タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
(紫藤みなり視点、樋木崎山中の山荘。木曜日、午後8時)
「みなりちゃん、今日もおつかれさま。
今夜、よかったらどう?ちょっとだけ、お話。」
「ええ、もちろん大丈夫です。まいらさん」
わたしは志野くんに見送ってもらった後、クマモトさんの運転で御前様の山荘に戻り。
ちょっとしたお掃除とかの家事をすませ、まいらさんと食事を取っていた。
今日も、まいらさんが自分で作ってくれた。
八宝菜風の野菜炒めとごはんと中華風スープ。普通に美味しかった。
わたしが食べる様子を、まいらさん自身も食べながら、みまもっている。
その目に引け目のような、いや罪悪感のようなものが見え隠れするのを、わたしはふしぎに思った。
まいらさんがちゃんと料理を習ったのは、この館に雇われてからだと言っていた。
だから、美味しくできたか自信がないのかもしれない。
わたしが、美味しいですよ、と言ってにこにこしながら食べてみせると、まいらさんはほっとしたようにうなずいた。
その目に、なお気がかりな様子は残っていたけれども。
食べ終わって食後のお茶(まいらさんが気に入ってる。美味しい)をいただいているころに。
冒頭のように、お話がしたい、とまいらさんが切り出した。
まいらさんは、わたしになにか伝えたいことがある、って昨夜も言ってたし。
まいらさんは、ちょっぴりせっかちなところもある。
だから昨日、話があると聞いてから、すぐ予定をいれたがるだろうなー、って思ってた。
それにわたしとしても、断る理由なんてない。まいらさんに、了承の意を伝える。
まいらさんは私の返事を聞いて、少し憔悴してみえるバタくさい美人顔に安心した笑みを浮かべる。
お風呂入ってはみがきして、午後11時すこし前くらいにまいらさんがわたしの部屋にいくことになった。
まいらさんの話が、何なのか(まさか、妊娠?)ちょっと気が重いところはあるが。
さて、それはさておきお風呂だお風呂。わたしは着替えを取り、浴室に向かう。
わずか2名しかいないわたしたち侍女専用のお風呂は、とても豪華だ。これに入るのは、わたしのこの邸宅でのたのしみの一つ。
入浴前に私は服を脱ぎ、自分の体を脱衣スペースの大型の鏡でチェックする。背中を鏡に向けて、体をねじって。
やっぱりな。ひりひりすると思ってたけど。
太腿の付け根あたりとお尻全体、そしてすこし背中の腰に近いあたりにも赤い痕がある。
昔、勇お父さんに叩かれてたときはすごくイヤだったけど。学校で見つかったらどうしよう、って思うし。
でもね。志野くんが叩いてくれた、この痕を見るとだね。
じんわりとのこる痛みとともに、充実感が胸の中にひろがってくるんだ。
ぜんぜん、イヤじゃないよ。もう補習期間で、他の子に見つかる可能性もないし。
だってさ、志野くんは。
さとみんとくらべればずいぶん貧弱だろうわたしのお尻に、こんなにも興奮して。
(志野くんのアレをわたしは横目でぬかりなくチェックしたんだよ。ズボンがすごく張ってたから、まちがいない。)
そしてこんなに熱中して、こんなに丁寧に打ちすえて、私を追い詰めてくれた。
ほら、わたしのお尻はもうほとんどあますところなく赤く染まってる。背中の上のほうの白い肌と比べると、どんなに厳しく打たれたかわかるよね。
あの敏感な股の間まで見逃されずにきっちりとひっぱたかれた。体の芯をずうんと痛みと衝撃が突き抜けていった。
椅子とかに座ると、ちょっとひりっとする。お風呂入ったあとに冷やしとこうかな、冷蔵庫には湿布もアイスノ〇もあるし。
そうそう。思い返すと、ちびま〇子ちゃんみたいなひや汗笑いが浮かんでしまう。
本当にあぶなかったんだよ。
最初に志野くんの腿にのせてもらって、お尻をたたかれたときから。
痛みを追って、じーん、と幸福感がわきでていた。そして別のものも、じわあっ、と体の中心からわきでてきた。
もちろん、きっちり隠しとおせた。乙女の尊厳にかかわることだからね。
