セックス次元のTSデュエリスト 作:エロデュエル良い
『さあ、お待ちかね! 今夜もお楽しみの時間がやって来たぞ! 今宵、我々を興奮させるデュエルを見せてくれるのは、この2人だ!!』
まるでプロレスやボクシングの実況さながらに、アナウンスの男が会場を盛り上げた。
その熱気を集約するように、僕へとスポットライトが当たる。
……これはまた、凄い熱量だ。
観客は100人以上は居るだろうか。まず、これまでの人生では経験したことの無いような大人数の前である。
ビリビリと会場が震えて、僕もまた小さな震えが止まらなかった。こんな経験は初めてだけど、これが武者震いというものだろうか。
『
破壊剣士は僕の使うデッキの中でも思い入れのあるデッキだ。
一番強いというわけではないが、そもそも持ってきていたデッキはこれしかない。でも、このデッキもまた僕にとっては一つのガチデッキ。相手がどんなデッキかは知らないが、僕は僕なりに本気でやらせてもらう。
ちなみにルイナというのはこの世界での僕の名前である。
元の面影はあるとはいえ、こんな見た目になったのに小鳥遊累和とフルネームを使うのはなんだか元の自分が消えてしまいそうで嫌だったから、こちらではルイナと下の名前でだけ通すように頼んだ。
『対するは、本闘技場名物デュエリストの一人、ゴブリン小島! 最近役得が過ぎるのではないかとバッシングされ気味ですが、その腕前は本物です! ルイナは彼に太刀打ちできるのでしょうか!?』
「役得って言われても、これは正真正銘デュエルだからなあ。ギヒヒ、何はともあれ、よろしくなルイナちゃん」
「っ、……よろしくお願いします」
ちゃん付けされて怖気が走る。訂正を求めようとしたが、自分が男であるということは明かしてはならないと青羽から注意されていたのを思い出して、既のところで思い留まった。
一度深呼吸して冷静さを取り戻し、改めて対戦相手のことを確認する。
ゴブリン小島。これまた妙な名前だ。本名とは思えないから、リングネームのようなものか。
低い背丈、お世辞にも整っているとは言えない顔、凡そ誰からも嫌悪されそうな醜悪な容姿。確かにゴブリンみたいだな、と失礼ながらもそんな感想を抱いた。
それにしても、役得とはなんだろうか。
よく分からないが、それを言えばほとんど何も理解出来ていないに等しい今、わざわざ気にするようなことでもないか。
彼の実力は未知数。それでも、僕の登場時よりも遥かに歓声を集める彼が弱いとは思えない。というか僕よりも明らかに彼の方が人気だ。なんか複雑だけどムカつく。
そうだ。ここはひとつ、僕の方が強いということを見せつけなくては。
反骨心を闘争心に変えて、僕はデッキトップからカードを五枚引いた。本来、デュエル開始前に手札を見るのはご法度だが、既に先攻後攻が決まっているので確認できる。
(悪くない手札かな。これなら……)
このデッキは稀に酷い手札事故を起こす為、この土壇場でそんな悲劇に見舞われなくて安堵すると同時に、この手札で目の前のゴブリン小島を倒す為の戦略を構築する。
……よし、行ける。
思考はほんの一瞬。タクティクスは組み上がっている。
顔を上げ、ゴブリン小島と視線がぶつかったのを合図に、僕達は高らかに宣言した。
「「デュエル!」」
――ルイナVSゴブリン小島 LP4000 1マッチ
先攻は立場的に挑戦者ということになる僕からだ。
構築にもよるが基本的に先攻有利なゲームであるデュエルモンスターズで先攻を取れるのは、僕のデッキ的にもかなりのアドバンテージだ。
「ボクは手札から【破壊剣士の伴竜】を召喚」
宣言しながら、借り物のデュエルディスクにカードを置く。
(すご、本当にモンスターが召喚されるのか)
するとどうしたことだろう。
僕と彼との間にある広い空間、フィールドにカードの絵柄そのままなモンスターが現れたではないか。
まるで本当の生命を吹き込まれたかのように表情豊かなモンスターに、僕は呆気に取られた。
これが青羽の説明にあったソリッドビジョンというものか。
これといい、デュエルディスクといい、僕の居た次元とやらにはあるはずもなかった技術だ。ここが正しく異世界なのだと再認識させられた。
しかし、今はデュエル中。感動している場合ではない。
気を取り直して、僕はプレイを再開する。
「召喚に成功した時、【破壊剣士の伴竜】の効果を発動。デッキからこのカード名以外の【破壊剣】と名のついたカード1枚を手札に加えます。加えるのは【破壊剣-ウィザードバスターブレード】」
【破壊剣士】デッキは、一言で言えばドラゴンを使うドラゴンメタだ。相手のドラゴン族の効果を無効にしたり、相手のモンスターをドラゴン族に変えたり。
しかし、一言にドラゴンメタとは言ってもそれ以外にもやれることは多い。
「【破壊剣士の伴竜】の効果、発動。このカードをリリースして、手札から【バスター・ブレイダー】を特殊召喚」
伴竜が光の粒となって消え、僕の手札からバスター・ブレイダーがダイナミックに跳躍するようにして現れる。僕を守るようにして立つ姿は、誠に遺憾ながら姫を守る騎士のごとく。まあ、所謂マイフェイバリットカードだし、格好良いのは認める。
「……随分簡単に上級モンスターを特殊召喚してくれるじゃねえか」
「こんなのは序の口です。ボクは【バスター・ブレイダー】を対象に手札の【破壊剣-ドラゴンバスターブレード】と【破壊剣-ウィザードバスターブレード】の効果を発動。装備カード扱いとして装備します。この二枚がある限り、貴方はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できず、墓地のモンスターの効果を発動できません」
