※この作品はR-18です。

大江戸捜査網 ハーレム・サムライ   作:a-su

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第一回 アヘン事件
Aパート


 幕末の頃、文久(ぶんきゅう)二年、きさらぎの月。現代(いま)の暦では1862年3月。

 

 この頃江戸に流行るもの、すなわち「洒落(しゃれ)」「洒落者(しゃれもの)」である。粋な奴と言い換えても良いが、当節の洒落者は洗練された礼節に言葉遣い、古風で雅やかな装いを要求された。

 それは近年増えつつある異人(外国人)たちに対して、〈我等の文化は何処(いずこ)にありや〉という、江戸っ子たちの自問なのである。

 

「太一郎様?」

 

 そして今、妻の呼びかけに振り返った物語の主人公もそうした洒落者の一人だった。 

 この若きサムライは、名を出楠(でくす)太一郎(たいちろう)という。 

 五千石の大身旗本に配下として仕える彼は、これから妻恋坂(つまこいざか)にほど近い自宅を出て主の屋敷に参じる所なのだ。

 

「どうした、美樹(みき)」

 

 張りのある声。まだ十八だけに、腰に大小の刀を差した袴(はかま)姿からは江戸に春を告げる風のような爽快さが感じられた。

 

 黒い眉は丁寧な仕事で整えられ、髷(まげ)と月代(さかやき)(頭髪を剃り上げた部分)はみずみずと脂気を帯びて、皮膚の下には若い血潮の張りがある。

 

 小ざっぱりとした羽織(はおり)は一見地味な無地の藍色に見えて、裏地には紅梅色を多用した値の張るものだ。やや古風な江戸の粋、近頃はやりの洒落好みが透けて見える。

 

「今日はお昼から雨のようでございますから…………傘をお持ちになりまして?」

 

 声をかけた女は、太一郎の妻で美樹という。

 

 太一郎より五つも年上なのに、くりくりした瞳にあどけなさがあって愛らしい女だ。

 髪は赤毛に近く豊かで、見事な結い上げ方をしている。そこに挿してある花飾りのかんざしは太一郎の好みで新調したばかりだ。

 

 小柄ながら肉づきはよく、柔らかさが満々と詰まった恵体が、ぜいたくに絹で仕立てられた薄藤色の小袖に優美な曲線を描かせている。肌や唇も食べ頃の桃を思わせる瑞々しさだ。

 

 色と華とを兼ね備え、それでいて楚々とした清らかさと愛情に満ちた微笑みで男心を甘く蕩かしてやまぬ、自慢の妻。

 

 千両箱をいくつ積まれても、我が妻に勝ることはなし。太一郎の偽らざる本音である。

 だが玉に瑕(きず)と言えそうなのは、婚礼から三年、太一郎が何度精を注いでも、一向に子ができぬことであろうか……。

 

「いらんよ」

「では、濡れて風邪など召されませぬようにね」

 

 そう言うと美樹は微笑んでみせた。

 春とは言え、まだ桜も蕾(つぼみ)である。美樹の心配も最もではあったが、

 

「なあに、おれも餓鬼(ガキ)ではあるまいし、心配はいらぬさ」

 

 こういうところが、やはりまだ若いということであろうか。

 言い返してから、太一郎はあわてゝつけ加えた。

 

「ああ、いや……お前が案じてくれるなら、ありがたいことだ。気をつけることにしよう」

「太一郎様が子供でないのは、わたくしが一番よく存じておりますもの」

 

 美樹はそう言ってころころと笑った。

 この笑い方は、ちょっと他では見られぬものである。笑う時、目を細める癖があって、それが何とも言えぬ色香を漂わせるのだ。

 

「ならばよい。行ってくるぞ」

「行ってらっしゃいませ」

 

 気恥ずかしげに横を向いて、太一郎は歩き出す。美樹は深々と頭を下げて見送った。隣家の女房がその様子を見てくすくすと笑っている。

 

 太一郎の足取りは軽く、朝日が差す妻恋坂を登ってゆく。

 絵に描いたような美男美女の幸福な夫婦。世間の人にはそう映るであろう。

 

