タイムリープで同級生の残酷な運命を変えようと頑張る話。 作:Marchhatter
「なあ、国領。」
「な、何かな!まだ勝負の行方は、分からないはずなんだけどな!正直今回は、ボクが勝ったと思うよ。」
「いや、そういうんじゃない。」
ちょっと気にかかっていたことを、聞こうと思った。
国領が入ったために真面目な計画関係の話が一段落してしまった。
紫藤は調布に髪をいじくられてる。この前みたいなお下げもかわいいと思う。素朴だけど、紫藤には似合ってるし。
調布のツインテールはかわいいというより迫力あったな。思い返してたら、調布にギロッと睨まれた。
でも、こんなところで変に媚びない、デレない調布も好きだ。
聞きたかったのは、その、紫藤母の病室に悪い気があるとかなんとかいうことだ。
そう説明する。
「そういったものって、あるのか?ないのか?あるんだったら、どんなものなんだ?」
「そうだね、ーー」
地縛霊とか浮遊霊とかオカルト的な知識を得意げに説明してくれるけど、僕にはあまりピンとこない。
まあ、そういうものが仮にあったとしても、本当にそういうものを見てる人と見えない人とでは、まるで感覚違うんだろうな。
僕には、物理的に測定できない存在が、物を考えたり動いたり物体に影響を与えたりってのは考えられない。多分、幽霊ってのはそれを見てる人の、ある種の幻覚なんじゃないかと思ってる。
ただ、僕も神秘的な体験をしなかったわけじゃない。というか、今2回目の人生を生きてるというのはおそらく幻覚じゃないから、一歩譲ってそういう可能性もあるのかもな、と思ってさらに聞いてみた。
「そういうもの、幽霊とかは、エネルギー体なのか?そのエネルギーで、悪い影響を受けたりするものなのか?」
そういうエネルギー的生命体って、SFにはありそうだよな。それなら考えられなくもない。
「いや、実はわからないんだよ。」
論理的に問い詰めていってみると、国領は白状した。
どうも人と違った能力、たとえばそういう幽霊とかを見ることができる霊能力みたいなのにあこがれて、片目を隠してそういう力がある設定をしてみたり、左手に幽霊を吹き飛ばす力が封印されているという設定をしてみたり、いろいろだったらしい。
本人はちょっぴり恥ずかしいな、くらいに思ってるらしいけど、聞いている僕たちの方が脂汗だよ。
それって、10年、20年くらいしたら、相当黒い、黝い歴史に発酵してるんじゃ。
ーーそう、同級生からの問い合わせには、答えたくないくらいの?
まさか。
「でもね、ボクにはそういう力はそれほどなかったみたいだけど、そういう現在の科学で説明できないモノ自体は、あるんじゃないかって思ってるんだ。経験上。」
国領はいう。
おばあちゃん子だった国領は、母方のおばあちゃんが亡くなる前、よく泊りに行って、おばあちゃんと添い寝することがあったらしい。
国領のおばあちゃんは、特に亡くなる直前は、よく悪い夢を見てうなされると周りの人に言っていたらしい。
国領は泊りに行って添い寝をしていて、おばあちゃんが出てくる夢をよく見た。
そして夢の中で、おばあちゃんに襲い掛かる悪い奴らを片っ端からぶちのめしたらしい。
ほら、夢の中だし子供だから、飛んで跳ねて、カンフー映画みたいに、バク転してキックして。
そういうことがあったときには、おばあちゃんは熟睡できていたようだった。
ある日、おばあちゃんとの会話で、おばあちゃんの夢に自分が出てきて、悪い奴らをやっつけていたと国領は知った。
つまりそのおばあちゃんが見ていると思われる、その夢に入り込む夢を見たということだ。
夢の共有だな。
まあ多分、偶然だろうな。偶然。
でも、ちょっとおもしろい。そういえば夢の中って、現実世界ではできない動きができる。空を飛んだりとか。
最近は、空を飛ぶ夢は見れなくなってしまったけど。1回目の最近は、ね。
