※この作品はR-18です。

在宅奴隷・諾子(なぎこ)II 鬼母篇   作:シン之助

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 レイプ犯親子と一つ屋根の下で暮らすようになった諾子は、家族の留守宅で様々な変態行為を繰り返されるうちにマゾ性癖や露出性癖に目覚めさせられ、淫乱な牝豚マゾ奴隷として調教されてしまう。夫以外の男とのセックスや家族への蔑みを植え付けられながら、ついには放屁音を聞かされた途端、息子への憎悪を覚えるまでになっていた。充司に脅されるままSMショーに出演し、諾子は息子を罵倒しながら、清充とアナルセックスで結ばれ、実の息子以上に絆を深めていく・・・。
 やがて諾子は淫らな肉の結びつきによって実の家族以上に凌辱者親子に心を支配されるようになり、ついには愛すらも奪われて上書きされてしまう。だが悠人は自分の母親が完全な牝豚マゾ奴隷に堕ちた事を知らない。殺意すら植え付けられ、魔女に変えられた母親が待つ我が家に戻る悠人に危機が迫る。危うし悠人・・・。


第23話 息子を毒牙に掛ける母1/9_(違和感)

---------登場人物---------

春日 悠人(はると):主人公

春日 諾子(なぎこ):悠人の母

春日 悠年(はるとし):悠人の父(M商事・開発部・課長)

加木 充司(じゅうじ):主人公の遠縁(悠年の母方の従祖母の孫娘(はとこ)の婿養子の夫)

加木 清充(きよみつ):充司の子

藤原 綾乃:悠人の幼馴染

唯魔子:SMショーに出演していた人妻の牝豚奴隷

-----------------------------

 なつかしい地元駅に降り立った悠人は、しかし気分は晴れないままだった。寮長である林則夫とはまたもや喧嘩同然になってしまっていた。結局、帰宅願いは受理されないまま、無断外出の形で寮を後にしていた。

 

「四谷のやつが心配だけど、吉川さんがいる。きっと二人で上手くやっているだろう」

 

 悠人はそう考えると、首を振ってそれ以上考えるのを止めることにした。何より今は母の事が心配だった。数日前の母の電話の様子は、何かとても異常な状態に母が陥っているように感じられた。自然と足早になっていた。

 

(早く母さんに会わなければ・・・)

 

 気ばかりが焦って、駅から家までの道のりが酷く遠く感じられた。

 

「まだ一カ月しか自宅を空けていないというのに・・・」

 

 たった一カ月だけだというのに、悠人はわずかながらも郷愁の思いが込み上げてくるのを抑えることが出来なかった。しみじみと父と母と過ごした日々を思い出していた。家族での旅行や満開の梅の木の下での写真撮影・・・そして綾乃の事も・・・。一瞬、母の顔に重なるように藤原綾乃の顔が脳裏に浮かんだ。

 

(どうしているかな?)

 

 それは妹に対する感情に近かった。しかし、懐かしく慈愛を伴った思いとはわずかに異なる、胸がキュンと締め付けられるような淡い思いがこみ上げてくる・・・。

 

(これって何だろう?・・・)

 

 不思議な感覚を胸に抱きながらも、悠人はその思いを急いで打ち消していた。

 

(今はまず母さんだ・・・それに綾乃とはしばらく会わないほうが良い・・・)

 

 そう確信していた。今、自分がSSHを飛び出して自宅に帰ってきたことを綾乃が知れば、きっと心配するに違いない。それは父にも言える事だった。

 

(もしこの事が僕の勘違いだったら・・・支社で頑張っている父さんに余計な心配をかけるだけだ・・・)

 

 これは僕の勘だけだ、何の根拠も、何の証拠もない・・・なにより父の母への信頼を蔑ろにはしたくなかった。そんな思いが強くて、今日家に帰ることは父にも伝えていなかった。何より母が心配だったのだ。いつの間にか胸に刺した母からプレゼントされたボールペンを触っていた。悠人はどこにも寄る事も出来ずに、ただひたすら真っすぐに母の待つ我が家に向かっていた。だが、藤原家の前を通った際に、思わず聞き耳を立てている自分に気が付いた。

 

(もしかすると綾乃の弾くピアノの音が聞こえるかもしれない)

 

 無意識にそう思って思わず立ち止まっていた。すると・・・微かにピアノの音が聞こえてきた。

 

