※この作品はR-18です。

タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。   作:Marchhatter

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○遅くなってしまいました。志野視点です。
(一度投稿失敗して削除しました。こちらが正式版です。)



315 鍍金された愛(14)寒暖(志)

(志野視点、「開かずの間」、月曜日午前9時半くらい)

 

「ちょっとこれから、準備するね。

 志野くん、そこらへんみてていいよ」

 

 紫藤は持参したトートバッグから、小物を取り出してなにやら準備している気配。

 僕は自分が何をやらされるのか大いに関心があったのだが、志野くんはあっち行ってて、と無情にも追い払われて。

 しかたなく、開かずの間をいろいろと検分していた。

 

 紫藤がこっちをみていないのを確認して、僕は離れた位置、この部屋の奥に進み。

 壁に向けて伏せて置いてある例の絵、「振り向く少女の絵」をこっそりとみてみる。

 明らかに姿勢が変わっている。髪が伸びて、この前よりこちらに振り向きかけているような気がする!

 もう少ししたら。もしこの少女が完全に振り向いたら顔が見える、ってことだよな。

 その顔見たら、どうなるんだ?

 

 学校の七不思議の話は、その先の話をはっきり伝えていない。良いことが起きるという説も、悪いことが起きるという説も、僕は聞いたことがある。

 振り向いた少女の顔をみたものは病気になるとか死ぬとか、転校するとか受験に落ちるとかいうのもあったな。逆に、幸運なことがおきる、宝くじが当たるってのも聞いたことがあったと思う。

 つまり。サイコロ振っての運試しみたいなものなのか?そして悪い目が出ると、──?

 

 ぞくっ、と背筋が寒くなったので、絵をあわてて伏せて戻し、そっと紫藤の様子をうかがう。

 紫藤はこちらに背を向けて、何やら準備していて僕にみられているのに気づかない様子。

 またも巻尺が取り出されているのを遠目に見とがめる。この前測ったのになー。

 

 気をとりなおして、小人類(?)の頭骨をみる。外見は、まったくもとのまま。

 そうだ、今日、これを持ち帰ってないといけないかもしれない。竜神の件での約束は、今週末だ。

 その間は真の休日。学校に入るのに苦労するかも。 

 

 だけどな、家に頭骨を長く置いておきたくはない(頭蓋骨なんて、家で見つかったら家族会議だよね)。   

 やっぱり、取りにくるかな?

 

 どちらにせよ用務員さんに借りた鍵は、もうちょっと借りて持ってたいな。でないと詰む。

 いや、この文芸部の鍵束から開かずの間の鍵を抜いて、借りとけばいいのかな。

 いずれにせよ、忘れないようにしないと。

 僕はそう、心にきざみつけた。

 

 それにしてもこの部屋、がらくただけはむやみやたらにある。

 書架がある、ってのは言ったかな。本だけでなくいろんな装置やガラクタがいろいろ収められてて、頭蓋骨もこの段のひとつにある。

 書架の上からは、うつろな視線。ガラスケースに収まった、ワシみたいな猛禽類の剥製。貂(てん)か鼬(いたち)か何か、獰猛に体をねじった姿勢の小型肉食獣の動物のやつもある。

 

 そのすぐ下の段には、うってかわって同じくもふもふながら、和やかなコーナー。

 大型ぬいぐるみ(着ぐるみ?)か何かを、部品にばらしたやつがある(これは、あきらかにぬいぐるみだ。剥製じゃないよ)。

 おそらくは猫、黒猫か何かのぬいぐるみなのだろう。パーツや何かがつめこまれている。耳もとりはずされた猫の丸い頭部パーツがどこかひょうきんな雰囲気を醸し出してる。

 その下が、例の頭蓋骨の棚。

 

 目を転じる。

 本は雑多なものがあって、まだ検分しつくしてない。ちょっと古い大型本とかも多い。

 カール・セ○ガンの「COSMOS」の大型版のやつの背表紙も見える。小学校にあった。好きだったな、クラス替えで同じクラスに友達がいなくなったとき、昼休み時間に図書室に入り浸って読んでた本のなかにこれがあった。

 かと思うと、飾り文字の洋書とかが並んでたりもする。

 背後では、紫藤の衣擦れの音、そしてテープをはがすような音。何をしているのかは、わからない。

 