2回目のこの時期は、もしかすると、そういう夢もまだ見れるのか?高い高いぐらぐらする塔から落ちるけど、両手を広げて滑空できる夢とか。楽しみだな。
ああ、でもやっぱり紫藤とか調布とかとヤった夢、あれが、やっぱり、ーー。
「だからボクは、簡単にはそんなものがないとは否定しないようにしてるのさ。ちなみにそれからバク転、練習してできるようになったよ!」
「そうか、すごいな。ーーそのおばあちゃんだが。紫藤のお母さんと共通したところがあるのか?」
何の気なしに聞いたのだが、国領は考え込んでしまった。
「うん、ボクには結局そういう霊感はないみたいだからね、でも、ーー」
なんかみなりんのお母さんをみたときに、思い出しちゃったな。
国領は、快活な人柄の彼女にはめずらしく、外面をとりつくろうでもなくぼんやりと思いにふけるように、そう言った。
ーーーーー
その後は少しだけ国領に作戦での役割分担の話もした。国領はよろこんで承諾していて、なんなら飯場襲撃に参加したそうだったが、さすがにそれは要相談というか実質却下、ということに。
3時すこし前くらいに、国領は、うわっこんな時間、ごめんねボク用事があるんだ帰らなきゃ、といってあわただしく出ていった。
3人で顔を見合わせる。
「大丈夫かな、あいつ。」
「ハルカちゃんは、いつもあんな感じだよ。」
「みなりとは違うけど、かわいいわね、ハルカも。」
調布と国領はこれで3回目くらいの接触らしいが、もう下の名前呼びになってる。
話した感じ。公平に言って、頭はいいし性格も悪くない。僕に当たりが強かったからムカついてたけど、基本親切な奴だし、その僕に対しても普通に打ち解けて話してくれてた。
少しおっちょこちょいで、テンパってしまうところもあるように感じる。お調子者だな。
だが、そういうプレッシャーのある役割じゃなければ結構いい感じにこなせるのでは。生徒会でも、とくに悪い噂は聞かない。
ただ、口止めは、必須だな。紫藤の心配、国領がぺらぺら話さないか、ってのは僕も思った。
そういうことで、作戦会議も一段落。ピザもあらかたなくなった。残りは食べてしまうか包んで持ち帰り、そろそろ3人で紫藤母のお見舞いに行くか。
オリーブオイルの小袋とプラスチックのボトル入りのハニーメープルシロップ、盛大に余ってるじゃないか。
オリーブオイルはそれでも多少は使ったけど、メープルシロップなんて全然使ってない。結構大きなボトルなのにな。
結構ピザにも合うんだけど。でもまあ、上級者向きかもしれない。
みんなピザは辛いのが好きらしくて、唐辛子のペッパーソースは使った。
でもメープルシロップは嫌がってかけなかった。そういえば、僕も使わなかった。
もったいないから家に持って帰ってトーストに塗ろう。うん、貧乏性なんだよ。
ピザはこのゴワゴワのザラ紙に包むかな。その上から調味料の入ってたビニール袋に入れとけば、油で汚れたりしないだろう。
ふと気が付くと、紫藤1人が目の前で微笑んでいる。恐ろしく美しい笑みで。あれ、調布は。
では後はお二人で仲良くね、あたしは今日は帰るから、ごゆっくり。ーーと、調布がひらひらと手を振ってチェシャ猫のような笑みを残して出ていく。
あ、調布。僕を売ったな。
おい、僕のこと好きだって言ってくれたんじゃなかったのか。こんな恐ろしいところに残していくなんて、ーー。
「志野くん。」
少年漫画だと、ゴゴゴゴゴォと背景音が書き込まれそうなプレッシャーを生じさせながら、紫藤が僕に微笑みかけた。
「これでやっと、ふたりきりだね。」
「あ、ああ、そうだなみなり。それで、どうしようか。お母さんのお見舞いに、ーー」
「うん、後で行こうね!でも、その前に、志野くんへの罰を与えたいんだよ!」
紫藤さんうれしそうですね。僕こわいです。
調布か?調布とのことがやっぱり、逆鱗に触れたのか?
