで快感を強める。

 お父さんの大きな手でおっぱいが蹂躙されていく。そうやって少し乱暴にされると私が悦ぶということを知っている。

 元々湯上がりだったということもあるけど、それを差し引いてなお、汗がこぼれ落ちてシャツを濡らす。

 

「はっ♥️はっ♥️ふーぅ♥️」

 

 窮屈そうにしていた乳首を引っ張りだし、指で摘まみ押し潰すように力を込める。

 先端に行けば行くほど、ぎゅうぎゅうと力が強くなっていくのが、母乳を絞っているようで。

 

「やだっ♥️まだ出ない♥️ふっ♥️んん♥️」

「練習だよ。悠ちゃんのおっぱいがびっくりしないようにね」

「もうっ♥️」

 

 気が早いお父さんに抗議するも、受け入れてはもらえずに調子の良いことを抜かす。

 ふと、自分のスカートにヒクヒクと震える熱くて硬いモノが押し付けられているのに気づいて、どうにか懲らしめてやろうと、シーツを掴んでいた両手をそのお父さんの粋がっている部分に伸ばす。

 

「お返しっ♥️ほら♥️」

「おおっ。うっ」

 

 鈴口から垂れている我慢汁を、右手の手のひらで拭い揉み混んで、ぐちゃぐちゃになった手で竿を優しく上下へと動かす。

 それと同時に玉袋を左手に乗せる。ずっしりとした重さのそれは、力をほとんど込めずに撫でるように揉む。

 

「すっごい重いね、こんなの中に出されちゃうんだ♥️」

「くぅ、久しぶりだから、すぐ出るかもっ」

 

 何度も何度も、手コキやフェラなどの前戯を練習した結果、お父さんがいつ出すのかは大体分かる。

 だからギリギリを攻めて、これからの行為でいっぱい出せるように愛撫する。

 膨らみつつある先っぽを水音をわざと大きくしながら撫で回し、人差し指と親指でわっかを作るとカリ首を引っかけながら、シコシコと全体をしごいてゆく。

 

ぐちゅ♥️ぶちゅ♥️ずちゅ♥️ぐちゅ♥️

 

「悠ちゃんタンマタンマ!イっちゃいそうだよ!」

「大丈夫大丈夫、お父さんはまだイけるよ♥️」

 

 私の責めにたまらず、乳絞りを止めたと思った刹那、お父さんの手はスカートの中へと入っていった。

 濡れたぱくぱくしている膣口を人差し指の腹で、いとおしそうに撫でると、一週間という時間で男を忘れた、キツく濡れそぼった膣内をほぐしていく。

 指に吸い付いても何も出ないというのに、膣はぐねぐねと動き絞りとろうとする。

 

「ひゃう♥️あっ♥️」

 

 思わずお父さんへの責めの手が緩んでしまう。

 第二間接まで咥え入れると、指を折り曲げ、私の感じる弱い場所、Gスポットを押し上げる。

 優しい愛撫で、じわじわ溢れていた快感が一気に強くなって、思わず腰を引いてしまう。

 

「あん♥️やっ♥️んんん♥️」

 

じゅぷ♥️じゅぷ♥️

 

 愛撫されているというのを私が強く意識させようと、わざと中指を大きく動かし、擦って、押し付けて、抽挿を繰り返す。その度に体が揺れて、私は腰をくねらせる。

 気づけば、お父さんの陰茎と陰嚢からは手を離していた。

 

「だ♥️ダメ♥️ま、待って♥️イっちゃうからぁ♥️ーーーっ、あん♥️」

「ほらみて悠ちゃん。今日ちょっとしかしてないのに、もうこんなになってる。僕のこと言えないね」

 

 達する寸前で止められて荒い呼吸をしている私に、スカートの中から引き抜かれた、ぬるぬるを纏った人差し指を翳す。

 サイドランプの光を受けて、艶めかしく輝く人差し指には愛液の糸が延びていて、切れる様子をまったく見せない様子を見るに、いつもよりも粘度が高いそれはまだ膣内に繋がっているのだろう。