『おおっと、早くも強固な妨害の盤面が完成している! ゴブリン小島はこの局面を打破できるのか!?』
【破壊剣士】デッキの強みはモンスターを召喚、特殊召喚する回数が少ない上で簡単に妨害の盤面を成立させられることだ。
反面、ハーピィの羽根帚やライトニング・ストームのようなバックを一切除去するカードなんかには弱いが、それでも強固な盤面であることには変わりない。そもそもこのデッキはそんなガチカードを想定して作っていないのだが。
「ボクはカードを1枚伏せてターンエンド」
「妨害を構えつつ様子見ってわけか、なるほどな」
次のターンのリソースを残しておきつつ、これで様子を見る。
二本の破壊剣による妨害とこの伏せカードがあれば、上述のガチカードを相手が積んでさえいなければという前提はあるものの、必ず1ターンはもたせられる。
(伴竜の時、灰流うららや増殖するGは飛んでこなかった。つまり、引いていないか、もしくはそういうカードが積まれていない可能性も……。楽観視できないけど、積まれていたら積まれていたでもやりようはある)
ドラゴンバスターブレードとウィザードバスターブレードが立っていれば滑り出しとしては上出来だ。
青羽の言う特殊なデュエルとやらが何を指して特殊なのかは未だ不明瞭だが、こういう時には無理に展開したりせずに冷静な立ち回りをすることが肝心となる。
僕の知るデュエルモンスターズとは違い、この次元においてはライフポイントは互いに4000。
ライフポイントが8000あった僕の知るデュエルモンスターズと同じ感覚で何度も攻撃を喰らえるような余裕は無い。そこは気を付けねば。
しかし逆に言えば、モンスターが実際にソリッドビジョンで召喚される点とライフポイントが4000しかない点を除けば、今のところそれ以上の変わった点は無いということ。
(嫌な予感しかしないけど。どう来るか)
だが、どうにもそれだけでは無いような気がするのだ。ただこうして戦うだけが目的だとは思えなかった。それだけならもちろんありがたいけど、観客の雰囲気は別の何かを待っているようにも感じられる。
とはいえ、それはこれから始まる彼のターンで自ずと分かることか。
「それなら、俺のターンだ。へへへ、様子見じゃすまないかもなぁ?」
様子見じゃすまない、とは言うが果たして。
身構える僕に対して、不敵な笑みを浮かべながら彼は信じられないカードをプレイした。
「俺は手札から魔法カード【ゴブリンの強姦準備】を発動! その効果によって対戦相手であるルイナ、お前の着ている服を全て剥ぎ取らせてもらうぜ!」
「……は?」
服を、剥ぎ取る?
いったい、彼は何を言っているんだろうか。というかなんだそのカード、見たことも聞いたことも無いぞ。強姦って、あの強姦か? デュエルモンスターズは健全なカードゲームだろうに、何を言っているんだ。
だが、混乱の最中にいる僕のことなどお構い無しとばかりに、プレイされたカードはその効力を発揮する。
「っ、うわっ!? な、なんで!?」
『ルイナ! 早速、その魅力的に過ぎる悩殺ボディを暴かれた! 会場のボルテージは速くも射精寸前だァ!』
ソリッドビジョンによって投影されたのであろう、正しくゴブリンといった見た目の小鬼達が下卑た笑い声と共に現れて、その手の得物で僕のワンピースを下着ごと切り裂いて行った。
残されたのは、全裸に剥かれて、忌々しくもグラビアアイドルのように整った肢体を曝け出すハメになった僕のみ。
中身は男であるとはいえ、それでも衆目の中で一糸まとわぬ姿を晒すことには当然抵抗がある。羞恥も覚えるというものだ。
ぶるんっと揺れる柔らかな巨峰とギリギリ隠し切れない大きめの乳輪をなんとか片手で抑えながら慌ててしゃがみ込むと、囃し立てるような実況、ドッと会場が沸き立ち歓声が上がった。
(っ、クソ、そんなまじまじと見るなよ。僕は男だっての……っ!)
舐められるような視線、下品なヤジ、照明の熱。
羞恥と怒りと緊張とが僕の冷静さを奪おうとする。
明らかにおかしな効果。だが、プレイされたそれは正常に受理されて実際に僕の服を剥ぎ取っていった。
そして観客のこの反応。明らかにこれを期待していたとしか思えない。よくよく辺りを見ると、各所に設置されている大型モニターには顔を赤らめた桃色髪の美少女が恥ずかしげにしゃがみ込んでいる姿が映し出されている。
まるで、そういう設定のアダルトビデオや同人誌だ。その主役が性転換させられた僕とあっては笑える冗談も笑えるものでは無いが。
いや、これは冗談ではないのか。
これらの事実から導き出される答えは一つだけだ。あまりにも悍ましくて、考えたくもないがそうだと判断するしかない。
(特殊なデュエルってこういうことか……っ!?)
考え得る限り、最悪の予想が当たった。
幸いなのは、対戦相手の彼がそれほど欲望に塗れた視線を向けてこないということだろう。
あくまでもこれは仕事だからとでも言うかのような、一種の矜恃。素直に喜べないが、顔、スタイルともに桁外れに整った今の僕の痴態を前にしても、彼は全く動じていなかった。
けれども、彼がそうだとしても周りは違う。そして僕もまたこんなことをされて平気でいられるほど図太くは無い。
「っ、こんな訳の分からないデュエル、やってられません……っ!」
「訳の分からないって、エロデュエルはこのセックス次元じゃ当たり前のデュエルだぜ?」
エ、エロデュエルだとか、セックス次元だとか、馬鹿じゃないのか。あからさま過ぎだ、ふざけているにも程がある。
時間の無駄だ。やっていられるか。なんで僕がこんなこと……!
