タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
0815 推敲不足の点があったので数点修正しました(保存と押し間違えて投稿・・)。
0815 再修正(時計関係など。国領ハルカはスウォッチを持っている(225話))
(志野視点、病院、月曜日午後早く)
「それでね。あまりあたしたち、使える時間ないじゃない。
今日は、実験もしないといけない。だから、2グループに分かれて、そして2部構成でどうかと思う」
「2グループ?2部構成?」
ここは、紫藤母の病室。
あの後、僕たちはお昼も食べずに、紫藤母の病院にやってきていた。
(本当は一緒にどっかで食べよう、という話だったのだが。
時間が惜しいし夢の中で食事ができるか確かめてもいいじゃない、と考えたらしい調布が簡単な軽食を持参してきたので。
念のため病院の売店で少し食料を足したうえで、そのまま突貫した。)
「そう。まず、半分だけが行く。そして追加で、残りが行く。
見張り役も本当なら必要かもしれないけど、今日はアラームをかけるから、いい」
看護師さんから、紫藤母の病状は聞いている。特に変化なし。
看護師さんが見回りに来る時間なども聞き、ちょっとお休みしたいんですけど、と言って、いきなりみんなで寝てるところに踏み込まれてびっくりされないようにはした。
(ここらへんの実務というか折衝に強いのは調布、そして国領。僕まるで役立たず。ずいぶん社会人やってたのに)
「そして、一回、看護師さんがまわってくる前に戻ってくる。そして、看護師さんの検診とかがおわったら、もう一度、夢にもぐる」
なるほど、調布は徹底的にやる気だな、と僕は思う。
遊びたい気もするけど、みんなの予定が合う日はあまりない。ある程度時間をかけるのは正解だ。
「それでね、今回。
ハルカが本当に『ハブ』になってるかも、知りたい」
「え、ボク別にハブられてないよ」
「そっちじゃないわよ、ハブアンドスポークのハブ。
あなたが、この夢もぐりにどのくらい必須かどうか」
夢の中に入り込む特殊能力は、国領ハルカの能力。
一緒に入り込んだ後、国領だけが起きた場合どうなるか、などの検証がしたいという。まあ、そうだよな。残りの連中が取り残されて出られないのか、あるいはみんなでいっぺんに夢から放り出されるのか。
ただ、僕自身はそもそも夢に入り込むなんてできるのかなー、と疑いを持ってる。口に出したらなんか怒られそうで言えないけど。
「ハルカと、そうね、んー、みなりが先に入ったほうがいいのかな。
危険かもしれないからあたしが行くべきなのかもしれないけど、つながりが強いのはみなりよね。
だからハルカ、これ持ってって。
そのつぎ、あたしと志野ね」
調布から金属バットをわたされた国領は、金属バットには異論がありげだけど、グループわけには納得してるみたいだ。
紫藤も真剣な顔で頷いてる。まあ、妥当だと思ってるんだろう。
ただ、ちょっと僕に視線をよこして軽く顔をしかめた──なぜかはわかる、急き立てられたので紫藤はまだ尻尾を外せてない。
「みなりとハルカが寝て、15分後くらいでいいかしら?