 

「悠ちゃん、あーん」

「えっ?あ、あーん、んぅ」

 

 見せつけていた指が顔へと運ばれた事に困惑するも、言われるがまま口を開き指を含むと、ちゅうちゅうと吸ってあげる。

 こうしてあげると指に意識が集中して、腰が抜けるような気持ちよさがあるらしい。

 私の口で愛液をこそぎ落として、引き抜かれた人差し指は結局、涎が纏わりついてべとべとになっていた。

 

「どう、味は?」

「んぇ・・・♥️ちょっと苦い、感じっ」

「愛液が苦いと、凄く感じてる証拠なんだって。いっぱいお父さんで興奮してくれて嬉しいよ」

 

 こうやって私の体がどれほど淫猥で、欲しがりかを、分かりやすい形でまざまざと見せつけるのをお父さんは好んでいる。

 いつもされる側としては───

 

「・・・いじわる♥️」

 

───そう言うしかない。

 私の批判を受けて、満足そうにお父さんは笑う。

 

「じゃあ悠ちゃん。おねだりして欲しいな、よいしょ」

「わっ」

 

 ぐっと私の腋を掴み持ち上げると、枕の方に私の頭を置いて、足を広げさせて膝を折る。いわゆるM字開脚という奴だ。

 

「ほら、おねだりして」

「あぁもう、じゃあ・・・言うよ♥️」

 

 全く、いつもこんなことを言うように頼む、お父さんはどうしようもない、変態だ。

 お父さんの言うとおりに、スカートを手でたくしあげると、裾を口で咥え、腕を自由にする。

 そして自分の曲げた膝の下から腕を通し、下腹部へと両手を伸ばして、媚びた声でおねだりした。

 

「お父さんのおちんぽで、私の中学生まんこをいっぱいにして、妊娠させてください♥️」

 

くぱぁ♥️

 

 ぴっちりと閉じている大陰唇を開くと、中指の愛撫を受けて白濁とした淫蜜が溢れだし、糸を引き橋を作って、ベッドのシーツへと落ちて染みを作る。

 それと共に濃い淫靡なメスの匂いがむわりと漂い、私の鼻腔にこびりつく。

 サーモンピンクの色をしている私のおまんこは、今や興奮のあまり、真っ赤になっていた。

 体液にまみれてやらしく乱れた陰毛、ピンと勃った、充血しているクリトリス、ヒクヒクとモノを欲してよだれを垂らす膣。

 そしてお父さんの精子を受け止める為に、子宮が降りてきているのを感じて、大好きな人と本当に子供を作ろうとしている事実に、ぞくぞくする。

 父親ぐらいの年の男の前で、種が注がれるのを、期待している性器をさらけ出して誘惑している。

 今起きていることが恐ろしくインモラルな事を再認識した脳が情報を送り、心臓をドンドンと鳴らした。

 

「悠ちゃん、すごくエッチだよ・・・」

「・・・恥ずかしいっ」

「言ってくれてありがとう悠ちゃん。挿れるよ」

「うん・・・子作りしよ♥️」

 

 いつもはピンク色のコンドームをつけて、グロテスクな外見を隠している肉棒が、剥き出しのまま迫ってくる。

 お父さんのそれは、いつも以上に雄しく屹立していた。太く赤黒い血管が通った竿に、淫水焼けした亀頭に、引っかかれると気持ちいい太いカリ。

 正にオスの誇りで、かつての自分のモノとは比べ物にならない。

 孕む準備ばっちりの膣から愛液がこぼれ落ちる。

 そんなねっとりとした愛液を亀頭で掬うと、いよいよお父さんは挿入すべく、竿の根元を手で持って、膣口へ狙いを定める。

 むちゅ、と粘膜と粘膜が接触して、ほかほかとした狭い胎内を広げていこうとする。

 心臓の脈動が止まらない。生の感覚への期待と興奮が入り交じって、はっ、はっ、と犬のような呼気を漏らす。

 すると、ずんっと重い衝撃。一瞬呆けた瞬間、頭の思考回路がショートした。

 