(綾乃のピアノだ)

 

その音色に思わず涙が出て来るのを抑えることが出来なかった。

 

(どうしてなんだろう・・・)

 

 悠人はまだ知らない・・・。それが母親の愛のからの決別であることを・・・自分が既に恋に落ちている事を・・・無意識のなかで避けている事を。しかし、悠人は、悠人の潜在意識は、ずっと前からそれに気が付いているのだ。

 

(いけない・・・時間に遅れる・・・)

 

 思わず聞き入ってしまいそうになるのを何とかこらえながら、悠人は綾乃の家を後にしていた。後ろから聞こえる僅かなピアノの音を聞きながら、悠人は綾乃が弾いているピアノの音だけは他人と区別することがなぜか出来ることを思い出していた。何度も聞いているうちに、綾乃の弾き方の癖や特徴を聞き分け、あっさりと記憶していたのだ。それは悠人の綾乃に対する愛のなせる業だったのかもしれない。そして母親の慈愛の賜物だったのかもしれない。

 

 悠人はピアノやその他の楽器を習ったことがなかったにも拘らず、なぜか絶対音感を持っていた。それはピアノを習っている綾乃との遊びの中で体得したものだと思いこんでいた。綾乃とピアノを使った音あてゲームをしている間に身に着けたものだと・・・。しかし、よく思い返してみると・・・悠人はあまり綾乃の家に行った記憶はなかった。そしてすぐに思い当たった・・・母親譲りの絶対音感の才能を受け継いだからに他ならない。そして、母に絶対音感を教わり続けていたことに・・・。

 

「この音は何の音でしょう?「あ~っ」」

 

と微妙な音階を母は正確に歌声で再現していたのだ。

 

(母さんは何か楽器を習っていたのだろうか?・・・)

 

 春日家にはピアノはおろかバイオリンも、ギターすらもなかった。悠人が小学校の時に買わされた安物のハーモニカと、リコーダー、カスタネットが有るだけだった。

 

(母さんがもし楽器を習っていたとしたら、ピアノに違いない・・・)

 

 悠人はそう直感していた。母の歌声はなぜかピアノを思わせたからだ。母の歌声を聴くと、バックでピアノの伴奏がなっているような、そんな感じで聞こえてきたのだ。夕焼けを見ては「赤とんぼ」や「カラスの子」を、冬の寒い道では「山茶花」を・・・季節に合わせ童謡を謳う母はとても楽しそうで、少し寂しげだった。その歌声には確かに、かすかなピアノの音が混じっていた・・・。だから悠人は時々見せる寂しげな表情を慰める様に、その歌声に合わせて、つられるように母と一緒に童謡を謳っていた。それがとても楽しく、嬉しかった。

 

「眠むれ、眠むれ、母の胸に・・・・」

 

 愁いを帯びたシューベルトの子守歌が特に悠人のお気に入りだった。悠人はその子守唄を聞くと直ぐに眠りにつくことが出来た。その清らかで透き通った歌声には、いつもピアノの音が混じっていた。だから悠人は、シューベルトの子守歌を聞くたびに、ピアノのような母の声と、愁いを帯びたはにかむような母の顔を思い浮かべてしまうのだった。そしてそれはなぜか、綾乃のピアノを聞いていてもそう思うのだった。綾乃のピアノの音に母の歌声が聞こえるような気がするからだ。

 

(なぜなんだろう?)

 

 母離れしていない悠人は・・・恋をまだ知らない悠人は・・・訳の分からぬ感情を抱いたまま家路を急いだ。もう聞こえる訳がないのに、悠人の背には綾乃のピアノの音が響いてくるような気がした。悠人は母親の慈愛と、幼馴染の純愛を受けながらまっすぐに育ったのだ。

 

----------------

 

「なんだこれ?」

 

 断腸の思いで綾乃の家を後にし、自分の家の前まで来た悠人は、思わず門の前で立ち止まっていた。それは何となく感じる、とても微妙な違和感だった。例えば、庭の雑草がいつもより目立つような気がした。そもそもこの一月、雑草を取ったような気配がない・・・そんな感じだった。例えば、悠人が植えた枇杷の木がどことなく萎れているように感じられた。カラスか何かに啄まれたのだろう、半分以上欠けたいくつもの枇杷の実がそのまま放置され、腐った状態で汚くぶら下がっている。どれも実に微妙な違和感だった。しかし、勘の鋭い悠人は、その微妙な変化に気が付いてしまっていた。

