タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
ぬるいですが暴力描写があります。
(第三者視点)
「さて、始めようかいな。
砂土原、お嬢ちゃんはこの
そそるんじゃけど、若のじゃろ?」
葉良先生が、好色な目を彼女に向けながら砂土原に問う。
「はい。替えがあるはずです。クリーニングも、できますので」
「ほうか、ほうか!じゃあ、今日はそれでやってみるかのー。
新鮮でええ。今日は挿しこみまではせんけぇの、ひひひ」
有明りなは、葉良邸のはずれにある土蔵につれこまれ。
そこでこれから、葉良先生にじっくりと嬲られることになっているらしい。
頭上に上げた手首を縛った縄を天井のフックに掛けられて逃げられない彼女は、近づいてきた葉良先生を見あげた。
(葉良先生はけっして背は高くないが、身長約150cmと小柄な有明りなよりは高いし、最近しぼんだとはいえでっぷりしていて、体重はおそらく2倍以上ある。)
シミの浮いた手が、もにゅもにゅ、と胸を揉みしだくと。
もわもわした快感を覚えた彼女は演技でなく、甘い吐息をついた。
「ぬほほほっ、ええ娘や、ええ娘や!
そうだ砂土原。ちょっと録画してくれ。──ええな?」
録画開始を確認して、葉良先生が彼女のあごを手でつかみ上をむかせ、あぶらぎった顔を彼女に近づける。
キスされるのかな、と彼女は、嫌悪感にすこし体が固まるのを覚える。
ドラマとかの演技でキスくらいはしたし、いままでだって葉良先生の頬にキスしてあげてきたけど。
でも、口でやるのは、──。
「なあお嬢さんや。これから、ちょっといろいろするけれどもな。
縛ったり叩いたり、水を飲んだりもするかもしれん。
そういったことに、同意しとるよな」
「──はい」
もちろん、イヤだ。でも、彼女は組織に派遣された人間で、この葉良先生の玩具だ。
だから彼女は頷いて、はにかんだ笑みを浮かべてみせる。
「今日はな、──まず、あの道具。それとこれを使ってみようか思うとるんよ。
どう思う?」
彼女は葉良先生の指さした道具を眺める。
大きな、水車のような道具だ。
この水車はみがきこまれた木製で古いものだが、この水車が浸かるようになっている巨大な水槽は、アクリルだかガラスだかの新しいものだった。
今しも砂土原が、ホースを外からはこんできて、水を注ぎ入れ始めている。
「今日は、暑かったやろ?もちろん、冷たい水にはいってみたかろうが?」
「はい。水浴びは気持ちいいです」
有明りなは、この場の空気を読んで迎合する。
嫌悪感に眉がよってしまい、我ながら大根役者。
「息が続かんかったらな、苦しいやろな。
ただ、苦しいのも、経験してみんとな?」
「はい。苦労は買ってでもしなさい、と母に言われました」
茶番だな、と思いながらも適当に受け流す。葉良先生も笑っている。みんな幸せ、彼女以外は。
「よしよし。たっぷり、苦労してみるかのー!
──砂土原、水はまだか」
「もう少し、かかります。15分くらいでしょうか」
水車が浸かるくらいの大きさなので、水槽は風呂桶以上に容量がある。
「ん、それじゃな、それまでの時間つこうて、縄の味を教えたれ。
鏡、自分で見えるように置いちゃれ」
「はい」
腕を頭上にあげた状態で縛られている有明りなが、自分をみることができるように。
砂土原が、対面の位置に姿見(丈の高い鏡)を運んでくる。
姿見は、かなり古いものだ。赤みがかった木肌は丹念に磨き込まれている。
(暗い蔵に入ったとき、片隅にあったこれを鏡だと知らなかったときは、何かがいると思ってぎくっとしたものだ。)
彼女は、鏡の中の自分に視線を向ける。
姿見の中の有明りなが身に着けているのは、セーラーナイテスの衣装。彼女の好きな「スコルピオ」だ。
簡単にいえば、セーラー襟やカフを付けた、レオタードみたいな服装。申し訳程度のスカートが付いている。
今着ているのはもっともシンプルな第1段階の変身時のもの。
スコルピオの場合、何段階か変身がある。たとえば第2段階目の変身はヘヴィメタル風で、棘も付く。
臙脂色のイメージカラーは、彼女の生まれつき濃い赤ワインのような色の髪や目によく似合う。
