※この作品はR-18です。

タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。   作:Marchhatter

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 分岐も検討しましたが、まずこのルートで書いてみました。少し納得がいかない点もあり、後で修正するかもしれません。
 後半、一応、不適切とされそうな描写がありますので閲覧時にご注意ください。(ただしあいかわらず不適切な感じ不足で、誰得?って感じです。)
 書きたいことがたくさんあるのですが、週末まで少々更新に間が開きます。


69 新しい分岐線(5)(紫)☆??

 

 放課後の資料倉庫。わたしとさとみんは、そこで窓のそとを眺めていた。

 雨は降っていないけどうす曇の空。部活はほとんど休みだけど、吹奏楽の練習する音がかすかに風に乗って流れ、聞こえてくる。

 

 さとみんは今日の球技大会、大活躍だったな。

 わたしも、自己評価ではかなりがんばったよ。わたしは小さいから、レシーブ&セッターもどきだったけれど。

 ここでお願い!というさとみんの心の声が聞こえる気がして。

 それにしたがってボールを上げた。信じられないくらい、息のあったプレーだったと思う。

 オープンでトスを上げるだけじゃなく、クイックも試した。

 完璧な連携。

 技術的にはまだまだ拙いと思う。でも、さとみんの目を見るだけで、いや、見なくても。さとみんがわたしの背中側にいるときでさえ、何をしてほしいのか、わかった気がした。

 相手チームはもちろん、観戦してる人も、息をのんでるのが、わかった。

 

 楽しかった。

 

 試合に勝って、チームのみんなと笑いながら、手の平をたたきあった。

 勝ちを告げるホイッスルが鳴ったときには、さとみんに抱きついてしまった。さとみんも、ぎゅって抱き返してくれた。

 明日も明後日もこのまま、さとみんと仲の良い姉妹のように、過ごしていけたら。

 

 ーーでも、その前に、さとみんにやってもらうことがあるんだよ。

 

 「さとみん。忙しいのに来てくれて、ありがとう。」

 

 さとみんは、さっきまでの試合での勇ましさ、明朗快活さが嘘のように。

 そう、借りてきた猫のように。

 しょんぼりした様子で、そんなことないわ、というように首を振った。

 そして、また罪悪感がすこし戻ってきてしまった目で。

 いたずらを見つかった犬が、飼い主さんを見上げるような目で。

 わたしを見上げた。

 

 球技大会の日は、流れ解散だ。わたしたちのクラスは、女子は早めに試合が終わった。志野くんたちは、もうしばらく、そう、20分くらいかかるだろう。

 わたしが先にきたけど、たぶん友達に引っ張られてたさとみんが、15分くらいそれに遅れて来た。

 

 わたしは窓際に立って、遠くに霧に霞んで見える丘陵を眺めやった。こちらの方向は、高い建物はなく、人家も少ない。

 さとみんは、その近くにおいた教室用の椅子に座っていて、ぼんやりと外を見ている。

 ごくときたまだけど、資料倉庫は使うことがある。資料を探してるときがそうだけど、それ以外に、今日も、先生から、ものを置くのに一時的に使わせてほしい、と言われて、昼休みに鍵を貸してあげた。

 でもなあ。ちゃんともとに直してほしい。

 たぶん大きな機械か大量の資料、もしかすると試験のプリントとかを置いたのかもしれないけど、会議机、教室机や椅子が部屋の壁際に除けられちゃってて、かなり広い空間が中央に開いてる。

 あの3人掛けのソファのほかには、さとみんの座ってる椅子くらいしか、座れるような席がない。

 

 「ーーさとみんは、志野くんのことが好き?」

 

 さとみんは、ぎゅっと目をつぶって、頷いた。

 のどの動きで、ごくんと唾を飲みこんだのがわかった。

 

 「さとみん。わたしは、さとみんの志野くんへの気持ちが本物だって、わかってる。」 

 

 「ごめん、なさい、ーー」

 

 しまった。さとみんが泣きそうだ。

 わたしはよしよし、とさとみんのそばに寄り、頭をなでる。

 いつもと役割が逆だ。なんか、新鮮。

 

 「しかたない、しかたないよ、さとみん。」

 

 わたしもそうだった。人を好きになる気持ちは、止められない。

 

 「でも志野くんには、さとみんの気持ちは、まだ伝わってないかもしれないよ?

