タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
国領と別れた後、自転車を走らせて日蔭谷に向かう。
途中のスーパーで適当に必要そうなものを見繕う。トイレットペーパーと紙おむつは必須。
後は野菜とか肉類とか、生鮮品だな。一応缶詰も借家にあったけど、そんなのばっかりじゃ良くないよね。
なんだかんだで急いだので、そこまで遅くはならなかったようだ。
残照のきつい庭に、人影はない。縁側はガラス戸があけられ、網戸にして風がとおるようにしてある。
廊下をはさむ、縁側の内側の部屋の障子は閉められていて見えない。
ここから上がりこんでもいいんだけど、一応、こんちわー、志野です!と呼び掛けて玄関に回る。
内側から、ぽとぽととんとんと複数の足音が玄関に向かい、かちゃりと鍵が開けられた。
「志野くん!」「こんにちは」「あー、かたぶる!」
玄関をあけてくれた紫藤、ナギさん、たっくんから挨拶があり。
奥のふすまも開いて、紫藤弟と紫藤実父の姿が見えた。
「おう、ありがとう。」
これ、買いだしてきたよ、と買い物を袋ごと紫藤に手渡す。わー、ありがとう、と元気に答えて紫藤は冷蔵庫のある台所にそれを持っていった。
「ありがとう、ございます。」
ふんわりと大人の女性の奥ゆかしさをみせて、ナギさんが微笑む。スーパーの衣料品コーナーで買ったバレッタが買い物袋の中にあることを伝えると、ぱあっと花開くような笑みを浮かべ、熱烈によろこんでくれて、お礼を言われた。
黒めのうっぽい感じに似せたセルロイドの、夏目漱石2枚もしない安物なんだけど。申し訳ないな。
まだ短い間なのに、たっくんはすっかり明るい年相応の無邪気さを回復したようだ。ぴょんぴょんというかどすどすと跳びながら、かたぶる!かたぶる!と言っている。
リクエストに応えて肩車をしてあげて、台所に向かう。もちろん鴨居にぶつからないようにぎゅうっと腰をかがめる。きゃあきゃあとたっくんが興奮した声を上げてる。
「紫藤、冷蔵庫入る?入らなかったら、悪いけど持って帰ってくれるとうれしい。」
「大丈夫だよ!でも、入りきらないタマゴとか少し持って帰るかも。」
思ったより卵は消費されてなかったか。まあ干物とか買ってたしな。
あと、たしか紫藤は卵好きだったな。
たっくんを丁重に下して(抗議して地団太ふんでるから少しだけ高い高いをしてあげた)、ナギさんに回収してもらい。
こっそり人のいなくなった台所で、すばやくキスをして。
お互い顔をトマトにして、むふふと笑いあった。
顔のほてりが冷めたころに、紫藤実父と紫藤弟のいる居間に入ってみる。
もごもごと紫藤弟が礼をいう。紫藤実父の表情も穏やかで、どうもそこまで大喧嘩みたいなことにはならなかった模様だ。
というより、二人とも話はあまり盛り上がらず、手持無沙汰みたいな感じだったみたいだな。
古いラジオと写りのよくないテレビがあり、二人でテレビを見ていた模様。夕方のニュースが映し出されていた。
紫藤弟は、じゃあ、と決まり悪げに挨拶して、居間から出ていく。おい、僕みたいなコミュ障を残すなよ。
紫藤弟はなんか紫藤と台所で話してて、えー、とか声を上げてる。まあ姉に甘えてるんだろう。
紫藤実父と僕は、顔を見合わせ、なんとなく苦笑しあい。
テレビのニュースをみて、あたりさわりのない世間話をした後。
僕はいくつか知りたいことがあり、あの飯場について紫藤実父に尋ねた。
多くの点は、元さんを通じて調べてもらったことに一致していたが、暮らしぶりの体験談とかは、当事者の視点だけあってなかなか悲惨なものがあった。
基本、衣食住は供給されるのだがものすごく高い。最低賃金を支給してもらうらしいが、半分以上が寮費と食事費で召し上げられるシステム。安菓子の袋が1000円、酒もワンカップ○関が1000円。衣服もどうみても古着だったりするのが1万円、ごく普通の下着が3つ3千円とか。手元に金がないと全部借金になる。利息は高くてどんどん借金が増える。
基本、外には自由に出してもらえないので買うしかない。さらに体調不良で欠勤すると借金が増えていく。文字どおりお金をかせぐどころか借金が雪だるま式に増えていくものが多いとか。もちろん飯場側もそれを狙ってるんだろう。