実写化はポシャったけれど、まだ根強い人気のある作品なのだが。
催事などでみかける
一度、ラジオ番組か何かでアニメの方の監督さんか誰かが「あの子ね、『有明りな』がね、スコルピアやってるの見てくださいよ。もうイメージどんぴしゃ。あれ以外、絶対考えられないって今でも思ってるんだよ」とか褒めてくれてるのを聞いた。今でも、彼女の誇りだ。
縄が、彼女のコスチュームを押し上げる胸の上から掛けられる。
縄は折って二条ずつ(1本でなく、2本ずつ)掛けるのだな、と彼女は慣れた手つきで彼女の胸を縛っていく砂土原の指の動きを見ながら、そう思った。
胸の上で縄を掛け、そして首に縄がいったん回り。
そして胸を絞りだし、強調するように胸(乳房)の下にも縄が締めこまれる。
ぞくっ、と彼女は妙な快感を体の芯に覚えて、膝をこすりあわせた。
それをみとがめたのか、葉良先生が含み笑いをする。
「本当は背中で腕を縛るんだがな。今日はただの胴縛りじゃ。
葉良先生、足もやりますか」
「おう。股にな、縄の良さっちゅうもんを教えてやれ」
首からの縄が、股間に掛けられた。
縄が衣装ごしにデリケートな部分に掛けられ、彼女は思わず腰を折るようにした。
「おら、ちょっとサービスしてやるよ。ほらよ」
砂土原はいったん股間の縄をはずし。節くれだった指で器用に縄に結び目をつくり。
また股間に縄を掛け、無慈悲な手で、有明りなの背中に回した縄を胸を縛った縄に掛け、ぎりぎりと締め上げた。
先ほど作った縄の結び目のこぶが、彼女の割れ目、それも敏感なつぼみの隠れている部分にちょうど当たるように、丹念に調整された。
有明りなは、強い屈辱感を覚えながらも。
鏡の中の自分、縄が柔らかい体に無惨に食い込んでいる自分に、倒錯した美を感じて目をそらせなかった。
恥骨にも当たっているとわかるほどに股間に食い込ませた縄、つぼみを圧迫する結び目のこぶからの、妙な快感。
彼女は顔がほてってくるのを感じて、目を閉じた。
「ははっ、気持ちええか?
砂土原、そろそろ水がたまったか?」
「はい。いけますね。やりますか?」
「おお、しばらく水遊びしてもらってな。そしてそうやな、まだ大丈夫そうなら、お行儀教室でもやるかの」
砂土原は頷き、彼女の手首を縛って上に吊るす縄を天井のフックからはずした。
──────
水車のような責め具は、もちろん水車のように水をくぐらせて回転させて使うものらしい。
水を入れず、罪人をつないで振り回して三半規管をぐちゃぐちゃにするという拷問もあるが、今回は水遊びでええやろ、と葉良先生は言い。
有明りなの手首を縛る縄は、まず水車の外周の「水受け」に相当する部分についている穴に、結わえ付けられた。
水車を回転させていくと、有明りなは水車の外周の縁に沿って、軽くブリッジするように水車の外周に背を乗せていくことになる。
暴れて彼女が水車からはずれないように、と、砂土原は。
彼女の腋の下の部分、そして細いお腹のおへそのすこし上の部分、そして膝の部分にも縄を巻き、水車にしっかりとしばりつけた。
もちろん、足首も。
「ほう、ほう!それじゃ砂土原よ、まず1回いってみるか?」
「はい」
水車は、回転していき。
彼女は、水車の頂上に上がり、蔵の暗く高い天井をみつめる。
太い梁が渡っている。あそこにあかり取りの窓があるな、ガラス窓なのは後から改築したんだろうか、と彼女はどうでもいいことを思う。
さらに水車が回転すると、頭を下に、上下さかさまに彼女はおろされていく。
その普通にない重力のかかり方に、強い恐怖感を彼女は覚える。
そしてついに、頭が水に浸かる。
有明りなが水責めを受けるのは、これがはじめてではない。
頭を水に漬けられることを予期して息をいっぱいに吸っていた、有明りなだが。
この拷問に対しては、それが無駄な抵抗だと知っていた。
砂土原は、きっと彼女の息の続くぎりぎり、あるいは息が切れるぎりぎりをみすまして水に漬け続けるだろう。
それでも、そうせざるを得なかった。
わざとらしく、ゆっくりゆっくりと、水車が回転していることを彼女は察知した。
冷たい水は、最初は彼女の首まで、そして肩まで、と浸していく。
不意に、水車の動きが止んだ。
(何?止めるの、早く動かしてよ!)