 

(男手が無いせいかな・・・いつもなら「悠人が植えた枇杷の実よ♡」とか言って、熟れた枇杷の実を料理にいっぱい活用してくれるのに・・・)

 

 いやな予感が再び悠人の脳裏をよぎる。

 

(それでも母さんは甲斐甲斐しく、僕が来るために料理の方は抜かりがないんだろうな)

 

 この時ですら悠人はそう考えていた。気を取り直して玄関のチャイムを押す。

 

「はーい」

 

 いつもの母の明るい声がした。その声を聞いた途端、何となくホッとして悠人は涙が出そうになっていた。確かにその声はいつもの母さんの声だった。悠人は嬉しくなって元気よくドアを開けていた。

 

「お帰りなさい、悠人」

 

 母はいつものように温かく悠人を迎え入れてくれた。

 

「ごめんなさい・・・急に呼び出したりして」

 

 そう言ってすまなそうな顔をした母に、悠人は心底ホッとして思わず安堵のため息を出していた。そこに居るのは確かにいつもの母さんだった。嬉しさのあまり目頭が熱くなり、涙に目がかすんでしまいそうだった。悠人は思わずか母にハグしようと腕を広げて近づいて行った。

 

(今日は二人だけ、誰も居ないんだから少し甘えても良いよね・・・)

 

 そんな軽い気持ちだった。

 

「もう、高校生にもなって何よ♡」

 

 いつもならそう言いながらも母は優しく僕を抱きしめてくれる・・・。そうなるはずだった・・・。

 だが・・・

 諾子は拒絶するように手のひらを悠人に向けると、汚いものに触れられたように身を固くしながら悠人を押し返していた。

 

「えっ?・・・」

 

 信じられなかった・・・。悠人は生まれて初めて母親からハグを拒絶されていた。そして初めて気が付く。家の中の匂いが、いつもと全く違う事に・・・。凛とした母の心の様な清らかな春日家の匂いが、今日はまるで獣のような生臭い匂いに変わっているのだ。

 

(いったい・・・?・・・)

 

 その上、母親からは下品な香水の匂いがプンプンと漂ってくる。

 

(今まで母さんは外出するとき以外香水なんか付けた事ないのに・・・)

 

 家の外から感じていた違和感は今では確信に変わっていった。

 

(やはり母さんはどこかおかしい・・・)

 

 唖然として見返す悠人にすまなそうな表情を浮かべながら、諾子は顔を背けるように後ろを振り返った。

 

「いっ・・・今・・・来客の方が居るの・・・」

 

 後ろを振り返った諾子の視線の先には、身長180㎝は越えていそうなプロレスラーのような巨躯の男が立っていた。

 

「今日は・・・加木充司と言います。君のお父さんの「はとこ」の夫です。田舎からこちらの方に出て、しばらくここに逗留させてもらっています」

 

 そう言って軽くお辞儀をするその男の顔には、その巨躯には似合わないほど誠実そうな表情が張り付いていた。

 

「こちらでお仕事が決まるまで、お子さんを連れで困っていらっしゃるようなの。だからお母さんから頼んで、こちらの宿が決まるまで居て頂いているのよ」

 

 そう言ってその加木充司と言われた男の後ろに、隠れるようにしながらこちらを睨みつけていた一人の少年を指さす。まだ〇学校5、6年生ぐらいだろうか・・・。

 

「ほら・・・清充君・・・お兄さんに挨拶は?」

 

 まるでその子の母親にでもなったように、諾子は悠人へのあいさつを促すと清充の手を取って前に立たせていた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

 だが清充と呼ばれたその子供は、何も言わずに悠人を下から睨みつけるだけだった。そして逃げるように後退る(あとずさる)と、諾子の腰に両手を回して抱きつくように身体を寄せてしまった。

 

「あん・・もうっ・・・清充君んんったっっら・・・」

 

 清充に抱きつかれた途端・・・悠人は母親の身体が一瞬震えたような気がした。困った表情を浮かべながらも清充にされるがままになって、腰に回した清充の腕を振りほどこうとすらしなかった。

 

(何をやっているんだ母さん?!・・・)

 

