タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
順番にご注意ください。
事情により、数日、更新間隔が開くかもしれません。
性的とまでは言いにくいのですが、後半に不適切そうな描写があります。閲覧にあたりご注意ください。
土曜日の授業が終了した。
今日も、卓球部の練習はスキップしよう。
ESSも気になるが、今週はすでに2回行ってあるし、英語劇の方の練習は毎日少しずつやってあるから、大丈夫だろう。ちなみに部長さんとは公欠の関係でお願いする必要があり、地ならしをしている。
昨日と引き続き、紫藤と示し合わせて、僕たちの仮部室(?)となった資料倉庫に集合した。
ーーーーー
「そういうことなんだ。」
紫藤が腕組みしてうんうんと訳知り顔で頷く。
会議室机を挟むのはなんか違う気がして、今日も教室机に座っている。ただ、前後でなく横隣りにした。
横を向いて座っている、紫藤の脚が気になる。そんなにスカートも短いわけではないんだが。
座ってると、スカートが巻かれて、脚がほんの少し上まで見えるじゃないですか。それ。
いかん、視線をたどられるかもしれない。上に目を転じよう。
あれ、腕組みしているけど、前より胸が強調されている。
といっても、かつての大平原から、小さな丘がある状態に進化した程度だ。
成長したんだな、と感慨深い。
さらに上に目を転じてみると、紫藤が微笑んでいた。
少し背筋が寒くなった。
僕が紫藤に説明していたのは、とりあえずは例の筋肉男事件。
その後の経過とか、紫藤は知らなかったようだが、僕の知りうる限りで補足した。
しばらくは僕に駅まで同行させてほしい、朝は身辺に気を付けて友達とかと安全なルートを通ってほしい、と言っておく。
なぜあの時ああいう行動をとったかについては、あまり突っ込まれなかった。
まあ、普通にやばい雰囲気があるっていう感じの奴でもあったしな。
そして紫藤母の様子。
しらない、とそっぽを向かれた。
そこまで大喧嘩ではない様子だが、やはりわだかまりがある様子。
それを溶かす時間が十分に取れていないのだろう。
紫藤母も、どうもかなり頑固なところがあるらしい。
紫藤は折檻もされてるのに。継父は親権者として不適切だろう。
まあ、紫藤母は多少の折檻は当然と考えているのかもな。
説得したいけど、家の中のことに口を出されると逆効果だろう。
将来売り飛ばされるかもしれないっていうのも、僕の推測に過ぎない。
関係が微妙ではあるものの、少しバイト代を多めに渡して、休みを取ってくれるよう仕向けてほしいというと、紫藤も素直に頷いて受け取った。
紫藤も、このままではよくないと思ってるのだろう。
ひと通りお話をすると、紫藤がいそいそという感じで、僕を促す。
「じゃあ、そろそろいいかな?」
開かずの間は、この後行ってみようという話にしていた。
ちなみに僕はライターや仏壇用の蝋燭、懐中電灯、鍵穴を想定しての潤滑剤、掃除用の雑巾とゴミ袋とかを持ってきた。
蝋燭とライターは、隅に燭台があるのを前回目撃したから。ただ、基本は和室だし本とか可燃物も多いし、使うべきではないかもしれない。
ただ、懐中電灯は持ってはきたけれど使いにくいんだ。カンテラみたいなのがあればいいんだが。
この新しくもらった部室(仮)、例の開かずの間の504室の、階段を下ったすぐのところにある。
それに気づいてこの部屋にしたんだ。
この周辺には文化系の部活が入っていて、そこまで活発ではないものの多少は人通りがあるかもしれない。
まして、今は文化祭の企画提出時期なので、なおさらだ。
スパイ大作戦のノリで、足音を殺して階段を上る。
紫藤に先にいってもらい、セクハラ視線を注ぐ。
うん、膝の裏のHの字。これ僕はすごい好きなんだけど、誰も他に納得してもらったことがない。
あと、白い脚を舐めるように。絶対キモい目つきになってる自信がある。
あ、勃って歩きにくくなってしまった。
きしませないよう、しかしあまりにゆっくりすぎて誰かに見咎められないように上がる。
まあ階段の位置からして、この角を通る人はほとんどいないとは思うんだが。
鍵穴と蝶番に、外側から潤滑剤を吹き付ける。
鍵穴はかすかな音だけで開けられた。
蝶番は、ゆっくり開けてもらい、僕が潤滑剤を吹き付けていくと、これもほとんど音がしなくなった。
外側のドアを開け、上り口に入る。
外のドアは閉めておく。
中は、やはり少しこもった空気。
前回は試さなかったが、この左手にトイレと流しがあるらしい。
何年も使われてないだろうし、流すと音がするから使うつもりはない。
二つ目のドアの南京錠を開ける。潤滑剤も吹き付ける。
蝶番や音のしそうな金属部分には同じく潤滑剤を吹きかけながら、扉を開ける。