15分後に、あたしと志野。いや、寝付きの時間があるわね、10分後かな。
安全な場所だったら、動かないで待ってて。危険だったら、身を守れる場所に」
「おっけー」「わかったよ、さとみん」
「3時に体温とか測りに来るのよね。
2時45分にアラーム、と」
妥当だ、と僕は思う。
ちなみに調布は今回の実験的な夢への潜入のために非常に多くの器材をばかでかいリュックに詰め込んで持ってきてる。
カメラやヘッドライトはいうに及ばず、温度計、ロープ、飯盒やコッフェル、武器のつもりらしい金属バットや鉈、折りたたみ式のショベル(そんなものが存在することすら、僕は知らなかった)まで。
ちなみに、紫藤は制服、僕は白シャツに黒のスラックス(遠目には制服に見える)といった服装、国領はTシャツとチノの上にお下がりの薄手のパーカーを羽織ってる。
それに対し、調布は暑苦しくもレンジャーの女性隊員みたいなしっかり固めた迷彩服のズボンにオリーブグリーンのTシャツ。ルパ◯三世カリオスト◯の城で出てきた、不二子みたいな感じ。足元は登山靴で固めてる。
笑い上戸の国領がくすくす笑いながら調布に渡された金属バットを握って、紫藤母のベッドに寄せた予備ベッドに横たわる(国領はななめ掛けのメッセンジャーバッグみたいなのを持ってる)。その横に、紫藤。制服でいいのか、って話はあったのだがそのまま。
「うふふ、眠れないかも」「真面目に寝なさい」「真面目に寝るって、あはは」「ハルカ」「ひぃーひぃーふうーっ」「ラマ○ズ法じゃないんだから」「だってさー」「蹴るわよ」「ごめんさとみん」
なんかじゃれあってたけど、あっさり国領は寝息を立て始める。紫藤のほうが眠れなかったみたいだけど、これも数分すると眠りに落ちた。
まずいな僕、こんなに早く眠れる気がしないよ。
「はい志野、あんたも」
調布がヘッドライトを装着して手にショベルをたずさえ、リュックを抱えて紫藤母のベッドに寄せた、予備のベッドの端に横たわる。非常にシュール。
紫藤母のそばに寄せたベッドは、すでにかなりぎゅう詰め。
それでも紫藤は調布の横(端)に乗れるスペースがある。でもさすがに僕が乗れるベッドの余白はないので、ソファを予備ベッドの足側に寄せてそこに寝て、一応キーパーソンであろう国領の足に手を触れさせることにした。
国領たち寝た時点から、時間を測り始めてる。
10分経ったら横になる予定だけど、僕は寝つきに不安があったので、少し早めにスタートさせてもらった。
実際、寝付いたのは10分経ってから横になった調布より後だったと思う。
──────
気がつくと森の中。マジかよ。
一応、紫藤や調布から話は聞いてた。なんとか屋敷を見つけないといけない。
この夢の中はたしかに現実っぽい。ただ僕の目には、うまく言い表しがたいけどどこかふわふわした、非現実的なところもあるように思えた。
非現実的な大きさの虫のうごめく森を駆けまわるうちに、調布たちだろうか、足跡らしいものをみつける。葛の葉が踏みしだかれている。それを追っていくと、丸木の一本橋が渡ってたりして、そこから遠くに
夢の中なのか、汗だくになったりはしない。ただ、走るとそれなりに疲れたりはする。
これ、現実にもどったら同じくらい疲れてるんだろうか。
僕はいぶかりながら、山道を走った。
──────
──────
(紫藤みなり視点)
「あれ、やっぱり前回の続きだね」「そうかな、──そうだね」
わたしが夢の中で目をさます(?)と、すでにハルカちゃんは起きて(?)いた。
わたしたちがこの夢の中でさいごにいた、あの寝具とか座布団とかをしまう、押し入れみたいな収納部屋(仮に『布団部屋』と呼んでおこう)の中みたいだ。ふとんにくるまった状態での復帰。
相変わらず、梅雨どきの旧家みたいな、湿った空気。
真っ暗で、廊下側の閉じた扉の枠の形に、薄暗い光の線がみえる。
「さとみんは、まだかな」「そうだね」
前回、ほぼ一緒にめざめたさとみんのものいわぬ体が転がってるかと思ったけど、さとみんの体はなかった。夢から抜けると、こっちの体もなくなるってことかな。
約束どおり、さとみんが来るまでは、しばらく息をひそめて待つ。
ただ、やるべきことがある。わたしは気になったことをハルカちゃんに伝える。
「ねえハルカちゃん。持ち物、全部来てる?