 本棚を離れて、僕は窓際に近寄る。

 ほとんどの窓は鎧戸を閉じてる。今日は学校に人がいないから、風を通すためにひとつふたつ、窓を開けてる。

 中庭に面した側の窓は、この開かずの間と同じ高さの部屋(文芸部の和室とか)からでないと見つけにくいから、思い切って開けてる。

 中庭の背の高い針葉樹が風に揺れ、蝉の声とともに涼しい空気が入ってきてる。 

 外側に面した側の窓は、内側のガラス戸を開けただけにしてる。鎧戸は下をわずかに開けて、風を通してる。

 

 窓からみえる緑に少し感傷的になった後、室内に目を戻す。

 この外壁の壁際も、色々なものがかかってる。

 輪っかみたいなやつとか、紐とかロープとか、長い棒(走り高跳び用かな?)とか、いろいろ。

 体育の授業とか、運動会のために使うんだろう道具類も。

 跳び箱、平均台、マット、メガホン、重ねたコーン、メガホン、ハードル走のハードル、ボール数個(いくつかは空気抜けてる)、何かのネット、フラフープ、──。そんな感じ。古びたものばかり。

 

 さらに目を転じる。

 こっちの棚は、理化学用品だな。

 ビーカー、フラスコ、試験管、こまごめピペット(この前使ったやつだ)、アルコールランプやガスバーナー、スタンド、メスシリンダ、使えるかどうかわからないけど顕微鏡のたぐい、メスや薬品類。

 

 事務用品はさらに雑多なものがある。わら半紙や筆記具や指サックとか輪ゴムとか、ただこれはあまり整理されてないな、それに古いのが多くて輪ゴムとかはもう劣化してるかもしれない。

 そういえば、この前は輪ゴムで紫藤の手首を、──

 

「志野くん、お待たせ。ごめんね」

 

 声がかかって、僕は振り向いた。

 紫藤がにこにこしながら、コーヒーテーブルの前のソファに座り、僕に道具類を示している。

 

 コーヒーテーブルの上には、巻き尺があるな。あれはたぶん、僕のアレの測定用だ。

 ただ、それ以外の道具はさほど大したものがない気がする。不織布の小袋、タオルで包んだ何か、数種のテープ類、など。

 時間がかかったのは、トートバッグの中が雑然としてたからだろうか?

 僕はちょっと疑問を感じながらも、紫藤の横に座る。

  

「志野くん、まずはルーティンからだよ」

 

 ルーティン。もう僕が日課として各種の行為を行うことは、紫藤の中では義務として定められているようだ。

 

 紫藤はコーヒーテーブルをさらに押しよけてスペースをつくり、僕に膝を開かせ、そこにしゃがみこみ。

 この前と同じように、おずおずとスラックスから僕のアレを引き出して、長さと周囲を測定する。

 

「前とほぼ同じ、かな。

 ──じゃあ、いくよ!」

 

 前と同様、また僕のアレが紫藤の手でぱちぱちと打ち叩かれる。

 そこまで痛くはないんだけど、やっぱりひりひりするし恥ずかしい。

 

「今日はきっちり、温めて冷やすよ!」

 

 突然、僕のアレが熱いものでつつまれて僕は目を瞬かせた。

 みると、彼女の手には使い捨てカイロ。さっき、コーヒーテーブルに出されてた謎の不織布風の袋か、と僕は思いあたる。

 僕のアレが、ほかほかに暖められる、──っていうか熱い!

 

「頑張ったよ志野くん、こんどは冷やすからね」

 

 マジかよ限界、と思いはじめたときに熱いカイロが引き上げられ。

 いつのまにか紫藤の手に、こんどはハンドタオルでくるんだ別の何かがが握られていて。

 それが僕のアレに、ぴたっとくっつけられた。

 あ、ひやっとする。小型の(アイスとかを買うときに付いてくるような)保冷剤だな?

 

「──!」

 

「あ、痛かったかな?ごめんね。

 後で、わたしにお返ししてね」

 

 いや、全然痛いわけじゃない。冷たすぎもしない。ただ温度差でびっくりしただけだ。

 僕はちょっとジト目で、紫藤を見る。

 でも紫藤がにこにこしててかわいいので、僕は不満を述べることができなかった。

 

 それから僕のアレは温められ、冷やされ、温められて冷やされ、を繰り返した。

 僕は半ばあきらめ。紫藤の好きにさせた。

 おかげで僕のアレは、この突然の乱暴狼藉に戸惑いつつもみちみちに勃った。

 

「よしっ、2段階まで終了!優秀、優秀。

 ここからは志野くんのメンタルトレーニングを兼ねて、わたしの測定と訓練だね」

 

