※この作品はR-18です。

タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。   作:Marchhatter

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第三者視点です。ごくわずかに暴力描写があり☆を付けています。
後で多少、改稿するかもしれません。


224 衣装箪笥を抜けるように(3)(三人称、国・調・他)☆?

(第三者(調布智美)視点)

 

「ふー、ふー、ふぅ、ふぅ。さとみん、もう大丈夫だよ。

 みて、あのおばさん。そう、ほら、緑色の首輪の犬をお散歩させてる人。

 ──あのおばさん、いつも決まった時間にここを通るんだよ。もう、今日は絶対大丈夫。余裕余裕。」

 

 もう忙しかったらなしにしようよ、と言われてはいたが。

 今日もぱちりと朝早く目が覚め、ついつい国領ハルカに登校時間をあわせて来てしまい。

 やはりパンを口に飛び出てきた友人を捕獲して、登校路をふたりで走り、遅刻を免れたと確信できたころに足をゆるめた、調布智美の姿があった。

 プラタナスの並木道を、二人は歩く。

 ちらほら目にする、同じ制服の姿。うん、確かに間に合う。

 息が静まったころに、国領ハルカは切り出した。

 

「それはそれとして、さ。さとみん。

 今日の放課後、ボク、予定ないんだ。

 だから、さ。

 きょうは放課後に、街角に繰り出そうよ!

 よかったら、みなりんも誘って、さ?」

 

 そんな親友の誘いに対して。

 ええ、いいわよ、と軽く答えながら、調布智美はわずかな疑問を持った。

 

 この友人は、ちょっと遊んでる、イケてる風を作っている。

 色の少し薄い髪は、おそらく地毛だろうな。全体に色素薄いし。

 短めにたくし上げるスカート、ギリ言い訳できる程度のルーズ風の靴下。

 靴はたいてい、おしゃれにローファー。

 通学中だけ出現する、ちいさなテディベアのぬいぐるみが、ぺちゃんこにした通学鞄で揺れる。

 ちょこっとだけ校則を踏み外してみせて、都会風にセンス良くまとめてる。

 

 しかし、実のところこの子、本当にチャラい子たちとは違う。

 趣味もあるだろうけど、おおむねは舐められないようにしてるだけ。

 部活の掛け持ちに加えて生徒会までやっていて、遊ぶ時間がないのもあるが。

 もともと、そこまでショッピングや街遊びに興味があるわけじゃない。

 ハルカちゃんって、郊外の廃病院に突撃したりしてるんだよ!と。

 小さな友人から印象的な話を聞いたことがあった。

 あやうく竜神に食べられそうになったのも、気晴らしのサイクリングと山歩きが発端。

 とすれば、この友人はむしろアウトドア派のはず。

 それなのに街に出たりしよう、というのはどういう目的なのだろうか。

 

「どこか街中に、ハルカの好きそうな廃墟があったのかしら?」

 

「ちがーう!

 ねえ、さとみん、忘れてるかもしれないけれど。

 ボクたちは女の子。乙女なんだよ?」

 

 ぶー、と国領ハルカが頬を膨らませたので、調布智美は手を伸ばしてぷしゅっとつぶしてあげた。

 

「そうね。忘れてたかも。

 ──でも、よりによってあなたの口からそんな言葉を聞くとは思わなかったわ。」

 

「うん、そりゃーボクもね。期待されてる役割(キャラづくり)ってものがあるからね?

 でもさ。さとみん。

 ボクたちには今、差し迫った課題があるよね。」

 

「ええ、たくさんあるわね。

 貴女の言っているのは、週末のアレかしら。」

 

「そうだよ!だからさ。

 ボク、ちょっといろいろ見たいかなーって。」

 

「ええ、わかりかけてきたわ。

 勝負パ○ツが欲しいわけね、ハルカは?」

 

「ちーがーうー!いや、違わないけど!