さすがに、確認したいけど、──」
しとしとと雨が降る音がしている以外に、大きな物音はない。
勇気を出して、わずかに扉を開いてみる。
そこからさしこむごくわずかなあかりで、わたしたちは手回りの品の確認をした。
ハルカちゃんは、自分のバッグをごそごそしてる。わたしも、手持ちのポシェットをさぐった。
「あっ、──バットは来てるけど、──あれれ?バットじゃない、バットじゃなくなってる──」
「なんか、変?」
「──だね」
一応、わたしたちが身に着けたものは、そのまま。
わたしは制服、ハルカちゃんもTシャツにチノ。
ただ、ハルカちゃんの持たされた金属バットは、なんだか黒光りする、鬼の金棒みたいなものになっていた。
「『
「何それ?」
ハルカちゃんは日本史選択じゃなかったんだな。
世界史・日本史選択のわたしは、これが室町時代とかに使われた、鎧の上から武者をたたきつぶす武具であると説明してあげる。
「うわ怖っ!これ、ボク使うの?」
「ハルカちゃん、そもそも振れる?」
「うーん、あ、振るのはできるかな。そんなに重く感じないよ」
ハルカちゃんは腕もそんなに太くない、ぶっちゃけ細いのに力持ちだな。
そう、わたしはとくいげにもちあげてみせるハルカちゃんをみて思った。
「それとね。わたしの場合、カットバンとかがなんか変」
怪我とかに備えて常備してる、カットバンとか。
それが、なぜかガーゼと包帯に置き換わってる。
あー、もしかすると。
「ボクの持ち物も、なんか古くなってる!」
「そうだね、なんでか分からないけど」
筆入れは、セルロイドの箱に。
新しいシャーペンも、古風な鉛筆におきかわってたりしてる。
おそらくは、これがお母さんの夢の中の世界だから?
「お母さんの子供のころ、あるいは、若いころのものに、読み替えられてるんじゃないかな」
そう、ハルカちゃんに言ってみる。
「えー、そうかな。
カナサイボウって言ったっけ。これ、お母さん使ってたの?」
あー、それはたしかにちがうな。
それに、ほかにもその理論じゃ説明できないものもあった。
「ハルカちゃん。時計、持ってきた?」
「ごめん、ボク、今日は腕時計持ってきてないんだよね。って、あれっ?それ、──」
「そうなんだよ。壊れちゃってるっていうか、変になってる」
腕時計は、役立たずになってる。
わたしの時計は、普通のシチ○ンのクォーツ時計。1から12までの文字盤。
なぜかそれが1から13までの文字盤に変わってしまってて、字もどこか歪んでる感じ。
そして秒針がびゅんびゅん回ってるけど、まったく長針が動かない。
お母さんの影響だけじゃ説明できない、謎の論理。
ただ、その謎の論理で、持ち込んだ物などが、昔っぽいものや、ちょっと変なものに置き換わってしまってる。
それ以外の小物も確認して、わたしとハルカちゃんの意見は一致した。
──持ち物には、変化してるものがある。
昔のものに置き換わってるものも、同音のものや連想がはたらく別のものに置き換わってるものも。
身近なものは、比較的変化を免れてるものが多いけど、時計みたいにその限りでないものがある。
その変化は不規則で、まさに夢の中の謎論理といわざるをえない。
──────
「けっこう、時間かかるね」
「そうだね」
体感で、もう1、2時間くらい経っただろうか。まだ、志野くんたちが来ない。
ここが安全なスポットなのは確かだが、あまりに変化がない。どうしよう。
「あのさ。もし、時間が違ったら別世界に飛ばされるとかだったら」
「それは、困るかな。
みなりん、ちょっぴりだけ。現状確認だけしない?」
基本、動いたらいけない、ってしてたけど。
このままさとみんたちがこなかった場合のことまで、想定してなかった。
臨機応変。しかたないよね。というわけで、ちょっとだけ廊下のようすをみてみよう、ということになった。
──────
「なんで、こんな暗いところがみえるのかな、みなりんは」
1歩、2歩、隠れてたところから廊下に出てみる。
お屋敷は、かなりうすぐらい。
ところどころに、外へ面した窓があったりするけど、夜とまでは言わないけど梅雨時の夕方みたいなうすぐらさ。
お屋敷のところどころには、蝋燭があったり、古い感じの蛍光灯がついてるから、全くの闇じゃない。
(古めかしいけど、江戸時代みたいな感じじゃない。わたしは直接知らないけど、戦前戦後あたりって感じ?)
