※この作品はR-18です。

タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。   作:Marchhatter

119 / 321
 ご感想をいただきました。ありがとうございました!

 微量ながら不適切な描写がありますので、ご注意ください。


119 嵐の海の後の港(3)(志)☆

 

 我ながら恐ろしい勢いで自転車で坂を下り、通りを疾走し。

 たどり着いた公園で、女子トイレから出てきた、たしか調布が持ってたのと同じバッグを持ち去ろうとしてたモヤシみたいなヤンキー少年を見咎めて制圧し、尋問し、説得(?)し。

 その情報をもとに、公園裏手で調布を足蹴にしていい気になってた不良ども二人の背後をとり。

 僕に気づいた調布とタイミングを合わせて、彼らの後頭部を撫でて眠らせた。うん、足で。

 嬲られてる調布を見つけたとたんに頭に血が上って超感覚がONになったから、できた。

 平常時だったら?そんなのムリムリ。

 平常時の僕はただの一般人、ザコザコ。多分、どっちにも勝てないと思う。よくて引き分けっすよ。

 

 そして今、足もとが不安定な調布を支えながら、公園のフェンスの抜け穴をくぐり抜けて。

 道幅はそれなりだが、人気のない裏通りを歩いてる。

 

 街近くだが丘の斜面沿いの小路で、塀と門もある武家屋敷の名残があるかと思えば築五十年はくだるまいとみえるトタン屋根のアパートがあったり。

 あるいは今、僕らがくぐり抜けてきたフェンスの破れ目がつながってた先みたいに、駐車場となっていたりする。

 

 「志野。そこ。ホテル・ミニマス。」

 

 「――おい、それは、」

 

 「あら。連休中、みなりも、あなたと、――」

 

 ああっ。覚えてやがったな。

 たしかに僕と紫藤は、樋木崎温泉に行ったとき、旅館でご休憩したさ。

 だがあれは、緊急事態だったから、――

 

 「緊急、事態。今も。」

 

 「ぐぬぬ」

 

 まあそうだった。だいたいザコナメクジの僕なんかが、弱ってるとはいえ調布様に口で勝てる道理はないよな。

 

 「休憩だけだぞ。しばらく様子みて、回復が見込めなかったら救急車を呼ぶからな?」

 

 ラブホに救急車、しかも薬物乱用の疑いあり。

 ま○くろくろすけですやん。

 だがな。悪化して呼吸停止とかなったら、大変だ。

 仮にそうなりそうだったら、救急車呼ぶしかない。

 そのうえで、事態解明までは僕が濡れ衣を着込むことになるかもな。

 信用、丸つぶれ。

 クソッ、今からが本番なのにな。まだまだ難問山積みなのに。

 あの串刺しきんに君とか、怪力糞老人とか。

 

 しかもな。あの僕らが伸したヤンキーども。

 あいつらが悪いのは確かなんだが、一応僕が暴力を振るったってことになる。

 顔見られてないとは思うんだけど。

 でも調布は見られたよな。いや調布は正当防衛を取ってもらえるだろうけど。

 僕はどうなんだ。過剰防衛?

 後から問題になったりしないかな。町中で気づかれたりとか。

 また厄介事の種ができてしまった。クソ。

 

 今日にかぎって言えば。どの問題も。

 この、今、僕の肩に寄りかかっていい匂いさせてるフェロモン女がドジ踏みやがったせいだ。

 

 なに胸押し付けてきてるんだ。あ、ああ。いや、感触はいい。とてもいいんだ。そ、そうだな。肩組んでるからな。仕方ないよな。

 

 だがな、その段差超えたりしたときの「うっ」とかいう声。感じてるみたいに聞こえるだろ。え?感覚が敏感になってるから感じるのはしかたない?ひどいセクハラだ?うーん、そうか。ごめんなさい。

 

 でもな、赤い顔で見上げるな、いつもと違って調子狂うじゃないか。何?いや、聞かなかった。聞こえなかった。うん、格好良くなんかないの、全然!過大評価、反対。

 

 クソッ、やっぱり口では勝てない。

 やり込められて、八つ当たり気味に考える。

 調布だけが悪いとは思わない。

 うん、痴漢の被害者みたいなもんだ。挑発的な服装してても、やる奴が悪い、被害者悪くない。

 でもな。僕は頭が悪いからうまく説明できないけど、今日の、この事態の責任の一端は調布にある。そんな気がする。

 