怒りと羞恥心とでどうにかなりそうだった。
このまま続けていたら、さらに酷い展開が待っているのは間違いない。実際の身体に影響は無いとしても、僕の心は別だ。そんな展開になったら、きっと……。
僕がサレンダーを宣言しようとした、その時である。
彼は真剣な面持ちで口を開いた。
「なんだい、ルイナちゃん。逃げるのか?」
「……っ!?」
弾かれるように彼を見れば、彼は先の真剣な顔とは打って変わって、ニヤニヤと嘲るような笑みを浮かべている。
その目は、先までの対等な相手に向けるものとは明らかに質が違う。格下を見る目だ。
逃げる? 僕が?
違う。こんな馬鹿げたデュエル、続ける意味が無いだけだ。僕は断じて逃げるわけじゃない。
「そのでっけえケツを雌犬みたいにフリフリ振って、サレンダーするってんならそれでも良いさ」
「な、何言って……」
「クク、女の子だもんな、こんな人前でエロい身体暴かれて、怖くてしょうがないんだろ? 今にもビビっておしっこ漏らしそうなら、そう言えば良いんだよ」
これは挑発されているんだ。
堪えろ、僕。乗るな。そんな安い挑発で、尊厳を失いかねないリスクを犯す必要は無い。
ここでサレンダーして、何事も無かったように帰れば良い。
「そうやって様子見って言っても、本当は俺が怖かったんだろ?」
「そんな、こと……っ!」
「言い訳しなくても、お前のことは分かる。逃げたいんなら、正直にそう言えよ」
やめろ、何も話すな────
「あーあ、興醒めだねえ。俺は、とんだ似非決闘者とデュエルさせられたもんだ」
「っ」
僕は、我慢の限界だった。
止めておけ、何もせずにサレンダーしろ、逃げるわけじゃない、僕は何も悪くない。
冷静な、臆病な僕が必死に訴えかけている。でも、もう遅い。
このままサレンダーしたら、僕は僕を許せなくなる。
「───ボクはこの時、罠カード【破壊剣士の揺籃】を発動! デッキから【破壊剣の追憶】と【破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー】を墓地に送り、EXデッキから【破戒蛮竜-バスター・ドラゴン】を守備表示で特殊召喚する!」
「っ!」
立ち上がりながら、僕は伏せてあった罠カードを発動した。
フィールドに風が起こり、全てを呑み込むかのような豪炎を撒き散らしながら、
禍々しい雰囲気を纏った黒き竜。破壊剣士の宿命。
ソレの威圧感を前に一瞬観客席は静まり返り、そして再び爆発した。
『もう駄目かと思ったが、彼女は違ったァ! ルイナ、冷静にカードをプレイしてさらに盤面を整える! 彼女もまた、ひと味違うデュエリストなのかぁ!?』
これで、彼のフィールドのモンスターは全てドラゴン族になり、バスターブレイダーの攻撃力はドラゴン族一体につき500ポイントアップする。
そうだ。僕は並みのデュエリストじゃない。デッキパワーが低かろうとそれは問題にならない。
どれだけ僕がデュエルモンスターズに熱意を注いだと思っているんだ。この程度でサレンダーするほど、僕は冷めちゃいない。コケにされ、舐められたままでいられるか。
どうだと睨み付けてやれば、面食らっていた様子のゴブリン小島はニヤリと不敵に笑った。
「それが答えか。なら、俺も応えなくちゃなぁ! 俺は手札から【二重召喚】を発動する! このターン、俺は二回まで通常召喚が行える! そして俺は、【先兵ゴブリン】を通常召喚。この時、手札から【ゴブリン・チャージャー】を特殊召喚する!」
――――――――――
【先兵ゴブリン】
ATK800 DFE800 レベル4 悪魔族 地属性
(1)このカードは相手に直接攻撃することが出来る。
(2)このカードが相手のLPにダメージを与えた時、このカードのプレイヤーはデッキから1枚ドローできる。
(3)このカードの直接攻撃を受けた相手が絶頂した場合、このカードのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローできる。
(4)フィールド上のこのカードが墓地に送られた場合、デッキから【先兵ゴブリン】以外のゴブリンと名の付いたカードを手札に加えることができる。
【ゴブリン・チャージャー】
ATK1000 DFE0 レベル4 悪魔族 地属性
(1)自分フィールド上にレベル4以下の「ゴブリン」モンスターが召喚された場合に発動できる。手札のこのカードを自分フィールドに攻撃表示で特殊召喚する。
(2)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「ゴブリン」カード1枚を選んで手札に加え、その後手札を1枚選んで墓地に送る。
(3)「ゴブリン」モンスターをアドバンス召喚する場合、このカードは2体分のリリースとすることができる。
―――――――――――
(……うわ、うわぁ)
マジでうわぁとしか言い様が無い。
そんな効果を宿した、あまりにもあまりな見た目の小鬼が二体、ゴブリン小島のフィールドに現れた。ゲゲゲといやらしい笑みを浮かべながら、僕の身体を見つめてくる。怖気がやばい。
早速後悔の念が襲い来る。本当に今すぐ帰りたい。嫌な予感しかしない。貞操の危機をヒシヒシと感じて、知らず知らずに自身の体を掻き抱く。
「【ゴブリン・チャージャー】の効果、俺は手札を一枚捨ててデッキから【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】を手札に加えるぜ!」
手札に加えたのは、確実に上級モンスターだろう。
破壊剣の効果でエクストラデッキの仕様が封じられている今、向こうが取れる選択肢は相当限られているはずだ。