 だが、人生には裏道がある。

 

 

 ◆◆◆

 

 古ぼけた布団の上に、血が飛び散った。

 

「え……?」

 

 そう漏らした女は四十にもならぬ年齢だ。

 だのに髪は真っ白で、顔は皺(しわ)だらけだった。

 ある商家に生まれたが、嫁せずして独り身の、いわゆる行かず後家である。

 

「ひ……! ………………!」

 

 引きつったような悲鳴を漏らすと、彼女は布団に倒れ込んだ。

 正面から心の臓を一突きにした短刀は、節くれだった男の指に握られている。

 

「ンフフフ……♥」

 

 指の持ち主……出楠太一郎の口から、奇っ怪な声が漏れた。白い歯を剥き出しにして笑っている。

 彼は若衆髷(わかしゅまげ)に肌襦袢一枚という、自宅を出たときとは別人のような風体であった。

 まるで陰間(男娼)のようにも見える。

 

 やがて、ぴくり、ぴくりと痙攣していた女が動きを止めた。

 抜き取られた刃から、鮮血が滴った。それはまるで涙のように女の頬に落ちる。そして血は頬を伝って唇にまで達し、紅を塗ったような艶(つや)を出した。

 血の色と断末魔の残響が、官能を刺激して止まない。太一郎はしばらく、その光景に酔いしれていた。

 

「ははははは……」

 

 股ぐらは熱くい(・)き(・)り(・)立っている。

 その様を見て、彼を善良な人間だなどと評する者はいまい。太一郎は殺人に悦楽を覚える鬼であった。

 

 だがこの殺し、理由(わけ)がない事ではない。

 

 女には詐術の才能があった。人を騙すのが三度の飯より好きで、息をするように嘘をつく女だった。

 もちろんそんな人間が商家で生きていけるはずはなく、家族は早々に彼女を見限った。若くして別宅に住まわせ、半ば幽閉していたのだ。

 そして騙(かた)りに飢えた女は、とうとうさる大名家の若君をペテンにかけて、「西行法師 直筆」という触れ込みで偽の掛け軸を売りつけてしまった。

 

 お大名にとっては騙されたのも恥なら報復せぬのも恥、かと言って女相手に事を荒立てるのも恥。それゆえ、秘密裏に始末をつけよという主(あるじ)からの指令が太一郎に下されたわけである。

 

 そして、太一郎はただの殺人者ではない。

 

「む……!」

 

 ひょう、と。太一郎は兎のごとく跳んで、つい立ての影に身を隠した。

 同時にふすまを蹴破って四人の男が部屋に躍り込んでくる。手には鉈(なた)や鎌(かま)を持っていた。いずれも凶悪な面構え、女に雇われた破落戸(ごろつき)である。

 彼らは畳敷きの部屋に踏み入るなり、口々に叫んだ。

 

「死んでやがる! 誰だ!」

「畜生めッ、おい! 出てこい!」

「隠れても無駄だぜ! さっさと出てこねえと叩き斬るぞッ!!」

 

 だがしかし、返事は無い。ただ不気味な沈黙があるばかりである。男たちは顔を見合わせた。

 

「……よし、探せ」

 

 年かさの一人が言うや、若い三人はめいめい武器を構えて部屋中を探り始めた。すると、

 

「むうんっ……!」

「うわあッ!?」

 

 太一郎の声と共に、つい立てがまっすぐ飛んで若者の一人を押し倒したではないか。

 若者はもんどりうって倒れると、そのまま動かなくなった。

 どうやら気絶したらしい。他の二人もぎょっとして動きを止めてしまう。

 

 その瞬間を狙っていた太一郎が、部屋の陰から床の間に置かれていた花瓶を投げつけた。

 若い二人はとっさに身をかわしたが、年かさの一人が運悪く頭を直撃されてしまう。

 

「ぎゃあッ!」

「兄(あに)ぃ?!」

 

 割れた破片と水を浴び、悲痛の叫びを上げてうずくまった所を、ついに太一郎が姿を見せた。

 だん、と畳を踏み締める音。

 残り二人の若者が慌てて得物を構えたが、それより早く懐に飛び込まれてしまった。

 