 アレをしまい込んだ紫藤(長く伸びてたのでスラックスに戻すのに苦労してた)を、僕はちょっと不満を湛えた半眼で眺める。

 紫藤に、ちょっといろいろもの申したい。

 いや、僕のためを思ってそうしてくれてる、ってのはわかるんだけどさ、──。

 

「志野くん、わたしの方も測定とか訓練が必要だよね。

 まず測定してもらって、いいかな?」

 

 またコーヒーテーブルの位置を元に戻し、ソファの向かいに座った紫藤は。

 訓練ノートにおそらく今日の記録を付けながら、僕にそう問うてきた。

 

「みなり、何を測定するの?」

 

「ほら、最終的にはさ、その、──わたしが志野くんの志野くん自身を受け入れる、その場所とかさ。

 幅。直径。奥行き。そうしたもの」

 

 いや、だけどそれって、──

 

「わかってるよ、今は無理だよね。

 志野くんは『鼻血ぶー』な人だから、さ?

 だからさ、今日はそうじゃないところでいいんだ」

 

 わたしの、はげみにもなるからさ、とそう紫藤は主張する。

 僕は不安を感じながらも、しぶしぶ同意した。

 

 ──────

 

「まず、胸囲の測定だね」

 

「胸囲」

 

 紫藤は立ち上がり、胸をはってみせる。

 紫藤は小学生に間違われそうなほど小柄。たぶん身長は150cmもない。

 胸はもちろん、たとえばスイカップ中河原さんや、調布などと比べると相当控えめ。

 ただ、4月には目立たなかったその胸は、最近はその存在を示すようになり。

 白い夏服の前面を、持ちあげるようになってきてる。

 ほとんどなくて、すとん、と落ちてる国領に比べるとそのふくらみはあきらかだ。

 

「そうだよ。これは、この前もやろうと思えばできたのに、忘れてたんだ。

 わかってるんだよ、志野くんがさとみんたちの胸をちらちら見てるのは」

 

「えっ」

 

 たしかに、調布に指摘されたことはあった。

 でも紫藤にも、知られてるなんて、──。

 

「バレてないとでも、思ったのかな?

 クラスの女子、みんな知ってるよ。

 わたしも、志野くんの好きなサイズを目指さないとね」

 

「い、いやみなり。違う、これは違うんだ、──」

 

「客観的な証拠、目撃証言があるんだよ志野くん」

 

「──はい」

 

 本当は違うんだけどなー、と僕は心の中で思う。

 僕の好みは、やっぱり調布。あの胸が大好き。スイカップさんほど露骨に大きくはないけど、しっかり制服の胸を持ち上げてる隆起は高く、なんというかぱつぱつに張った形が美しい。

 だけど、さ。

 僕は紫藤の胸も、なんならほとんどない国領の胸も大好き。

 この2人のも、すごく透明感ある美乳なんだよ。また口に含みたい。

 

 それにさ、紫藤には将来性がある。

 未来の紫藤をNTRしようとしたときにみた紫藤の胸、わりといい感じにしっかり実ってた。

 放っといてもあのくらいまで育つなら、無理しなくていいじゃん。

 

 そう思ったのだが、さすがにそんな未来知識は口には出せない。

 紫藤の気迫もあって、僕はここでも紫藤に押し切られてしまう。

 

 コーヒーテーブルを端(対面ソファの一方側)に寄せ、もう一方のソファも後ろに押し下げてスペースをつくり。

 僕は移動して、立って腕をあげた彼女の背後に立つ。

 腕を彼女の体にまわし、胸の上にメジャーを当て回す。背中で、数値を読む。

 

「ふむふむ。まだまだ道は遠いね。

 でも、4月の健康診断のときより、増えてるんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「うん。だからね、この調子でがんばるよ」

 

 紫藤は涙ぐましい努力をかさねているらしい。

 そのための運動(?)もしてるらしい。腕を曲げてみせてる。

 

 だが彼女の収集した豊胸策の中には、怪しい情報もある。

 たとえば好きな人に触ってもらうと大きくなるよ!と、クラスの女の子たちに教えてもらったと紫藤は主張しているが。

 そんなことを、純真な紫藤に吹き込むとは許しがたい。いったい誰なんだ。

 胸の大きい娘といえば、鶴見さんあたり?あるいは、またも調布か?

 まあ、刺激があれば成長するのはそうかもしれないが、──。

 

「もちろん、わたしもちょっと怪しいなって思うよ?