 諾子はただ顔を赤らめながら、科を作るように身体をくねらせているだけだった。

 

「ホラ・・・親戚にはちゃんと挨拶をするんだぞ!」

 

 悠人はやや呆れながら、努めて明るい声で清充にそう言うと、加木充司、清充の親子に向かって自分の名前を告げた。

 

「悠人・・・春日悠人っていいます。今年いっぱいは県外の高校の寮にいます。よろしくお願いします」

 

 まるで模範を示すような言い方に、清充という子の目がさらに険しくなり、ますます諾子の陰に隠れるようになっていった。

 

「SSHに入ったんだってな・・・随分と頭が良いようだな」

 

 意外なことに加木充司は悠人の事をよく知っていた。

 

(おしゃべりな母さんが色々と話しているのかな・・・)

 

 AJK団を通じて家族のあらゆる特徴や弱点を調べ尽くされているとも知らずに、悠人はそう思って軽く受け流すだけだった。しかし、そう言いながらも上から下まで嘗め回すような充司の視線は悠人を不安な気持ちにさせていた。いや・・・それはまるで人を値踏みするような不快な視線だった。先ほどから見せていた誠実さとは裏腹に、細く吊り上がったその目で見られると、何かゾッとするような気分になった。

 

「母さん・・・その・・・この事を父さんは知っているの?」

 

 その声は非難するような響きになっていたかもしれない。母はハッとした顔になって下を向いてしまった。

 

「あの・・できれば黙っていて欲しいの・・・お父さんに心配かけたくないし・・・・」

 

 顔を伏せたまま途切れ途切れにそう言う仕草は、まるで不都合なことを隠してでもいるような嫌な感じだった。何でも父に打ち明け、隠し事一つしてこなかった母らしくなかった。

 

「いやなに俺がね・・・黙っていて欲しいと言ったんだよ。無職のままじゃカッコ悪いだろ?一流会社勤めの悠年さんにはいろいろと世話になっているからさ・・・」

 

 そう言って頬を掻きながら、苦笑するその顔は先ほどから見せていた誠実さのかけらも残っていなかった。苦笑いする充司の目は一つも笑っていなかったからだ。「一流会社勤め」と強調する物言いも何か嫌な感じだった。何か計算高いような太々しいような表情が、隠しようもなくその細い目に浮かんでいた。言下に「お前も下らない事は父親に知らせるなよ」そう言っているように聞こえた。

 

「・・・・・・」

 

 悠人はそれ以上何も言うことが出来なかった。玄関先でいきなり気まずい沈黙が訪れていた。悠人は抱えていた荷物を脇に置くと、胸ポケットにあるボールペンを思わず握りしめていた。その仕草はSSHに入学してから、すでに癖になってしまっていた。悠人がそのボールペンを諾子によく見えるように胸から取り出す。その仕草を見た諾子がハッとした表情を浮かべていた。

 

(母さん?気が付いた・・・これ・・・母さんのプレゼントだよ・・・)

「あっ・・・はうっ悠人・・・にっ荷物を預かるわ」

 

 しかし、再び身体を震わせた諾子は顔を赤らめながらそう言うと、荷物を奪う様に悠人から受け取り、そのまま悠人の部屋に向かって運び始めた。

 

(・・・・・自分のプレゼントすら分からないの?・・・)

 

 顔を上気させ、心ここにあらずのようになった母親を訝りながら、悠人は悲しい思いで母の後ろについていこうとした。だが、荷物で両手が塞がった諾子に、清充はまとわりつくように抱きついたまま、二人の間に割り込むように歩き始めていた。まるで母のお尻に後ろから密着するように

 

「諾子・・・諾子・・・」

 

と甘ったれた声を上げ、下半身を擦り付けるようにスキンシップを求めて、諾子を手伝おうともしなかった。その動作がセックスを連想させるような卑猥なものだったため、悠人は面食らいながらその様子を唖然と見ていた。

 

(遠縁とはいえ他人同然の子にここまでやってやる必要があるのだろうか?それにあの腰の動き・・・本当にこいつ〇学生なのか?)