「ぐえッ」

「おごぉ……ッ」

 

 短刀ではない。拳と肘が、それぞれ一人ずつの鳩尾と喉仏を打ち据えた。

 濡れた雑巾を壁に叩きつけるような音がしたかと思うと、たちまち若者たちは倒れ伏してしまった。

 

「だれっ、だ……てめえ……」

 

 立て続けに、四人。

 最後まで意識を保っていた年かさの男が、苦しげに呻いた。もう立ち上がる気力もないらしく、床に転がったまま太一郎を睨みつける。

 

「三途の川の渡し守だよ」

 

 うそぶく太一郎の右手には、椿(つばき)の花が一輪握られていた。花瓶に活けられていたものだ。花びらは血のように真っ赤である。

 男は尖った枝の先端を目に留め、顔を恐怖に引きつらせた。まさか、と思ったのであろう。

 だが彼が何か考える暇はなかった。次の瞬間にはそれがのど元に深々と突き刺さっていたのだから。

 

「ぎゃああああ!!!」

 

 耳をつんざかんばかりの悲鳴が上がった。激痛のあまり、男の身体は陸(おか)に打ち上げられた魚のように激しく跳ね回った。

 恐るべきは、血がほとんど噴き出さなかったことだ。傷口は小さく、また太い血管を傷つけなかったのである。

 殺人は活人に通ずる。まさにその通りの神業であろう。

 

「お大名の手にかからねえ内に、とっとと江戸から消えるんだな」

 

 もだえ苦しむ男を後に残し、太一郎は悠然とその場を後にした。

 

 ◆◆◆

 

 人生には裏道がある。その道は極悪非道の犯罪と過酷な法の冷たさ、そして人々の涙で舗装されていた。

 太一郎は、その裏道を歩かねばならぬ宿命の男。悪党どもを血煙と死肉の塊に変え、断末魔を喰らう狂った鬼なのだ。

 

 だが、彼には救いが与えられる。その道行きを描くのが、この物語だ。

 一人の男と四人の女が織り成す、剣と愛と官能の人生讃歌なのである。

 

 

 

 

 

 

◆大江戸捜査網    

   ハーレム・サムライ◆

 

第一回 アヘン事件

 

 

 

 

 

 

 自宅に戻った太一郎は、湯船で手足を伸ばして寛(くつろ)いでいた。

 自宅に湯船を持つなど彼の身分ではまずありえない事だが、これも隠密稼業の報金によるものだ。大名家より彼の主に支払われた報酬は、決して少なくはない。

 

 ふと、天井に向けて腕を伸ばしてみる。そこには、先ほどの殺しの感触がまだ残っているような気がしたのだ。

 人を斬ったときの快感は、何事に優るものがある。刀を通して伝わってくる肉の感触も、断末魔の声も、何もかもが素晴らしい。

 だが、口にしたのは別のことだ。

 

「父上……今日も、おれは務めを果たしました」

 

 太一郎は、物心付いた時から、〈殺し〉に快楽をおぼえる体質だった。〈おれさまは人を殺したくて仕様がない〉という欲望である。

 幸いだったのは、それと矛盾せぬように才を磨く機会を与えられたことか。

 

 早逝した太一郎の父は、息子の本性に早くから気付いていた。しかし父は矯正を試みようとはせず、むしろ太一郎に様々な武芸を身に着けさせた。

 その真意は、今となっては知る由もない。だが太一郎はこう考えている。

 

 〈父上は、おれが鍛錬を通じて自分を御する術を覚え、また、武で身を立てることで、人殺しのまま生きる道がある……そう気付くと期待していたのではないか〉

 

 ともあれ、そうした父の教育によって、太一郎は武術・剣術ともに達者となり、十五歳の元服と共に隠密となったのだ。

 以後三年間、彼は数え切れぬほどの人間を斬り殺している。

 

「太一郎様、太一郎様」

 

 風呂場の入り口の方で、美樹の声がする。

 