「イっ♥️ーーーーーーーーっ♥️っっ♥️」

 

 その衝撃が、奥へと最速で到達した肉棒による物だと知覚する前に、一週間ぶりの、今日初めての絶頂が訪れる。

 突然訪れた快感に飲まれて、目を白黒とさせている私を余所に、今度は抜ける寸前まで引いてじっくり馴染ませるようにゆっくりと竿を押し込み、膣壁をえぐっていく。

 快楽の坩堝にいて、意識がぼやけていた私でもはっきりと分かるぐらい、凶暴なお父さんの生の形を覚えさせられていく。

 そんな生の強烈な洗礼を受けて、セックスが開始した。

 

「っあ♥️な♥️生、すごいっ♥️形がはっきりぃ♥️っ分かって♥️んぅ♥️ううっ♥️」

「いつも以上に、締まるよっ、悠ちゃんのおまんこ!」

 

ぱんっ♥️ぱんっ♥️

 

 肉と肉がぶつかり合ういやらしい音が部屋に響く。

 一週間ぶりのセックスで、すっかり閉じてキツくなった膣内は、久しぶりのオスにきゅうきゅうと絞り上げることで、悦びを体現する。

 それに快楽を得るだけではない、子を孕ませるという本当の性交が始まったことを理解して絶対に離すものかと、いつも以上に奥へ奥へと引き込むように蠕動する。

 

「あっ♥️ひうっ♥️ふうぅ♥️あん♥️」

 

 そんな熱烈な歓待を受けたお父さんは、より熱を昂らせるように努めた。

 抽挿を繰り返すだけの単純な行為にならないように、ねじ込んだ竿をぐりぐりと動かし、降りてきた子宮口の外周を擦る。

 甘い痺れに身がよじれ、快楽で緩んだ口から涎と共に年頃の少女の、背徳的な高い矯声が飛び出す。

 

「やっ♥️ぐりぐりしちゃ♥️だめぇ♥️」

 

ちゅぽん♥️

 

「ひあっ♥️」

「ううっ」

 

 子宮をこねくりまわされる、強烈な快感に思わず腰を引いてしまったのと、お父さんが腰を引くタイミングが同じだったため、肉と肉の繋がりが途切れる。

 お互いに高めあうセックスの興奮を、一瞬でも切ってしまった自分に腹が立つ。

 好物を途中で取り上げられたようなもので、欲しくて欲しくてたまらない。

 さっきよりも興奮を強くしなければ。

 撹拌されて濁りに濁った体液を纏ったおちんぽを、更に奮い立たせるため、私は──

 

「お父さんっ♥️早く♥️挿れて挿れて♥️」

 

──さっきまでの交わりを再現するように腰をへこへこと突き出しては引いて、目の前のオスを誘惑した。

 我慢ならないとお父さんが私の太腿を抑え、体液にまみれた先っぽを、私の発情している穴に突き出す。

 

「えっちすぎるよ悠ちゃん!」

 

 また勢いよくおちんぽをぶち込まれ、再び激しい、本能のままに貪りあう、交尾に近いそれを再開する。

 容赦なく奥を突き立てられ、そうして再開してまもなく絶頂へと誘われる。

 

「イっっ、ク♥️ああん♥️っね♥️お父さん♥️手ぇ繋いで♥️」

 