暗いが、鎧戸のルーバーが少し歪んでる部分とかから、わずかに光の線が差し込んでいる。
ルーバーの隙間自体からも、ごくわずかに光がにじんでいる。
暗闇に目が慣れてくると、大体のぼんやりした部屋の様子がわかる。
見た限りでは、前と変わっていない。埃もさほど積もっていない。
ここが懸念されるところだ。ときどき誰かが掃除に入っているとしたら。
潤滑剤とかもばれてしまうかな。
ちょっとそこが心配だ。
ただし、埃はある程度積もっている。どのくらいかは即断できないが、仮に年末からくらいだろうと仮定する。
学年末や学期末だとしたら、ちょっと積もりすぎだと思う。
紫藤がわくわくしているのが感じられる。絵をみると、裏返したままになっている。
見てていいけど、絵は見ないでね、とささやく。
もし七不思議の絵だとしたら、ちょっと今は困るとか適当にいって。
さすがに暗いので、七本枝の燭台に近づく。蝋燭の残りもあるが、ないところには家から持参した蝋燭を嵌めた。
ライターで火をつける。ほのかにあたりが明るくなった。
僕の家では燈明をともす習慣はなかったので、これでクリスマスのときを連想してしまう。
閉め切っているので空気の動きは少ないのだが、僕らの動作のためか、静かに燃える蝋燭の炎は、ごくときたま揺れていた。
僕と紫藤は、一とおり見渡すと、誘い合わせたようにソファに座った。向かい合わせに。
お互いの目をみて、なんとなく笑いが浮かんでしまう。紫藤も笑みを浮かべている。
あの諦めたような笑みではなくて、本当に楽しそうな笑みを。
少しだけ本棚も見てみようか。
二人で並んで本棚を見る。
紫藤は革表紙の重厚な本に関心があるようだ。魔法書みたいなやつ。
あけると美麗な手書きの字と、何か空想上の動物や植物の彩色された絵。
小人の絵がある。普通の人と対比させている。
巨人の絵も。
日本の妖怪にあるような手長足長のような絵も。
首からすぐに足が生えているような不気味な人間型の生き物。
奇妙なトカゲの絵、不思議な蟹の絵。
触手をたくさんもつ生き物。
いろいろと幻想的なものが描かれている。
思わず見入ってしまった。宝物だな。
顔を見比べて、またくすくすする。
理科実験ノートのようなものもある。
ただ、これは少し精神を病んだ人が書いたのかもしれない。
中身を少し見て、そう思った。多分、理科教員が書いたのだろう。
興味を惹かれる記述があったので後で検分しよう。
小さな頭蓋骨は、子供のものではないな。たぶん。
フローレス原人のもの?
たしかに人間らしい形をしているが、子供のものではない。
一通りみて、またソファに。今度は、紫藤は僕の横に座った。
そわそわしている、握りこぶしを握って。
「志野くん。わたし、してもらいたいことがある。」
「あの中間テストのお願いで?」
「あ、それとは別なんだけど、いいかな。」
ちょっと困ったような顔をしている。要求しすぎと思ってるのかな。
「いいよ、もちろん。できることだったら。」
これはこう言ってしまう。
引っ込み思案の紫藤だから、こういうには相当の勇気が必要だっただろう。
無下に断るなんてできない。
それに紫藤だったら、多分、たいしたことのない小さなお願いだという予測もあった。
「この前、ほら、連休中の啓発のバイトのとき、一度話したんだけどさ、」
もじもじしながら、紫藤は言った。
「志野くんに、縛ってもらいたいんだよ。」
「」
ーーーーー
話を聞く。
要するに、果たしてない約束が残ってるのが嫌だから、早めに返済しておきたいと。
約束した覚えはないのだけど、紫藤的にはそこは借り(?)が残っている認識らしい。
「それに、わたしとしては志野くんにちゃんと自信をもってほしいんだよ。」
つまり、紫藤の手首を縛り、折檻した紫藤の継父。
その継父に、僕が負けてる状態(?)なのは許しがたいらしい。
ちゃんと僕との間が、紫藤が受けたひどいことレース(?)の最先端であってほしいと。
よくわからないが、何となく理解した。
あと、何か罰を与えてほしいらしい。
よくわからない熱心さに負けて、僕は紫藤を縛ることになった。
うん、正直に言おう。紫藤の言葉に負けたから、なんて真っ赤な嘘だ。
それどころじゃなくて、半分くらいしか聞いてないし。
興奮してしまったんだ、どうしようもなく。
ゲスです。クズです。はい。
ーーーーー
手元に、木綿の柔らかめのロープがある。
この部屋にこれがあるのをみつけて、紫藤は決心したらしい。
それまでは、その話だけをして、実行はまた別の日と思っていたという。
確かにこれなら、擦れた傷も残らないだろう。
紫藤に背中を向けてもらい、手を後ろに出してもらって、ーーー。
これ、同じ方向にまっすぐ伸ばして手を揃えた状態で縛るのか?