「俺はそのまま【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】をアドバンス召喚! この際、レベル8のゴブリン・ロードは二体の生贄を必要とするが、【ゴブリン・チャージャー】は二体分の生贄として扱うことが出来る!」
なんとも贅沢な効果だ。これで出てくるモンスターの性能が高かったら規制まっしぐらである。
というか、やはりそういうカードがエースなのは間違いないんだよな。……嫌だな。本当に嫌だ。でも、意地でも退くものかと男の矜持が主張している。
「来い、ゴブリン・ロード! あの極上の雌を犯し尽くせ!」
「っ、ボクをそんな目で見ないでください……!」
キモイキモイキモイ。鳥肌が立つ。
向こうは僕のことを純粋に女として見ているのだろうが、中身男な僕としてはそんな目で見られるのは本当に勘弁して欲しい。
彼の呼び掛けに応えるようにして現れたのは、黒い肌をした筋骨隆々の鬼。立派な剣を携える様は貫禄に溢れている。そんな彼のもはや小鬼とは呼べない体躯、その股間にはギンギンに勃起したペニスがそびえ立っていた。
(あれ、絶対にそういうことだよね……)
今の自分がそういう風に見られるのは百億歩譲って良いとしても(嫌で嫌で仕方ないが)、あんなダイレクトに主張されるのは嫌悪を通り越して呆然とするしかない。
雌を統べる者なんて酷い名前で、あんなエグい形をしたちんぽを見せ付けているのだ。絶対におかしな効果を持っているはず。
その予想は見事に的中した。
「【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】の効果発動! 相手フィールドのモンスターを一体選んで効果を無効にする! 俺が選ぶのは【破戒蛮竜-バスター・ドラゴン】! そしてこの際、相手フィールドに女モンスターが存在しない場合、ルイナ、お前にはゴブリンを産んでもらう!」
「……はあ?」
「お前がママになるんだよ!!」
「はぁあ!?」
―――――――――――
【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】
ATK2800 DFE1500 レベル8 悪魔族 地属性
(1)このモンスターがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで効果を無効にする。その後、相手フィールドの女モンスター1体をリリースし、自分フィールドに「ゴブリンの肉便器」(悪魔族・星4・攻/守0)を特殊召喚する。この時、相手フィールドに女モンスターが存在しない場合、相手プレイヤーは「ゴブリントークン」(悪魔族・地・星4・攻/守500)を1体相手フィールドに特殊召喚する。
(2)自分・相手バトルフェイズに自分フィールドの「ゴブリン」モンスター1体をリリースして発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。
(3)このカードが戦闘で相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時に発動できる。相手プレイヤーは「ゴブリントークン」(悪魔族・地・星4・攻/守500)を1体相手フィールドに特殊召喚する。
―――――――――――
「ちょ、まっ、待って!? 本当に! おかしいって!」
流石におかしいと異論を唱えようとするも、それは他でもないゴブリン・ロードによって止められる。
ズカズカと歩み寄ってきたゴブリン・ロードに拳や肘で抵抗するが、逞しい彼の身体はビクともしない。まるで大人と子供、腹立たしいが雄と雌の力の差を見せ付けられているようだった。
「バカ、ふざけんなっ! ボクはそんなんじゃない! クソ、離せよ!」
悔しさ、屈辱感を味わい、このままでは不味いと焦燥感に駆られるも、ただ豊満な胸を揺らしているだけにも思える無駄な抵抗は徒労に終わる。
僕の抵抗を嘲笑うように見下ろしていた彼は、僕の身体をやすやすと持ち上げて向かい合わせると、そのまま僕の股にいきり立った剛直を宛てがい────
どちゅんっ♡
「んぉ゛ぉぉおおっ!?!?♡♡」
一息に、僕のおまんこを貫いた。
まだ誰も通したことのない、誰かを通すつもりなんて毛頭なかった処女肉はいとも容易く割り開かれ、ドス黒く淫水焼けした鈴口が子宮口とキスをしたのがはっきりと分かった。
初めては痛いと聞いたが、痛みなんて感じる暇もなく、僕は女の身体になって初めてのセックスで初めての絶頂を迎えてしまったのだ。
僕の物とは思えない声が、生臭い嬌声となって闘技場に響く。観客席は美少女と化け物のセックスに大興奮だ。
当の僕はといえば理解し難い、したくない現実を、認めたくない存在である女性器から走る快感によって突き付けられて、最悪の現実に打ちひしがれるばかり。
初めて自分以外の存在を、
(ど、童貞より先に処女を失っちゃった……)
悲愴感が僕の内で溢れる。童貞より先に処女を失うことになるなんて、思いもしなかった。恥だ、屈辱だ。ありえない。
こうなることは、サレンダーしないことを選んだ時から薄々理解していたから多少は精神的なダメージも薄いけど、拒絶したいことには変わりない。
男に戻ったら無かったことになるだろうか。いや、無かったことにする。絶対に。
それより今は、この状況をどうにかしないと……。
ばちゅんっ♡
「ほひっ!?♡ お、お前、動くなぁ……!?♡ やめろっ、抜けってぇ!♡ あぁんっ♡ う、くぅっ……!♡」
現状打破の為に思考を切り替えたその時、突如として鋭い快楽が僕の口から間抜けな喘ぎ声を出させた。
その元凶であるゴブリン・ロードを見上げれば、彼は憎たらしい笑みを浮かべるばかり。
睨みつけても動じるどころか、むにむに♡といやらしい手つきで僕の大きな尻を揉む始末。
「ぁ♡ あんっ♡ おま、お前、やめろよぉ……!♡ そんな、風にっ♡ お尻、揉むなってぇ♡」