ハルカちゃんに言わせると、とてもじゃないけど明かりがないと見えない、っていう。
3、4歩離れると、わたしの表情なんかみえないそうだ。
ところが、わたしにはかなりはっきり、ハルカちゃんの困った顔がみてとれる。
「じゃあ、わたしが先導するよ」
わたしは、そう言って。
武器になりそうなもの、棒とか杖とかってあるかなー、探さなきゃ、なんて思いながら。
こわごわと廊下を、数歩すすんだ。暗い廊下で、ちょうど黄色くてうすぐらい照明があるあたりにさしかかる。
ところが。
「あっ!?」
「え、なに?」
わたしの後ろのハルカちゃんが、驚愕の声をあげたのをきいて。
なにごとだろう、蜘蛛とかゴキブリとかいたのかな、とわたしはふりむいた。
ハルカちゃんは、わたしのうしろ姿の、なにかをみとがめたみたいだった。
ふりむいたわたしの顔を見て、ごくっ、とハルカちゃんがつばをのんだ。
「ねえ、みなりん。──みなりんだと思ってたけど、もしかすると」
ハルカちゃんがいままで適当にぶらぶらさせてた金砕棒をにぎりしめ。
すわった目でわたしをみたので、わたしはこわくなってきた。
「なに?なんか変だよ、ハルカちゃん」
わたしの頭に、ゴキブリとか蜘蛛とかがいたとして、だね。
それを金砕棒なんかで払われたら、わたしの頭が爆散しちゃう。
わたしは、必死でハルカちゃんの正気をもどすべくよびかけた。
しかし。
「みなりん。──ボクの名前は?そして、キミの名前は?弟さんの名前は?」
「国領ハルカ、ちゃんだよね?そしてわたしは、紫藤みなり。弟は、紫藤千里」
ハルカちゃんは、警戒をゆるめない。
なんか殺気だった様子に、わたしはますますこわくなってきた。
ハルカちゃんが、くるってしまったのだろうか。
「じゃあ、──しのりんについて、何を知ってる?」
「志野くん?えーと」
わたしは、頬が急に熱くなるのを感じた。
「志野くんは、すごくやさしい。でも、すこしいじわる」
「ほうほう?」
「背が高い。かっこいい。わたしを守ってくれる、──大好き」
わたしは、おもわずハルカちゃんの厳しい目から、目をそらした。
「ふんふん。いじわるってのは?」
「うん、いじわる。
──ときどき、すごく、えーと、いじわるでえっちなことをする」
「たとえば?いちばん、最近では?」
「そんなの、いえないよ!」
「言うんだ、でないとボクのこの棒が唸りをあげるよ」
かるがると、黒光りする頑丈そうな木の軸に金属のいぼいぼをつけた棒を。
ハルカちゃんが片手で軽く振り、もう反対の手のひらにぴたぴたとたたきつけてみせる。
「えーと。最近だと、散歩かな」
「散歩?」
「学校の中を、散歩した」
ハルカちゃんが、ふわり、と。
細い腕で信じられないくらい、らくらくと金砕棒をかまえた。上段に。
「散歩。散歩ね、それがキミにとってはえっちで変態なことなんだ」
「ち、ちがうんだよハルカちゃん!
散歩だけど、首輪つけられたんだよ!」
「首輪?
あー、ネコミミも、それでかー」
「そうそう、そうなんだよ。
ひどいんだ、志野くんはわたしにネコミミつけて、そしてしっぽをつけて、──」
「しっぽ?」
しまった。しっぽは、秘密だったんだ!
