※この作品はR-18です。

タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。   作:Marchhatter

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志野視点です。
細部を後で書き足すかもしれません。


291 異形たちの茶会(14)(志)?

(志野視点、ホテル「ミニマス」、夜)

 

「それで、志野。どうするつもり?あたしたちをこんなホテルに引っ張り込んで」

 

「そうだよそうだよ。ボクたち、何をされてしまうんだろうねー?」

 

「あのなあ、──」

 

 ホテルの一室。オーナーの頭がおかしいせいで、おかしい設備がいろいろある。

 ただ、最低限のホテルの機能であるベッドはちゃんとあるし、清潔に整えられている。

 僕はそのベッドに座る二人に、目を向ける。

 

 1人は、白いシャツに濃紺のジーンズ。およそシンプルの極みという装いの調布。

 その服が包む、冷徹そうな(クールな)顔ながらアスリート系のしっかりした体、形のよい胸とくびれた腰、大きめのお尻、そしてしっかりした太腿。それらすべてが、僕を魅惑する。

 

 もう1人。ちびTシャツにヒップホップ系みたいなカーゴパンツ。お腹がちょっぴり見える(お昼は素肌だったけど、今はそこに菫色が見えてる)。調布と違って起伏は少ないが、舐めるとくらくらする悦楽を与えてくれる、カーゴパンツに隠された白い脚の存在を、僕は知ってる。

 

 そして二人とも、──僕のひいき目ではあるけれど、外見はいい。タイプは全く違うが、美女美少女。

 その二人は結束して、くすくすと僕の方をみながら。

 なにやら僕が強姦魔であるかのような、不名誉なことばをささやき交わしている。

 もちろん、僕をからかっているんだ。畜生。

 

 ──さて。こいつらを懲らしめて反省させてやらねば。

 

 と、僕は思った。

 

 ──────

 

 僕と調布が、あやしげな地下クラブでの予選(?)を勝ち抜き。

 そしてグレースとも接触できた(らしい。まだ詳しく聞いてない)調布と抜け出し、こうしてホテルに入ろうと歩いていて。

 まさに入る直前に、突然、何者かに「こらっ」と大声でどなられ、襲いかかられた。

 

 ほら、僕の超感覚さんは気配にもちろん気づいたけどさ。女の子だな、って感じで僕自身は無警戒で。

 しかもそのときは、調布の体の感触に対してアンテナを全振りしてたせいで。

 そりゃもう、息が止まるくらい驚いたよ。

 

 ただ、その暴漢が僕と調布の間に割り込むように、首タックルっていうか両腕で肩をつかんできたときには。

 そのしなやかなやわらかさとか、匂いとかですぐわかった。国領だって。

 

 そして始まる、路上キャットファイト。

 要は調布が僕とコソコソとホテルに入って抜け駆けなんぞ、けしからんってのが国領の主張。

 それに対し、昼間はあれだけチャンスを与えたのにフイにして、そして待ち合わせに遅刻までしたあげく邪魔してきてる国領はけしからん、っていうのが調布の反撃。

 このあたりは人通りは少ないとはいえ、外でやる話じゃない。

 間に入った温厚な僕が、いったんみんなで入ろうよって言っておさめたってわけだ。

 

 そして適当に財布と相談して安めの部屋を選び(その間、声は潜めてはいるんだけどくすくす忍び笑いする声が、背後ではうるさかった)。

 部屋に転がり込んで、今こういう状態。

 調布と国領が結託して肩をよせあい、僕の方をみてクスクス笑ってるわけなんだが、──お前ら、喧嘩してたんとちゃうんかい。

 

「でもちょうどよかった、ハルカ。

 色々あたしたち、探り出してきたのよ」

 

「ふみゅん?」

 

 僕はそこらの椅子に似た道具(おそらく別の、もっと淫靡な用途がある)に腰かけ。

 彼女たちに正対して、それとなく彼女たちの胸や脚の曲線を窃視しながら。

 これまで得た知見を、共有しあうことにした。

 

 ──────

 

 その1。ラピエスタへの予選に僕と調布はパス。シード権なるものも獲得。

 くわしいことは、僕が貰った本戦についての連絡先に聞けばわかりそう。

 

「早めに連絡しなさいよ?