 たださ、マッサージなんかで血行をよくすると成長にいいんじゃないかな?

 ほら、ねん挫とかのときにマッサージしたりするよね」

 

 うーん、なるほど?

 でも、それはケガや筋破壊からの回復とかの話だよな。成長面とは関係なさそうな気がする。

 ただ、紫藤は読んだルポルタージュでそれを示唆する描写があったということを根拠としてるみたいだ。

 

「まあちょっと試してみてダメなら、それはしかたないよ。

 でも、さ。好きな人、えーと。わたしの場合、志野くんに。

 いろいろ触ってもらったら、それだけでもうれしいなー、なんて」

 

 顔を赤らめながら、紫藤がそう言う。

 やっぱり紫藤、天使じゃないか!と僕は感激する。

 いいね、それ。ルーティーン化しよう、と。

 紫藤の提案に僕は素直にうなずいたのだった。

 

 ──────

 

 さっそく、紫藤のお手伝いをしよう、と僕は思う。

 僕は紫藤の後ろに立っている。このままその、───もみもみ、ってマッサージすればいいのかな。

 

「うん、それがいいよ。志野くん、お願い」

 

 紫藤が、まだ控えめな胸を張ってそう答える、──そこで紫藤が振り向いて僕をちょっと鋭い目でみたので、僕は下心を見透かされたようにどきっとした。

 

「志野くん。なんか失礼なことを考えたり、しなかったかな」

 

「そんなことないよ」

 

 そんなことはない。まだ控えめだけど、僕は紫藤の美乳が大好きだ。

 制服の服の上から、手を紫藤のふくらみに当ててみると。

 紫藤が、はっ、と息を止めた気配があった。

 

「大丈夫?やめとく?」

 

「──ううん、大丈夫」

 

 紫藤の答えを得て。僕は軽く手に力を入れる。

 紫藤のふくらみはまだ頼りないが、それでもブラウスを持ちあげる程度の大きさがある。

 僕は下から、掌(たなごころ)ですくうようにしてその形をたしかめ。

 少しずつ、手に力を入れて。形を浮き立たせるように、にぎってみた。

 やっぱり、すこしふくらみは大きくなってる。この前、公園で雨宿りしたときより。

 

 胸を鷲づかみに握られた紫藤が、ふみゅう、とかわいい声を出したので、僕は楽しくなってきた。

 

「紫藤のこれ、僕大好き」

 

「う、うん」

 

「ほら、こんなにやわらかくて、気持ちよくて──」

 

 ふにふに。

 僕は手を緩め、しつこく指でそのふくらみの先端をさぐった。

 

「うう、志野くん──?」

 

 ブラのパッドが邪魔で、紫藤の桃色のぽ(・)ち(・)がみつからない。

 興奮して馬鹿頭が茹だりはじめていた僕は、右手を紫藤の胸からはずし。

 夏服のブラウスの裾(腰のあたり)から、侵入させることにした。

 

「静かに。ほら、力を抜いて」

 

 紫藤がブラウスの下に着てる下着(タンクトップか何か)を引き上げて侵入した僕の手は、紫藤のお腹のあたりの素肌に到達した。

 僕の手は熱いのだろう、紫藤の肌は僕にはひんやりして感じられた。

 肌に手をすべらせる。僕の手汗か、紫藤の汗ばみか、わずかに湿った肌の接触。

 僕の手が下から入って空気が襟元から抜けたからか、紫藤を後ろから抱きかかえた姿勢でいる僕に。

 肩口から、清涼感のある甘い石鹸の香りがふんわり香った。

 

「ほら、こっち寄って」

 

「うん」

 

 紫藤の背側でかがみこんだ僕の手は、ずうずうしく臆面もなく紫藤のお腹をさわり、さらに上に這っていく。

 僕の手は、紫藤のブラウスの右わきから入ってるけど。

 そのままだと紫藤との身長差のせいもあって、彼女の胸のふくらみにとどかない。

 

 それまで僕は、紫藤の背中側で。

 紫藤の肩のあたりに顔がくるように、身をかがめたけれど。

 思い切って片膝を床につき、右腕を深く、ひじまで紫藤のブラウスの裾の中に突っ込むことにした。

 ぱちっ、と紫藤のブラウスの一番下のスナップボタンが弾けてひらいた。

 だけど僕はまるでそれに気を使ってなかった、──僕の手が、紫藤のふくらみに達したから。

 

「ほら、──どう?大きくなりそう?」

 