 何があったか、調布から事情聴取だ。

 

 その後で。

 是が非でも調布には、責任とってもらうぞ。

 もちろん回復した後。じっくりたっぷりお仕置きだ。うん。

 

 そんな益体もないことを考えていたせいで。

 たぶん異常事態で一時的に頭のネジが何本か飛んでいた調布による思いつきガバガバ計画に。

 うまうまと乗せられてしまっていたことに、僕はそのとき気づく由もなかったのだった。

 

 ―――――

 

 調布に命令されて、ホテルに入る。

 入り口は普通のマンションに近い。目立たない、地味な感じ。

 商売っ気がないっていうか。

 

 今回入る部屋は、半地下室。

 

 お金はあるから、もう少し明るい雰囲気の部屋にしたかったかな。

 だが上層の部屋はいずれも埋まってたり準備中だったり。

 空いてて僕らの手持ちで入れる部屋は、半地下階の部屋しかなかった。安かったけど。

 ラブホは十数年ぶりだ。人生通算して。まあ初見に近い。

 でもな。

 ラブホって、こんなだったっけ。イメージ違う。

 

 僕が初めて入ったラブホは、渋谷のホテル街だった気がする。

 気の小さい僕が、ごく短期間付き合ってた女の子を誘おうと思うくらい酔っ払ってたから、あまり覚えてないけど。

 ほら、お風呂がガラス張りで部屋から見えたり、全体がうすピンクだったりさ。

 あの雰囲気だけでなんかあてられる感じだったな。

 たぶんあのホテルは、結構ファンシー寄りの内装が売りだったんだろう。

 だからラブホって、そんなものと思ってたんだけど。

 

 今回のこの部屋は、違ってる。

 たぶんこの階自体、「地下牢獄」がテーマなんだろう。

 エレベータを降りると、コンクリート打ちっぱなしのエレベータホール。それに続く廊下。

 エレベータホールと廊下との間に、飾りだと思うが、鉄格子の仕切りがある(やはり鉄格子の扉はフルオープンで固定されていて、床に段差もなく、往来に問題はない)。

 エレベータホールや廊下に数箇所設けられたアルコオブ(壁の窪んだスペース)には西洋騎士の甲冑や鋼鉄の処女や拷問台みたいなのが展示されている。もちろんその手の性具やアルコール飲料の自販機とかも、エレベータホールにあるけど。

 明かりは流石に電気だと思うが、「栄光の手」みたいなオブジェ風照明で灯されてて、暗い、怖い。

 随所に黒魔術みたいな神秘的なマークやタペストリ。ガウディみたいな曲線的な蔦の意匠の手すり。

 凝りすぎだよ。なんでここまで。

 不満というわけじゃないんだが、そう指摘すると。

 

 「いいから。少し、休む。」

 

 調布に睨まれた。

 調布的には、許容範囲らしい。

 まあ、雰囲気はある。マジ本格的。

 下手なお化け屋敷より怖いけど、ただ、商売的にはどうなんだ?

 

 やっぱり牢獄チックなイメージの、ものものしく鉄鋲が打たれた樫の木の厚い扉を潜り。

 120分のご休憩で借りた部屋に入る。

 床は少し柔らかい、クッションフロアみたいな素材。

 この部屋は土足禁止みたいだ。入り口に上がり框と靴棚がある。

 

 鉄パイプのベッドフレームには、マットレスとシーツ。

 ベッドに座ろうとして、ふと気になってシーツを軽くめくってみた。

 マットレスは革みたいな素材(たぶん合皮)で張られたもの。寝具というより体操かレスリング用みたいな。

 掛け布団はモコモコ起毛だが、洗える素材のもの。

 そこで気づいた。この部屋の備品、アレとか血とかが着いても消毒したり洗い落としたりしやすくなってるんだろうな。

 この階すべて、多分そういうプレイ用の部屋なんだろう。

 

 まだ発話には難があって、簡単にいえば息が続かない感じだが。

 調布はさっきヤンキーどもに足蹴にされてたときより、元気になってきたようだ。

 地面に押し付けられたのか、顔が少し泥で汚れてるのが痛々しい。あともつれた髪が顔にかかってる様子とか、ちょっとそそる。

 青いワンピースにも、土がついてる。

 だが、これでシーツや布団とか汚したらまずいよな。まあシーツは洗濯するんだろうけどさ。

 

 そう思い、ベッドのマットレスに並んで腰かけさせて。

 思わず調布の胸元に手を伸ばして、その白いブラウスのボタンを外してしまったのだ。

 

 「♯♯」

 

 うん?今僕、何した?