確かにな。3人でもいいって言ってたけど、やっぱり実際に僕が調布とそうなると、イヤだったのかな。
でも紫藤、分かってくれ。僕は紫藤が好きだ、愛してる。でも、調布も好きなんだ。
「うん?そうじゃないよ。さとみんはわたしのかわいい妹だからね。志野くんも、さとみんをちゃんと愛してあげていいんだよ。ちゃんとね。」
中に入れてあげても、いいんだよ。
気のせいか、そうつぶやく紫藤の目が、据わっている気がする。
「そ、そうか。」
「たださ、やっぱり長幼の序というのは大切なんだよ。」
順番は守らないとね?その点、私を待ってくれたのは感心感心。殊勝なことだよ。
紫藤はそう言って。
おもむろに5階への登頂を要求した。
僕には従う以外の選択肢はなかった。今の紫藤に逆らうなんて怖いし。
それに、もちろん。
僕も、紫藤と久しぶりにいちゃつきたかったんだ。
僕の分身も、こんなに持ち上がって元気になってる。
ーーーーー
5階への階段。スパイ大作戦。
紫藤は上機嫌だ。ふんふんと鼻歌らしいものを口ずさみながら、鉄の階段を上る。
その後ろについた僕は、紫藤の白い脚を、今日も窃視というには大胆すぎる視線で舐めまわす。
そう、この産毛。お洒落な女の子は脱毛クリーム塗ったりしてつるつるにするのかもしれないけど、僕の考えでは、このわずかな産毛がすごいエロいんだよ。
養殖アユと天然アユの違いっていうかさ。化学調味料が入っていない、天然ものなんだ。
視線だけでなく、舌でも舐めまわしたい。そのときに、脱毛クリーム味っていやじゃないか。
そう、相変わらず童貞的キモ思考に没入した。
階段を上りきると、そっと鉄の扉を開ける。
潤滑剤を差したせいか、音はほとんどしない。大成功だ。
内側の引き戸の南京錠も開けて、靴を脱いで上がる。
特に前回から変わったところはない。持ち込んだ蝋燭も残ってる。
そしてあの、白い綿のロープも丁寧に巻かれて置いてある。
少しだけ、空気の入れ替えをためしてみよう。
内側のガラス戸を少しだけ開ける。少し湿ってるけど、清涼な空気が流れ込んだ。
「志野くん。それでさ。」
紫藤が向かいのソファでなく、僕と同じソファに座り、そっと僕の腕に自分の腕をからめてきた。
「わたしは、志野くんと一緒に、いろいろしてみたいんだ。」
話を聞く。
紫藤としては、僕が調布に改めてマジ告白してしまったことを、怒ってはいない。むしろ親友の幸せを喜んでいるという風情。
紫藤はもともと調布と3人で愛し合いたいと夢のようなことを言ってたし、実際に調布はいいという認識なんだろう。含むところはなく、調布を祝福している様子。
ただ問題はあれだ。最近、僕と調布とが、身体接触面で進展したことだ。それに焦りを感じている。
うん。あれはまるでヤってるような気分になったしな。
「だから今日は、わたしも志野くんに。その、なんだっけ。」
紫藤は眉をひそめて、何かを思い出そうとする。
「そう、開発。開発してもらいたいんだよ!」
吹きそうになった。
ーーーーー
竿姉妹とか開発とか、どこでそんな言葉を覚えてくるのか問い詰めた。弟さんの蔵書だそうで。
あんちくしょう、リア充美少年の着ぐるみを着やがって。中身は僕と同じじゃないか!
