タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
苦手な方は、飛ばして大丈夫です(次回に今回のあらすじを付けます)。
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(前話のあらすじ)
志野は自分の死後(20年後?)の時代に、紫藤みなりと結婚したらしいモラハラ男に憑依した夢をみている。
モラハラ男は高木の知人であり、高木の紹介で紫藤みなりと結婚したらしい。
憑依したその日が結婚記念日だと知った志野は、モラハラ男の体を操って花束その他を買い込んで自宅に戻り彼女といちゃつこうと試みるが、仮面夫婦の関係らしい彼女のガードは固い。
志野は彼女の日記を盗み読みし、亡き志野への彼女の思慕を知り衝撃を受けているが、それを見た彼女は彼女で夫(※彼女視点)に日記を読まれたことに、それに劣らず衝撃を受けているようだ。
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(志野視点、おそらく東京、2010年代後半~2020年代前半のどこか)
──不安そうな暗い目をしている紫藤を、安心させてあげたい。
そう思った僕は、紫藤のことを大切に思っていることが伝わるよう、彼女への賛美の言葉を並べ。
そしてスキンシップをはかるべく、彼女の冷たい体をぎゅっと抱きしめたのだが。
思えば、それがよくなかった。
いや、だってさ。
やわらかくていい匂いのする、高校のころからさらに女性らしく成長した紫藤の体の感触に。
僕の脳(?)は、たやすく酔わされてしまい。
正常な判断ができなくなってしまったんだ。
抱きしめた彼女の体を、名残り惜しく思いながらも僕は解放し。
汗かいてて汚い体でごめんね、僕もすぐにお風呂入るよ!と殊勝に言ってみせた。
(もちろん笑みは絶やさず、穏やかな口調で。そのくらい僕だってわかるよ。)
でも、紫藤は不安そうな、浮かない顔。部屋の中に怖いものがいるみたいな、八の字まゆ。
どうにかして、彼女を元気づけてあげたい。
そのためには、──ぐふふ。
僕は怯えてみえる彼女の目に笑いかける。心配ないよ、お風呂の後で続きをしようよ、って。
──うん、冷静に考えるとこのあたりから僕はどうかしてた。
彼女を元気づけたい。出発点はそうだったはずなんだけど。
彼女の体の感触に惑わされた僕は、そこに「紫藤を抱きたい」っていう自分の煩悩を混入させちゃったんだ。
「抱きたい」ってのは、さ。
いや、その。さっきみたいに腕でぎゅっと、っていうだけじゃなくて、──ね?
ほら、紫藤も僕も2回目の世界では、さ。
お互い、セ○クスしたいと思ってるわけで。
だから「紫藤も僕に抱かれたがってる」=「僕が抱いたら望みが叶って元気になる」って無意識のうちに思いこんでたんだよね。
でも、この夢の中の世界(20年後くらい?高木の白髪ぶりをみると、もうちょっと後かな?)では、そうとは限らないかもしれないし。
そもそも、僕はこの男のガワをまとってるわけで。
その中身が「僕」だと、彼女が信じるはずもない。
だけど浮かれた僕は自分のシナリオの破綻に気づかず、悲喜劇への道を突き進む。
──────
僕は欲望にそまりきった目で、目を伏せる彼女をみつめる。
唾棄すべき、聖書の時代なら石を投げつけられるだろう願望だけど。
僕、紫藤としたい。できるかな?──うん、セ○クス。
不倫じゃないか、そんな汚らわしい不埒なことを、と。
謹厳実直な諸兄は、眉をひそめるかもしれない。
でもさ、考えてみようよ。これは、不倫じゃない。
なんなら僕と紫藤は、完全無罪だ。
まず、紫藤は無罪。
だって紫藤は、さ。夫に求められてセ○クスするだけじゃん。
刑法に姦通罪があったのは、戦前のこと。
夫とのセ◯クスは、もちろん姦通なんかじゃないし、貞操義務にも反しない。
あくまで紫藤は、仲のぎくしゃくしてた夫に仲直りを申し込まれ、体を求められて。
気が進まないかもしれないけど、(今から僕に説得されて)犯されるだけ。セフセフ。
そしてさ、僕も無罪。
だってさ、ヤるのはこの男、紫藤の夫(の体)なわけで。
僕がヤるのは、誰にもわからない。僕はカマキリを操るハリガネムシのように、こいつを操るだけ。
夫による妻の強姦だ、共同正犯だろ、って?