わたしは、青ざめる。
「なんだい、しっぽって。
ほら、言わないとこうだよ!」
ハルカちゃんがいよいよ大きく金砕棒をふりかぶったので、わたしは身をかたくした。
なにがハルカちゃんを駆り立ててるのかわからないが、この際、あらいざらい白状しよう。
「──お尻に、しっぽつけられちゃったんだよ。お尻の穴にさしまれちゃったんだ。
それでさ、首輪と縄で、校内をよつんばいになっていっしょにお散歩してさ、──」
くわしく説明すると、だんだんハルカちゃんの目がやわらいできた。
というか、じつに気の毒そうな表情になってきて。
金砕棒も、おろされた。
「もしかすると。
あー、みなりん。それ、しっぽだけど。──はずさずに眠った?」
「え?あ、あー、そうだけど」
「なるほどね。
ねえ、みなりん。ショック受けないで、叫ばないで」
わたしは、なんとなくとてつもなくわるい予感がした。
「──みなりん、しっぽが生えてる。しかも動いてる」
わたしは、思わず手をお尻に回した。しっぽが、手に触れる。
しっぽが、わたしのスカートを持ちあげてる!そのふくらみの、感触がある!
そして、わたしがしっぽをさわると、
おどろきのあまり体が硬直すると、しっぽもぴん、と硬直してまっすぐ上がって、スカートが盛大にめくれた。
「ほら、その頭のネコミミ。気のせいかと思ったけど、動いてる」
うわっ。
わたしは、反射的に頭に手をやった。
ネコミミだ。ネコミミが、ぴょこぴょこうごく。触った手の感覚だけでなく、
「それでね。
みなりんが暗いところみれるのって、たぶん」
あー、もう予想ついたよ。
わたしはまじまじとハルカちゃんを見つめかえす。
ハルカちゃんには暗すぎて見えないっていう、屋敷の中で遠くまではっきりみえるのは。
「みなりんの目、猫ちゃんの目になってる」
だよねー。
わたしは、すこし明るい照明をみて。
そして、暗がりに目を転じた。
目の瞳孔が調整されて、きゅきゅっと暗がりがすぐみえるようになった実感があった。
──────
「これ、夢のなかだけだよね?だよね!?」
「うーん、そうじゃないかな、──」
苦笑いの、ハルカちゃん。
要は、わたしはちょっぴり猫人間化してしまったということらしい。
元の隠れ家にいったん戻ったわたしは、くらやみのなかでしくしくとなき崩れた、わけじゃないけどショックでふとんにくるまっていた。
「でもさ、ボクもできたらこれってやってみたいな。
しっぽも、耳も動かせるんでしょう?」
「うん。でも気をつけないと、うっかり動かしちゃうんだ」
ハルカちゃんがわたしのネコ化に気づいたのも、廊下をわたしが歩いてて、しっぽがぴくぴく動いてスカートのすそが持ちあがったから、らしい。
その前から、ちょっとわたしの目がちがうなー、なんか猫耳カチューシャが生きてるみたいに動くなー、って思ってたみたいだけど。
「音も、よく聞こえる」
「うん。ちょっとよく聞こえる気がする」
遠くで、カサカサ何かが動くのが聞こえたりもする。うわー、ゴキブリかなー。
くらやみも、みとおせる。
手足に肉球は、──できてないかな?体にも、毛は生えてない。
耳やしっぽは、わたしがすごく意識してたから、夢で変化しちゃったのかな。
猫目がなぜ入ったかは、よくわからない。これは夢特有のなんかいいかげんな基準なのかもしれない。
そして物音を立てずに歩ける、──気がする(これはまだあまり試せてない)。
どうでもいいけど、ふたりとも靴はついてきた。
だけど室内だし一応脱ごう、ということにしてハルカちゃんのメッセンジャーバッグに入れてもらってる。
ここらへんの付属品の転移ルールっていうのか、読み替えルールはよくわからない。
「時間が計れないのが、なんかなー。
この前、這いまわってた何かの怪物みたいなのがいたらヤバイから、遠出はしないようにしようよ。
だけどヤバいのがご近所にいたらあぶないからさ、ほんのちょっとだけ。
そう、向こう三軒両隣のお部屋だけチェックして、そして、このふとん部屋に戻ろうか」
わたしとハルカちゃんは、そうしてこわごわと、あらためてくらい屋敷の中の冒険にふみだしたんだ。