 そう言って両手の指を開くと、すかさずお父さんが指を絡めてくれて、繋ぎあう。

 達した快感からの逃場を求めて、お父さんの手に私の指が食い込んでいく。指輪の感触がする。

 それとともに、絶対に妊娠するという意思を込め、お父さんの腰に、背中に、手と足を強く絡め、ぎゅうっと抱き締める。

 いわゆる、だいしゅきホールド。

 お父さんもそんな必死な私の様子に、一層興奮を掻き立てられたようで、腰だけではなく全身で行うピストン運動が、早く強くなっていく。その姿は獣の様で、恐ろしくもかっこいい。

 子宮口と鈴口が何度も何度も口づけする。その度に、甘く弱い絶頂が脳を焼いて、全身を痙攣させる。

 

「お父さんっ♥️もっと強くしてぇ♥️」

 

 収まりきらない愛液と我慢汁がかき混ぜられて泡立った、白濁とした卑猥な液体がセックスの音を強くする。

 

ぐじゅ♥️ぶじゅ♥️ぐじゅ♥️ぶじゅ♥️

 

「〜〜〜〜んぅ♥️あっ、ん♥️あぁ♥️んんんんん〜♥️」

 

 チカチカと目の前が瞬いて、自分が挿入してから10回はイッたことを自覚する。高まりまくった快楽の波から下りてこれなくて、びくんびくんと体を震わせる。

 これが、子作りなんだ。

 汗と体液でぐちゃぐちゃになって、どこまでも気持ちよくて、温かくて、満たされる。

 

「もう出すよっ、悠ちゃん!」

 

 イく度に締め付け、種を吐き出させようと包みこみ、扱きあげる膣内に、我慢の限界が来たお父さんのおちんぽがひくひくとしているのが、伝わる。

 もう出すんだ、私の中に。

 子孫を残すために、自分のものだって証明するために。

 私を、お母さんにするために。

・・・言っちゃおう、恥ずかしいけれど。

 ここぐらいしか言うタイミングがないや。

 気持ちよすぎて頭が回らない。それでも何とか声を絞り出して、お願いする。

 

「せーしだして♥️にんしんさせてっ♥️おとう♥️さんの♥️あか♥️ちゃんっ♥️おなかにくだ、さい♥️」

 

 言うや否や、お父さんは乱暴にキスをした。

 ぶぢゅりと唇を押し付けて、舌を捩じ込み絡ませる。

 私の喘ぎ声がくぐもって、部屋に流れることなくお父さんの中へと消えていく。

 自分の女がイく時の声を誰にも聞かせない。

 そんなお父さんの独占欲、オスとしての本能に、くらくらする。

 そして、その時が訪れる。

 ぐっと子宮口がおちんぽに吸い付いた。

 

「──────────あっ♥️」

 

びゅー♥️びゅう♥️びゅく♥️びゅく♥️びゅうー♥️

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♥️っ♥️」

 

 叩きつけるような勢いで膣内に注がれる精液を感じた途端、意識が飛んだ。

 中出しで終わる初めてのセックスが気持ちよすぎて、耐えられなかった。

 貯めに貯められ焦らしに焦らされ、煮えに煮えた熱い精液を、子宮口が鈴口に吸い付いたままごくごくと嚥下していき、子宮が膨れていく。

 尿道に残った子作り汁を、1滴も残さず吸い上げる頃には、子宮内は卵子を求めて大量の精子が泳ぐ、黄ばんだ白濁液のプールになっていた。

 充足感と多幸感と快感が体を震わして、私をどこか遠くへと飛ばそうとするけど、お父さんがしっかりと抱き締めてくれた。

 どれぐらいそうしてたかは分からないけれど、お互いに深呼吸が必要な位にはしていたようだ。

 お父さんの舌が私の舌を離して、唇を外す。

 

「はあっ・・・はーっ・・・ふぅぅ」

 

 体で大きく呼吸して、私に体重を預けるお父さんがとても可愛くていとおしい。

 さっきまでの私を悦ばしていたお父さんとのギャップに、胸がときめいて、頬に軽いキスを浴びせた。

 

「かっこよかったよ♥️お父さん♥️」

「はぁはぁ・・・いっぱい出たよ悠ちゃん」

 