互い違いに、手の先を違う方向にして、手首を縛るのか?
それとも、あのマニアックな写真にあるみたいに、高手小手っていうんだっけ、肘を合わせて手首を背中の上の方に向けてもらって揃えて縛るのか?
紫藤はどうしたの、という顔でそっと顔を横に向けてこちらを見ようとした。
大丈夫、と声をかけて考える。
とりあえず、一番無理が少なそうと思って、まっすぐそろえた状態で縛ることにした。
手首にひと巻き、ふた巻きとロープを巻く。
たしかその手の写真ではこうしてたな、と思い、手首に巻いたロープに垂直方向に交差するようにロープをかけて、締めこむと、紫藤がはっと息をのんだ。
痛かった?と聞くが、黙って首を振っている。
そうやって、手首を縛った。
どうしようもなく興奮して、背後から紫藤を抱くと、手に育ちかけている胸が当たった。
小ぶりだが、しっかりと持ち上がっている。
紫藤が息を吐いて、目を閉じて顔を上に向けた。少しだけ口を開けたまま。
背中側から体を密着させ、唇を吸った。
舌を入れて、歯を舐めた。
びくっとした動きに、ますます興奮してしまう。
理性のありったけを動員して、唇を離す。少しだけ唾液の線がつながっていた。
ハンカチでそっと紫藤と自分の口元を拭いた。
紫藤の顔が上気している、ように見える。
実際には、蝋燭のかすかな光で見えているだけだから、わからないが。
「志野くん。罰。罰を与えて。」
そう、目を閉じたまま紫藤が言った。
「罰って、痛くないといけない?」
「痛くなくてもいい。なんでも、志野くんが好きなことをして。」
紫藤が痛がるのは、僕の好きなことではない。
何もしないのは、紫藤が納得しないだろう(という言い訳をしつつ、何かしたい。うん、けしからんことを。)。
紫藤とヤりたい。しかし興奮してはいても、僕はそれは紫藤との約束違反になる気がしていた。
今、してもいいのは罰だけ。セ○クスはやりすぎだ(?)。
僕は、紫藤の肩をもみもみとマッサージした。一瞬、紫藤はぎくっと体をこわばらせたが、緊張を解いて、気持ちよさそうにふうっと息を吐いた。
「志野くん、これでは罰にならないよ。」
顔をこちらに向けて、体をねじって紫藤が言った。
顔がとろけているから、気持ちよかったのだろう。
でも、少し不満そうだ。
じゃあ、罰だ。
ぼくはさっきよだれを拭いたハンカチを取り出した。そこまでしみていない、使ってもいいかな。
少しだけ湿った部分を内側に織り込んで、斜めに折っていき、帯を作る。
紫藤の目にかけて、目隠しをする。
蕩けていた紫藤が、ちょっと緊張している。自分がこれからされることが分かっているのかな?