 

 その上、年上の親戚を平気で呼び捨てにしている清充のあまりにも馴れ馴れしい態度に、悠人は明らかに不快感を通り越し憤りすら覚えていた。そしてそれを甘んじて受け入れる諾子に対しても嫉妬にも似た複雑な感情が沸き上がる。しぶしぶと二人の後についていきながら、悠人は複雑な思いが沸き上がるのを抑えることが出来なかった。

 

 改めて家の中を見ると、家の外の状況よりもさらに酷い有様だった。玄関から居間を抜けて自分の部屋に入るまでの間ですら、悠人は家の中の変わりように驚きを隠せないでいた。室内の至る所に梁やフックが勝手に取り付けられている。掃除が行き届いていないのは一目瞭然だった。以前の母さんだったら有り得ないほど、ごみや汚れが目立っていた。新聞や雑誌、ゲームカセットが散乱し、整理がほとんど行き届いていない。その上、加木親子のものだろうか、男物の衣服がところどころに脱ぎ散らかされていた。

 

「えっ?!・・・」

 

 そして、中には下着のようなものまで落ちている・・・。どれも男物のビキニパンツのように見えるが、デザインの知識に疎い悠人には、それがどんな類の下着なのか見当すらつかなかった。

 

(何だか自分の家に帰ってきたような気がしない・・・)

 

 久しぶりの親子水入らずを楽しみにしていた悠人は、あまりの家の中の変わりように、落胆を通り越して、嫌な予感が募るばかりだった。それでも、諾子に連れられるようにして自分の部屋に入った時、自分の部屋が手つかずの状態で家を出た時のままになっていたのにはホッとした。

 

(ここだけが・・・前のままの状態だな・・・)

 

 そう思ってふと室内を見渡すと、まだ清充が諾子に抱きついているのが目に入った。

 

「母さん・・・随分その子に懐(なつ)かれているんだね?」

 

 悠人は自分の部屋にまでついて来て、出て行こうとしない清充をあきれ顔で見つめながら、思わず諾子にそう皮肉を言っていた。

 

「まだ小さい子なんだし・・・別に良いじゃない・・・」

 

 どことなく不安げな表情をした諾子が、清充を庇うようにそう言い返す。しかし、その目は悠人から逸らされ、何かやましい事でも隠しているように悠人を見ないようにしているのがよく分かった・・・。

 

「なに言ってるんだよ!ここに入って良いのは、母さんと綾乃だけだよ」

 

 先ほどからの諾子の煮え切らない態度に、悠人はついに声を荒げてしまっていた。そして言った途端に後悔していた。更にきつく諾子に抱きついた清充に鋭い形相で睨みつけられ、悠人は自分の大人気なさを痛感していた。間に入った諾子は途方に暮れたように悠人を見つめるだけで、何も言おうとしない。諾子の困った様な目を見て、悠人は大人気ない自分がとても嫌な人間に思えて・・・自己嫌悪を感じない訳にはいかなかった。

 

(まだ小さな子に対して、僕は一体どうして?!・・・)

 

 自分が嫉妬のあまりそう言ってしまったのは明白だった。顔を赤らめ俯くのは今度は悠人の方だった・・・。

 

「清充君・・・ここは悠人兄ちゃんのお部屋だから・・・今日は入ってはダメよ」

 

 悠人の様子を見て、諾子が諭すように清充に言うと、清充は「チッ」と舌打ちしながら悠人の部屋からすっと出て行ってしまった。

 

(小学生が舌打ち!?・・・)

 

 諾子に甘えて抱きつくだけで手荷物には手を貸そうともせず、大人のようなすれた舌打ちをしながら去っていくその後ろ姿を見て、悠人は何か末恐ろしいものを感じていた。下半身を擦り付ける様な卑猥な動きも気になっていた。

 

「母さん・・・これは一体どういうことなの?」

 

 悠人はやっと親子二人きりになった室内で、なじるように諾子に食ってかかっていた。

 

「どういう事って?」

 

 諾子は目を脇に背けながらそう答え、悠人に決して目を合わせようとしない。

 

「あの親子を家に泊めていることを、本当に父さんに知らせないつもりなの?」

「加木さんに聞いたでしょ・・・無職を知られたくないのよ」

 

「それだって、家に泊めている以上・・・父さんぐらいには・・・」

「加木さんにそう言われたんだから、しょうがないでしょ・・・」

 

 思わず強くそう言い返した諾子は「ハッ」となって口を押えていた。眼を逸らしながら、バツが悪そうに悠人のベッドを整え始める。

 

「何だか父さんよりも、あの加木っていう人の方が大事みたいな言い方だね・・」

 

