これまでのあらすじ、登場人物紹介
人斬りがハーレムを作るのは間違っているだろうか?
舞台は大江戸。若きサムライ・太一郎は、美しい妻と何不自由ない生活を送っている。
だけれども、裏の顔は人殺し。殺しが好きで、好きでたまらぬ。
そんな鬼でも大手を振って生きられる、人生の裏道がある。大江戸八百八町の平和を守り、悪と戦う影の侍。その名も隠密同心である。
隠密同心・太一郎が心を交わすのは、美しき異人の女医師と、相棒である槍使いの美少女。そして、夜を駆ける女義賊。
女達との恋の鞘当てに、お奉行様の陰謀、さらには謎の邪教団まで……!?
これは、一風変わった時代劇。 若きサムライの、少しだけハードなハーレムエロ小説。
【出楠太一郎】
主人公。満18歳。
表向きは、旗本の配下を務める「洒落者」の若侍。その実は徳川の治世を守る影の侍、隠密同心である。
生まれつき人を殺さずには生きられない異常者であるが、それを除けば実直で心優しい青年。ただし、ひとたび命が下れば、悪鬼羅刹と化して敵を討つ。
剣術も一流であるが、エゲレス武術や対馬暗具など、様々な武芸を柔軟に使いこなすのが持ち味。
異常者である自分を愛してくれた父親と死に別れたためか、親子の愛情にこだわりが強く、女を抱くときも子供を産ませることを強く意識している。
【美樹】
ヒロインの一人。満23歳。
押しも押されもせぬ太一郎の正妻で、夫からぞっこん惚れ込まれている。家事全般が得意で、夫の好みを徹底的に研究した料理は絶品。
彼の上役である小野寺勘蔵の娘であり、実家を継ぐ弟もいて、一見何の憂いもなく過ごしてきたように見える。
実のところ太一郎との間に子ができないことに苦しんでおり、夫がジェニファーを連れてきた時には
姉さん女房として太一郎を甘やかすが、素の性格は割りと勝ち気で実弟である正之助には厳しい態度を取ることもある。
【ジェニファー】
ヒロインの一人。満21歳。
黒髪黒目だが、フルネームをジェニファー・ヴィンケルマンといい、現代で言うドイツの出身。
凄腕の医者であり、また医学・薬学の研究者でもあって、横浜に居を構えながら江戸でも診療所を開いている。
16歳の時に研究のため日本に渡り、太一郎と巡り合って、お互いの純潔を捧げ合った。太一郎が美樹と祝言を挙げてからは日陰の女として健気に尽くしてきたが、秘薬事件をきっかけに太一郎との関係を再燃させ、ついには美樹にも認められて内縁の妻となった。
天才肌ながら生真面目で医師としての使命に忠実な、一見非の打ち所がない才女。しかし天才ゆえか思い切りの良さが過ぎる面もある。
【お雪】
ヒロインの一人。満14歳。
表向きは蕎麦屋の女中をしている男勝りで快活な美少女。その実は太一郎の相棒たる隠密同心。
隠密同心を母に持ち、幼少の頃から訓練を受けた、言わば隠密同心のサラブレッド。変装術や潜入の技にも長けるが、ひとたび十文字槍を握れば一騎当千、無双の強さを見せる。
隠密同心の正義を信じ、火の玉のように悪と戦うが、その純粋さが時に危うい。太一郎とは互いの欠点を補える関係であり、兄妹のように支え合いながら戦い続けてきた。
異性としての想いを自覚してからは、情熱的なアプローチを繰り返すようになり、太一郎も満更ではない状態にある。
【お英】
ヒロインの一人。数えで16歳。
義賊・
田舎育ちで文字が書けず、一人称も「おいら」と男言葉を用いるが、実は
純朴かつ無邪気に見えながら、その内面には孤児ゆえの孤独と悲しみを抱え、家族の絆を強く求めている。そのせいか太一郎との相性は抜群に良く、彼を中心とした
両性愛者でもあり、特にお雪に対しては明確な恋愛感情を向けるが、今のところは上手くあしらわれている。
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【本多左門守忠興】
サブキャラクター。
表向きは、無役ながら五千石の大身旗本。その実は太一郎やお雪のような隠密を指揮する隠密支配。30代になったばかりの若さだが、隠密支配としての経験ゆえか、老成した雰囲気を持っている。
大の甘党で、全国から取り寄せた銘菓と茶を愛し、太一郎やお雪にも度々振る舞ってくれる。太一郎からは御前、お雪からは殿様と呼ばれている。
太一郎の能力や実直な性格を高く評価して全幅の信頼を置いており、太一郎も忠興に対しては徹底して忠義ある侍として振る舞う。
大身の旗本ながら妻もなく子もなく、噂では若い頃、道ならぬ恋に身を焦がしたためとも。
【小野寺勘蔵】
サブキャラクター。
美樹の実父で、忠興の信任厚い側近頭。太一郎からも慕われる好漢だが、美樹の父親とは思えないほどの醜男。
【青木源造】
サブキャラクター。
北町奉行所の定町廻り同心で、謹厳実直四角四面、法を絶対視し融通が利かない、絵に描いたような御役人。