 ちゃんと正面から、好きだって言ったことがある?」

 

 しばし考え込む、さとみん。

 おずおずと、首を振った。

 そして、このやり取りに、なにか疑問を覚えたように、わたしを見る。

 

 「そして、大事なのは、志野くんの気持ちだよ。志野くんは、嘘はつかない。」

 

 正確にいえば、嘘がつけない。ばればれなんだ。

 

 「でもね。志野くんも、自分で自分のことがわからなかったりするんだと思う。」

 

 これは、最近気づいたこと。

 志野くんは、自分で自分の気持ちに、考えに、気づいてない。

 こうあるはずだ、って思い込みで、それ以外のことにかたくななまでに目を閉ざしてしまっている、といえばいいのかな。

 思い込みが強いんだ。変なふうに。

 

 そして志野くんはあんなにすごいのに、自分についても、なんだか半分、あきらめてるところがある。

 わたしと付き合いはじめるときも、すごくおっかなびっくりで、わたしが志野くんのことを好きになる可能性があるなんて、全然考えてなかったみたいにすら思えた。

 

 試しに付き合って!とか。まるでお試しセールスする、訪問販売の新人みたいじゃないか。

 そう、本当の自分をさらけ出したら、好かれるはずないって、思い込んでるみたいに。

 

 最初は少しこわかったよ、たしかに。

 まだ全然話したこともないのに、好きだって言われて。

 でも、その後、志野くんと話して、短い間だけどいろんなことも経験して、わかってきた。

 志野くんがたぶん隠しておきたいこと、たとえばちょっぴりいじわるで、えっちで、かわいい女の子をみるのが好きなことも。

 でもわたしのことを本当に大事にしてくれて、頼りになって、すごく、すごく優しいことも。

 

 そしてわかる。志野くんが、すくなくとも今は、わたしのことを本当に好きでいてくれてることも。

 そして、わかる。志野くんが、さとみんのことを、心のどこかでは好きなことも。

 わたしのことが好きだから、わたし以外の女の子は好きになっちゃいけない、好きになるはずがないって、目をそらして、無意識に、気持ちにふたをしてるってことも。

 もちろん、今も志野くんはさとみんをみてる。でも、違うんだ。志野くんは、それがただ、えっちな気持ちで見てるだけだ、って自分で自分をだましてる、いいわけしてる。

 

 本当は、違うんじゃないかな。

だって、さとみんを見るまなざしは、ときどき、とても優しい。

 そして、ーー淋しがるような?懐かしむような?

 わからない。

 

 今日、それを、志野くんの気持ちを確かめるんだ。

 ちらっと時計を見る。うん、そろそろくるんじゃないかな。

 さとみんに、念押ししなきゃ。

 さとみんに。この意地っ張りな、さとみんにも。

 正直になってもらわないと。

 さとみんに意地っ張りな鎧を捨て去って、裸になって、生の感情を、思いを、ぶつけてもらわないといけない。

 伝える時間が、あまりない。急がないと。

 端的に、印象の強い言葉で伝えよう。

 

 「さとみん。今日は、裸になってもらうよ。」

 

 「えっ!え!?ええ。もちろんよ。」

 

 「志野くんが、もうすぐこの部屋に来るんだ。」

 

 「ーー。」

 

 「その志野くんの前で。すべての意地を、覆いを取り去って、裸になって。これ以上ないくらい。

 自分で自分に、そして志野くんに、正直になって。

 ありのままの、自分をみせて。」

 

 「わかったわ。」

 

 時間がない。早口になってしまう。大事なこと、伝えないと。

 ああ、そうだった。言葉でなくてもいい。抱きしめるだけで伝わるならそれでもいいんだ。そう伝えよう。

 

 「どんなふうに、でもいい。言葉でなくてもいいんだ。志野くんに、いや。」

 

 うーん、表現がむずかしいな。

 志野くんの本当の、ナマの、裸の心。

 難しいことを考えすぎてて、思い込みすぎてて、自分の気持ちすら見えなくなってしまってる、志野くんの頭でっかちになってる頭に、じゃなくて。

 