女を買うことができ、これは意外にも外の相場よりは高めだがそれほど変わらない程度に設定してあったらしい。何かの思惑があったのだろうか。
なお紫藤実父は冬を経験してないが、すごくプレハブと馬小屋は寒いと仲間に聞いたらしい。紫藤実父はプレハブ組で虫の侵入とかはなかったらしいが、暑かったとか。馬小屋組はさらに悲惨だったらしい、と遠い目をしていた。百足がそこらに這っていたり。ちなみにもちろん4人で一部屋六畳間、二段ベッド2つ。プライバシー皆無、いびきで目が覚めること多数。
飯場の運営側の暴力行為等についても話を聞いた。うん、ひどいね。反抗的な労務者は殴られたりつるされたり飯を抜かれたり、奴隷の扱いだ。
飯場から円満に退職したという者は少ない(全くいないわけでもないらしい)。長年いると、牢名主みたいな感じでもはや運営側に癒着してるものもいるとか。またここでの業務に耐えなくなったとして、別の飯場に移れ、と言われて移っていく人もいるというが、そうした人たちが本当に他の飯場に移らせてもらえたのかちょっと怪しいと僕は思っている。
脱走者もなくはないらしいが、紫藤実父のいた間には成功例はなかったようだ。一人失敗して、足腰立たなくなるくらい叩きのめされていたとか。古株の労務者は、ここ数年成功例はないと言っていたそうだ。
逃げ出して密告をした者が突き止められ、なぜか多賀島湾に死んで浮かんでいたという事件もあったといわれている。都市伝説みたいなものかもしれないが。
直接に運営側からは言われはしなかったものの、労務者間では噂がささやかれていたらしい。運営側は、ヤバい組織とつながりがある、それにやられたのだと。
まあそれが都市伝説でないなら、そうなんだろうな。
だから逃げ出しても密告する、みたいなのはとてもできる感じじゃなかったと言っていた。紫藤実父自身、今、訴える勇気はないとのこと。
労務者間のいじめみたいなのもあったらしく、おっとっと、と事故を装って殺された者も過去にはいたとか。
しかもやった側、例の牢名主みたいな人間はそれを武勇伝のようにゲラゲラ笑いながら言いふらしてて、紫藤実父的にはドン引きしたそうだ。
業務は苛酷な肉体労働で、紫藤実父もかなり体重が減ったと言って、お腹をぽんぽんと叩いて笑っていた。
ちなみにかなり落ち武者チックだった顔は、ひげを剃り髪を切り整えた今、赤く日焼けはしているがちゃんとした社会人に見えるくらいに復旧された。
紫藤実父は、もとは信用組合で働いていたとか。会計知識とか、期待できるかな?
僕が話した印象の限りでは、紫藤実父は常識的で温厚なお父さんという感じだ。
ちょっと世渡りは下手かもしれないし、話が回りくどいところとかあるけれど、好人物のうちに入るだろう。
ひとつ、どうしても気になっていたことがあったので紫藤実父に聞いてみる。
「飯場で、ヤギとか羊とかを飼ってたこと、ってありませんか?」
紫藤と最初に飯場を発見したとき。紫藤は乗り込んだ物資輸送用のトラックに、ヤギなどがいた、と言ってた。
気になったんだ。そんなもの、飯場で飼うのか?近所の農家に届けるためか?
「あー、あのヤギとかか。なんだったんだろうね?」
紫藤実父にもわからないらしく、また仲間にも聞かなかったらしいが、1週間に1度、多い時には2度、生活必需品等の買い出しにあわせたりして(かなりの高頻度だ)、そういった小型・中型の家畜が運ばれてきて、一時的に飯場につながれていたそうだ。
紫藤実父自身は一度だけ、ヤギが誰かに引き渡されるという光景を目撃したらしい。ヤギ3頭が檻から出されて、首輪につながれた縄で引っ張って行かれていたそうだ。
「近所の農家なんだろうな。夕方で遠目だったけど、渡した相手は女性複数だった気がしたな。よく連れていけるもんだと思ったよ。」
「それ、軽トラか何かで運んでました?」
「いや、それがね。徒歩だったと思うよ。」
あの近辺では、あの川の近くの廃集落(ダム工事の関係で補償金ももらって移転することになってるらしい)くらいしかめぼしい人家はなかった気がする。
もちろん孤立した農家もあるのかもしれないが、そんな頻繁に家畜を買うのかな?毎週ペースで?