 日程にもよるけど、潜入するなら、あたしも休みをつくるから」

 

「ボクにも、一応教えてよ」

 

「──マジかよ、こんなのどうみても警察っていうかICP〇マターだろ、──」

 

 その2。ラピエスタはそれなりに危険。ただ、大金も入るらしい。

 

「すごい額のお金が動くみたいなの。

 出ただけで数千万、プレイによっては億を超えるとか」

 

 どうやら別会場で、ぬからず情報収集していたらしい調布が言う。僕、あの場で人と話して情報収集するなんて発想、なかったよ。

 だがなあ、夢の中でこの「裏」(たぶん)を知ってる僕としては、潜入なんて絶対反対だ。

 

 危険の内容、ここをどこまで言うか悩む。

 僕はあの悪夢で調布と国領がかなりヤバい状況になるのを知ってる。でも、その具体的なプレイとかは言ってない。

 ただし調布は調布で、僕が彼女にやったり、予選の舞台でやったことを見ているからね。本番が相当ひどいってわかってはいるみたいだ、でもたぶん調布の予測を超えてる。

 国領はそこはぴんと来てないみたいだけど、あの悪夢と違って国領が参加する線はない。だからまあ、今ははっきり言わなくてもいいだろう。僕と調布だけで詰めよう。

 

 その3。調布は、グレースに接触できた。

 

「きれいな子ね。日系ハーフ。ちょっと内気そうな感じ?

 終わったときにいかにも知ってる子、みたいな感じでハグして水着の裾にメモを入れてきた」

 

「すごいねさとみん!マークされたり、してなかった?」

 

「あのグループはたくさんいて、見てないときを見澄ましてやった。グレース以外にも、観客にいじられてた子かなりいたし。だから多分大丈夫。

 たぶん一般参加じゃなくて、主催者側のグループじゃないかしら。みんな首輪つけてたわね」

 

 僕はちょっと心配になるが、調布によると言葉では「久しぶり(Long time no see)!」くらいしか言ってないので、盗聴されてもOKだろうと言っていた。

 

 その4。もしかすると僕の知ってるかもしれない子が予選の会場にいた(『有明りな』ね?)。そんなに親しくなくて、顔と名前を知ってる程度。あと、その子のことを心配してるかもしれないいかつい黒服かボディガードか何かの兄ちゃんがいた。

 

「それ、本当?

 本人が望んで出場するならいいけど。逃げ出したいならグレースといっしょに連れ出す?」

 

「あー、そうだな。もしかすると頼むかもしれない。でも、確認してからだな」

 

 そういえば、この後本当ならあいつのところに行くはずだった。今日はでも、キャンセルでも。

 

 その5。このホテル怪しい。おもしろい。探検したい。ダメなら部屋のもので遊びたい。ボクは門限であと1時間くらいしかいられないから、早くアソボウよ。

 これは、国領の提案だが、調布も乗り気。

 

「そうね。このホテルの部屋、もしかすると全部設備が違うのかしら。前みた部屋とは違うみたい。

 ホテル内の探検も、してみたいわね」

 

「わー、さとみん、ここ使ったことあるの?おっとなー!

 もしかすると、さとみんの初めてって、うわっ、やめてっ、あぶなっ!」

 

 国領は、「その4」のあたりからすでにぴょん、とベッドから立ちあがり、部屋の中の設備備品を見回りはじめていて。

 ぶらさがり健康器にも似ているが、もっと陰惨な用途に使われるのだろう鎖と革の手錠つきの器具をみつけて、ぶらさがり。

 「すごいよしのりん、段違い平行棒の練習ができるよー!」なんて騒いで。

 なんかぶら下がりながら足を上げたり懸垂したりするという、器用な行為(トレーニング?)をしながら会話に参加していたのだが。

 調布を揶揄するような言葉を述べたとたん、やはりベッドから立ち上がって部屋の様子をチェックしていた調布に腋の秘孔を突かれて落下しそうになっていた。

 

 ──はあ。馬鹿ばっか。

 ここは僕が教え諭し、導かねば!

 

 そう義務感に駆られた(馬鹿)は、あえて厳しい声を出す。

 

「ほらっ、そこの2人!

 特に調布君、君には厳しい罰が必要だな。まず、そこに上がるんだ」

 

 きゃあきゃあとじゃれてた2人が、顔を見合わせ、また僕の方を見る。

 ちょっぴりオデコでボーイッシュで手塚漫画のヒロインを思わせる国領と、

 ありがちな学園ドラマでの文武両道完璧生徒会長的な、怜悧な顔立ちの調布。

 名指しされた、温度の低め(クール)な顔立ちの調布が、僕に応える。

 

「はーい、志野先生! でも、あたし何も悪いことしてません。ハルカもです!