途中で一度インターバルをもらったのは、僥倖だった。
ばんそうこうテープを貼るのは、あの部屋に入ってから思いついたこと。われながらいいアイデアだった。
(だって志野くん、いっつも鼻血出すからね。すこしずつ慣らさないといけない。)
テープを貼るときに志野くんに後ろを向いてもらったときに、処置をした。うっすらとにじんできてた。
下着にまで染みてバレるほどじゃ、ない。でもハンカチを押し当てたら湿る程度には。
ちゃんと拭いて、テープで封印した。
あれを志野くんに気づかれてたら、わたしは羞恥のあまり自分が乗せられてたテーブルのガラスを頭で打ち割ってた自信があるね。
でも千里の借りてきた本に、そういう描写があったな。わたしだけじゃなくて、女の人は
(ちなみに『噴き出る』『潮を吹く』なんて書いてる本もあった。『白髪三千丈』のノリだね。さすがに嘘っていうか誇張がすぎると思う。人間はクジラじゃないんだよ。)
それはさておき。
わたしは引き戸をあけてお風呂場に入り、広い洗い場で体を洗いはじめる。
このお風呂場はわたしとまいらさんしか使わない。まいらさんは、しばらく御前様の方のお手伝いがあるって言ってたかな。しばらくは貸し切り状態。
体を洗っているうちに、思わず顔がほころんでしまう。
いや、ひりひりするのもそうだけど。今日の成果にうれしくなったんだ。
今日は志野くんのアレを入念にきたえられたし、お返しにわたしのお尻もたたいてもらった。完璧。
それと、だね。
ハルカちゃんとの間を埋めるためのことではあるけれど、お尻に指を入れられて。
ハルカちゃんも言ってたけど。なんだか頭がぐらぐらしそうに
志野くん、わかってるのかな。ここまでされたら、ほかの男の人のもとにはお嫁に行けなくなったといわざるを得ないよ、わたしは。
これはもう。わたしは、身も心も志野くんのものにされてしまった、ってことでいいんじゃないかな?
体を丁寧に洗い、浴槽に湛えられたお湯に、とぷんと浸かる。
わたし1人が入るには、いやまいらさんが一緒に入ったとしても広いけど、お湯がもったいなくないのかな。
(後でわたしは、このお湯が温泉から引いているということを聞いた。すごい。)
お湯に軽く浮きながら、壁を、そしてそれと続く天井をみあげる。
この浴室の壁と天井には、まるで銭湯の富士山みたいに、でももっとハイセンスに。
そう「モザイク画」が描かれているんだ。おそらく外国、というか幻想の風景だと思う。
ひろびろとした大地、流れる河。そしてその向こうに、天を摩す高い塔がある。
塔は数十階建てくらいは、ある。バベルの塔、って感じかな。
ところどころに、不穏なものが描きこまれている。
青い空を、架空の動物が飛んでいる。見た目はちょっと不気味。ヒエロムニス・ボスの「快楽の園」みたいな感じ。塔には人々が出入りしているだろうけど、特に描き込まれてはいない(モザイクの解像度が荒いんだね)。
河には、おおきなカエル、っていうかオタマジャクシの巨大版みたいなものが陸上に這い上がろうとしてる。手足がある、もうカエルになりかけのオタマジャクシだね。建物との比較でいえば、小さな家1軒ぶんくらいもありそう。それに対抗して、そのオタマジャクシよりはすこし小さいけどアンモナイトみたいな触手にょろにょろ謎生物がにらみをきかせてる。
山には、ひとつ目巨人?ちょっとコミカルな感じ。山下清の有名なちぎり絵にも似てる。
天井の青い空の生き物をしばらく眺めて、目を転じる。
天井の一角には穴が開いてて、水道管などを通してる(カランとかも壁から直接管がでてるんじゃなくて、この穴から各種の配管が出入りしてる。掃除はちょっと大変かな)。
別に空気がすうすうしたりするわけでもない。だいたいちょっと柔らかめのゴムだかポリウレタンだかの板というかつめもので管だけ通す形でふさいである。だから、音も響いたりはしないと思う。
このポリウレタンのつめものがあるから、空気も出入りしないし防音も完璧。──あれ、でも、つめものが動いた?ひっこむみたいに?