でも紫藤は、乗り気ではなさそうだけど夫を拒否はしてない。それに今から僕が懇願して説得する。強姦じゃない。
それに、僕が関与してるっていう証拠は何一つない。射精するのは、この男。精子のDNAを分析しても、完全にこの男のもの。
僕はこいつの体を使い、紫藤を抱いて楽しめる。利益窃盗っていうんだっけ。無罪だよな。それにだいたい僕、死んでるらしいし。
そういうわけで。
僕は不安そうな紫藤の頭を撫で、風呂上がりで甘く香る髪にキスをして。
寝室でまっててね、と優しく言い残し。
いそいそとお風呂場に向かい、念入りに体を、──とくに勃ちあがるアレを、きれいに洗う。
洗面所でみつけた爪切りできれいに爪を整え、ささくれひとつないように、なめらかにする。
洗面所にあった体重計にも乗ってみる。──ぬう、80キロ超かよ!この体、結構あるな。
華奢な紫藤に不用意にのしかかったら潰してしまいそうだ。気をつけないとな。
あー、どうしよう。
お風呂場に入ったあたりから、胸がすごくドキドキしはじめてておさまらない。発作起こしそう。
実のところ、僕は電車の中から。──いや、高木にクラスメイトと聞いてから。
わずかなわずかな可能性として、この男の妻が紫藤じゃないか、って思ってたんだ。
これは千載一遇の好機。盲亀の浮木、うどんげの花だよ。
だってさ。今(1990年代なかば)の現実世界では、さ。
僕、まだ紫藤とセ◯クスできてないんだよね。
いや、やろうとした。がんばった。
でも、時間の制約と、僕の未熟さと、そして紫藤と僕の体格差のせいで。
結局、紫藤の中に挿入できなかったんだ。
でもさ。
このドブ氏は、紫藤と結婚したんだよな?
結婚というからには、だね。
初夜があったはずなんだ。
そう、初夜があって、──夫婦生活なるものが。
今は途絶えているにせよ、しばらくはあったに違いない。
きっとこのドブ氏は、この固く持ち上がってるコレ。
僕のものと遜色ない大きさのコレを、小さい彼女の体の中、その雌蕊の芯に突き込んだに違いないんだ。
そう考えると、このドブ氏のことが狂おしいほどにねたましい。
怒りまじりの劣情で、僕、ガチガチに鬱勃起してる。
他方で。
紫藤と結婚してヤりこんでた、この男の体には実績がある。つまり僕の悲願を果たせるかもしれない。そう。
──彼女のなかに挿れることが、できるかも。
強い期待。どっくどっくという鼓動を耳に感じながら。
僕は風呂から上がると、一度自室の書斎に戻り。
はい、という声。僕はドアを開ける。
机に向かっていた紫藤が、椅子から立ち上がる。
僕は書斎から道具を入れて持ち込んだバッグをベッドわきの床に置き。
所在なげにうつむく紫藤に有無を言わせず歩みより、かるがるとお姫様抱っこする。
驚いて、僕を見上げる紫藤。その睫毛の長い美少女チックな目を、至近距離からのぞき込む。その開いた瞳孔に、いやらしい笑みを浮かべた中年男が映る。
抱き上げられておびえる様子さえ、かわいい。うらやましいだろ諸君。
僕、ついこの前、この紫藤のJK版とゴールイン寸前までいったんだよ?