 もー、なんでそんなにデリカシーがないのかなー、さとみんは!」

 

 きゃわきゃわとかしましく言葉を交わしながら、彼女たちは。

 放課後、街に出てちょっと男心をそそる衣装をみてみよう、という密約を交わしたのだった。

 

 ──────

 

 その日、あの変人(志野)は学校を休んでいた。ほとんど無遅刻無欠席な彼にしては珍しい。

 彼女の妹分(紫藤みなり)をいつものようにいじくりながらも。

 調布智美はだいたいその理由に見当を付けていた。

 

「あれでしょう?免許。近いうちに行く、って言ってたわよ。」

 

「そういえば、そうだったね。」

 

 竜神送還プロジェクトに間に合わせるなら、たしかに今しかないな、と国領ハルカも思う。

 

 今は、昼休み。

 調布智美・国領ハルカに紫藤みなりを加えた3人は、もはや彼らの根城となっている仮部室でお昼ごはんを食べていた。

 国領ハルカは、ほかの2人がお弁当を用意してきたのを察して。

 2時限後のお昼休みにいち早く購買部に走り、昼食用の調理パンを入手(get)していた。

 

「ねえ、ハルカちゃん。今日、街に行くって話、してたよね。」

 

「そーだよ!お洋服とか見ようか、って。みなりんも、いこ?」

 

「うん、わたしも行きたい。それと、」

 

 なにか、紫藤みなりには言い出しにくいことがあるようだ。

 それを推察した国領ハルカは、そうそう、と膝を乗り出す。

 

「そういえば、みなりんのママンのこと。

 ──ためしてみる?いっしょに眠ってみて、さ。」

 

「あー、ハルカちゃん。忙しそうだったけど。

 大丈夫?お願いできる?」

 

 国領ハルカは、親しい人と一緒に寝ると、夢を共有したりすることが多い。

 (それほど頻繁じゃない。でも、一定の確率で。)

 それで昏睡から覚めない母と、夢を共有できないか?というアイデアを、紫藤みなりは考えついていた。

 どうやら、この小さい友人が言い出しかねてたのは、そのことだったらしい。

 ぱあっと、その顔が明るくなる。

 

 そういえば、もうみなりんのママンが倒れてかなり経つんだっけ。

 国領ハルカも、友人の笑顔にちょっと胸がきゅうっとしてしまった。

 

「そうね。志野は今日はいないけど、早めに試してみましょうか。」

 

 あまりその手のオカルトには興味がない調布智美も、否定的ではない。

 

「それとさ。その、ちょっと直接は言いにくいんだけど。

 もうひとつ、協力してほしいことがあるんだ。」

 

「水くさいなー。みなりんのためなら、火の中、水の中だって!」

 

「そうね、あたしは火の中はやめとくけど、水の中くらいなら。」

 

 二人の反応に、勇気づけられたように。

 紫藤みなりは、ぎゅっとこぶしを握る。

 

「その。わたしの、奨学金の関係での引っ越し先なんだけど、さ。」

 

 住み込みで、家事手伝いみたいなこともする、と二人は聞いている。

 

「そこに一度、来てもらえないかなー、って。あれっ?」

 

 なにかびくびくしながら言った紫藤みなりは、不思議そうだ。

 何が不思議なのかわからない二人は、不思議に思った。

 

「いいわよ。お友達紹介ね?ハルカ、いい?」

 

「要は、オホホ、ウフフってするんだよね!?

 もちろんさ。完璧完璧、ドンと大船に乗ったつもりでいてよ。」

 

 ノリ良く応じる、二人だが。

 どこか紫藤みなりは、不安そうだ。

 

「ちょっとだけ、その。山奥にあって、危ないかなー、って、イタタ」

 

 頭が痛いのか、軽く頭を押さえる様子。

 

「寝不足かしら。少しでも、昼寝する?」

 

「大丈夫大丈夫。ごめんね。」

 

 小さい友人は、立ち直ったようだ。

 

「歓迎会みたいなのを、やりたがってて。

 もしだけど、さ。

 一泊してみたらって、そのお屋敷の人は言ってるんだけど。

 もちろんそこまででなくて、来てくれるだけでうれしいよ。

 あ、でも家の人たちにはまだ言わないで。」

 

 今度は、頭痛は収まったらしい。

 ただ、どこかこの小さい友人は、気乗りしない気配もある。

 来てほしい、という言葉は本心だ。

 歓迎会や泊ってほしい、という誘いは、そこまでの真情がない?