 僕は、背後から紫藤の右の腰上のあたりから突っ込んだ右手で。

 紫藤の、まだ控えめな左のふくらみをたゆたゆと触る。

 紫藤が、背後の僕を見ようと横顔をむけた。

 

「うん、成長しそう。でも、まだまだ足りないんだ」

 

 はぁはぁとすこし呼吸が浅くなってる紫藤が、そんなことを言ってくる。

 

「どこらへんが?」

 

「摩擦とか、刺激とか。きっと、もっと必要だよ」

 

「それじゃ、──こうかな?」

 

 僕は、紫藤のブラのカップの下から、その胸に直に右手を挿し入れた。

 紫藤の生のふくらみが、すっぽりと手におさまる。

 ──こんどこそまちがいなく、探し求めていた紫藤の胸の先端のぽちが掌に感じられた。

 

「これ、どう?気持ちいい?」

 

「──うん」

 

 言葉少なになってうつむいた紫藤のやわらかいふくらみを。

 紫藤のぽちの突起を感じながら軽く手のひらで愛でた。

 

「どう?どんな感じ?」

 

「志野くん、──はう」

 

「言ってよ」

 

 僕は手つきを変え。

 中指、くすり指、小指で紫藤の胸のふくらみを下から支え。

 ひとさし指と親指とで、ぽちを挟んだ。軽くつまみ、緩める。数回、繰り返す。

 そして、強めにぎゅむっとつまんで離し。

 指を変え、中指、親指でその先端をはさみ、ひとさし指で頂点を撫でた。最後に軽く、爪で掻いた。

 ──紫藤の膝から力がゆらっ、と抜けた気配があった。

 

「ほら、しっかりして。

 支えるよ、──ちょっとごめんね」

 

 僕は紫藤の胸から手を放し、腕自体をブラウスからいったん抜いた。急いだせいで、また紫藤のブラウスのスナップボタンが一つぱちっ、と外れた。

 いったん僕は立ち上がり、紫藤のすぐ後ろに立ち、その腰を持った。意外としっかりした、腰骨の張り出し。

 その感触と紫藤のわずかに紅潮した首筋が、かっ、と僕の脳を快感で熱くした。──ヤりたい。

 

 紫藤が、後ろに密着して立つ僕に背中を軽く預けてきた。

 僕は紫藤の腰から手を離し、背後から紫藤を抱く。右腕はおなかのあたりに、左腕は胸をつぶすように。

 

 紫藤の身長は、僕の肩あたりしかない。

 僕は軽く足を広げ、膝を曲げて身を沈めて、紫藤の右後ろあたりにわずかに位置をずらし、彼女の耳を唇ではむはむと甘噛みした。

 紫藤は耳を噛まれて、一瞬びくっとした。そして彼女は顔を上に向けた。僕の左胸のあたりに、目を閉じた彼女の小さな顔。

 紫藤の背を左腕で支えながら、紫藤の唇を僕は奪った。あまりスマートなキスじゃなかったかもしれない。紫藤の唇はひんやりと柔らかくて、僕は自分の息が荒くなるのを感じた。

 

 紫藤の体から、くなっ、と力が抜けるのを感じて、僕は一度ぎゅっと背に回していた左手で抱き上げ直し、右腕で彼女を引き寄せた。

 紫藤も、あわてたように立ち上がり直した。

 ふりむいて僕をみあげるアーモンドの形の熱っぽい目と、ちょっと困ったように寄せた形のよい眉にみえる感情を僕は測りかねた。

 

「志野くん、──」

 

「もうちょっと、いいかな?」

 

「うん、──いいよ。

 でも、なんか力がはいらなくて。──ちょっと座るか、何かにつかまってもいい?」

 

「座ろうか」

 

 僕はそのまま少し下げてあったソファに下がって腰を下ろし、紫藤を自分の膝の上に座らせた。 

 

「志野くん、重くない?」

 

「重くない。ほら、逃げない」

 

 立ち上がりなおそうとする紫藤の腰骨のあたりを、僕は両手ではさんでつなぎとめた。

 紫藤はじたばたと抵抗しようとしたが、僕の力には抗しかねてしかたなく座ることになった。

 だけどまだ膝の上の紫藤の体(お尻とかね)には、力が入って緊張した風情。背筋も、ぴんと伸びてる。

 困ったように、首をこちらに向けて僕をみる紫藤に。

 僕は、黒い笑みを浮かべてみせた。

 

 ──────

 

「志野くん?」

 

「ねえ、みなり。『目には目を、歯には歯を』って知ってるかな」

 