 膣と溶け合って一つになってしまったと感じるぐらいに、繋がったままの陰茎を引き抜く。ずるりと出てきたそれと共に、膣から精液が溢れ出てくるかと思ったけれど、出てくる気配がない。

 お腹の中にずっしりとした子種の重みを感じて、子宮をお腹越しに軽く押してみる。

 

ぶじゅう♥️

 

「ふ♥️うぅ♥️」

 

 重く湿った水音が子宮から出て、どろりと胎内から溢れた精液が外へと飛び出した。

 いつもお父さんが出す量より断然多く、ゼリーの様にぷるぷるとしている。

 まだまだ子宮の中にはお父さんの精液でいっぱいで、ゴムではなく生、それに加えて私を妊娠させるという興奮材料があったことでこんなにも出るんだと、びっくりする。

 

「すごい出たね。・・・あっだめ。勿体ないっ、んん♥️」

 

 ぱっくりと満足気に開いた蜜壺に手で蓋をする。

 手のひらに精液が溢れそうになったので、蓋をしていた指を折り、胎内へと押し込んで精子を膣壁にこすりつける。

 卵子にとどいて、受精して、妊娠しますようにと願いを込めて。

 でもお父さんはそんな私を、自分の精液でオナニーする淫乱な少女として見たのだろう。

 落ち着けたはずの呼吸をまた荒くして、勢いよく掴んだスマホの画面を見せながら私にお願いをしてきた。

 

「悠ちゃん!こういうのを言って!して欲しいんだけど!ダメかな!」

「・・・えぇー。うーん」

「いつも可愛い悠ちゃんの、こういうところ見てみたいなって!ね、おねがい」

「まぁ・・・いいよ」

 

 こうやって好きな人との願いとは言え、ホイホイと受けるあたり、自分はMなんだろうなと実感する。

 お父さんが期待の眼差しを向ける中、私は溢れている精液を拭うことなく、スカートを脱ぎ去る。

 ベッドから降り、床へとひざまずいて、足を折り畳み、尻を突き上げて───

 

「私のえっちなおまんこに、いっぱいせーし出していただき、ありがとうございましたっ♥️」

 

ぶぴっ♥️ぶりゅ♥️

 

───空気と共に精液が漏れる下品な音を膣から立てながら、土下座した。

 無様でみっともない、オスへの感謝と服従を示す私のやらしい姿に、より一層鼻息を荒くしたお父さんがスマホをこちらへと向け、光と共にシャッター音を鳴り響かせる。

 その度に恥ずかしさで思わず体が揺れる。

 お父さんの変に拗らせた性癖に対して、ビックリすることが大半だけれど、そういうのも愛嬌だと思う。

 

 恥辱に堪えていたその時、キュンと子宮が疼いた。

 

 トクリ、トクリ。

 脈打つような感覚が子宮から響く。

 お父さんの精子が私の卵子に群がって、一つの精子が卵子と結合したんだ。

 普通に考えれば分かるわけはないけど、何故かわかった。

 妊娠促進剤の作用か、それともメスとしての本能か。

 何にせよ、はっきりとした感覚。

 土下座から立ち上がって、私はお父さんに目を会わせて告げる。

 

「お父さん♥️今、受精した♥️」

「えっ!?ごっ、ごめん!土下座なんてさせてる場合じゃなかったよね!?」

「もうほら、手貸して!」

 

 私に謝罪の意を込めて合わせていた手を引き剥がし、私のへその下、子宮がある所へ手を置かせた。

 お父さんが感じるかは分からないけれど、一緒に体験したい。

 細胞分裂を繰り返しながら卵管を漂って、そうして、ふわふわの子宮内膜へと着床した。

 

「今、着床したの分かった?お父さん」

「何となくだけど、そんな感触がした気がするよ」

 