 調布智美は、そう思ったが。

 

「大丈夫だよみなりん。部活も、もう休みだからね。

 豪華な夕食パーティーなら、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」

 

 国領ハルカは、相当に乗り気だ。

 

「そんな、すぐじゃないんでしょう?」

 

「うーん、いつでも良い、明日でも明後日でも、って押されてるんだけど──イテテ。

 でも、迷惑じゃない?」

 

「大丈夫!」「気にしすぎよ。」

 

 部活の後でいいなら、平日のお泊り会もいいねー、という国領ハルカ。

 調布智美も、心が動く。場合によっては、土日の一方をそれに当ててもいいか。でも、竜神の方の話、道具とか詰めないといけないかしら、と考える。

 

 二人の明るい声に、ちょっと情けなげだが、愁眉を開く紫藤みなり。

 でも、気分を切り替えたみたいだ。

 

「ありがとう!また、相談させてね?」

 

 メモメモ、と小さい友人がポケットから取り出して書き込んでいる紙切れを、眺めて。

 調布智美はふと、疑問を持った。

 なにこの紙。なにかのやりとりと人の名前が、書かれてるけど。

 北高のシノザキミズキ?聞いたことある名前だわ。と、彼女は思った。

 

 ──────

 ──────

(第三者(羽場戸(はばと)魔琳(まりん)視点)

 

「シィッ!」

 

 小気味のいい前蹴りが、顎を掠め。

 彼は危険を感じてこの小柄だが獰猛な雌猫と、距離を取る。

 

 ──思ったより、やるじゃないか。

 

 仕切り直しだ。彼はまた構えを取り、接近する。

 彼の流派は、お互いに膝を接するくらいの接近戦が主。

 流麗に相手の力を受け流す、円の動き。

 

 他方で彼にラッシュをかけたが、うまく逃げられ。

 悔しそうに少し吊り気味の目でにらみつけている、この雌猫。

 いろいろな流派を齧っている。拳法もボクシングも。

 もし体重やリーチの差がなければ、やられているかもしれない。

 

 ただ。

 そう思う彼の口もとには、切れるような笑み。

 彼も連戦で、かなり疲労を感じ始めているが。

 相手は開始して、糸口をつかんで以来、ずっとラッシュを続けてきた。

 抑えようとしているが、肩で息をしている。

 

 あの雌猫に、お仕置きをしてやらねば。

 ちょっと、本気にやるか。

 

「御前様。少々、手荒くやります。」

 

「存分に、やるがいい。」

 

 宣言すると、雌猫が毛を逆立てた。

 侮られて手を抜かれていたのだと、思ったのだろうか。

 

「馬鹿にするなッ!」

 

 ほら、切れてる。

 だが、それは悪手だ。ほら。

 

 大振りになった左拳をかわし、ゆらり、と回転して雌猫の腕の外側の死角に入る。

 慌てて距離を取ろうとする、雌猫。だが、その足元の鎖は踏んでいるんだよ?

 

「くっ」

 

 ほら、転びそうになっただろう。そしてこちらに向き直ろうとする腹を、したたかにつま先で蹴る。

 腹筋を蹴りぬき、やわらかい鳩尾に入った感触があった。

 

「──ぐ、むぅっ!」

 

 おお根性、あるじゃないか。

 立ってるだけで、正直すごい。大の大人がのたうち回る痛みだぜ?

 しかもこいつ、踏みとどまってパンチを当ててきやがった。肩で滑らせて受ける。

 ただ、力はさすがにない。あたりまえだ。

 きっと今、全身の毛が逆立つような悪寒と動悸、そして地獄の苦しみを味わってる。

 

 勝機。

 

 突然床に倒れ込み、寝た姿勢から。

 長い両足で、相手の足首を捉えて後ろにひっかける。

 倒れた!だがそのまま受け身をとりながら足を開く柔術のガードの体勢、よく鍛えられてる。

 その、いわゆる娼婦の姿勢も、そそるよな?