本当はベッドに横たえようと思ったんだけど、ベッドの枕の位置が、抱き上げた紫藤の頭の位置と逆。
しかたないので次善の策として、ベッドの端に腰かけるような姿勢に丁重におろす。
僕の影が、僕を見上げる彼女の顔にかかる。
涼しげな麻らしい浴衣的バスローブねまき(?)に身をつつんだ紫藤の体に、僕の欲望がますます高まる。
腕に感じたやわらかく頼りない体、抱き上げたときに鼻を搏った、甘い香り。
それらすべてが、僕を魅惑する。
僕のそれがびくん、といっそう固さをまして立ち上がってきていて、──。
血走った目をしているであろう僕を、紫藤は不安そうに見上げる。
「カスオさん?」
心配ない、大丈夫だよ。
僕は猛然と彼女を押し倒し、のしかかる、──のではなく。
彼女の横に、そっと腰かけた。肩が重なるくらいベタベタと。片手はいやらしく彼女の腰に伸びる。
彼女はこちらに軽く向きなおり、上半身を少し僕から遠ざけるように、背中側に手をついて距離をあけようとする。
こちらを見るために軽くねじって強調された腰の細さ、浴衣を押し上げるふくらみ、襟もとからみえる白い肌に僕の目が吸い寄せられる。
僕の凝視に気づいた紫藤が、おちつかなげに襟をかきあわせる。
僕がぽんぽんと彼女のちいさな肩をたたいて微笑みかけると、彼女はおびえたように目を伏せ、体を震わせた。
室内の明かりについては、リモコンがある。
僕はリモコンを操作し、そこそこ薄暗め、くらいに明かりを設定した。完全には消さない。
だってさ、ほら。見たいじゃないか、彼女の美味しそうに成長した体を。姿態と表情の変化の、すべてを。
「みなり。答えてもらいたいことがあるんだ。」
「はい。──わかっています。」
紫藤は僕をみつめていた視線を落とし、すこし俯いて膝に手を置いた。
まだ湿ってる髪が投げる影に、紫藤の愛らしい顔が隠れたので。
僕は彼女の前髪を軽くかきあげ、額を軽く押して顔をあげさせる。どういうわけか目をつぶっている紫藤は、びくっ、と身を固くした。
「あのさ、僕、志野「答えません。」」
固い声で、かぶせるように切られた。
紫藤が、目を開ける。潤んだ目が、何かの強い感情を湛えて僕を見上げてくる。
「いやだからさ。僕は志野「だから、答えませんっ!」」
──どうにでも、してくださって結構です。
でも私は、その質問には答えません。
ごめんなさい。カスオさん。
そう、紫藤は据わった目で言い募る。
僕、志野だよ。覚えてる? ──って言って。
驚く紫藤に、約束だったよねセ〇クスしようよ、って説得しようとしたんだけど。言わせてくれない。
「よく聞いて。僕はね、志野「だから、答えません」」
かたくなな、拒否。僕をみあげる目に、敵意に近い激情がある。
──いやだから僕、カスオじゃなくて志野なんだって!
僕はそう言おうとして、ふと口を閉じて考え込んだ。
──まてよ?
よく考えれば、だよ。
僕が志野だって明かして説得するのは、下策かもしれない。
紫藤は、すごく潔癖っていうか。──貞操観念、強いんだと思う。
だってさ、ほら。
僕が紫藤に交際&援助(援助交際じゃないよ)しようとしても。
ただでお金を受け取ることは、頑として拒否してた。
それ以外も、小さいところだけど。
僕から受けたお金はどんな小さい額でも綿密に記録をとって、いいよいいよって言ってるのに、必ず返すよ、って言ってるし。
つまりさ、紫藤って。
たぶん自分の中で決めた「しないといけないこと」「しちゃだめなこと」は、絶対に守るタイプなんだ。
そこらへんは、ちょっと保守的っていうか、愚直なまでに真面目なんだよね。
おそらくそれは、男女関係についてもおなじ。
だから彼女。きっと、すごく夫(ドブ氏)を嫌って、愛想をつかしていたとしても。
そしてそこに元カレ(だよね?自信なくなってくる)である僕が、突然現れて。
ヘイ彼女ヤろうよ、なんて彼女を誘っても。
きっと、乗らないと思うんだ。
そう、カスオボディで僕が「僕って実は志野なんすよ」ってカミングアウトしたら、だよ?
きっと貞節な紫藤は、懐かしみながらも僕を拒否するよ。まちがいない。
「わたしには、夫がいます。志野くんは、わたしの美しい過去なんです。」とか言って。
そこを無理やり組み敷いて、──って空想すると、すごい興奮してばきばきに勃ってくるけど。
でも僕はそれはやっぱりヤダ。彼女を傷つけたくない。
だから、さ。
ここは。紫藤に対しては、僕はこの
紫藤には、僕が憑依していることは悟らせずに。
この男の本来の性格に沿って、暴言とか吐き散らして、冷酷な行動をしておく。
そうすることで、紫藤には拒否の口実を与えず。
だけど彼女の体を僕はしっかりじっくりと味わい、楽しみつくす。
それも、いいんじゃないだろうか?
あっ。引いたな?紫藤が可哀そうだ、ガチクズすぎる、って。
うん、否定するつもりはないよ。だけど、さ。
僕は紫藤に、怒ってるんだ。
僕から離れない、離れてもかならず戻ります、なんて僕には誓っておきながら。
僕の死後、こんなドブカスとほいほいと結婚したんだよ。
僕以外と結婚するなんて、浮気ですよ浮気。姦通ですがな。
紫藤へのお仕置きが、あってもいいよね。
僕の頬には、いつのまにかまた。
ドス黒い笑みが、浮かんでいたに違いない。
紫藤が、息をのんだ気配があったけど。
僕は頭の中の想念を追いかけるのにせいいっぱいで、それにほとんど気づいてなかった。
「へー、ほー、ふーん?