思わず立ち上がって、ぱちゃ、と音を立ててしまった。
「あれっ、誰かいるんですか?」
問いかけてみて、真顔になってしまった。
この裏にダクトスペースはあるけど、人が這いまわってるはずがない。音もするだろうし。まさか、ねずみ?
あの不気味な料理人さんがほこらしげに、この館にネズミはいない、ゴキブリも!って言ってたことがあるけど──。
そのまま数分みまもってみたけど、何もうごきはない。
このままだとのぼせてしまうし。人間が覗きをできるようなすきまじゃないと思う。
思ったよりこの詰め物は薄くて、風が吹きすぎる勢いで動いたりしたのかもしれない。
そう思って、わたしは髪を洗い、お風呂を出た。
──────
お風呂を出て髪をかわかし、お肌のお手入れをしてはみがきまですませ、自室にもどる。
学校の予習を終わり、しばらくして、わたしは急激に眠気を覚えはじめた。
思ったより、昼間の志野くんとのアレはわたしを疲れさせていたようだ。
ベッドに寝転がりながら、図書館でやっと借りられた分厚い本*1を読んでいると、あくびが出てきて頭の中が白くなったり、本が手から離れてぽとん、と落としてしまったりする瞬間がある。
そんなとき、とんとん、とドアにノックがあった。
ドアをあけると、背の高いまいらさんの姿。招じ入れると、どこかおずおずと入ってきた。
まいらさんもお風呂に入ったのかな、肌つやはよい。でもどっか思いつめた風情。
鼻筋の通った、百合の花みたいな華やかでちょっときつめの顔立ち、ぱつんと張った大きな胸。締まってくびれてるのにお尻は大きい。全体に、ちょっと圧倒される。
「みなりちゃん、ごめんね。時間くれてありがとう。」
どんな風に進めるのかなー、って思ったけど。
なんとわたしをベッドの奥に寝かせ、まいらさん自身もベッドに入って横に添い寝してる。
部屋の明かりを暗くして、しばらくは、ここでのくらし、慣れた?みたいなことや、近知郎さんへの悪口だったりを言い合ってた。
やっぱり近知郎さんは、意地の悪い人なんだなー、と。
まいらさんの嫌悪を隠しきれない口調に、眠気でぼんやりした頭でわたしは思う。
そうそう、わたしに対しても、よく小突いたりしてくるんだ。
まいらさんははっきりとは言わなかったけど、ずいぶんセクハラ被害を受けてるみたいだ。
いや、セクハラどころじゃないんじゃないかな、とわたしは思ったりしている。聞けないけど。
だって近知郎さんがまいらさんをみつめる目が、ときどき、すごく──。
「そうよ。だいたいね、あいつは意地汚くて、──」
でも、まいらさんの言葉は、どこかまだ本音でないっていうか。
いや、本音ではあるんだろうな。でも、まいらさんが本当に言いたいことは避けてる。本当に言いたいことに、触れないようにしてる。まるで、立ち聞きをおそれてるみたいに。
ただ、すぐそれを指摘しても仕方ない。ここは、じっくり聞こう。
でも眠い。わたしはときどき、ふっと意識が薄れるのを感じる。
まいらさんが、ノートの切れ端らしい紙片を胸元から取り出し。
やはり取り出したボールペンで、「このお屋敷で、すごく大きい、毛のない男を見たことある?」と書いてきた。
お坊さんかな?わたしは、そんな人はみたことがないので、気力をふりしぼり「ありません」と書いた。
でも、まいらさんはまるでその紙の上のやりとりを知らないように、世間話をしばらく続けた。