そして、彼女はぴたぴた、と彼女の腹や股の間を触る手を感じる。
おそらくは、葉良先生。
指が、股間にきつくめり込む縄の具合を確かめている。
息が続かない。彼女は、苦しさを訴えるように動く部分を動かす。
体を揺らす。しかし強固に体に食い入る縄は、ほとんど身動きを許さない。
唯一、水面上に出ている、わずかに動かせる部分といえば。
おへその少し上あたりで、これでもかと食い込ませて絞られたお腹と、膝の間の腰の部分。そして縛られた足首の先くらい。
彼女は足首の先を動かし、腰を振るように動かす。まだ水中にある、指先も。
葉良先生の手が、体格のわりには大きめの腰をしっかり固定するようにつかむが、彼女はそれにあらがう。
苦しい。顔が歪み、彼女は突かれた芋虫のように必死に体をよじらせた。
ふいに腋に、熊手のような指先がつきささる。
おもわず開けた口、そして肺から、貴重な空気が漏れ、ぶくぶくと水面上に逃げて行ってしまう。
目をあけた。目がちかちかする。何も意味のあるものはみえない。
場を忘れて叫びそうになったせいで、また空気が漏れる。頭ががんがんしはじめ、目の前を黒点が動く。
力の限り体をひねる。腹にきつく食い込んでいた縄が擦れて、ヒリヒリするが気にする余裕などない。恐怖に叫ぼうとして水を飲みそうになった、そのときようやく水車がうごき、彼女の顔が水面上に出た。
「ふわっ、げぶ!」
一瞬だけ空気が吸えるはずだった。甘くすら思える空気が口に入りかけた。
しかし、無情にも水車は逆回転する。顔がまた水に浸かる。
「(助けて!助けて、許して葉良先生!お願い!)」
頭が締め上げられるような痛み。意識が遠のく。空気。吸いかけて戻される。痛み。苦痛。
彼女にもう、思考はできなかった。ただ溺死の恐怖、頭を支配する痛みに、ただ悶えていた。
──────
「ほう、砂土原よ。良い感じじゃの!」
砂土原が葉良先生のもとで、このような水での拷問を行うのは初めてではない。
最初のころは、加減を見誤って殺してしまうこともあったが。
今ではもっとも苦しいポイントを見定めて、長く苛烈な苦しみを犠牲者に与える技術を備えるに至っている。
「ええ、思ったより早く承諾のシーン、撮れるかもしれません」
水での拷問は、もっとも効果的なものの一つ。
普通の小娘なら、この責めに耐えられることはありえない。
しかし。
「さあて、有明りな。
そろそろ、ヤらせるか」
「イヤ、です」
「そうか、もう少し水を飲むか」
この娘、有明りなは彼らの予想を超えて拷問に耐え続ける。
もちろん、責めが効いていないわけではない。
彼女の体は今では冷たい水に浸されたからというより、酸素不足で色を失いかけ、チアノーゼの前兆が現れている。
大きな赤い目からは、とめどなく涙が流れている。鼻水も。
しかし、彼女は彼らの望む返事をよこさない。
「強情だな。──葉良先生、これ以上やるとヤバいです。いったん揚げますか」
「そうやな。まだまだこれから。ええよ、ええよ。
じっくり、こつこつ、削っていけばええんよ。
焦って殺したらよ、勿体ねえが?若も怒るで、砂土原よ。
しっかし、いい顔をみせる娘っ子やの。ほれ、こんなに勃ちよる」
たしかに、と砂土原も思う。
それなりに葉良先生も彼も見られる顔や体の女たちを味わってきたが、彼女は一級品。
幼い顔立ちに似合わず、脱がせるとしっかりした胸や腰をしているし。
苦しむ様子、表情がなんといっても彼らの嗜虐心を刺激する。
「じゃあな、砂土原よ。いったんはずして、水も吐かせてやろう。
そっちも、楽しみじゃろ?」
そのとおりだ、と砂土原は思った。彼の異形の棒も、固く張り詰めてスラックスを持ち上げていた。
──────
意識を半ば失いかけていた有明りなは、水車からはずされ。
気が付くと、両手首を縄で縛られて引きあげられ、無理やりに立たされていた。
両手首は、万歳をするように大きく広げられて、吊り上げられている。
そして今、両足首の縄もぐいぐい、と張られ、足を大きく広げた姿勢で固定される。
あの、トーテムポールのように立っていた2つの大きな柱の間に。
彼女は両手首、両足首を縛られてぴんと張られ、X字型に手足を引き伸ばされて吊られていた。