 調布の白い顔が、ぱあっと紅潮したのを視認して。

 次の瞬間、組み敷かれてた。うん、調布に。

 そんな元気、まだあったのかよ。

 

 ―――――

 

 数十秒後。

 僕のシャツ、とっくに剥ぎ取られていて。

 舐められてる。いや、精神的にはとっくの昔から舐められてると思うんだけどさ、今は、物理的に。舌で。

 

 「おい、調布。せめて、シャワーでも、――」

 

 しかも。首周りとか、腋の下とか、鳩尾のあたりとか。

 たぶん汗臭いだろう、すごい精神的にクるところばかりを舐められてます。

 見ようによっては、献身的な奉仕なんだが。

 なんか食べられちゃいそう。あ、痛っ、がぶっと噛まれた、マジかよ。

 

 「うるさいわね。貴方を喜ばせるためにしてるんじゃないから。これはあたしの回復に必要なことなの、仕方なくしてるの。少しは協力しなさいよ。

 ううん、これだけじゃ足りない。ほら、早く脱ぎなさい。」

 

 あれ。さっきまで言葉も切れ切れだったのにな。調子戻ってきてるじゃん。

 体力も回復してきたんだろう、着てたチノを引きずり降ろされたよ。力強い腕で。

 

 「わかった、わかったから毛を毟るな痛い!って口に入れようとしない!お腹壊すぞ!」

 

 チノパンツとトランクスを下ろされ、僕は情けなくもベッドに転がされた。

 そして股間の僕の息子はすっかり承知したもの。だっこをねだるたっくんのように元気に屹立してる。

 

 それから数分後。一発目を調布に口で抜き取られた。

 うん、快感を味わったけどなんか釈然としない。

 一つ、分かってることがある。

 調布がまだまだやる気だということだ。

 ぎらぎらした大きな目が、こっちを見つめてる。

 

 ―――――

 

 「わかってるわよ、あたしを罰したいんでしょう?」

 

 調布が言う。拗ねてるっていうか、駄々をこねてる?

 いや、あれか。逆ギレってやつだ。

 自分がへまをしたのは分かってて、それで開き直って強がってる感じっていうか。

 

 さっきまでは調布が息も絶え絶えで、そそるものがあったんだけどな。

 強気な女の子が弱ってるのって、なんかいいよね。

 でも、なぜかあっという間に復調。それはそれで僕はほっとしたけど。でもあの可憐な調布さんは何処に。

 

 それにしても、と僕は思った。

 まあ、確かに調布の言うとおりだ。調布をお仕置きしてやると決心してたんだ。

 だが、プロセスがなんか違う。そうじゃないんだ。

 僕がリードしたいんだ。

 僕が嫌がる調布を厳しく罰して説教して、僕が嫌がる調布を追い詰めてさめざめ泣かせて、心から反省させてやりたいんだ。

 そう口を尖らせて調布に言うと、一笑に付された。

 

 「同じじゃない。今日は時間、限られてるの。

 ぐだぐだ時間使う説教は、省く。はじめから好き放題にあたしをいたぶる。効率的にやりましょうよ。」

 

 あたしを、どんな風に責めたい?

 いろいろ、試してみるかしら。

 あっちのあの道具。使えるみたいだし。

 いいわよ、ハードにやってくれて。覚悟してる。明日の水泳は休む。

 よかったらあの架台に吊るしても、あの台に固定しても。

 

 僕も、調布が指差した方向に目をやる。

 入り口近くの壁のフックに掛けてある、数種類の鞭。

 使ったら使用済みのところに移すようにって注意書きが書いてある。

 調布をこれで打ち据えるのか?