 まさか、服を脱げなんていいませんよね?」

 

「当たり前だろう。下を脱げ」

 

 さっそく役に入り込んだらしい調布の、一見まじめくさった顔での確認。

 もちろん脱がせる。当たり前だ。

 

「えー。えっちなこと、したりしませんよね。先生?」

 

 調布は、そんな憎まれ口をたたきながらいさぎよくジーンズを脱ぎ、ベッドに上がる。

 僕は壁に架けてある鞭などの道具のなかから、笞(細い竹の棒みたいなやつね)を取り、調布に姿勢を指示する。

 正座して、そこから前に体を倒して伏せるようにしろ、と。

 調布は口では文句を言いながらも、従順に僕の指示に従い、その屈辱的な姿勢をとる。膝を立てるように、腰を上げて。

 上半身はまだ白いシャツを着たままで、下半身も非常に防御力の低い下着をまだ身に着けている。

 

「ああ、国領君。君にも手伝ってもらおうか」

 

 国領はこの間、僕から1メートルほど離れたベッドサイドに立ち尽くし、僕と調布を見比べていたが、僕の呼びかけにぴくりと反応した。

 国領は門限があるって言ってたな、だからそれを忘れないようにしないと、──と時計をちらっとみる。まだ大丈夫。

 

「えーと、はい、──志野せんせい。

 ──これもですか?」

 

「そうだ」

 

 急展開に動揺している様子の国領だが、この場の状況と配役は理解したみたいだ。

(教師に目を付けられてる反抗的な調布と、生徒会の風紀委員でありこの教師役を補佐する立場である国領っていう配役ね。ちなみに僕が生徒から嫌われまくりの、スネ○プ先生を数百倍セクハラっぽくいやらしくしたみたいな教師役。)

 そして僕がてきぱきと調布を拘束する革ベルトや手錠などの道具を持ってくるのをみて、何をすべきか飲み込んだらしい。

 

 調布には腕を背中に出させ、腕を伸ばした状態で手首とひじ上に革ベルトを付ける。手首の革ベルトの金具を両方連結し、さらに鎖を付け、その鎖を天井のフック(頭おかしいオーナーが人を吊れるように改造している)に付けて固定する。鎖は天井に引きあげて固定したので、背中側に腕が吊られた状態だ。

 両足首にも革ベルトを巻き、鎖を付ける。この足首の鎖は、頭のおかしいホテルのオーナーの特注品らしい頑丈なベッドの鉄フレームに固定した。脚を少し開き加減になるように、離れた位置で。

 後、調布には首輪を着ける。そしてこの首輪に鋳鉄製の重りを付けて調布がベッドの面から顔を上げられないようにする。

 国領はやはり頭がよく、指示するとどうするか、というのをすぐ飲み込んでくれたので、手分けするとぎちぎちに拘束された姿になった調布が完成する。

 

「先生、苦しいです。──あっ!」

 

「罰だからな、──ほら、何か言うことは?」

 

 竹の棒で、軽くぴちっと調布のお尻を叩く。

 ちなみに、既にあの地下クラブでの「トライアル」で鞭うったので、調布の大きなまるいお尻や腿には、既に数条の赤い線が走っている。

 

「志野先生の目がいやらしいです、──ぐっ」

 

 今度は素手でばちっと叩き。そのままお尻を手で撫でて味わってみた。

 ごくん、と唾をのむ音が聞こえて、僕は国領の存在を思い出した。

 

「ほら、国領君。君もだ」

 

「え、ええっ?──さとみん、ごめんね、えいっ!」

 

 目を大きく見開いて調布が僕に打たれる様を見ていた国領は、僕から笞を受け取ると。

 最初はおそるおそるで、ぱちっと軽く。

 そしてそのうちバシッと強さを増す、──ノリノリで。

 

「ほら、どう?さとみん。くやしい?苦しい?」

 

「くっ、(つう)っ、──ハルカっ!覚えてなさいよ!」

 

「国領君、遠慮なくやれ。もっとやれ。その足の裏にも」

 

「はいっ!」

 

 国領の顔をみると、──透くような白い頬には、赤い色が差している。

 酔ったような目、軽く額を拭うようなしぐさ。暑いのかもな?