特に手首に食い込む縄が、痛い。手首の先は血が止まりかけている。
ぽたぽた、と短めの髪や、保水力のあまりない衣装の裾から雫が落ちる。
頭をぶるん、と振るい、顔にまとわりつく髪を外そうとした。
気分は最悪。とにかく苦しかったこと以外、責められていた間のたしかな記憶がない、
知らないうちに水を飲んでしまったのか、お腹が少し重い気がする。
「気がついたか。
決心がついたか、ヤらせるか?」
砂土原が、10cmくらいに顔を近づけ、タバコの煙を吹きかけながら聞いてきた。
「イヤです、──ぐばっ!」
彼女がそう言った次の瞬間、お腹に砂土原の拳がめり込んだ。
胃から飲んでしまっていた水が逆流し、口からぴゅっと飛び出して砂土原のシャツを濡らした。
すこしだけ、ざまあみろ、と思った。
「汚ねえな。──ヤらせるか?」
「イヤで、ふぐっ」
もう一発。みぞおち。体全体に広がる気持ち悪さ。死ぬ方がまし、と思えるほどの。
四肢をぴんと張られた無防備な姿勢で、体を丸めることもできず、なすすべもなく彼女は無様に痙攣する。
濡れた手足の滑らかな肌の下で、悶える彼女の筋肉が浮くさまを、拷問者二人がニヤつきながら観察している。
ようやく息ができるようになったあたりで。
「おら。はよ、ヤらせるっちいわんか」
彼女は数十回、問いを受け。
拒否をするたびに、正確に中指の関節を立てた、いわゆる
──────
「ほたら、最後に抜いてもらって、今日は終いかの」
ぐったりと壊れた玩具のようにぶらさがる有明りなを、彼らはようやく解放する。
股間からは、尿の臭い。腿を流れ落ちる黄色いしずく。
彼女は最後に腹に拳を受けたとき、苦痛のあまり失禁していた。
腰の高さの台にのせられ、目を閉じてあえぐ有明りなを、彼らは情け容赦なくあおむけにさせて。
彼女の頭だけを台の端に出させ、首をそらせぎみに、口と一直線にさせて。
まず、葉良先生のものがつき込まれる。
「おう、そうよ、そう。喉にいれるんじゃ。
ほれ、砂土原!喉に入ったぞ!」
葉良先生は、根本まで棒を彼女の口に突き込み、喉奥に達したことを彼女の首元に触って確かめ。
喜色を浮かべて、砂土原に告げる。
砂土原もまた、歪んだ笑みで応えた。
彼の異形も、葉良先生の達したあとに、咳き込み、悶え苦しむ彼女の喉奥に問答無用で突き込まれた。
──────
その日。責め抜かれた有明りなは、ほとんど半分意識もないぐったりとした状態で。
顔にかけられ、あるいは食道に噴射された白濁した液もそのままの状態で、風呂場に放り込まれた。
髪をつかんで引きずられ、最後は砂土原の膝蹴りを受けて、ぶざまにタイルの上に倒れ込む。
小1時間ほどしてようやく意識を取り戻した、有明りなは。
半死半生の
服も着ずに大判のバスタオルを羽織っただけで、よろめきながら母屋に戻る。
途中で何度もしゃがみこんで、えずいた。
わずかに口の端から薄黄色い胃液が垂れる以外、何も出ない。
体の内部も外部も、痛めつけられて傷ついている、と彼女の感覚は告げる。
何も食べられない、食べるものもない。
自分の部屋への階段を一段ずつ、座りながら彼女は登った。
彼女はかろうじて、敷布団の上に倒れ込んだ。
世界がぐるぐる回っているようだった。
常夜灯の豆電球が、ひどく揺れ動いて見えた。
重い砂袋が落下した部分や、しつこく砂土原に殴られた腹や膝蹴りを受けた腿には、傷みかけたバナナのような内出血の青あざが出はじめている。
(もう私、だめだ。このままだと、死んじゃう。
ヤります、ヤってくださいって、言おうか?
たぶん、ズコズコヤられる。
でも、それでも結局、殺される?どうしよう、──)
そう、まとまらない頭の中で思っていたとき。
ほとほと、と遠慮がちなノックの音がした気がした。
言葉を出そうとしたが、ひゅう、ひゅう、と呼気が出るだけ。
しかし、彼女は身をかろうじて起こした。
「(有明?)」
遠慮がちな、ひそめた低目の声。
──あっ。しーくんの声だ!
そういえば私、来てくれ、って言ってた!──本当に、来てくれたんだ!
彼女は、痛みを瞬時忘れ、気力をふりしぼって裸の体に薄手のタオル地の肌掛けを羽織り。
自分の部屋から台所におりる、入口の階段に這い進んだのだった。