 あの丸いお尻や背筋の浮く背中に打ち下ろすさまを想像して、思わずごくりと唾を飲んだ。

 

 あの架台、といったのはX字型の拘束台だ。両性用だからか、大きい。

 手足を、X字の先端に鎖つき革手錠で固定できる。X字の途中にも、革ベルトが付けられるようになってる。革ベルトは、備品棚にあるんだろう。

 拘束台自体は、フレームは木だと思うがやわらかそうなクッションが使われている。良心的(?)だ。

 こちらを向かせても、背中を向かせてつないでもいい。

 調布を打ち据えるだけでなく、くすぐったりもできるんだな。

 そういえば、鞭の近くには。

 鎖がついた洗濯バサミみたいなやつとか、ペンチみたいな形の挟む部分がゴム引きの道具も見えるし、備品棚らしきものには、枕と並んで低周波治療器も置いてある。

 これらの道具を使って、あの開き直ったすまし顔を、どんな風に崩せるだろうか。

 脳のどこかが、ぴくぴくと快感を感じている。

 

 あの台、と調布が言ったのは、僕には正式名称はわからないが、中世の晒し台みたいなやつだ。

 両手首と首を一直線に拘束するやつ。ギロチンみたいなやつね。

 もっとも、ここにあるのは中世に使われていたような木の板ではない。

 これも柔軟性のある素材が使われてて、形も板状じゃない。首枷と手枷の周りの部分だけが、棒でつながってる。あれだ、二酸化炭素の分子模型みたいな感じ。

 また、不自然な姿勢で立たせていると苦しいということなのかな。椅子みたいなのも用意してある。

 ん?この椅子、ご丁寧に股間が開いてて、手とか顔とか入れられるような形。しかも下には反射鏡まで。

 開発した人はエロ賢いな。

 調布をこれに固定して、責めてみるのか。

 口に突き込んだり、後ろから突き込んだりするのに絶好の高さ。

 僕のそれが、おはようおはようと起き上がってきた。

 

 「それとも、水責めかしら。」

 

 風呂場はガラス張りだが、カーテンを引けるようになってる。

 僕と調布とナギさんがこの前プレイしたホテルみたいに広くはない。

 おそらく、マットプレイとかは全く想定してないつくりだ。そういうグレードじゃないんだろう。

 ただ、風呂場に梁らしきものが組んである。言い忘れてたが、これは、この部屋の一隅もそうだ。

 僕にはよくわからないが、かなり珍しい設備だと思う。水場にこういうものが設置できることが驚きだ。

 この梁に人を吊るして、水に漬けたりできるってことか?

 ただ、相当に危険なプレイだと思う。このホテルの経営者、かなり頭おかしい。

 さすがに調布をこれで痛めつけるのは、ない。

 でも、想像してみる。

 苦悶の表情で水中で身を捩る調布。引きずり上げて、髪をつかんで問いただす僕。

 なんだか背徳的な快感がある。

 立ち上がった僕のそれが、固さを増す。

 

 「自販機にも、いろいろあったみたいね。あたしには使い方がわからないようなものも。」

 

 蝋燭くらいは、想像がつくけど。

 ねえ、あたしみたいな生意気女をめちゃくちゃにしてみたいんじゃない?

 そう、調布が問いかけた。

 蠱惑的な、挑戦的な笑みを浮かべて。

 

 ―――――

 

 うん、僕は単純にまず調布のお尻を叩くことにした。

 いや、いろいろしてみたいけどさ。まず自分の手で。自分の膝の上で。

 やりたいと思ってたんだよね。今までも何回か想像して抜いたことあるし。

 

 初めに調布をお風呂に放り込もうかと考えたけど、調布曰く、そこまで汚れてない、チェックアウト前でいいと。

 どこか心配してる風なのが、ちょっと気になった。

 調布の服と顔の汚れは、一応落とした。

 そりゃね、清掃しやすいようになってるとはいえ、設備をあまり汚しちゃいけない。

 顔は濡れタオルで拭う。服の汚れは、すでに乾いてせいぜい土埃程度。はたくときれいになった。

 はたいたときの調布の反応は、考えないようにする。

 

 「なにこれ。思ってたより、ずっと恥ずかしい、――。」

 

 「汝、罪を悔い改めよ。」

 

 「なにそれ。――志野師父様、あたしは悔い改めません!」

 

 調布がケラケラ笑ってみせるが、こっちを振り返る頬が赤い。

 僕はベッドの端に腰かけて、調布を膝というか腿の上に乗せている。

 僕の下にはクッションを敷き、足も組んで高低差を稼いでる。

 

 調布は、○| ̄|_←こんな感じに僕の膝に乗ってる。

 いや、角度的には_○/|_←こんな感じなんだが。うん、ヘタクソだけど分かってほしい。

 豊かな腰がぼくの右手の前にあり、上半身が僕の左腿側。肢が右側に。

 そして、右膝の右に、調布の濃紺のワンピースに包まれた、豊かな丸いお尻。

 さっきから耳の横で、鼓動がうるさい。鼻血に気を付けないとな。

 