 「志野くんの心。志野くんの裸の心だね。そうだ、頭じゃないんだ。志野くんの体に、生のからだに、本音を言わせて。言葉じゃなくてもいい。」

 

 拙いことばだけど、伝わったかな。

 

 「それが、さとみんの試練だよ。ーーかの高き塔、高みの世界に至る、神の定めたもうきざはし。」

 

 わたしは、そう告げる。

 なぜか、言うつもりもなかったのに、すらすらと言葉が流れ出た。自分でも意味がよくわからない。

 

 さとみんは、頷いた。

 もう、罪悪感は宿っていない。

 いや、むしろ、やる気になってる?

 

 足音。ノックの音がした。

 

 「おそくなってごめん、みなり、調布、」

 

 「志野くん?どうぞ。」

 

 「ーーー、志野。」

 

 志野くんがきた。

 とりあえず、座る場所がほかにないな。ソファに誘導する。

 戸惑ってるな、この空間、この空気感。

 

 志野くんには悪いけど、まずさとみんに意地を取り去って正直になってもらうっていう、この試練を受けないといけないんだ。

 わたしという巫女に宿っている、何かがそう告げている。

 うん、神なんかじゃない。これは。

 これは、愛だ。

 わたしの中に眠っていた、愛。

 志野くんに触れて、目を覚まし、小さい産声を上げ、育ってきた、愛。

 

 「きょうは、お互いに正直になろうよ。ありのままの自分を、みせるんだよ。

 ーーさとみん、それじゃ。」

 

 しまったな。みんなで話し合える感じに、テーブルとか椅子とかをソファのまわりに持ってこなきゃ、って思った。

 でもそのときには、さとみんが動き出してた。

 

 「志野。見てほしい。目をそらさないで。」

 

 さとみんが、そう告げる。決死の面持ち。

 中央の広いスペースに、ゆっくりと歩み出る。

 顔がかあっと赤くなりかけたな。

 何か言おうとしてる。けど、喉が動いただけだった。

 がんばれ、さとみん!言うんだ!

 ちょうど吹奏楽も応援するように、ムードのある曲を演奏し始めてる。

 

 そしてさとみんが、胸のあたりに手をやってる。

 中間服の制服の襟のスカーフを、ごそごそと。

 

 あれ?

 さとみん、何をしている?

 鎧を捨てさって、ありのままの自分の思いを伝えるんだ。

 いや、これは。

 わたしは意外なさとみんの行動に、口をぱくぱくさせた。

 

 

 さとみんは、まずスカーフをふつうに頭をくぐらせて外そうとし。

 思いなおしたのか、わざわざ結び目をほどく。

 ほどいたスカーフの一端を手に持ち、しゅるしゅると、そっと抜いていく。

 そして少し胸をそらし、志野くんを見つめながら。

 優雅に、かるく一回転するように、スカーフを後ろに投げる。

 ちょうど吹奏楽の奏でるその曲に合わせるように。シンバルの音と同時に、決まった!

 流れるスカーフの次に、回転してすこし膨らむスカートの裾へ、志野くんの視線が移った。

 

 ああ。さとみん。

 裸になって、って。

 言葉でなくていい、って。もしかして、そう解釈したのか。

 うわあっ。

 ーーいや、でも。

 これは、これで正しいよ!

 自分の思いを伝えてる。自分のありのままを伝えようとしてるんだ!

 

 

 だって、ほら。さとみんの顔。

 上気して、すごくきれいなバラ色。

 目が、潤んでるんだ。

 志野くんへの思いを、湛えて。

 頬にぎこちない笑みが、ふるえてるんだ。

 こわいんだね、拒否されるのが。

 かすかに開くくちびるは、きっと志野くんを求めてる。

 それらが何より雄弁に、さとみんの心を、語っている。

 志野くんは?