 

「ほら、なにか言うことは?」

 

 ベッドに上がり。僕はシーツに横向きに頬を押し付けた状態の調布の頭近くに片膝をつき、横目で見上げる調布に目をあわせた。

 

「先生はいやらしいセクハラ豚野郎です!あたしは先生のこと、信じてたのに──ぐっ!」

 

 僕は不穏な台詞を口走る彼女の頭に、足を乗せて体重をかけて踏みつける。彼女の頬が、マットレスに沈む。

 もちろん、マットレスは少し固めながらもしっかりしたもので、踏まれた痛みはそこまでないはずだ。

 でも踏むことでの屈辱感を彼女に与えるのが、僕の狙い。

 

「せんせー、これ試していいですか?」

 

「ほう?ちょっと試してみようか。──痛っ」

 

 国領が何やら電極らしいものが突き出したテスターのようなものを発見して持ってきた。

 いきなり調布で試すとまずい気がして、自分の腕で試す。びりっという、衝撃と痛み。

 これは、使える。

 

「国領君、大いにやりたまえ」「やったー」

 

 僕と国領は、そこから十数分間。せっせと調布を痛めつけ続けた。

 

 ──────

 

 目を閉じ、ぐったりとした調布。冷房を入れてはいても白いシャツには汗がにじんでいる。意識が飛びかけているようだ。

 

「ねえ、しのりん、じゃなかったシノ先生。

 ボクには、何もないの?」

 

 国領は、ひとしきり調布を弄んだあと。

(ちなみに僕が考えつくより、よほどえぐい責めを考案して実行してたよ。あそこに電気ショックかけたり)

 どこか潤んだような目で僕の顔を覗き込み、そんなことを口走ってきた。

 

「あー、そうだな。国領も、僕を溺れさせてたな」

 

「うん。だから罰は受けるよ。

 でないと、さとみんと公平じゃないし」

 

 よくわからない理屈を言う国領の、距離が近い。わずかに爽やかな匂いが漂う。

 僕は手に持ってた鞭を捨て。本能的に、軽くその薄い肩を抱きよせてしまった。

 彼女は顔を僕の首の下あたりに押し当てて、抱き着いてきた。熱い体温。

 ぐりぐり、と彼女は自分の頭を僕の胸にすりつけ。そして、はあー、と息を吐いた。

 

「ねえしのりん。さみしかったよ」

 

「僕もだ」

 

「だってしのりん。みなりんばっかり構ってて、さ!

 ボクとは、目もあわせてくれなかったじゃないか!」

 

 そう、ぶつぶつと文句を言いつつも。

 彼女は抱かれ心地を確認するように、僕の腕の中でみじろぎした。

 

「悪かった。──僕も、国領に嫌われてるかと思って」

 

「ボク、言ったよね!嫌いじゃない、好きだって」

 

「あー、そうなんだが」

 

 確かにそうだ。あの竜神の窟屋でも、その後の即席裁判でも、国領は僕のことを好きだって言ってた。

 ただ、竜神窟での発言は吊り橋効果で説明つくし。その後の裁判も、恋人になる気なんてないって言ってたし。

 

「まあわかってるよ。ボク、結構ひどいこと言ったし。

 だから、ボクのこともちょっと、えーと、懲らしめてくれていいよ」

 

 そんなことを言う国領。僕はちょっと腕を緩め、彼女を検分する。

 バラ色に染まった、白い頬。キラキラ光る少女漫画チックな目。長い睫毛。

 そしてその体は、調布どころか紫藤に比べても起伏少なめ。──でも僕の目にはすごく魅力的に思えて、──

 

「あ、でもっ!ボク、はじめてだから、さ。

 その、さとみんにやったみたいなことには、耐えらえないと思うんだ。だからやさしく、ね?

 それと。本番、ナシだからね、絶対!」

 

 僕はうるさく注文をつけはじめた国領を、とりあえずベッドの上に放り投げた。

 

 ──────

 

 まだ完全着衣の国領を膝の上に乗せる。ほら、お尻を叩く姿勢だ。

 

「わ、わわっ、──これ、恥ずかしいよー」

 

「国領は体操やってるんだよな?