信じられないくらい甘い、媚びたような声。
耳を塞ぎたくなるけれども、今、彼の首元に抱きつくようにして巻いた両手を離すわけにはいかない。これを離したら、全体重をおちんぽを通して子宮で支えなくてはいけなくなる。それは、絶対にダメだ。
けど、彼はそんな僕の努力を嘲笑うかの如く、僕を犯し始めた。
ずるるるるっ♡ どちゅんっ♡
「んぉぉぉぉお♡ お゛ほぉっ!?♡♡ ゆ、ゆっくり引き抜くのやめぇっ♡ あぁ゛ぁぁぁあ♡♡」
『ゴブリン・ロードの雌殺しピストン炸裂! ルイナ、おまんこアクメが止まらない!』
スローストロークはやばかった。
内臓が引きずり出されるかのような感覚と、膣襞全てを一気に削るような圧迫感。そして、打ち込むようなおまんこピストン。
何度イったのか、数えるような余裕もない。そのおちんぽの前では、たとえ中身が男な僕であっても雌はただ蹂躙されるだけなのだと思わされた。
「や、やめてへぇ♡ またっ♡ また、イクっ♡ イッ、クぅぅぅ〜〜っ!?♡♡」
ぷしゃあっ♡
潮を吹きながら絶頂すると同時に、地獄のような時間は終わりを告げる。
僕の中で怒張が一層大きくなったと認識した次の瞬間。
ぼびゅっ♡ ぼびゅるるっ♡
「〜〜〜〜っ!?!?♡♡♡」
『おぉっとぉ! ゴブリン・ロードの射精が決まったぁ! ルイナ、為す術なくアヘ顔アクメするしかない!』
僕の中で、精液が解き放たれた。爆発した、と表現しても良いかもしれない。
火傷しそうな程に熱いソレは、僕の子宮口から子宮内へと注ぎ込まれると、それだけで僕を数度の絶頂へと導く。
僕は声にならない悲鳴をあげながら、ただただイくだけしかできなかった。
ずるるるっとおちんぽが引き抜かれると、僕は無様にもそれだけでアクメをキメた。
でも、更なる悲劇は、この蹂躙劇がそれだけでは終わらなかったということだ。
「……ほぉんっ!?♡♡」
快感で立っていられなくなった僕は地面にへたり込む。そして自身のフィールドに帰ってゆくゴブリン・ロードを呆然と見送って、何とか息を整えようとしていた時のことだ。
唐突に下腹部が熱くなって、僕は再び嬌声を上げさせられた。
すわ何事かと見下ろして、僕はすぐさま後悔することになる。
「え、うそ……」
そこにあったのは、妊婦のようにぽっこりと膨らんだお腹。恐る恐る触れば、何かが蠢いているのがわかる。
何か、というのは考えるまでもない。
嫌な現実を突き付けられる。呑み込みたくない。
今度こそキャパオーバーになりかけるも、現実は早く、そして無慈悲だった。
「んふっ♡ んぉぉぉ゛っ!?♡♡ まって♡ ほんとに、まってってばぁ♡♡」
どろり、精液と愛液の混ざった卑猥な汁を垂れ流しながら、先程まで雄々しいゴブリンペニスを咥えこんでいた僕の膣穴がくぱくぱ♡と開閉する。
僕の必死の懇願も敢え無く。僕の内側、子宮の中から子宮口をこじ開けて、産道を掻き分けながらそれは産まれ落ちた。
「んほおぉぉぉおおぉおっっ♡♡♡」
口を窄め、絞り出すような情けない喘ぎ声を響かせて。
僕の割れ目から光が迸ると、それはゴブリン小島のフィールドにて小鬼、【ゴブリントークン】となって僕の敵として立ち塞がった。
醜い鬼に種付けされて、その子を孕み即出産アクメした美少女の姿が堂々とモニターに映し出される。観客のボルテージは高まるばかり。
「は、はへっ♡ はひっ♡」
息も絶え絶えに立ち上がる。汗やら愛液やら精液やら、色んな体液でどろどろだ。
でも、まだ休むわけにはいかない。まだ、彼のターンは終わっていないのだから。
「へへ、いいもの見せてもらったぜ」
「はぁっ、はぁっ♡ ……んくっ、それは、良かったですね……!」
やっとの思いで息を整えてゴブリン小島を睨み付けた僕に、彼は更なる絶望を示した。
「それじゃあ、バトルフェイズだ。この時、俺はゴブリン・ロードの効果を発動するぜ。【ゴブリントークン】をリリースすることで、このターンの間、ゴブリン・ロードの攻撃力は1000アップする!」
「っ!?」
ゴブリン・ロードがゴブリントークンを己の剣で両断する。同族であっても、彼の前ではその命など容易く奪われる程度のものでしかないのだろう。
攻撃力3800。こちらのモンスターの最大攻撃力は効果で1000アップしているバスターブレイダーですら3600。驚異的と言うしかない。今の僕ではどうしようもできない。
その上、相手の場のもう一体【先兵ゴブリン】には直接攻撃効果がある。このエロデュエルとかいうおかしなデュエルで、それ専用のモンスターによる直接攻撃など嫌な予感しかしない。
「先ずはこいつからだ! 【先兵ゴブリン】は相手プレイヤーに直接攻撃できる! 【先兵ゴブリン】でダイレクトアタック! ゴブリン愛撫!!」
「ぁ、こらっ、やめっ♡ んぁぁぁあっ!?♡♡」
大きく跳躍したゴブリンは、僕の身体に抱きつくと最も目立つ大きな乳房に手を伸ばす。そして、無遠慮に弄くり回しだした。
ぐにぐにと痛みを与えず、しかし弱くもない慣れた手つき。雌をその気にさせる手業。如何に心が男であっても、身体は屈する手間だった。
「ん♡ ふうっ♡ や、やめろぉ♡ ボクの胸で遊ぶなぁ♡ あんっ♡」
骨ばった手による繊細な乳首愛撫。揉みしだきながら、先端で主張する薄ピンクの乳首を執拗にこねくり回す。
先程のゴブリン・ロードとの異種姦交尾で出来上がっていた僕は、たったそれだけで甘い快感に腰砕けになってしまう。
デカ乳輪を擽るように触れば、油断したところで乳首をギュッと摘む。
疼く下腹部、強くももどかしい快感にくいっくいっ♡と腰をいやらしく引いてしまう。それを見てか、先兵ゴブリンは更に乳房への攻勢を強めた。
そうして……。
「んふぅっ♡ いくっ♡ いくっ♡ イかされるぅっ♡ はぁぁぁあんっ!♡♡」
――ルイナ LP4000→3200