 

 わたしは志野くんに、目を向けた。

 うん、ーーそっち方面は、合格だね。

 食い入るように、見てる。

 何がはじまるかを推知して、その、志野くんのあそこが持ち上がってきてるよ。ソファに座ってるけどわかる。

 千里の本にもあったけど、まさに「体は正直だな」だ。意図しない形だけど。

 あとで罰。うん、罰。

 でも、わかったはずだ。わからされたはずだ。

 さとみんが、志野くんのことをどう思ってるか。

 

 

 さとみんが、ブラウスの前に手をかける。

 私たちの学校の中間服では、スナップボタンだ。

 一つ一つ外すボタンの方が、風情があるのかもしれないけど、正直面倒。

 ファスナーだと、もっと楽なのかもしれないけどね。

 

 さとみんは、両膝をついた。両膝は揃えるのでなく、少し広めに開いて、でも足首はかさねて。

 目を閉じ、軽く体全体をそらせる。胸から上は強くそらせ、顔はほとんど真上に近く。髪が後ろに垂れ、足首に流れる。

 吹奏楽の奏でる甘い抒情的な旋律に合わせるように、ゆっくりと体を揺らしながら。

 少しゆっくり目に、さとみんがボタンを外していく。

 途中まで、そう、上から4つめくらいのボタンで、胸元が空いた状態で一度止める。伏し目がちに目を開けて、志野くんを見やる。

 おりしも最高のタイミングで鳴る、吹奏楽のシンバル!

 志野くんのそれが、期待に満ちて持ち上がる!

 うん、罰を強化しよう。

 

 さとみん、ボタンを外すのを再開。

 最後の一つを、外し終わった。

 また立ち上がり、曲に合わせて、ゆっくりと一回転。

 すぐに上を脱ぐことはしない。

 ボタンを外し終わったブラウスを、残したまま。

 今度は、スカートに手をかける。

 

 なんだ、さとみん。ノリノリじゃないか。

 心配したよ。

 さとみんは、志野くんが好きだ。わたしのことも好きなはずだ。かなり前だけど、言わせた。

 わたしも志野くんが好きだ、そしてさとみんのことも好きだ。この前、言った。

 だったら、仲良くできないはずがない。

 そして、志野くんもわたしと、そしてさとみんのことが好きだ。

 志野くんは、さとみんのことが好きな自分を、すぐには受け入れられないかも。

 でもこの、魂が抜かれたような凝視。

 そして持ち上がる股間。

 言い訳はできないね。

 

 そう考えてたら、いつの間に!

 さとみんが、スカートから足を抜いている。

 立派な太腿とふくらはぎは、多分、よく運動してるからなんだと思う。事実、どんな運動部の女の子より、さとみんは脚が速い。

 志野くんの目が、舐めるようにその脚に注がれてる。

 

 あれ?さとみん、上履きを履いたままだな。

 さとみんも気づいたな。ぶわぁって顔が赤くなった。

 あれは恥ずかしがってる顔だ。

 それも、スカートを外すことを恥ずかしがってる顔じゃない。

 順番まちがえたー、っていう顔だ。

 あ、でも乗り切るつもりだ!

 キリッ、って。すまし顔になってる。

 

 スカートを、投げた!

 志野くんの、頭に!

 すごい!

 その一瞬で、いつのまにか、上履きが脱がれて丁寧に横に揃えて置いてあるよ!

 志野くんがスカートから脱出したころには(少し匂いを嗅いでるみたいに遅かった。罰だ、罰だよ!)、さとみんは元の体勢に。

 くつしたは脱がない。わかってるんだね。

 男の人的には、最後まで上履きを履いてるのもアリかもしれないけど、スタンダードじゃないよね。

 

 ーーうん、つぎは、もう前を開けてるブラウスかと思ったんだ。

 さすがさとみん。男前だ。

 最後までためらうかと思った、グレーのショーツに手をかける。

 そっと、おろしていく?

 止めた?

 微妙にずらして止めた。

 そう、片方だけ、腰の骨を出して、もう少しで、その、デルタのところの膨らみがかすかに見える、という絶妙なところまで下げて。

 志野くんの凝視。

 

 今度は、ブラウス。

 ゆっくりと抜き取る。

 腕をあげたときに見える、きれいなわきの下に、志野くんの熱い視線。

 

 そして、タンクトップ型の下着にいくつもりだな。

 うん、志野くん前かがみだね。食い入るように見てる。

 これはもう仕方ないけど。後で罰、罰。

 

 つぎに、タンクトップだ。

 先に下を脱ぐ、ってのもありだけど、なんか外すと変って感じもするからかな。

 卑猥さを取るか、美しさを取るか。

 まあ、ここは美しさを取ったのかな。

 