ぼくはそっと、指をまげてその関節部分で、紫藤の背中をすうっとなでおろした。
はうっ、と紫藤が声を上げかけて、飲み込んだのが分かった。でも容赦はしない。
続けて、今度は脇をくりくりとする。両脇同時に。
うぅん、とやっぱり声を殺して紫藤が悶えた。
次は首筋に。そして、胸の下のあばらに。
そして、軽くだけ胸の先に。ーーこのときだけ、耐えていた紫藤も、ひゃっと声を漏らしてしまった。
しかし声を立てたらまずい、と思いあたったらしい紫藤は、それ以上、声を出すわけにもいかず。
僕のさらに続くくすぐりに息を殺して耐えていたが。
おそらく体に力を入れて我慢しているのだろう、そのうち、はぁはぁと息が荒くなってきた。
「志野くんっ、んんっ、」
限界かな。苛めてしまってごめんね。
最後にまた、キスをした。
紫藤は唇を受け入れると、安心したように力を抜き、背中にべったり張り付いた僕に体を預けた。
ふうふうと息をついていたが、息が整い始めるころに、目隠しを外した。
紫藤はまだ縛られたまま、僕に背中を預けて、猫のように柔らかく、すりすりと懐にもぐりこんできて、そして僕を見上げた。
「志野くんは、いじわるです。」
ぷい、というようにそして横を向いた。
あまりの可愛さに、キスしようと少し紫藤の体を持ち上げて唇を寄せると、ぷい、と逃げた。
逃げた方向に追い詰めると、また、ぷい、と。
そのうち、ゲームになった。最後にがうっと口をつけると、紫藤も受け入れてくれた。
あ、窮屈だっただろうな。
ロープを外さねば。
ロープを外して、手首に擦れや痛みがないか確認。
紫藤がお風呂上がりのような、いい血色をしている。
「志野くん、わたし、すこし喉がかわきました。」
紫藤がどこか女王様のような尊大さで、かわいらしく命令する。
僕は持ってきていた荷物を探り、水筒のふたに麦茶を注いで手渡すが、紫藤は受け取らない。
「ん、ん、」
どうやら口まで持ってこいということらしい。
僕はふと思いついて、軽く自分ですすり、そして紫藤の口に口をつけた。
紫藤は舌を入れられてはじめてわかったらしいが、口移しに麦茶を飲んだ。
それからあとは、普通に口元に麦茶の入った水筒のふたを持っていく。
やがて紫藤も自分で受け取って飲んだ。どうも細かいところは不満だったらしい。
少し汗をかいたらしく、紫藤は白いガーゼ生地のハンカチを取り出して額を拭った。
「志野くん、志野くんはあれでよかったですか。」
紫藤が少しして、心配そうに聞いた。
「うん、その、」
興奮しました。
そう白状すると、猫ぱんちがきた。
もちろん本気でないが、ぽかぽかと。
しばらくたたかれて、手首を捕まえてまた頬にキスをした。
楽しかった。
そうしてイチャコラしているうちに、時間は過ぎて。
まだ時間は大丈夫だし、ずっとここでいちゃついてたいけど、下校ラッシュ時にほかの人たちと顔を合わせるのが面はゆい。
あと、ここを出るときも。ほかの部活の上りと時間が被るのはまずい。
撤収しよう、ということになった。
荷物をまとめ、蝋燭を吹き消す。
紫藤が、ぽつんと言った。
「志野くん、楽しかったよ。」
「僕は、今も楽しいよ。」
「うん、今、楽しいよ!わたしも!」
また来ようね。
そして、こんどもお願いね。
そう言われて、僕のそれは固く屹立した。
しばらくは歩けず、撤収を少し遅らせるほどに。
ーーーーー
二人でまた、スパイ大作戦。こんどは、僕が階段を先に下る。
捕まったら一網打尽だから、あまり意味ないけど。まあ、転がり落ちた時に被害が少なそうだし。
そうっと自分たちの資料倉庫に戻る。
ふうっと息を吐く。
紫藤がソファに座った僕の膝の間に入ろうとする。
入れてあげる。しばらく、背中をそっと撫でていた。
そのうち、紫藤が後ろに倒れてきて、密着した。
今日は、そういう気分らしい。
「ねえ、志野くん。」
また下から、見上げるようにして体を預けている紫藤が言う。
とてもきれいに、そして気のせいか妖艶に見える。
そして、僕は直感的に思った。紫藤に先に言わせてはいけない。
「紫藤さん、いや、みなり。今日、すごく楽しかった。」
うんうん、と紫藤がうなずく。
外すかもな。外したらすごく恥ずかしいな。でも、伝えておこう。頑張ろう。
「将来も、ずっとみなりと一緒にいたい。そしてみなりを抱きたい。」
ぶわっと紫藤の顔が赤くなった。そして、何も言わずにまたキスをした。
そして終わってから、わたしも、と蚊の鳴くような声で紫藤は言った。
いまじゃないけど。こんど、と続けるのを遮って言う。
みなりを抱きたい。セ○クスしたい。
言った後、ごめんね、風情のかけらもないんだ、と謝った。
うん。と紫藤は答えて赤くなった顔を一瞬伏せてから。
わたしもです。志野くん、こんどわたしを抱いてください。
そう言った。
もう一回、ぎゅうっと抱きしめた。どうにかなりそうなほど、紫藤が愛おしかった。
ただしかし。
僕のそれがずっと立ち上がっていて、その、紫藤に押し付けられていた。
うん、台なしかもしれない。
ごめんね、紫藤。君の彼氏面してる男、とんでもなくゲスだと思う。
でも紫藤が幸せになれるよう、頑張るつもりだから。
力不足だけど、僕なりに。
その後、なんとなく二人とも恥ずかしくなって、そわそわと後片付けをして並んで帰った。
ほとんど知ってる人にはすれ違わなかった。ラッキーだった。