僕は男なのに、女の子みたいな声を上げて情けなく絶頂してしまった。
甘い恍惚感が脳みそまでを痺れさせる。陶酔感が全身を支配した。
「イったな。なら、俺は【先兵ゴブリン】の効果で合わせて二枚、デッキからカードを引かせてもらうぜ」
「ふーっ♡ ふーっ♡ ……ん、くっ♡」
信じられないぐらい凶悪な効果だ。
悪態のひとつでも吐きたいところだったが、未だ快感が巡る身体ではそれも難しい。色っぽい吐息を吐きながら、睨み付けるのが精一杯。
「それじゃあ本命だ! 【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】で【バスター・ブレイダー】を攻撃!」
「バスター・ブレイダー……!」
――ルイナ LP3200→3000
ゴブリン・ロードの剣がバスター・ブレイダーを一撃で沈める。僕は悲鳴のような声を上げることしかできない。
しかし、煙が晴れた時、そこには片膝を着きながらも健在なバスター・ブレイダーの姿。
「……ボクは、墓地の【破壊剣士の揺籃】の第二の効果を発動! このターン、自分フィールドの破壊剣カードは戦闘、効果では破壊されない!」
「へえ、エースは守り切ったか。だが、効果は受けてもらうぜ」
「っ!?」
ぞわりと怖気。ここで発動する効果は、どうせろくでもない効果だ。流石にこれで勝敗が着くとは思えないが、なんにしても喜べるものでは無いのは確かである。
とにかくバスター・ブレイダーは守った。まだ次のターンがある。
そう終わりではないと分かっているのに、これから訪れる惨劇を前に無力感が去来する。強大な雄を相手に、僕の中の闘志が萎えていくのが分かった。
僕を再び犯そうとゴブリン・ロードがゆっくりとした足取りで歩いてくるのが見える。
「【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】が戦闘で相手プレイヤーにダメージを与えた時、効果発動! さあ、ルイナ、もう一度ゴブリンを孕んでもらうぜ!」
「……い、いやだっ……! やめろ! もうやめてっ! もういやぁっ!?」
その威容に腰が抜けて立てなくなる。先程の快感を身体が思い出して交尾の準備を始める。僕は無様にも身体を引き摺って、ゴブリン・ロードから逃げようと後退りするだけ。
しょわしょわしょわ♡と股座が生暖かい液体に濡れる。ツンとアンモニア臭が漂った。
『ルイナ、ゴブリン・ロードを前にお漏らししながらおまんこ命乞いしている! あれだけ気丈に振舞っていたルイナも、ゴブリン・ロードを前にしては一匹の雌に過ぎないのか!』
雌じゃない。僕は男なんだ。そう言い返す余裕なんて疾うに無かった。ただ逃げたい一心の僕に観念しろとばかりにゴブリン・ロードの逞しい掌が迫る。
そのままひょいと僕を抱き上げて立たせると、後ろを向かせたまま両手を持って、彼は己の剛直を再び僕のおまんこに擦り付ける。
果たして、拒絶する男の精神とは裏腹に僕の女の身体は正直だった。
くちゅ♡くちゅ♡と粘った音。解れたおまんこが、ソリッドビジョンによる仮想現実とはいえ、初めてを奪った雄々しいソレを待ち侘びて媚びるようにとぷり♡と白く濁った本気汁を吐き出した。
「いや、やだ……! ボク、もうゴブリンなんて産みたくない! 女にされたくない……! やめろってぇ!」
涙が出てくる。恥も外聞もなく、ボクはゴブリン・ロードからの強引な寵愛を拒絶する。
それでも、その懇願に意味は無く。彼は弓のように腰を引き絞ると、その雄マラを僕のおまんこに勢い良く突き立てた。
ごちゅっ♡
「んお゛お゛ぉお〜〜〜っ!?♡♡♡」
視界が白く弾けた。肉竿が膣肉をゴリゴリと削り、僕は堪えるなんて考えることすら出来ないほどの快感によって簡単に絶頂させられる。
足が浮いた。子宮を押し上げ、そのままゴブリン・ロードの肉棒だけを支えにした状態になる。獣のような声を上げる僕の姿がモニターに映し出され、観客は立ち上がって歓声をあげていた。
(これ、やっばぁ♡ 死ぬっ♡ イき死ぬ♡)
ただ入っているだけで何度も絶頂してしまう。これが動いたらなんて考えるのも恐ろしい。
でも、今の僕は動かないでなんて言える立場に無いのだ。
「ひぃいっ♡ だめっ♡ 今動かれたらぁっ♡ ほぉぉぉお゛っ♡ イッくぅぅ〜♡♡」
ゴブリン・ロードが躊躇なく腰を降り始める。ずろろっ♡と内臓を掻き出すかのようなストロークと、時々織り交ぜられる浅い所を擦る早めのピストン。
ただでさえ立っていられなかったのに、おちんぽを支えに無理やり立たされていた僕はとうとう地面に膝をついてしまう。大きな胸を地面に押し付け、獣の交尾のような体勢で腰を何度もお尻に打ち付けられた。ただただ僕の膣穴でおちんぽを扱く、まるでオナホールのような扱い。悔しさに涙が出る。
絶対に許さない。快感の濁流の中で再び恥辱、屈辱への怒りが燃え上がる。その時だった。
すぱぁんっ!♡
「あひぃんっ!?♡」
唐突にお尻に走る衝撃と痛み、そして確かな快感。
何事かと首だけ振り向けば、ゴブリン・ロードは優しげな手つきで僕の大きなお尻を撫で回す。ぞくぞくと悪寒にも似た快感が走った。
そして、もう一度とばかりに手を振り上げて────
ばちぃんっ!♡
「ほひぃぃいんっ!?♡♡」
手形が残るくらいの強さで僕のお尻にスパンキングした。
そして、僕は信じられないことにお尻を叩かれて絶頂してしまったのである。
『おおっと、ルイナ、デカい尻を叩かれて屈辱アクメ! ぶるぶると腰を震わせて快感に浸っております!』
実況の声で、初めて僕は自分がスパンキングで絶頂したことを理解した。そして、これ以上ないほどの羞恥心で顔を赤く染め上げた。
(〜〜っ!? こ、これじゃあボクがマゾみたいじゃないか!? ボ、ボクはマゾの変態なんかじゃ……!)