 そっと、いやらしく調布のお尻に手を当ててみる。

 調子に乗って、デリケートなあたりにも、手のひらをそらして押し当てた。

 はぁん、というような、声にならない嬌声をあげ、調布が身をくねらせる。

 頭に霞がかかったような、愉悦の感覚があった。僕のそれが存在を主張してる。

 取り戻して履いたトランクスの薄い布越しに、調布のお腹のあたりに当たってる。

 

 ぱしん!と、調布のお尻に右手を振り下ろして打ち当てた。

 ぴん!と調布のからだが一瞬、そり返る。

 

 「―ッ、意地悪!」

 

 「罰だからな。――汝、悔い改めよ。」

 

 再度、さわさわと撫でて、打つ。

 今回は、打たれたときに息を飲んだが声は出さずに調布は耐えきった。

 

 3回目。今回はぐっと息を止めて耐えたようだ。

 そろそろか。

 4回目の後、5回目で。

 打つ手を、思い切り振り抜いてみた。

 

 「あっ!」

 

 調布が一瞬、体を硬直させ。

 そして、ぶるっと体を震わせた。

 今のは痛かったはずだ。僕の手も、じんじんするくらい痛い。

 

 「悔い改めよ!」

 

 「誰が、悔い改めるものですか!」

 

 調布は紅潮した顔を横向きにして、僕の方に勝気な笑みを向けた。

 なるほど。そうくるか。

 では、こちらも。

 

 「ほらほら、どうする?」

 

 僕は調布のワンピースの裾を、そっと摘んで。

 調布の下半身を剥いていく。

 大きな、丸い形の良いお尻が見えて、――。

 ん?

 見覚えのある、黒い挑発的な下着。

 

 「おやおや、これはこれはこれは。」

 

 「――どうしたんでしょうか。何を着ようが、あたしの勝手です。」

 

 調布はこちらを向いていないが、首筋が赤い。

 

 「こんな下着。誰に見せるつもりだったのでしょうか、調布君。」

 

 「――」

 

 「今日は、そんな予定があったんでしょうか。」

 

 そもそも。

 誰と会っていたのでしょうか。調布君。

 そう、ねちねちと責める。

 

 「――黙秘します。」

 

 「汝、悔い改めよ!」

 

 パシッと、尻たぶの外側の方を打つ。下着のへり、肌との境目のあたり。

 ちゃんと均衡を保って、右左それぞれ、ね。

 調布が、おそらく痛みで体をくねらせた。

 僕の脳の芯が、熱くなってきている。

 

 僕は深呼吸して、いったん打つのを止め。

 手のひらをじわっと押し当てた。調布のお尻に。

 黒い下着に隠れて見えないが、さっき叩いた下着のへりの肌の方は、赤くなってる。

 痕がのこらないようにしないとな、とぼんやり思い、いたわるように撫でさする。

 そして、手のひらを下着で隠れているゾーンに移動させて、そして気づいた。

 さっきと違って。

 

 「なんかここ。湿ってますね?調布君。」

 

 「――うるさいです!」

 

 間違いでなければ。

 調布の、みっしりと鍛えた筋肉を奥に隠してる、太腿。

 その付け根、接合部分。

 下着の、布地が二重になってるところ。その扇形の半分くらいまで、湿り気を帯びている。

 

 「反抗的ですね、調布君。」

 

 鳥肌を期待して、つうっと指先で触れる。

 鳥肌、出ない。ううむ。

 

 「奥様。配管に漏水がある気がします。ちょっと、調べてみましょう。」

 

 「え?今度は何?――いえ、困ってないです。水道代、変わってません。」

 

 「いえいえ奥様、こういう漏水は家を傷めるのです。原因を確認しましょう。」

 

 僕は調布の腰の両側、黒い下着の上のへりから指をそれぞれ一本だけ入れ。

 ゆるゆると、ずり下ろしていく。

 うん、やったぞ。調布のしっとりした滑らかな肌に、少し鳥肌が立ってる。

 奇妙な勝利感を味わう。

 

 「ほら、ここでしょうか!」

 

 まずは、脚の付け根部分まで引き下げる。もぞもぞと調布が困ったように体を小さく捩らせる。

 調布が困ってる。勝ったな。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。