ろくでなしだ。今度会ったらねっちりみっちり説教してやる。おっさん人生の教訓の詰まった説教をだ。
そして今、どんな開発をするかを二人で検討中。
ただ、処女と童貞の二人だ。何か検討するたびに体温が上がる。顔が赤くなる。
それに開発って。僕もほぼ童貞だし、何すればいいか、まるでわからないよ。
それでも紫藤の意見を取り入れて、今日は上半身前面ということにした。
紫藤は目を閉じて、ソファの横に座った僕に体をひねり、正対した。
まず、ハンカチを取り出して、目隠しをする。
男物の大きいもので、紫藤の頭も小さいので、なんとか。
そして紫藤の要望で、またロープを使う。
今日は後手でなく、前で手首を縛ることにした。
ひと巻き、ふた巻き、と巻いて、また縦に手首の間の縄を絞るように縄をかけて、しっかり締める。
紫藤がどこかそわそわしたように、膝をこすり合わせ、肩を動かした。
そっと紫藤の肩を押し、ソファに仰向けに寝かせる体勢にする。
2~3人掛けくらいの長いソファで、両袖にあまり高くないクッション張りのひじ掛けがある。
少し古いが、まだクッションはよく効く。これなら。
座っていた位置でそのまま倒れた体勢なので、紫藤は片方のひじ掛けにまだ背と頭がかかって、完全には寝た体勢になれていない。
紫藤を両腕で抱き上げてだいたいの場所に動かし、次に紫藤の足首を持って、ずるずると引き、位置を調整した。ちょうど両端のひじ掛けの間の広い、クッションの効いた座面に体が仰向けに横たわれるように。
ただ、脚は入りきらない。だから体を少し足よりに引いて、膝を足側のひじ掛けにかける感じにした。
足を持って引いたので、スカートがめくりあがっている。膝より上の、白く眩しい太腿が見える。
もっとスカートを引きずり上げたい誘惑に駆られるが、今日は裾を直す。
手首のロープを引き、紫藤に万歳するように腕を上げさせた。そして手首を縛めたロープのもう一端を、手首に近い側のソファの脚にしっかりと結わえ付けた。
これで、紫藤は腕を下げて身を守ったり、抵抗したりすることができない。
あとは、足首だな。
ロープをもう一本取ってきて、足首を縛る。これも、足首をぴったりつけて巻き、ダメ押しでまた縦に足首の間を絞るようにロープをかけて、締めた。
足首のロープも、足首側のソファの脚の一つにしっかりとぴんと張るように結わえた。
これで、紫藤は脚を固定され、身を守るために足を上げたりすることもできなくなった。
つまり紫藤が、無防備な姿で僕の目の下に横たわっている。
軽く紫藤が震えている気がする。
怖いの?と聞く。黙ったまま、紫藤は首を振った。
外の少し涼しい風が吹き込んで、気が付いた。
そうそう、窓を一応閉めておかないといけない。
窓を閉めると、密室特有の少し張り詰めた気配。梅雨なので閉めても暑くはならない。
紫藤のところに戻る。苦しくない?と聞く。
紫藤は首を振り、ごくごく小さい声で、大丈夫、と言った。
そっと、紫藤のブラウスのスナップボタンを外す。
ぱち、ぱち、と外していく。
そして、上半身の下着、柔らかい白いキャミソール(っていうんだっけ)をまくり上げる。
白い肌。うん、僕の好みに、ごく少しだけ産毛がある!