僕には、言ってくれないんだね?
夫には、言えないことなのかな?」
意地悪そうな声を作って、言う。
この男の、元のキャラクターの行動権を少しだけ増す(操作に慣れてきて、そんなこともできるようになった)。だから迫真の出来。
「は、はい。」
紫藤は、ごくりと息を飲んだ後で。
でも、そう言い切る。
「じゃあさ。みなりの体に、聞いてみるしかないな。
僕も、さ。愛する妻を、さ?
痛めつけたりするのは、本意じゃないんだけどね?」
──でも、素直に言ってくれないのなら、仕方ないよね?
悄然として落ちている彼女の肩をみながら、そう言い放ち。
下劣なことに、脳に快楽物質がぶわあっと分泌されはじめるのを僕は感じる。
このカスオ野郎、きっとサディストだと思う。2階に隠してあった道具もそんな感じだし。
後で天誅だ。頭ごんごんにしてやろう。
でも今は仕方ないなー、僕も心ならずも、おつきあいせざるをえないなー。
「──どうぞご自由に。
カスオさんの、気のすむまで。」
紫藤はそう言って、目を伏せた。
彼女の繊細な睫毛が震えているのを、僕は認めた。
ほう、そういうのならそれはそれで。
僕は、紫藤の肩を押し。
ベッドのへりに座った姿勢のまま、優しく、しかし断固として彼女の上半身をベッドのシーツの面に押し倒す。
紫藤が、おそらくは抗議の意を込めたじっとりとした視線で僕を見上げる。
「早く白状した方が、みなり自身のためじゃないかな?」
「しません。言いましたよね。」
かすかに眉をひそめ、歯を食いしばって顔を横に向けた。
僕の顔すらみたくないらしい。決意をひめたロリ美女の横顔に。
僕はますます、嗜虐心をくすぐられる。
ふくらんだ胸に手のひらをあててみると、紫藤が体を硬直させた気配があった。
でも胸はやわらかいまま。うまくできてる。
思わず、もよもよと手のひらで感触を楽しんでしまう。
「──残念だな。
じゃあ、ほら、後ろを向いて。そう、床に膝をつくんだ。」
気を取り直し。僕は彼女の姿勢を変えさせる。
まず、彼女の体を半回転させて、あおむけの状態からうつぶせの状態にする。
つぎにベッドから半分降りさせ、床に足(ひざ)をつかせて。
ベッドのへりに上半身、お腹から上を乗せる姿勢にさせた。
ちょうど、
○/|_ ←僕の好きな、この状態をちょっと変えて、さ。
上半身だけをベッドにべたっと寝かせて。
下半身をベッドの外にひざまずかせる。床に膝をつかせてお尻を突き出させてる姿勢だね。
さて。
僕は僕が憑依した男の書斎から持ってきたかばんをベッドの近くに持ってきて、必要なものを取り出す。
このカスオ氏、どうも僕とは趣味の違うところもあるけどスケベ男だったのは間違いない。春本とか妙な道具とかいろいろあった。ゴムはあったが、古いもののように思える。
まず、これだね。
「ほら、腕を後ろに出して。」
紫藤は従順に、背中側に腕をそろえて出す。
そのまっすぐにのばした腕の手首を、僕はおそらくそういう用途なのだろう、黒い強化ナイロンの結束用バンドで、きつめに拘束した。
そして、ひじのあたりも。
紫藤が、背中で紫藤の腕の拘束作業中の僕を見ようとして横顔をみせた。
ごく軽く、ぱち、とその頬を叩く。
「何、見てるんだ。
──次は、足をそろえろ。そう。」
すこし体の主導権を戻したこのパワハラ男は、僕の要望を高圧的に言い変えて紫藤に命令する。
そろえた彼女の足首を、やはり結束バンドで固定。膝の上の腿のあたりでも。
黒く細い結束バンドは、彼女のしっとりした白い肌にきりきりと食い込み、拘束する。
彼女は、ベッドに上半身だけを乗せて腰を出している姿勢。
浴衣をまとっているが、なめらかな腰からお尻、そして脚に続く曲線が僕を魅惑する。
そのお尻に、僕は浴衣の上から手をあてた。
僕の胸の、動悸が早まる。紫藤も、落ち着かなげに身じろぎした。
そして僕は紫藤を尋問する。
問いかけた声に含まれていたのは、聞くに堪えない醜い嫉妬だっただろうか、それとも悪辣な愉悦だっただろうか。
「さて、教えてくれるかな、──その、シノくんとかいう人のことを?」