「ああ、美樹か」

 

 太一郎は、美樹の声が好きだ。

 艶のある声は、聞くだけで心が弾む。

 

「お背中をお流しいたします」

「ありがたい」

 

 太一郎は浴槽の縁に腰掛けた。

 美樹が、身体を洗うためのぬ(・)か(・)袋を手に持ち、太一郎の背中を洗い始める。

 

「今日は、お早いお帰りでございましたね」

「ん? まあな」

 

 美樹が、太一郎の首筋に顔を近づけ、くんくんと匂いを嗅いだ。ほつれた赤毛が汗ばんだ肌に張り付き、なんとも色っぽい。

 

「美樹は、おれのいい香りが分かるな?」

「はい。太一郎様のお体からは、いつもお花のような芳(かぐわ)しい香りがいたしております」

 

 太一郎は、無言のまま微笑んだ。

 洒落者としても、隠密としても、香は手放すことができない物だ。

 美樹が、太一郎の胸板に手を置き、乳首をつまみ上げた。

 そして、軽く指先でこねる。

 

「おお……、これは……」

 

 太一郎は、思わず吐息を漏らした。

 

「ご満足いただけますでしょうか……」

 

 そう言うと、美樹は、太一郎の耳に舌を這わせた。

 太一郎は、肩をすくめた。

 耳から首にかけて、快感の波が押し寄せてくる。

 太一郎は、全身に鳥肌が立つのを感じた。

 たまらず美樹を抱きすくめようとするが、姉さん女房は、若い性欲の手綱をしっかりと握っていた。

 

「いけませんよ、太一郎様。夕餉(ゆうげ)の前なのですから」

「もう、こんなになってしまっているのだぞ。このままではどうしようもないではないか」

「続きは、後ほどゆっくりと……♡」

 

 美樹は太一郎に湯をかけると、尻を左右に揺らして退散していく。

 太一郎は歯噛みをして、湯船に身を沈めたが、やはり下半身の疼(うず)きは収まらなかった。

 

 

 ◆◆◆

 

 その日の夕餉は、美樹が取り寄せた鰻飯だった。

 酒の肴に、白焼きの蒲焼も添えられている。

 太一郎は酒を飲みながら、美味しそうに食べる美樹の顔に見惚れていた。

 ──愛らしい。この女は本当に美しい。

 改めて、その美しさが身に染みた。

 今日殺(あや)めた女とは、比べ物にならぬ佳(い)い女なのだ。

 

「今日のお役目は、どのようなものでございましたか。美樹は、太一郎様までお風邪を召されないか心配です」

「何ということもない。御前に命じられて、けちな悪党を懲らしめただけだ」

 

 太一郎は、盃をぐいとあおった。

 美樹には役目の仔細は教えていない。

 

「それより、この鰻は旨いな。どこの店のものかな」

「はい。湯島横丁の『一鶴』の品にございます」

「ほう……。さすがは、おれの女房殿だ」

 

 目利きを褒めると、美樹は嬉しそうに微笑んだ。

 

「太一郎様に喜んでいただけて、美樹は幸せですわ」

 

 ──可愛い奴だ。

 太一郎は、美樹の肩を抱いて酌をさせる。酒と男女の香気が入り混じり、二人の心を酔わせた。

 

 

 ◆◆◆

 

 布団の上に座るなり、太一郎は美樹を押し倒した。美樹の身体は、いつにも増して熱く火照っているように感じられる。

 

 解いた赤毛が扇のように広がった姿は、まさに極楽浄土の花だ。

 美樹もまた、うっとりとした顔で夫を見上げた。その赤い唇に唇を重ねる。

 舌が絡み合い、お互いの唾液が混ざり合うと、ますます昂ぶってくるものがあった。

 

 美樹の手が、優しく太一郎の下腹を撫でている。そこに生えた魔羅(まら)は紫色雁高(ししきがんこう)、おんな泣かせの逸物だ。

 

 美樹の着物を脱がせ、手に余る乳房を揉みほぐしながら唇を重ねると、美樹は小さく喘ぎ声をあげた。

 