 みんなの前で演技とかするから、見られるのは慣れてるんじゃないのか?」

 

「あれはね、別だから。試合だし。

 それにあれだって、知ってる人にじろじろ見られると恥ずかしいんだよ」

 

 国領はそこから、クラスの男子が頼んでもいないのに新体操の大会に来てて恥ずかしかった、みたいなことを言っている。

 僕は聞き流しながら、小さいが形のいい、えくぼがあることを知ってるお尻を軽く叩いた。

 

「うぐっ!もー、いきなり叩かないでよ、──」

 

 叩くと、うみゅー、とか言って体を悶えさせる。

 それを押さえつけて、さらに叩くと、国領の体が熱くなってきたのを感じた。

 

「ちょっと脱ぐか?暑いんじゃないか?」

 

「──うん。ちょっと脱ぐね。

 笑わないでね、下に着てるんだけど」

 

 国領は、そう断り。自分で脱ごうとしたが、僕はそれを制して脱がせることにした。

 ぶかぶかのカーゴパンツを脱がせると、はっとするほど白い肌が現れた。

 ちびTシャツもまくらせる。こっちは、頭を通すのがちょっと難しかったので脱ぐのは国領にやってもらった。

 

「えへ。──どう?」

 

「──ああ、いい。すごくいい」

 

 レオタード一枚になった国領は、ぴょん、とベッドから降り。

 ちょっと恥ずかしそうに、片腕を上げてバレエみたいなポーズをとってみせた。

 スレンダーな、白い手足に僕の目は吸いつけられ。のどがごくり、と鳴るのを感じた。

 

 ──────

 

「わー、痛い、──けど気持ちいい」

 

 レオタードに剥いた国領を膝の上にのせ。また叩く。

 ダイレクトな肌の感触が、僕を興奮させてしまう。

 

「ねえしのりん。

 これ、すごく固くなってるみたい。苦しいんじゃないかな?」

 

 そしてそれは、当然国領にも気づかれてしまうところであり。

 

「これ、ボクが抜いてあげるよ。

 ほら、お昼のときに本当は抜いてあげようかなって、思ってたんだよね」

 

 そして、そういうことになってしまったのだった。

 

 ──────

 

 ──恥ずかしいから、これ着たままでいい?

 水着じゃないけど、どうせ洗うし。

 

 そんなことを言われて。僕とレオタードのままの国領はお風呂場に入った。

 慣れてないのか、僕を正視しようとせずに頬を赤くして目をさまよわせる国領が、愛おしい。

 調布なら、ギラギラした目で見てくるからね。いや、そういう調布のことは大好きだけど。

 

「わー、こんな大きいんだ。

 こんなのが、よくボクに入ったよねー」

 

「そうだよな」

 

 お互い、簡単に体を洗い。その間に貯めておいた浴槽に入り。

 国領は僕の後ろ、背中側から手をのばして(僕は紫藤に対してやるみたいに、国領を後ろから抱きたいなーって思ったけど、まだ恥ずかしいんだそうだ)、僕のそれをこわごわと触る。

 さわられた僕のアレは、びくっと動き。

 それ以上に、国領がびくっと反応した。

 

「これ、──やっぱり熱いんだ。ボクも、これすごいあったかかった」

 

 そうぶつぶつ言いながら。彼女は、手を動かし始めた。

 非常に稚拙ではあるが、それがいい。

 

「わ、しのりんっ、むむっ」

 

 僕の肩ごしに覗き込んでた国領からの、爽やかな匂い。彼女の頬が、僕の耳に触れる。

 僕は思わず我慢できなくて、振り向きざまに国領の唇に唇をかさねた。

 彼女は最初、反射的に体を引きかけたけど。

 途中から口をかえって押し付けてきて、柔らかい舌を僕の舌にからませた。

 甘い味。我慢できなくて姿勢を変え、細い体を抱きしめた。

 

 ──────

 

「しのりーん。ボク、はじめてだったんだよ。口へのキスなんて、さ」

 

 キスが終わり。なぜか無口になった国領は体から力を抜き、ずっと僕に抱かれて頬を僕の胸に預けていたが。

 やがて再起動すると、なんだか続きをやるのもはばかられて(それに、結構、国領の門限が近づいてたんだ)、体を洗い、僕が先に出て服を着て、国領がその後で僕が持ってきた着替えとバスタオルを受け取って着替えて髪を乾かした。