わたしは不思議に思ったけど、なにかの思惑があるのだろうと思い、そのまま流し。
そのまいらさんの声を聞きつづけた。
まるですごくわたしがちいさいころの、お母さんみたいだ、とわたしは思った。
やがて、まいらさんはカーテンをきっちりと閉め。部屋の明かりを消した。ベッドの明かりも。
そしてそれこそ、わたしがちいさいころにわたしを寝かしつけてくれようとしたお母さんみたいに。
とんとん、とんとん、と軽くふとんの上から叩いてくれる。
そして、わたしがとろとろと、なかば眠り始めたころ。
──ごめんね、この話。寝ながら聞いて。大事だけど、あぶない話かも。
でも、みなりちゃんには話しておかないといけないと思う。だから話すね。
と言って、その話をしはじめたんだ。
わたしの耳元で、すこしハスキーな、小さなささやき声で。
──────
みなりちゃん、まだ寝てないのよね。お返事しなくていいのよ、もしかすると聞かない方がいい話かもしれないから、聞き流してくれてもいい。
アタシも、あー、ちょっと耳栓させてもらってるけどね。訳は後で話すから。
アタシが、ただお話しするだけ。みなりちゃんは、それをただ聞いてるだけ。お返事とかしなくていいけど、もし「そうだ」なら1回、「違う」なら2回、よくわからないなら、こう、3回叩いてね。
なぜ耳栓してるか、って不思議に思うでしょ。理由は、アタシが自分の声を聞かないように。
さっきも聞いたけど。みなりちゃんは、あの海坊主みたいな大男に会ったことないのよね?
じゃあ、大丈夫かな。でも、念のため。
この館には、ヤバい男がいるのよ。気を付けないといけない、変な男。
いや、変な男ばっかりなんだけどね。
でも諸悪の根源は、たぶんあの海坊主なの。毛を全部つるつるに剃りあげた、大男。
そう、シティハ〇ターに出てくる海坊主のおじさんみたい。すごい大きい。2メートル近くあるかも。
筋肉もすごい。体重も、100キロは軽く超えてる。
アタシ、体重100キロ超えるプロレスラーともヤったことあるのよ?それより重い。
お相撲さんとも、ある。お相撲さんでもすごく重い200kg近いような人は、さすがに上には乗せられなかったわよ、──って、それはカンケイないハナシか。
あー、話がズレた。アタシ頭わるいから、ごめんね。
シティハ〇ターの海坊主のおじさんは、基本、正義の味方よね。
あれは、アタシの理想、好み。腕が太くて、筋肉があって、胸板が厚くて、しかも女の子に優しい。
でもね、この館にいる海坊主は悪いやつ。すごく、悪いやつ。
もともとは、カンヌシ、じゃなかった、シンカンだったって。そう、神様をまつる、神官。
こいつが、──魔法を使うの。
いや、アタシも分かってるわよ。そんなものない、って。
でも魔法としか、思えないようなワザなの。
手から火の玉を出すとか、稲妻が出るとか、そんなことはない。
でもその坊主はね、ふつうの人ができない魔法みたいなことができる。それは、確実。
その一つ。
あいつは人の記憶が読める。「その人が経験したこと」を、読めるみたいなの。
でも、「やったこと」の記憶までは、読めないんだと思う。たぶん。
いや、その2つどこが違うの、って思ったわよね。アタシも頭わるいしそうとしか言えない。でも、そうなんだ。
きっと、なんで知ってるかって思ったでしょ?