まあ、新規に畜産を始めたばかりで、数を増やしてる途中なのかもしれない。
家畜はそれなりの価格もするんだろう。人間にもろくなものを出してなかった飯場が、そんな高頻度で無償提供するとは思えないから、何らかの取引だったんだろうが、――。
しかしな。自動車がないとこんな山奥。気軽に買い物なんかできないぞ。
いくつか気になっていた、飯場のことをさらに聞く。
なになに、雑誌はそんなものが買えると。高いですね。ほうほう、女の人とはそういう感じで、――。
コホン、と声がして、紫藤やナギさんたちが入ってきた。紫藤実父が、ばつが悪そうに口を閉じる。僕も。
今日は紫藤継父は帰宅が遅いそうで、紫藤たちは早目に食事をここでとって帰るつもりらしい。
加わりたい気はするし誘われもしたが、今日は帰る。調布の電話も受けるしな。
紫藤は台所で調理している。紫藤弟もなにかこき使われている気配。
なんか居場所なく、玄関横の下の座敷にうつり、帰ろうかと考えていた僕に。
かたぶるかたぶる僕に向かってさわいでいるたっくんを捕らえてだっこしたナギさんが、すすっと寄ってきて、改めてお礼を言われる。いえいえそれほどでも。
とくに不足しているものはないが、紙おむつはたいそう喜ばれた。いままでタオルでしのいでいたらしい。
おまる代わりに洗面器を使って練習させていたみたいだが、まだ失敗率が高いそうで。
この時代は、まだ布おむつがよいと思われてるみたいだが、姉の子供たちを見る限りは大差ない。気にせず使ってください、と言っておく。
ナギさんはいう。再び親子でずっと一緒にいられて、幸せをかみしめている、こんなに幸せで怖いくらいだ、と、顔を輝かせていう。
でもいつまでもここにいられるわけじゃないし。なんだかぬか喜びなんじゃないか、と悪い気がしてくる。
ナギさんは体調も悪くなさそうだ。良く食べられて、よく眠れてるってことだと思うけど。ーーそう、眠れてるっていうことは?
ちょっと気になっていたことを、聞いてみる。
「その、――ちゃんと眠れてますか?」
「!」
そう、ナギさんは特殊な不眠症だったはずだ。たぶん精神的なもの。強迫観念みたいなものと思うが、精を取らないと眠れないという。
聞かれて、ナギさんは自分でも忘れていたらしく、あっ、と意外そうに目を見張り、しばし考え。
「そういえば、眠れてますね。」
そう、言う。
本人いわく、紫藤のお父さんとは、脱出後は何もありません、とのこと。
紫藤実父がこっそり食事に精○を入れたり、ナギさんの歯ブラシに塗りつけたり、寝たナギさんの口に垂らしたりするようなド変態でない限りは、そういったものは摂取していないということだ。
でも、ちゃんと眠れているそうだ。
つまり、治った?
子どもに振り回されてよく運動してるからかもしれない。
あるいは、お日様をちゃんと朝あびて、昼夜が正常な状態になったからかもしれない。
そう仮説を述べてみたが、ナギさん本人はうーん、と首をかしげている。
今思えば、脱出の少し前から不眠が消えていた、とのこと。たぶん、精神的に脱出の希望が得られて、何かのストレスから開放されたからじゃないだろうか。
近日は体調もよいとナギさんは言ってる。同じ理由、つまり脱出できて精神的負担が軽減されたからだと思う。
そういえば初対面のときはかなり目立ってた白髪は、ほとんどなくなってる気がする。肌もつやつやしてる。
ちなみにご年齢はこの秋の誕生日で31になるとか、本人から言ってきた。もとの世界の僕とならちょうど釣り合う年齢かもしれないと頭で考えてしまい、自分が少し嫌になる。
ナギさんは今は年齢相応か、もう少し若くにすら見える。
ただ修羅場をくぐったこの落ち着きは、年不相応だな。
ああそうだ、元気そうには見えたとしても、少しいろいろ落ち着いたらお医者さんを手配してちゃんと見てもらわないとな。ひどい生活だっただろうし、感染症も心配だ。
たっくんが生まれてから、ナギさんが行けてないという歯医者さんにも。
それにたっくん自身もだ。予防接種を確認しなきゃね。母子手帳あったっけ。
そんな話をして。すこし話が尽きたとき。
うとうとしてきたたっくんを、片腕で肩にその頭をのせるような形で抱き上げたままで。
そっともう片手で、僕の手を握って。
――ありがとうございました。なんにも用事はなくていいですから、是非、また来てくださいね。
そう、耳元で心細げに、せつなげにささやかれた。
はっとして、ナギさんの顔をみる。
僕にはそういう機微はわからないのだけど。
軽く微笑んでる、夢二の絵のモデルみたいな薄幸そうな印象のあるナギさんの切れ長の目に浮かんだ感情。
しいて言えば、無限の名残惜しさ*1とでもいうべきものの欠片を感じて、瞬時、目と言葉を奪われた。
その永い一瞬の後。
紫藤が、あれ、志野くんは?と料理を居間に持っていき、僕がいないことに気づいて声をあげ。
僕達のいた、玄関近くの下の座敷に、ふすまを開けてやってくる。
その一瞬前に、ぼくの手は離され、ちゃんと二歩分の距離が復活していた。
微笑んで、ナギさんは再度、お礼を言って優雅に僕に頭を下げ。
紫藤だけでなく紫藤実父、紫藤弟もどやどやと見送りに出て来て、ひとときの魔法は破れた。
じゃあ、また来ます、と見送りに出てきた皆に挨拶して。
自転車に跨がり、片手を上げて振り返らずに道に走り出て。
しゃにむにペダルを漕いだ。にぎられた手だけじゃなく、何かとても体が熱かった。
当たる風をもっともっと強くしたくて、全力で自転車のペダルを回し続けた。
―――――
時間はまだ早い、午後7時頃。日蔭谷はちょっとしかいなかったし。
まっすぐ帰って、調布の電話を待とう。
そう思って、鳥兜団地への急坂を自転車で駆け上る。
半年前は無理だったけど、今だと少し太腿が張るけど乗ったまま上まで行ける。少し体力がついたかな?