「んっ……ふぅん……ああっ……、太一郎様ぁ……」

 

 美樹の乳房を吸い上げ、乳首を舐める。

 豊満な胸の谷間に顔を埋め、美樹の甘い香りを堪能する。

 

「はああ……気持ちいいぃ……」

「もっと声を出せ。美樹の声は艶があって良い」

「ああ、ありがとうございます……太一郎様」

 

 美樹の膣内に指を入れ、かき回す。

 既に濡れそぼっていた秘所からは、ぬちゃぬちゃと淫靡な音が響く。

 

「はあん、すごいです、太一郎様の太い指が、美樹の中で暴れております」

 

 美樹の身体が震えている。

 剣術の稽古で節くれだった指は、女を泣かせるのに適した道具にもなる。

 

「どれ、美樹の泣きどころを刺激してやろうか」

「はい……お願いいたします」

 

 太一郎は、美樹の陰核を摘み、人差し指の腹を使って、優しく擦り上げる。

 同時に中指の先を差し入れ、美樹の中を刺激する。

 美樹は、切なげな表情を浮かべ、腰を浮かせた。

 

「おおおぉ……太一郎様の、指が……」

「どうした? 指がどうかしたのか?」

「いえ……なんでもございません……ひゃう!」

 

 太一郎は、美樹の尻を軽く叩いた。

 

「何を言っているのだ。きちんと言わねば分からぬぞ」

「申し訳ございません……。太一郎様の指が、美樹の……美樹のアソコに……」

「よく聞こえなかったな」

「はい……。太一郎様の、太くてゴツゴツした指が、美樹の女陰(ぼぼ)に挿っています」

 

 太一郎は、美樹の耳元に口を近づけた。

 

「そうだ。その通りだ。俺の指は、美樹のここに入っているのだ」

「はい……太一郎様の……太一郎様の太い指が、美樹の中に……ああ……凄いっ……♡」

「どうだ、美樹よ。お前の好きな男の指は、どんな具合なのだ」

「はい……。美樹の狭いお肉穴に、太一郎様の指が、根元までずっぽりと入ってしまってます。美樹の入り口のざらざらしたところに、太一郎様のごつごつが当たっておりまして、もう、美樹は堪らなくなっております。ああ、太一郎様、早く太一郎様のご立派な魔羅(まら)を、美樹にくださいませ」

 

 美樹は、太一郎の股間に手を伸ばし、陰茎を握った。

 そして、竿の部分をさすったり、亀頭を撫でたりし始めた。

 太一郎は、美樹の口に吸い付いた。

 美樹は、舌を絡ませると、それに答えてきた。

 

「むぐ……ちゅぱっ……ぷはっ。太一郎様、早く美樹に太一郎様の子種を下さいまし」

「慌てるない。今すぐにでも、お前に子種を注いでやるからな」

 

 太一郎は、布団の上に正座するようにして、美樹の腰を抱え、背面座位の姿勢をとった。

 美樹の秘所に、剛直をあてがい、ゆっくりと挿入していく。

 美樹も心得たもので、頭を深く下げ、腰を揺すって太一郎を迎え入れていく。

 

 美樹の膣内は、暖かく柔らかく、それでいてしっかりと太一郎のモノを締め付けてくる名器であった。

 太一郎は、美樹の子宮口付近を、ぐりっと突いた。

 美樹は、びくんと身体を震わせた後、大きく息を吐きながら、布団の上にへたり込んだ。

 

「はあぁ……太一郎様ぁ……美樹の中で……太一郎様を感じておりますぅ……」

「ふうっ……そうか。それはよかったな」

 

 太一郎は、美樹の腰を掴み直し、子宮口を穏やかに突き続けた。

 美樹の愛液は、太一郎の陰茎を伝い流れ落ち、敷布を濡らす。

 美樹は、快感に酔い痴れているようで、口からは絶えず喘ぎ声が漏れ続けている。

 

「あっ……ん、ああ……太一郎様……おおぉ……うっ♡…………うっ♡…………うっ♡…………うっ♡…………」

 