必死に否定を並べ立てるも、それに意味が無いことくらい分かっていた。紛れもなく、僕はスパンキングでイったのだ。
受け入れ難い現実に呆然としながら、ゴブリン・ロードの自分本位なセックスに快感を押し付けられていると、ゴブリン・ロードが息を荒くしているのが分かった。僕の中でおちんぽが再び膨れていることも。
「っ、離れろ!♡ 離れろっての!♡ ぁあんっ♡ く、そっ♡ ふざけんな!♡ 出すなよ!♡ あぐっ♡」
出されてなるものかと自由になっている足でゴブリン・ロードを蹴り付けて暴れると、彼は煩わしそうに荒く鼻息を吐いて僕の頭を地面に押し付けた。
押さえ付けられる痛みよりも、まるで服従させられているような、簡潔に上下関係を教え込まれているような姿勢、倒錯的な感覚に屈辱感を覚えずにはいられない。
やがて、きゅうきゅう♡と締め付ける僕の腟内で限界に至ったゴブリン・ロードは一際強く唸ると、僕の中で精を解き放った。
「あへぇぇぇええぇええ!?♡♡♡」
熱くドロドロと粘る特濃ザーメン。
子宮が満たされてなお、逆流するほどの量と勢い。
満足したらしいゴブリン・ロードを恨みがましげな目で見つめれば、再び訪れるあの感覚。
「んほぉっ!?♡」
ぼこんと膨れ上がるお腹。
信じられないことに、今でこそ身体は女のソレだが僕は男でありながら二回も妊娠してしまったのだ。それもゴブリンという異種族の子を。
「あ♡ ぁあ……♡ ま、またぁ♡ 産まれるぅ♡」
嫌々と首を振るものの、この時の僕は僕でさえ知らない内に、その快感を期待していたのだと思う。
その証拠に、僕の顔は隠し切れないくらい悦に歪んでいた。
「んきゅぅうぅぅうッ!♡♡♡」
どろり、注ぎ込まれた精液と共にもう一度僕の股座から光が溢れ、ゴブリン小島のフィールドにゴブリントークンが生成される。
尋常でない快感に飛ばされそうになる意識を繋ぎ止めるだけで精一杯だった。
「俺はカードを一枚伏せてターンエンド! ……ルイナちゃん、どうする? サレンダーするか?」
「……」
ゴブリン小島のターンエンドと共に【破戒蛮竜-バスター・ドラゴン】が粒子となって消える。
それを眺めながらしばらく放心していると、先までとは打って変わってそれとなく心配そうな顔でゴブリン小島が問い掛けてくる。
僕はそれに面食らいながらも、同時にどこか納得した。
(エロデュエルは、この世界じゃ当たり前の戦いなんだ)
故にこそ、所謂プロと呼ばれるデュエリストはそのプレイングに誇りを、デュエリストとしてプライドを持って臨んでいる。
きっと、ゴブリン小島だってそうなんだろう。
ただ僕を私利私欲のために辱めているのではない。プロのエロデュエリストとして、僕とエロデュエルで一対一の決闘に興じているのだ。
だから、エロデュエルに関しては素人も素人、なんなら存在すら知らなかった僕が折れてしまわないよう、エロデュエルを恐れないようにこうして時折気遣いを見せている。
彼もまた、当たり前の娯楽に真剣に向き合っているんだ。
『ルイナ、立ち上がった! 不屈! これが不撓不屈の決闘者だ!』
そう思うと、僕はもう一度快楽に屈服した身体を奮い立たせることができた。
恥ずかしさや屈辱感は微塵も和らいでいないものの、サレンダーなんてするものかと、生来の負けん気が再び顔を出した。
僕はデュエリストだ。
「……絶対に負けません……! ボクのターン、ドロー!!」
引いたカードを認め、そして驚いた顔のゴブリン小島を一瞥して、僕はニヤリと笑みを浮かべて見せた。
こういう時、おあつらえ向きの台詞がある。
勝利の方程式は揃った、と。
「ボクはフィールドの【破壊剣-ドラゴンバスターブレード】の効果を発動! 装備カード扱いのこのカードを自分フィールド上に特殊召喚します! その後、【破壊剣-ウィザードバスターブレード】の効果、装備されているこのカードを墓地に送り、墓地から【破壊剣士の伴竜】を手札に加える!」
「自分から制圧を解いた……?」
「勝ちに行きますから……! ボクは【バスター・ブレイダー】と【破壊剣-ドラゴンバスターブレード】をリンクマーカーにセット!」
そう宣えば、目の前には八方向に向けられたマーカーを備えたサーキットが出現し、右下、左下方向に僕のフィールドから二体のモンスターが当てはめられる。
「リンク召喚、リンク2【破壊剣士の守護絆竜】!」
「リンク召喚……っ!?」
「【破壊剣士の守護絆竜】の効果! デッキから、破壊剣カードを1枚墓地に送り、手札から【バスター・ブレイダー】を特殊召喚する! 僕は【破壊剣一閃】を墓地に送り、【バスター・ブレイダー】を特殊召喚!」
「っ」
ゴブリン小島の顔色が露骨に悪くなったのがわかった。この後、どのように動かれるにしろ、旗色が良くないことを察したのだろう。
再び現れる剣士。僕はその伴竜をもう一度召喚する。
「【破壊剣士の伴竜】を召喚し、効果発動! デッキから【破壊剣士の宿命】を手札に! そして、レベル7【バスター・ブレイダー】にレベル1【破壊剣士の伴竜】をチューニング!」
「今度はシンクロ召喚か……!」
「現れろ、レベル8! 【破戒蛮竜-バスター・ドラゴン】!」
そして同じように再び降臨する破壊を齎す蛮竜。
「【破戒蛮竜-バスター・ドラゴン】の効果! 自分フィールドに【バスター・ブレイダー】が存在しない場合、墓地から【バスター・ブレイダー】を特殊召喚できる!」
「っ、だが、それでは俺を仕留め切ることはできないぞ!」
「……それはどうかな?」