キャミを脇の下、ぎりぎりまでまくり上げる。
そこで、紫藤の脇の白い肌に軽く鳥肌が立っているのに気付いた。
ねえ、やっぱり寒い?と声を潜めて聞く。しかし、紫藤は首を振った。
そして、少しだけ笑いを含んだ声で、くすぐったいかも、と言った。
くすぐったくならないようにわしゃわしゃと荒っぽく、鳥肌の立ってるあたりをさすってみた。
ふふぅん、と紫藤は、少し笑いを含んだ息を漏らした。
かゆいところはありませんか?と聞く。いや、調子に乗ってふざけたのもあるけど、疑問だったんだ。こんなとき、自由に掻けないからさ、かゆかったら地獄だろうって。
ううん、大丈夫だよ、と紫藤は、少しだけ笑いを湛えた小さな声で返した。
目の下の紫藤の柔らかい体をあらためて観察する。
ブラはごく普通のものだが、少しほつれがあるし小さい気がする、ふくらみが少しだけはみ出てる。小中の頃のかもしれない。また一緒に帰るときに、新しいのを買いに行こうって誘おう。
そっと背中に手を差し入れると、察した紫藤が身を反らして背中に隙間を作ってくれた。
背中のホックを外すために、両脇から手を入れ、紫藤を抱くような体勢になった。
紫藤から、ごくごく薄い、おそらく石鹸の清潔な匂いに混じって、甘い匂いが立ち上がった。
くらくらと脳の芯がしびれそうな、匂いが。
ブラは単純な構造。肩ストラップもあったが、S字型のプラスチックの小さな連結フックを外して脱がせることができた。
傍らのコーヒーテーブルにブラを丁寧にたたんで置く。
紫藤の胸を見た。白い柔らかそうな胸、やせっぽちだと思ってたけど、思ったより盛り上がってる。Bカップくらいか?
気のせいでなければ、あの動画で僕が見たよりも大きい。先端の乳首のピンク色がきれいだ。
軽く指の腹で触れると、くぅん、と声が漏れた。そして、紫藤の目隠しされた顔に、朱がさした。
「ねえ、いまから開発するから。声、気を付けてね?」
和室ではあるがこの部屋の防音は結構いいとは思う、二重扉だし。でも一応そう言った。
紫藤が黙ったまま、頷く。顔の朱は引いたが、耳は赤い。
痩せているのは確かだ。かすかに肋骨が浮いてる気がする。白く滑らかな肌。
でも筋肉もある。調布みたいな鍛えた筋肉ではないが、居心地わるそうにもじもじと身じろぎするたびに、白い薄い肌の下に軽く浮き上がる筋肉が。
この前みたいにくすぐったらダメかな?
うん、でも今日はもっとほかのことをしてみよう。
これだな。
僕は、思い出してポケットからそれを取り出した。
さっきのピザについていた、メープルシロップのボトルを。
胸に垂らされたとき、紫藤は多分それが何かわからなかったと思う。
声は漏れなかったが、呼吸が早くなった。
そっと指の腹で、胸に押し広げる。紫藤が、声を立てないで吐息をついた。
胸だけじゃあれだよな。
お腹にも。
横に垂れたりしないように、気を付ける。持ってきたタオルがあったので、念のため横に待機。
お腹の方から、舐めた。
ふぁっ、というような声がして、力が入った腹筋がうすく浮き上がった。
うん、くすぐったいよね。きっと。
丁寧に、メープルシロップをなめとっていく。無心に、無心に。
ごくごく薄い産毛も、僕の興奮を煽る。
おへそも舐められた紫藤は、ぶるぶるっと震えた。
でも容赦しない。
少しずつ、舌は白い肌一面に塗られたシロップを丹念になめとりながら、胸に、胸の頂点に向かっていく。
胸のふくらみに達しようとしている。白く滑らかなふくらみに。
胸の横、脇に続くあたりにも、細心の注意を払って薄く薄くシロップを塗り、嘗めとった。
紫藤の左の乳の脇のところ。横乳のあたりに黒子が一つある。紫藤弟の言ってたやつだ。特に丁寧に舐めた。
紫藤は、脇を舐められて今までで一番というくらい腕と足に力を入れた気配。腕や脚の筋肉がうっすら浮き上がる。柔らかい綿ロープでも、肌に食い込む。
でもその縄は、紫藤に逃げることを許さない。
紫藤は激しく身をよじらせようとしたが、僕はそっと紫藤の肩と腰に手を置き押さえつけて、その動きを封じた。
紫藤はあきらめたのか動きを止めた。ふうふうと激しく息をついている。
再開。紫藤の胸を容赦なく舐め続ける。
頂点に続くまでの麓を舐めとった。
はぁはぁ、と今では紫藤は口を開けて、荒い息をついている。
胸の先端を、口に含んだ。
いきなり吸い付くようなことはしない。最初は数回、唇だけで挟んでは離した。
そして、舌先で先端をつつく。撫でる。
紫藤の息遣いが荒くなり、体をねじり、僕の舌から逃れようとするかのような動きが激しくなった。
軽く、ごく軽くだけ先端を吸う。
ぁっ!と紫藤が思わずというように声をひと声だけ上げたので、僕は思わず動きを止めた。
紫藤はふうふうと荒い息をついていたが、裏返りそうな細い声で、志野くん、そこのタオル、と言った。
タオルを手に取ったが、分からない。これを?