 でもさ、君。

 このチェーン、忘れてるよな。

 

 足首につないだチェーンを引っ張り、肩に担ぎあげ。

 振り回して、床に叩きつける。

 

「ぐあっ!」

 

 おや、かろうじて受け身をとったな?もう1回だ。

 

「あぐぁっ!」

 

 面白い。もう1回。

 

「──ぐぼっ、があっ」

 

 女の子なのにな、百年の恋も醒めるような声だよ。

 そして、──もう1回したら、やりすぎか。

 ほら、ここでやってやろう。

 

 ダメージと痛みで動けず横たわる相手の、左足首の鎖。

 それをぐいっと引き、その左足首のほどよく近いところに巧妙にループを作って、相手の左手首も鎖で固定。

 左足首と左手首が、鎖でまとめてつながれた状態。

 その、左足首と左手首の間で、左手首の鎖が緩まぬようにして、鎖を踏みつけて固定。

 

 そして、相手のもう一方の脚。右足を、膝まで、ちょっと苦労しながら自分の片腕で胸に抱え込む。逆エビ固めみたいに。

 ほら、そのまま立ち上がってやると。うまい具合に、身長差があるので。

 雌猫は、左手足を地面に固定されており。

 右足を抱えてひきあげられたので、あられもなくその股が割られ、ひきのばされていき。

 腰の前と後ろを覆うだけの簡素な作務衣は、あっさりと雌猫の股間を露出させ。

 紐で股間を覆う布を前後に結ぶだけの下着をつけた素肌が、さらけ出される。

 

「ああ、ああああっ!」

 

 痛みだけじゃない、叫んでるのは。

 痛みより、恥辱の思いが強いだろうよ。

 

 ほう。

 この紐パン、蝶結びされてる?これなら、片手で解ける。

 もちろん、解く。

 

「くそっ、がっ!」

 

 意外に毛が少ないな。恥丘の高いところに、産毛が丸く薄くついてるだけ。

 体はまだ、大きくないものな。

 腿は筋肉がついていて太めだが、肌はなめらかだ。

 一生懸命、肢を閉じようとして内股に筋肉が浮くが、無駄な抵抗だ。

 

 パシッ。

 パシッ。

 パシンッ。

 

 股間の柔らかい肌を、叩く。

 雌猫が、嫌がって体をくねらせる。唯一空いてる右腕での抵抗も、ダメージのせいで弱々しい。

 

「てめえ殺す、殺すぞっ!」

 

 思ったより、きれいな色をしてる裂け目。

 むりやり股を開かされて、くぱっと開いている。

 残念ながら、距離があってのぞきこむことはできない。

 指で軽く摩る。女が、体をねじる。

 

「ぐっ!?」

 

 突然、臀部に痛みが走った。

 見ると、左手左足首を地面に、右ひざを抱え込まれて股をほぼ180度割かれて露出させられている、この雌猫。

 器用に体をぐっと反らせ、ねじって、お尻付近に噛みつきやがった。

 ぐい、とかかえこんだ右足を引き、なんとか逃れるが、ガチガチ、とまだ噛みつきを狙ってやがる。

 

「御前様。──。こやつの下の唇、ちぎり取ってやっても?」

 

 お伺いを立てるが。

 

「──いや、まだその女には用がある。しばらくは、完全な姿にしておかねばならぬのだ。

 しかし、天晴れな趣向であった!

 また、幾人か新しく入るのだ。そのしつけも、頼むぞ?」

 

「かしこまりました。では、こやつはここで放します。」

 

 最後に一度、股間の裂け目をダイレクトに、かなり強く打ち据える。雌猫の体が、恥辱に震えた。

 抱え込んだ右足を離し、雌猫の体を床に叩きつけようとする。しかしうまく、受け身をとられた。

 雌猫は床に寝ころがった姿勢のまま、うずくまるように体を丸め。

 そして燃えるような怒りを宿した目で、こっちをにらみつけている。

 ゾクゾクするくらい、気持ちがいい。

 もっと、徹底的に痛めつけたい。あの反抗的な目が、哀れみを乞う目に変わるまで。 

 

「汚物の後片づけは、剣波、頼むぞ。

 クルスィファに言って、蟻人兵の材料にしてもらえ。

 セバと近知郎は、その女を牢に戻せ。

 よい趣向だった!」

 

 今日は、ここまでか。

 だが、この御前様と名乗る、怪人物は。

 きっとすぐ、また餌を与えてくれるだろう。

 よき主を得た。

 

 ──そう、彼は思った。

 

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