確かに、今の盤面では彼のライフポイントを削り切る事はできない。
だが、僕は勝ちに行くと言ったはずだ。
「───墓地の【破壊剣の追憶】の効果、発動!」
「何だとっ!?」
「墓地の【バスター・ブレイダー】と【破壊剣-ドラゴンバスターブレード】を除外し融合召喚!」
「融合召喚までも扱うのか……!」
勝利のための、最後のピース。
このデッキの最強の
「融合召喚! 宿命を切り裂き、現れろ、【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】!」
荘厳な雰囲気を纏った竜破壊の剣士が君臨する。
その威容を前に、ゴブリン小島のフィールドのモンスターは全て守備表示となる。
いま、僕の場には【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】に【バスター・ブレイダー】、相手フィールドのモンスター全てをドラゴン族に変える【破戒蛮竜-バスター・ドラゴン】に加え、【破壊剣士の守護絆竜】がいる。
これで、全てのピースは揃った。
「バトル! 【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】で【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】を攻撃! この時、【竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー】の攻撃力は相手フィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×1000アップする! そして貫通効果を持つ!」
「つ、つまり、攻撃力5800の貫通効果持ち……!?」
「そして【ゴブリン・ロード-雌を統べる者-】の守備力は1500。その差は4300!」
この世界でのライフポイントは4000。
それが意味するのは実に簡潔にして明快。
「散々人のこと辱めてくれましたね……!」
「え、あ、いや、おう……」
「敗けて詫びろ!
───バスター・ブレイダー、破壊剣一閃!!!」
大剣を構えた剣士が踏み込み、異形の王を一太刀の元に断殺する。その斬撃の威力は勿論それだけに留まらない。
後ろで申し訳なさそうにするゴブリン小島は最後に悟ったような顔を浮かべて……。
「役得だったぜ」
そう言い残して、極光にさらわれた。
――ゴブリン小島 LP4000→0
――WINNER ルイナ
『……な、なんということだ……!? ゴブリン小島が、破れた……!?』
デュエル終了のブザーが鳴り響く。
勝ったのだ。辱めを受け、女になって早々に犯されるだけでなく、二度も出産を経験しながらも勝ったのだ。
予想外だったのであろう結末に会場はしんと静まり返り、実況は放心気味に事実を口にする。
僕は少し居心地が悪くなって目を逸らした。
「「「───うぉぉぉぉお!!!!」」」
その次の瞬間、会場が割れんばかりの歓声に満たされて、僕は慌てて耳を両手で抑えることに。
「「「ル・イ・ナ! ル・イ・ナ! ル・イ・ナ!」」」
気が付けば、会場に響く僕の名前のコール。
呆然とするしかない。
それは状況を理解出来ていなかったとか、そういう理由ではなく。
(……なんだ、この感じ。鼓動が高鳴ってる……ときめいてるのか?)
どくんどくんと脈打つ鼓動。身体中に巡る喜びの感情。
あんなに痴態を晒させられたというのに。僕のことを称える会場の声に、僕は怒りも喪失感も屈辱も何もかもを忘れて確かな喜びを感じていた。
自分で自分が分からないとはまさにこの事か。
つかつかと反対から歩み寄ってくるゴブリン小島の醜い容姿すら、今の僕には束の間の熱線を共にしたライバルの姿に見えていた。
「……良いデュエルだった。ありがとう」
「え。あ、こちらこそ。貴方も強かったですよ?」
「それは光栄だな。また機会があればよろしく頼む」
戸惑いながらも、差し出された手を握り返す。
健闘を称え合うというのはこういうことなのか。元の世界では何もかも知ることの出来なかった感覚だった。
「は、はい……。って、もうこんなデュエルは……!」
二度としない。そう言おうとするも、既にゴブリン小島の背は遠くに。
一人会場に残された僕は、未だ鳴り止まぬ歓声を浴びながら思う。
これは、うん。なかなか悪くない。
エロデュエルなんて真っ平御免だが、こうした真剣勝負の末に得られるこの感情は好い。癖になってしまいそうだ。
「……どうしよう……♡」
満更でもない声色に僕は気が付かず、ただ、今はこの心地良さに身を委ねるばかりであった。
――次回予告――
あ、これ毎回やるんですね……。
いきなりハード過ぎて尊厳がヤバいですが、僕はなんとか元気です。
でもデュエルは楽しかったですね。
ただ、どうやら男に戻るのはまだまだ難しそう。元の世界に帰るには先に性別を元に戻さないと。
……それまでは、うん、この世界のデュエルを堪能しても良いかもしれない。勿論、エロは無しで!
とはいえ、流石にエロデュエルなんて予想外過ぎたけれども、勝てば官軍負ければなんとやら。僕とバスター・ブレイダーデッキならこの先もやって行ける……かも。
え? エロデュエル専用の新しいデッキをくれる? バスター・ブレイダーは使っちゃいけない? 分身カードは僕自身と感覚同期?
次回「新たなデッキ」
いやいやいやいや、これちょっと、ヤバくないですか? え、返品不可? そんな……。