志野くん、口に、タオル。と紫藤。
意味が分かった。
僕はタオルを、紫藤に咬ませ、頭の後ろで縛った。
紫藤の目隠しされた顔。耳元、首元が赤く染まり、軽く汗ばんでいるのが目に入った。
いいのかな?
僕はそれから十数分間、タオルを咬まされて声を上げられず、悶え続ける紫藤の胸を口で楽しみ続けた。
ーーーーー
「志野くん。やりすぎだよ。」
二十分後。
開発された紫藤が、開発者の僕に苦情を向けている。
「ごめんなさい。」
「ちがうよ志野くん。わたしは、気持ちよかったんだよ。すごく。」
紫藤が膨らんでいる。ぷりぷりと。
でも、本気で怒っているわけじゃない。なんか、うれしそうというか、得意げな?
「もう、頭のなかが真っ白になったんだよ。このまま天国に行けそうだった。」
「うん、?」
何を言われているのだろうか。苦情、ダメだしなんじゃないのだろうか。
後から気が付いて客観的にみたら、僕は嫌がる紫藤を縛り、その胸にシロップ塗りたくって舐めとるというド変態プレイをしてた。愛想を尽かされてもいいレベル。
「だからさ。うん、わたしのレベルが上がったんじゃないかと思うよ。」
「レベル?」
紫藤によると。
これは開発であり訓練なんだそうだ。
僕に紫藤の初めてを味わってもらうための。そして、その初めてを、紫藤も楽しむための。
そのための訓練で、鍛えると(?)レベルが上がる。
最初にするときはすごく痛いって聞くけど。嫌なプレイに慣れることで、苦痛耐性をつけるってことかな?よくわからない。
ただ、紫藤的にはまあ、今回は悪くなかったし、力(?)もついた、と。もうはじめてもOKかも、自信がついた、のだそうで。
すごく恥ずかしかったよ、でも気持ち良かったし、大丈夫。もっと慣れないといけないから、痛いこともしていいんだよ。だそうだ。
紫藤はまた僕に背中を持たせかけるように入ってきて、すっぽりと僕の腕の中に納まっている。
そして、少しバラ色に染まった頬を膨らませて、僕を見上げながら、かわいい小さな不平を述べている。
自分だけが気持ち良くなってるけど、志野くんを気持ちよくしてあげたいんだよ、とか言ってる。かわいい。
僕が気持ちよくなることって、何かあるかな。今日も、さんざん楽しんだんだけどな。
ふと、ナギさんのあの口での奉仕を思い出して、あそこが起き上がってしまう。
もちろん、紫藤も気づいた。
紫藤は、急に無口になった。バラ色だったつやつやした顔が、真っ赤になって、目を彷徨わせている。
紫藤の背中に、それが当たってる。くいくいと、紫藤的には、背中を太い指で押されてる感じだと思う。
恥ずかしさが、僕にも伝染。
最近、あの風俗店の付き馬店員やナギさん、そしておそらく調布にすら見られたという経験があり。
そのとき、つまり演じているときは、勃ってるの見られたから、それがどうした!というオラオラな感じだったのだが。
今の、素の僕には、恋人の紫藤にそれを知られたのが恥ずかしくてならない。
急に無口になった僕たちは。
ぎこちなくキスをしてみて、さらに無口と顔の赤らみを深めるのだった。