 両腕を交差させるようにして、タンクトップの下をつかみ。

 そっと、引き上げていく。滑らかだけど、うっすらと腹筋のみえるおなか、そしておへそ。

 身をひねるように反らせて、タンクトップを抜き上げていく、そしてみえる脇腹、ごくかすかに浮くあばら骨。

 それらを包む、滑らかな肌。すこし、汗ばんでる。

 うん、美しい。肉感的だよね。

 この肌を思うままにできる男って、幸運だよ?志野くん、わかってるのかな。

 もちろん、わたしの肌も思うままにしてほしい。

 わたしの肌はこれはこれで味わいがある、と思うんだけどな。

 

 いつのまにか、さとみんはさっき絶妙にずらしたショーツと上のスポブラ、靴下だけ。

 Yバックのグレーのスポーツブラが、上半身を締めあげている。

 さとみんには合ってる。むしろ、普通のブラよりそそるんじゃないかな。

 さとみんは、スタンダードに靴下を次に脱いだ。

 一枚脱ぎ、服の山に投げるごとに、優雅に回転してみせた。

 半分近く見えてしまっている立派なお尻に、志野くんの目が釘付け。

 

 そして。

 ブラを外す。さとみんの上半身をしっかり締めてる、スポーツブラ。

 慣れてても結構大変なんじゃないかな、これ外すの。

 だけど、さとみんはこともなげに器用に片手で半分外して、優雅に体を回しながら頭をくぐらせ、志野くんの視線から遠いところで、もう片方の腕を抜き取った。

 さすがだね。ここでうーんって苦労するのも、かわいいけど。

 さとみん的には、ナシなんだろうな。

 

 それより。

 押さえつけてた胸が、そう、ふわあっと、ぽろんと、どーんと、ぷりんと。

 すごい。

 大きさは、まあ大きいけど巨大ってほどじゃない。

 だけど、持ち上がってて形がよくて、確かな高さで、つんと紅い乳首が上を向いてて。

 赤ちゃんにもどって、吸い付きたいって思うんじゃないかな、男の人は。

 ああ志野くん。まあいいんだけどさー。

 見すぎだよ。

 さとみん、もいだろか。

 

 少し私の黒い殺気を感知して、胸を反らして見せてたさとみんは。

 急に誰かに見られた?みたいな恥じらいの表情を作り(あざとい!)、

 片手で、胸を隠して見せる。

 ダ・ヴィンチの「ヴィーナスの誕生」みたいに、堂々とした感じじゃなくて。

 それはもう、恥ずかし気に。

 にもかかわらず、もう片手で、そっと、ショーツをおろしていく。

 少し膝を合わせて、内股になって、何かを耐えるような、色っぽい顔。

 そして、下までショーツが落ちて。

 そっと拾い上げ、投げるのではなく、ほかの服の下に隠す。

 わかるよ。

 上に、みえるところに置きたくないんだな。

 志野くん、きみは女心のわからない男だ。

 そんな微妙なさとみんのこころには全く気付かず。

 目をさらのようにして、さとみんのそこをみている。

 ショーツを隠すために後ろ向きになり、片膝をついたときにみえた、そこを。

 さとみんの腿と腿の間には、隙間がある。そこからみえた、閉じた切れ目の線を。

 

 さとみんが向き直る。

 志野くんの視線の向かう先は、脚の付け根の、そこ。

 さとみんは、脱いだもう片手で、軽く隠している。

 さとみんは、あそこを剃っていない。デルタ部分の下向きの頂点、少し張り出したそこに、薄い茂みがある。

 その膨らんだ丘。閉じた裂け目を隠そうとした手で隠しきれない、ごくごく薄い茂み。

 さとみんは、片手で胸、片手でその丘を隠そうとしながら。

 少し志野くんに近い位置に来て。

 両膝をついた姿勢になり、両手を、両手の指を胸の前で祈るように組んで、志野くんを見上げた。

 上目遣いに、訴えかけるような、哀願するような、ーー。

 ごくごく薄く漂う、甘い香り。

 発情してる。

 うん、合格だよ。

 さとみんの覚悟、見届けた。

 