 美樹の膣内が、痙攣するかのように小刻みに収縮を繰り返している。

 膣内のヒダが、まるで生き物のように太一郎の陰茎を舐め上げている。

 美樹は、太一郎の動きに合わせて、自ら腰を振っている。

 

「おおぉ……太一郎様のまら様、凄いです……。美樹のおぼぼが、壊れてしまいます……」

「心配することはないぞ。壊したりはせん。お前が苦しんでおる時は、止めてやったではないか」

「はいぃ……。太一郎様の優しすぎるお心遣いが、嬉しゅうございます」

 

 太一郎は半刻(およそ一時間)ほど、美樹の身体を貫き続けていた。

 美樹の身体は、全身汗まみれで、顔は涙と唾液と鼻水とでグシャグシャになっている。

 美樹が辛そうになれば腰を止め、息を整えさせてから口移しで水を飲ませて少し休ませてやる。

 刺激を与えるよりも身体を揺らすことを優先してやると、段々身体がほぐれてくるので、そうなればまた腰を動かす。

 そんなことを何度か繰り返していた。

 

 そろそろ限界かと思われた頃合いに、美樹の表情が一変した。

 一瞬、目が見開かれたと思うと、急に背中を反らせた。

 

「おっ……おおぉ……うぉぉぉぉぉぉ……♡♡」

 

 美樹は、獣のような叫びを上げた。長い赤毛を振り乱しながら悶える姿は、普段の上品な立ち居振る舞いからは想像もつかないものだった。

 

「おおぉぉぉ……! おほっ♡♡……くひぃぃぃ♡♡♡……」

 

 美樹の身体が激しく痙攣している。膣壁が激しく収縮し、太一郎を食いちぎらんばかりの強さだ。

 

「かはぁっ……はあっ……はあっ……太一郎様……美樹は、美樹は……果ててしまいました……♡ 一人で勝手に、気持ち良くなってしまい申し訳ございません……」

「よい、気にするな。何度でも果ててくれ」

 

 美樹は腰を揺すって、絶頂の余韻に浸っているようだった。

 

「太一郎様の魔羅が、美樹の奥に何度も何度も当たって、もう……もう……あぁ……♡」

「俺はまだだからな。もう少し付き合ってもらうぞ」

「はい……はい、美樹は、いつでもどこでも太一郎様のお情けを受ける準備ができております……」

 

 太一郎は、美樹の身体を反転させ、正常位の体位になって抽送を再開した。

 

「ああん……♡ 太一郎様の魔羅、太く硬くなって参りました。ああ……ああ……美樹の中に出して欲しい……お願いします、太一郎様の精を、美樹の中へ注いで下さい」

「美樹、美樹ィ、おれの子を孕むのだ!」

 

 太一郎は、美樹の膣内に射精した。

 美樹は、太一郎の首に腕を回し、強く抱きついてきた。

 太一郎も美樹を抱き締める力を強め、互いに唇を重ね合う。

 

「太一郎様ァ……美樹は幸せでございます」

「美樹よォ……これからもよろしく頼むぞ」

「はい……喜んで。美樹はずっと、太一郎様の妻でおりとうございます」

 

 美樹は疲労からか、汗を拭くとすぐに寝入ってしまった。

 太一郎は、美樹の髪を撫ぜながら、先程の会話を思い出していた。

 

(美樹は、本当によく尽くしてくれるが……)

 

 太一郎は、美樹に心底惚れているのだが、気がかりなのは子ができぬことである。

 

 美樹の身体に異常があるわけではない。

 むしろ健康そのもので、乳も尻も子を生み育てるのに適した形をしている。

 しかし、一向に子が授からない。

 

 問題があるとすれば、それは太一郎自身かも知れぬ。

 太一郎は、御役目に隠れ、人殺しに淫する男だ。

 それが神仏の怒りを買い、子を宿す妨げとなっているのではないか。

 

 いっそ、離縁したほうが美樹のためになるのではないか。 

 人は殺せても、その苦悩は殺せない。

 悩みもだえながら、太一郎は眠りへと落ちていった。

 

(続く)

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