アタシは、あいつによく記憶をチェックされるの。
特に、館の外に出た後。多分、密告されてないか、たしかめるため。
その記憶のチェックといっても、完璧じゃないみたい。
「見てないこと、聞こえてないこと」は、見抜かれない。「考えてるだけ」のことも。
「したこと」だけど「見てない、聞いてないこと」も、たぶん見抜かれ
それと「頭がぼんやりしてる状態」、たとえば失神寸前の状態、寝る寸前の状態とか。その状態で見聞きしたことは、基本、見抜かれない。
もう、わかった? あ、1回。わかったのね。
アタシが耳栓をしているのは、それが理由。みなりちゃんに眠くなってもらったのも。
みなりちゃんは、あいつとは会ってないのよね。
だったら大丈夫と思うけど、念のため眠たい状態にした。
眠い状態で、ただ話を聞いててもらえば。多分大丈夫。
この大男には、できるなら絶対近づかないで。危険。
どんなことがあっても、額をあわせたりしないようにね。そう、熱測るみたいに、額と額を合わせちゃダメ。記憶を読み取られる。
それだけじゃない、とにかく近づかない。
訳は、──今はいえない。ごめんね。
みなりちゃんは明日、学校行くのよね。
もしどうしてもこわい、っていうことなら。そのとき逃げてもいい。
みなりちゃんが、あいつと会ってない、変な術をかけられてなければ逃げられると思う。
逃げるなら、アタシもできるだけのことはする。お金が必要なら、すこしあげられる。
今、10万円持ってる。これだけあれば、タクシーで知らない街に逃げてもいい。多賀島市内に戻って隠れてもいい。みなりちゃんの学校のかばんに、入れとくね?
給料だけはいいんだ。使い道ないからたいていは貯金してある。でも貧乏性だからね、現ナマも手元にあるんだ。だから返すことなんて、気にしなくてもいい。お餞別ね。
ただね、逃げた後、
アタシですら知ってる、すごく悪いけど警察関係に鼻の利く政治家が噛んでるの。
だとしてどうすればいいか、もうアタシ馬鹿だからわからないけど。ほかの県の警察に言う?やっぱりダメよね、たぶん連絡されちゃう。
アタシも本当は逃げようと思ってる。さすがに明日じゃないけど。
本当は、もうちょっと勤めあげるつもりだった。でもね、ダメ。やっぱりダメ。
昨日、変な来客があって。嫌なものをみせられた。
そして今日、新入りちゃんが来たの。今は、ミズキちゃんといっしょに閉じ込められてる。
みなりちゃんも含めて、かわいい女の子を集めて、あいつらが何をしようとしてるのかわからないけど。
たぶん、ろくでもないことをしようとしてる。
アタシは、知りすぎた。なんなら片棒、担がされてる。
逃げたいけど、もう遅い。──逃がしてくれない、逃げられない。変な術もかけられてる。
あいつらがやった、いろんな悪いこと。
それ全部、みなりちゃんに言いたいけど。ごめんね、やっぱり無理。
あいつ、あの神官は、おそろしい術を使えるんだ。今は言えない。今は、ね。
まあいい。だからみなりちゃん、逃げて。明日でもいい、明日じゃなくてもいい。
いつか、ミズキちゃんと、今日来た新入りちゃん。すごい美人な子ね。ミタカちゃんだったかな?
その子たちも、きっとアタシが逃がすから。だから、そのときにでも。
こんなへんな、──くもをつかむような話を、って、うぐっ!はぁ、はぁ、はぁ、──ふう。
それでね、──みなりちゃん、もう寝ちゃったかな。
いいよ、ゆっくり寝てね。
アタシは、まだこれからやることがあるから、──
──────
そんな気になる言葉の後。たぶん、わたしは睡魔に負けて寝てしまったんだと思う。
なんでこんな大事な話なのに、眠くなるのだろう?と、たしかその前からわたしは不思議に思っていた。
そういえば、ごはんのとき、まいらさんは、──。
そこまで考えたのは、おぼえてる。
でもそこから、寝落ちしてしまったわたしの記憶はぷつりと切れている。