 さとみんはそのまま、志野くんの少し斜め前に寄って。

 指をほどき、体をかがめて、ーーいや違う。お尻は上げて、でも上半身を地面につけるようにして、志野くんの足の甲に手を伸ばし、そして頬ずりした。

 お尻を強く反らしてて、あそこが上を向くくらいに付き出してるから、少し汗ばんで光る背中と腰の間のあたりに、しわっていうか、線ができるくらいに。

 そして続いて、身を低くしたまま、背中をそらして腰を突き出したその姿勢で、膝から下のところに抱き着いた。

 胸で志野くんの片脚に、その乳房の間に、はさむように。

 志野くんは、凍ってる。いや、惚けてるんだ。

 強く香る、少しだけ酸っぱいシトラスの甘い香り。

 

 さとみんがわたしを振り向く。

 哀願するまなざしに、にっこりと笑みで答える。

 わたしも、歩み寄る。

 

 「さとみん、わたしとさとみんで。ーー姉妹になろうよ。」

 

 あの日もさとみんに伝えた言葉を、再度、もう一度、誤解のないように繰り返す。

 そう、志野くんを介しての、そういう姉妹関係。

 たしか、

 

 「竿姉妹、っていうんだっけ、」

 

 たしか、千里の本に書いてあった。

 思ってたんだ。

 さとみんと、志野くんと、わたしとで、ずっと一緒になれる。

 わたしが前、空想してたことが叶う!

 

 だけど、その言葉を発したとき。

 なんか、さとみんも志野くんも、ぎく、と動きを止めた。。

 思いがけない人物から、信じられない単語を聞いた、って感じ。

 お互いに、顔を見合わせ、そしてわたしの方に顔を向け。

 そう、その顔の表情は、驚愕というか。

 後から思い返すと、誰だこんな言葉教えたのは!っていう、憤り2割呆然8割、みたいな感じに近かったような気がする。

 

 ただ、そのときのわたしは、少してんぱってたんだろう。

 私の言葉を聞いて、二人の視線に驚愕がこもったことには気づいたけど、それどころじゃなかった。

 

 なんだろう、こうしたい、こうすべきだ、っていう強い衝動に突き動かされて。

 わたしも膝をついて、さとみんと志野くんの肩に左右の両腕を伸ばし、引きよせ、強く抱きしめるようにした。

 いつのまにか頬に涙が伝ってたさとみんも体を起こして、わたしと志野くんに抱き着いてる。

 さとみんは、意外と泣き虫なんだね。

 志野くんからも、力強く抱き返す腕から伝わる感情の高ぶり。

 志野くん、でも何か気を使ってるね。

 一人だけ座ってるから、本当は姿勢が苦しい。でも立ち上がらない。

 きっと、すごく固くなってるに、ちがいない。

 それをわたしたちに押し当てるのが恥ずかしいんだな。

 いいよ、いいよ!気にしなくていいんだよ!

 

 わたしは立ち上がった。さとみんも。そしてわたしに促されて、志野くんも、おずおずと。

 3人で、立った姿勢でもう一度、ちゃんと抱き合った。

 最初は3人で。そして志野くんとわたし、志野くんとさとみん、さとみんとわたし、それぞれに。

 もちろん志野くんのそれは、ズボン越しにわかるくらい固く立ち上がってて。

 気のせいか、軽くびくびく震えててた。さとみんとも違う、なにかの花みたいな甘い匂いも。

 それが、わたしたちに隠しようもなく押し当てられて。

 いつのまにか私とさとみんは、笑ってた。うれしくて、笑ってた。あははは、って。

 志野くんも、赤くなって恥ずかしがって、でも笑ってた。

 楽しい。

 いつ、本当の姉妹になれるかな?

 そっと二人の顔を見あげた。

 

 「志野くん、さとみん、大好きだよ!」

 

 しあわせな気持ちのままに、伝えた。

 さとみんも、少し涙で赤くなった目で、恥ずかしそうに、でも幸せそうに。

 志野くんも、うれしはずかし、って顔で。

 お互いに、好きだ、って伝えあった。

 そして、話した。

 正直に、お互いの気持ちを。

 好きだっていう、お互いの気持ちを。

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