 悠人の言ったことが余程応えたのだろう・・・目を見開き驚いたような表情を浮かべた諾子は、しばらく俯いて何も言わずにただ黙々と悠人のベッドを整えていった。

 

「やっぱり、お布団を変えた方が良いわ・・・」

 

 しばらくベッドを整えていた諾子は、いきなりポツリとそう言うと、布団を二つ折りにして、奥のクローゼットにしまってある布団と交換しようとした。

 

「えっ?いいよ・・・明日には帰るんだから」

「いいの・・・清潔な布団に寝てもらいたいから」

「だったら最初から取り換えておいてくれればいいのに・・・いつもの母さんらしくないよ」

 

 そう言ってしまって悠人は思わず後悔していた。そう・・・今日の母さんは全くら(・)し(・)く(・)なかった。何もかも・・・。そして、僕はつい・・・甘えるようにそのことを詰(なじ)ってしまうのだ。そんな自分が嫌だった・・・。たった数週間会わなかっただけで、母との距離が急速に開いてしまったような気がしていた。とても気まずい、嫌な一瞬が過ぎ去った。気を取り直すように、母は敷布団と掛布団を合わせて分厚くなった塊を重そうに持ち上げる。

 

「母さん手伝うよ・・・・・」

 

 気まずさから、悠人は思わず手を差し伸べていた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 しかし、諾子は何も答えず、悠人の差し伸べた手を無視して、大きな布団を抱えながらクローゼットに行ってしまった。

 

「それより・・・加木充司さんの事、父さんには知らせないで・・・お願い・・・」

 

 悠人は茫然と母親が部屋を出てく姿を見守っていた。ポツリと一人残った室内には下品な香水の残り香がまだ漂っていた。

その時、ふと違和感を覚え、再び自分の部屋を見渡していた。そして違和感の正体に気が付いた。

 

(この部屋だけが掃除が行き届いている・・・)

 

 そして、全てのものが一か月前と微妙にずれている事も。写真立てや本の位置、置時計や机の上の細々したものまで・・・整いすぎていた。母親の残り香の匂いが薄れ始めると、玄関に入った時に感じた獣のような嫌な臭いが、悠人の部屋にも漂っていることにも気が付いた。そして急に母親の言葉を思い出していた。

 

【清充君・・・ここは悠人兄ちゃんのお部屋だから・・・今日は入ってはダメよ】

母さんは確かに「『今日は』入ってはダメよ」と言ったのだ。「今日は」と・・・。

(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 嫌な予感がした悠人はスマホを急いで立ち上げると検索サイトで「はとこ」について急いで調べていた。

 

「「はとこ」って父さんの「いとこ」の子供のさらに子供・・・6親等も離れているギリギリの親族だ」

 

 でもその夫なんて血はまったく繋がっていない姻族だし、僕にとっては8親等も離れているから遠縁とすら呼べないぐらいだ・・・。

 

「ほとんど他人じゃないか。ましてや・・・母さんにとっては全くの他人と言って良いほどだ・・・」

 

 唖然としながらもう一度自分の部屋の中を見回していた。母がこの部屋だけは綺麗にしてくれようとしているのは良く分かった。しかし、この心の中にわだかまる思いは何なのだろう?・・・。家全体に立ち込める獣のような臭い、荒れ放題の家の内外、母の下品極まりない香水の匂い・・・。詳細に僕の室内を調べる必要がある・・・。いや・・・この家や母さんも・・・。もしかすると母さんはワザとああ言ったのかもしれない・・・。

 もし悠人がキスの経験したことがあるのなら、諾子の首筋や胸元にキスマークがいくつも付けられ、手首や足首には縛めの縄の跡がくっきりと残っていることに気が付いたかもしれない。しかし、童貞の悠人がそんな事に気づくはずもなかった。ましてや母親が着ているワンピースの下には、エロ下着以外何も身につけていない裸同然の格好だった事など、気づくはずもなかった・・・。その上、母親の股間には父親の何倍もの太さの極太ディルドとアナル拡張プラグが無残に埋め込まれ、息子と話しているその時でさえジュクジュクと淫汁を溢れさせていた事など・・・

 

 悠人はいつの間にか胸に刺しているボールペンに振れ、心を落ち着かせようとしたがあまり役には立たなかった・・・。




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