自宅に到着。父はまだ帰っていない。母親が待ち構えていたように食事を出してくる。
成績については報告。喜ばれたけど、なんとなく過大評価気味でうしろめたい。
これ最大瞬間風速みたいなものだから。たぶん今回だけ。これ以降は取れないと思うよ、と牽制。
それと、もしかすると電話次第だけど、ちょっとだけ外に出るかも。うん、1時間くらい。近いうち提出の課題の関係で、なんていう嘘話をする。
ちょっぴり遅くなるかもしれないけど、塾通ってる子たちは10時帰りだよ?とか言って。
もしも調布に呼び出されたとき対策の根回しだ。いきなりだと信用なくす。
すぐ坂を下りた近所だから、ということにして、まあ成績も良いからというので渋られながらもOKが出た。
まあ、家を出ちゃえばこっちのもんだよね。
多分、無事電話はかかってきて待機解除になると思うんだ。
なんか調布は用心してたみたいだけど、そこまで重い案件とは思えない。
バイクの借料としておとなしく体を差し出せ!ゲヘヘ。――なんてことはまずないだろう。
あれ、でも。
ちょっとみなぎってくるシチュエーションじゃないか。
きっと「バイクには跨れたんだろう。じゃあ俺にも跨れないわけないよな?ああ?」とか、モヒカン男が言うんだ。
「聞いてないわよ!」みたいに調布が言うけど、でも借りたものには返さないといけない。
だから、口の端をぎりっとかみしめて、スカートを捲って、――
いい感じだ、ちょっと今日はこの線で妄想を膨らませて抜こう。そうしよう。
宿題を手早くすませて入浴し、扇風機の風を浴びながら思わず本に手が伸びる。
安逸に慣れると、もういらん苦労はしたくないなーと思い始めるのが人の常。
だってお風呂も入ったし。熱帯夜なのに外に出て汗かきたくないよ。
しかし、そううまくはいかなかった。
電話が鳴ったのは、かなり早かったと思う。8時少し過ぎくらいだろうか。
さすがに待機解除だと思ったんだが。
「――」
はぁはぁという荒い息遣い。
何かと思ったよ。イタズラ電話みたいだし。
約20年後はほとんど絶滅してたよな。固定電話使わないし。
ただ、なぜかわからないが僕はそれが調布だとほぼ確信してた。
「調布か?」
「――ええ、」
安寧のうちに消灯していた僕の心の中の警戒パイロットランプが、ぽぽぽぽっとオンになる。
「今どこだ?」
「アステロイドプラザ、裏。上がった、公園、」
どこか口調がたどたどしく、切れ切れだ。どうしたんだ?
「これる?」
「ああ。誰かいるのか?」
「こわい、こわいの、――」
要領を得ない。
アステロイドプラザ。街の少し離れの商業施設だ。
その裏は、たぶんこの前に僕が秋月さんと元さんとに連れられて食事会をした、あのあたり。
公園というのは、あのヤンキーのいた公園じゃないかな。結構物騒だ。
道は、わかる。
「電話ボックスか?周りは安全か?」
音の反響から、電話ボックスだとあたりを付ける。
暗い公園は危険だ。なんだって警戒心もあって頭も切れる調布が、そんなところに。
「わからない、誰かみてる、――」
「人目のつく明るいところか、逆に女子トイレとか。行けるか?すぐ迎えに行く。」
「わかった、ごめん」
電話が切れた。
母親は奥の部屋でテレビを見ていて、このやり取りは聞かれてない。
電話があったから、ちょっと行ってくる、小一時間くらい打ち合わせてすぐ帰るから。と母親に伝え。
迷惑になるから、早く帰ってきなさいね?と背中で言われながら、飛び出す。
自転車に飛び乗り、坂をペダルをこいで加速しながら駆けおりる。
いったい、何があったんだ?
ただ、何か困ったことに巻き込まれたのはたしかだ。
独断専行して何かのトラブルにハマりこみやがったな。後でお仕置きだ。