 調布はまだ意識を失った状態。異常はなさそう、とみて、僕は無愛想なフロントに電話して。

 一時的に国領を送りに、外出することを伝えた。

 

 その間、もじもじしながら国領は自分の左右の指を絡ませるようにしていたが。

 部屋を出ると、キスについての苦言をボクに言ってきた。まだ心の準備ができてないとか、なんとか。

 

「悪かった。がまんできなかった。」

 

 僕が悪い。だから謝ると、なぜかそれも不満みたいで頬を膨らませてる。

 エレベータを降り、少し涼しくなったがまだ暑い外気を感じる。

 国領を、公園まで送っていこう。あの公園、ヤンキーとかいそうだしな。僕と調布の自転車も気になる。

 

「いいよ。いいんだけどさ。

 ──ボクのこと、好き?」

 

「好きだ」

 

 (フェンスの破れ目経由でなく)通常ルートでたどり着いた公園には、誰もいなかった。

 フェンス横の自転車置き場(明示はしていない)には、僕と調布のだけでなく、国領の自転車もちゃんと無事に停まっている。

 国領の問いに、僕はそう答えた。──ごめん、紫藤、調布。でも、国領のことも好きになってしまってる。

 

「ボクも。──だけど、その、さ。

 まだ、よくわからないんだ。だから、さ」

 

 そうもじもじと国領が言う。

 彼女が言うには、僕が好きだと思う。でも、いろいろあるし、紫藤たちにも悪いから。

 しばらくはちょっと前(国領と喧嘩する前ね)みたいな関係から、ゆっくり僕との関係を続けたい、ということみたいだ。

 

「それで心が決まったら。いや、決まるのかわからないけど、さ?」

 

 そう、むにゃむにゃと国領は言う。

 本当はどんな関係にしたいか、まだわかってないって感じかな?

 ただ、それはある意味、僕も同じなんだ。

 国領が好きだ。好きになってしまった。

 でも、今はまだあまり考えられない。まず、僕の目標、紫藤を生存させることを考えなきゃ。それも、ただ生存させるんじゃなくて、幸せにすることを。

 その後で、いろいろなことにはちゃんと解決をつけようと思う。

 

「ちなみに、もしそうなったら、──だからね?」

 

 あれ、聞き逃してしまった。ただ、文脈からはだいたいわかる。

 

「わかってる。勘違いはしない、大丈夫だ」

 

 ミキストの自転車にまたがる、国領。

 でも急に名残惜しくなって、僕は彼女の細い肩を抱いて、そして唇を近づけた。

 彼女の柔らかい唇が、また僕を受け入れる。舌が、またからむ。

 すぐ離すつもりが、長くなった。

 

「──。

 もー、調子いいんだからしのりんはっ!

 責任、とらせるよ!?責任って言葉、わかってるよね?」

 

 口では、そういう恐ろしいことを言いながらも。

 またね、しのりん!と元気に言って、国領は手をひらひら振って、自転車に乗っていった。

 公園から国領の家までは、細い道をわざわざ選ばなければ大丈夫だと思う。

 立ちこぎしてすごい勢いで小さくなる姿を見えなくなるまで見送って、僕はホテルに戻った。

 ──キスしたときに勃ってしまったアレを、どうしようもなく持て余しながら。

 

 ──────

 

 部屋に戻ると、ぎしぎし、と音がしていた。

 

「志野!?もう、どうしようかと思ったわよ」

 

「あー、悪かった」

 

 ほぼ失神状態だった調布が復活してて、独力で拘束から抜け出そうとして。

 もちろん、ギチギチに拘束してるからね。果たせずにもがいていたみたいだ。

 

「あたし、まだ時間ある。話したいこともあるけど。

 ──あなたは?」

 

「大丈夫だ。

 それに。話だけじゃなくて、責任も果してもらうぞ」

 

 まだ僕は調布に、ちゃんと罰を与えきってないと思うんだ。

 度重なる僕への暴言、粗雑な扱い、名誉毀損、プライバシー情報の流出。他にも、なにかあったっけ。

 とにかくそれらへの彼女による償いは、まだまだこれから。

 

「あら、──それは楽しみね?」

 

 首につけた重りのせいでこちらを向けない、調布の声。

 その無防備に拘束された肢体を、僕はおそらくはキモい笑みを浮かべて眺めながら。

 これから調布へ加える責めの算段を、考えていたのだった。

 

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