 今いち煮え切らない返答に苦笑して、お父さんの手を動かして、お腹を撫でさせる。

 お父さんと私の子がデキた。

 その事実に頬が熱くなって、心の中に一面の花畑が咲いたような、豊かな気持ちになった。

 

 

*

 

「うわぁ、まだお腹が重い」

 精液がお腹に貯まっている初めての感覚に、まだ少し慣れないが、お父さんの愛の残滓だと思うとこの感覚も悪くないと感じる。

 様々な体液でまみれた体のあちこちをシャワーで流し終えると、バスタブの縁に置いていた妊娠検査薬を手にする。

 バスタブの中で足を手で抱えている、太腿に頭を沈めたお父さんがもぞもぞと自己嫌悪の念を発しているのを耳が捕らえ、思わずため息をこぼした。

 

「まだ土下座させたこと後悔してるの?」

 

「本当にごめん。子供が出来る重要な時なのに変な事させちゃって・・・興奮しててこう、歯止めが利かなくてつい・・・」

 

「やらせといて落ち込むのやめてよもう。ほら、これにおしっこかけるよ?」

 

 私の発言に反応したお父さんがすぐさま顔を上げる。

 股を大きく開き座り込むと、下腹部へと力を込める。

 

「ん、出る・・・あっ、ふぅ」

 

 ジョボジョボと、色と匂いの濃い黄色のおしっこが飛び出した。アンモニア臭が浴室に篭っていく。

 妊娠検査薬をしとどに尿が濡らして、飛び散っていく様子を、さっきまで落ち込んでいたお父さんが食い入るように見つめているのが面白い。

 滴がぽつりぽつりと落ちるようになって、膀胱が空になったと自覚するぐらい出しきったら、お父さんに渡して、また新しく体液にまみれた秘部を洗い流した。

 ふん、ふん、と最近流行りの曲を口ずさむ。ウキウキとした気分でしょうがない。

 お父さんがまじまじと妊娠検査薬を見つめているのに気づいて、横から除き込むと、そこにははっきりとした二本の線が出ていた。

 

「おお、出てる〜」

「・・・後でそれ持ってピースした悠ちゃんの写真、撮ってもいい?」

「ほんと、好きだねお父さん・・・いいよ」

 

 平常運転のお父さんに呆れながらも改めてバスタブへと入り直して、お父さんに背中を預ける。

 お父さんの右手がお腹に伸びて、へその下、子宮の辺りに手を這わせると、中に宿った新しい生命を、慈しむようにやんわりと撫でた。

 そのソフトタッチがどうにもくすぐったくて、思わずお腹を引くとお父さんは代わりにと、私の髪を柔らかく撫でつけた。

 湯船の中で、二人仲良く揺蕩う。

 ゆったりと流れる、微睡みのような心地よい時間。

 ずっとずっと、続いて欲しいと願うばかりだ。

 

「悠ちゃんに会えてよかった」

「私も。色々あったけどお父さんと出会えて、家族になれて、幸せだよ」

 

 人生というのは皮肉な物で、畳み掛けるような不幸のおかげで私はこの幸福を手に入れることができた。

 ちょっと歪な出会い方だったけれど、そこで生まれた愛と繋がりは本物だ。

 私が望んで、育もうとしている未来に対して、誰にも文句はつけさせない。

 

「──私、いいお母さんになりたい」

「僕も、もっといいお父さんになるよ。悠ちゃんと子供を守れるいいお父さんに」

 

 お腹に宿ったお父さんとの愛しき繋がり。

 この繋がりが永遠になるように、幸せでいられるように、私から愛を込めて。

 

「じゃあ改めて・・・これからもよろしくね、パパ!」

 

──ふと鼻を掠めた、甘くさらついた匂い。

 シャンプーでもなく、ボディソープでもないと、断言できるその匂いは、私から漂ったような気がした。

 




追記:文を読み返すのが恥ずかしかったので、修正が遅れてしまい申し訳ありません。
感想お待ちしております。
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