 膝の上に座らせた紫藤の肩とか背中をなでなでしたが、とうとう我慢できなくなった僕は。

 思い切って行動に移り。紫藤のブラウスのスナップボタンをはずすことにした。

 ぱち、ぱち、と外していく。紫藤は恥ずかしそうに、胸元をかきあわせる。

 

「ハ○ムラビ法典?」

 

「うん。それそれ。

 それじゃ、みなり。僕も紫藤を、温めます」

 

 調子に乗った僕は再び、ブラウス内側の下着をたくし上げるようにしながら、その中に手を入れる。こんどは、膝の上の紫藤の胸に両手がとどく。

 両脇から下着を押し上げて、僕の右手は紫藤の右胸を、左手は紫藤の左胸に達する。もちろん手は、ブラの下にもぐりこませる。

 

 僕の右手には、さっき紫藤が使ったホ○カイロが握られている。

 もちろんダイレクトじゃなくて薄手のハンドタオルにつつまれてるけど、紫藤の胸には温かみが伝わってるはずだ。握ってる僕の右手にじんじんと熱が伝わってるし。

 ちなみにカイロは1個だけなので、左手は紫藤の胸を覆ってもにゅもにゅしてる。

 

「ふふ」

 

「温かい?」

 

「温かい、っていうか、うーん、なんか熱い。変な感じ」

 

「僕、それやられたんだけど」

 

 くすくす、と紫藤が笑って僕の膝の上で身をよじった。ふわっと、さわやかな石鹸の香り。

 独占欲に駆られた僕は、彼女の胸からは手を離さず、ひじで紫藤の体をぎゅっとはさむようにして固定する。

 

「はい、交替ね。今度は冷やします」

 

「うわっ」

 

 カイロを左手に移し、こんどは紫藤の左胸を温める。

 そしていままで温めてた右胸を、タオルでくるんだ保冷剤で冷やす。

 しつこく、繰り返す。

 

「どう?効果ありそう?」

 

「あるある!すごく、胸がふくらんできてるのを感じるよ!」

 

 んなわけないじゃん、と僕は思わず笑ってしまった。

 はっきり言って、プラシーボ効果以上のものなんてないと思う。

 だけど、紫藤とこうしてじゃれあってるのが楽しい。

 

 僕はそれから十数分間、両手の間でカイロと保冷剤を交換して紫藤の胸を温めては冷やした。

 もちろん合間には僕の手がマッサージと称して紫藤の胸を這いまわった。

 紫藤はわー、くすぐったいよもうだめ志野くん、とか、困った様子ながらなぜかうれしそうな悲鳴。ちょっぴりいつもより声がうわずって裏返る感じ。

 僕も紫藤の胸を堪能できて満足。欲を言えばやっぱり口にも含みたかったかな?

 

 ──────

 

 しばらく紫藤の胸をいじくった後。

 ひとやすみすることにして、僕はまた紫藤を膝の上にのせていた。

 今は紫藤は抵抗せずに、くにゃっ、と僕の胸に体を預けてくれてる。

 たぶん、僕のアレが紫藤の背中に当たってる(おしつぶされてる)けど、知らないふりをしてくれてる。

 ようやく気を取り直した様子の紫藤が、また口火を切った。

 

「次に、痛みに耐える訓練だね。今度はさ、──」

 

「あー、でもさ、みなり」

 

 紫藤はまた耐苦痛訓練を希望したのだが、この点については僕には異論があった。

 午後には病院に移って紫藤母のお見舞い(というか、要はみんなで夢にもぐってみよう、ってことになってる)。

 その後も、時間がゆるす限り、また紫藤といちゃつきたい。

 結構長丁場なのを考えると、あまり紫藤の体力をすり減らすのはよくないし。

 興奮してまた足とか叩いて痕が残ったら、めざとい調布とかには気づかれる。調布怖い。

 

「でも、まだ時間あるよ。それに、頭の中を白くしないと、──」

 

「それには、僕に考えがある。

 痛くて、じゃなくて、恥ずかしくて頭の中が白くなるってのでもいいんだよね?」

 

 紫藤が振り向いて、警戒した目を向けた。

 

「志野くん。何を考えてるのかな」

 

「ん?みなりが正直になれる方法だよ。ほら、さ──」

 

 僕はほほえみかけるが、彼女の表情からは猜疑心が抜けていない。

 そして僕の計画を話すにつれ、彼女の顔は軽く赤く染まっていくのだった。

 

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