ゆえに貧乏人のために盗みを働く女ねずみ(お英)とは相容れぬ仲であり、罪を償わせようと悪戦苦闘する。
頭の出来は一流で腕っぷしも相当なものだが、なまじ頭が切れるだけに単独行動が目立ち、そのせいで窮地に陥ることも多い。
見た目は厳ついが、まだ若く独り身で、お英は密かに「純なお方」と評している。
【長兵衛】
サブキャラクター。
日本橋の蕎麦屋「竹むら」の店主。かつては北町奉行所の同心に仕えた岡っ引きで、死んだ女房にやらせていた蕎麦屋の店主に納まっている。
蕎麦屋も真面目に営んでおり、胡麻油で葱の香りを引き出した南蛮そばが自慢。
忠興からお雪を預かっており、彼女が何らかの御役目を授かっている事もそれとなく察している。
お雪の事を孫のように思っているが、太一郎については彼が放つ〈殺し〉の匂いを嗅ぎ取って警戒している。
【おりん】
敵キャラクター。
またの名を〈絢爛お燐〉。謎の神〈黒いデウス〉の信奉者で、自分の身体ひとつ、動きひとつで自由自在に人を操る、超一流の催眠術師。
その特殊能力故に不幸な前半生を送ってきたらしいが、現在では躊躇いなく人を地獄に突き落とす冷酷な怪人と化しており、お雪によって再起不能の重傷を負わされる。
お雪の目には上品な老女に見えていたが、それが彼女の素顔かどうか定かではない。
【般若面の男】
敵キャラクター。
自らを〈黒いデウス〉に仕えるただの武士と名乗るが、その正体は未だ謎。不意打ちとは言えお雪の短刀を断ち切るほどの剣技を持ち、太一郎のような暗具を使うなど、実力も未知数。
おりんからは「あなた」と呼ばれ、何らかの個人的な関係があると思われる。
【小野寺正之助】
サブキャラクター。満11歳。
美樹の実弟で、若くして昌平坂学問所に通う俊才。
姉に似た少女めいた面差しを持つが、武家の跡取りでありながら学者を目指したり、悪漢にも物怖じせず立ち向かうなど、気骨ある少年。
義理の兄である太一郎を慕っているが、姉から甘えてはなりませんと叱られることもしばしば。
その年齢としては剣術の腕も大したもので、太一郎も成長を楽しみにしている。
【忠介】
サブキャラクター。
ジェニファーに仕える下男。浅黒い肌で、2mを超す長身の見上げるような大男。
父は黒人奴隷、母は阿蘭陀人と日本人のハーフという複雑な出自。エゲレス商人ベンジャミン・パナイスにアヘン漬けにされ、手駒として働かされていた。
ジェニファーの診療所に押し入り拳銃を突きつけた所を太一郎に撃退されるが、幸いにもジェニファーによって命を救われ、アヘン中毒の治療も施される。
現在はその恩義に報いるため、ジェニファーを奥様、太一郎を旦那様と仰ぎ、忠実に仕えている。
第一回 アヘン事件
太一郎は、美樹との間に子ができないことに悩んでいた。
ジェニファーからの情報により、太一郎は深川にアヘンが蔓延しつつあることを知る。
お雪と共に横浜に向かい、太一郎はエゲレス商人ベンジャミン・パナイスを成敗する。
隠密同心と深川奉行所の活躍により、江戸は束の間の平和を取り戻したのであった。
第二回 女ねずみ只今参上
江戸の町を、義賊・二代目鼠小僧が騒がせていた。
一方、太一郎は畜生働きをするニセ鼠小僧の一味を追い、その過程で二代目鼠小僧・お英と協力関係を結ぶ。
群衆の前で一芝居を打った太一郎たちは、見事ニセ鼠小僧どもを成敗する。
お英は太一郎を慕うようになり、義賊を続けながら、ジェニファーの診療所で暮らすようになったのだ。
第三回 お雪の艶本
謎の神、〈黒いデウス〉を奉ずる怪人、〈絢爛お燐〉が江戸に現れた。
お雪は一度目の遭遇で記憶を奪われ、二度目の遭遇ではお英を快楽地獄に堕とされかけるものの、隠密同心に伝わる暗示の技により何とか窮地を脱する。
再戦でお燐を再起不能にしたお雪の前に、また別の怪人〈般若面の男〉が現れ、お燐を連れ去ってしまう。
お英の心に触れたお雪は、自らも太一郎への想いを自覚し、彼と結ばれることを心に誓うのだった。
第四回 昌平坂の美樹
秘密結社〈虎の爪〉は、花火職人藤吉の時限発火花火で江戸を炎に包もうとする。
太一郎の同門である山上善三郎は、太一郎への劣等感に苛まれ、〈虎の爪〉の誘いに乗って美樹とその弟・正之助を拉致してしまう。
間一髪で美樹と正之助を救い出した太一郎は、善三郎の生命をも助けようとするが、善三郎は男の意地を賭けて太一郎に挑み、落命する。
恐怖から救い出された美樹は、法悦の中で夫への愛を深め、魂さえも一つになったと感じたのだった。
第五回 ジェニーの秘薬
攘夷を掲げる〈黒卍党〉の一派と神奈川奉行所の藤尾七蔵は、ジェニファーが作り出した不妊薬を利用し、異人の娘を性玩具に作り変えようとしていた。
自らも異人であり両性愛者でもあったお英は、運命に悩み苦しみながらもジェニファーを救うため、船で横浜に向かう。
実は〈黒いデウス〉の支援を受けていた藤尾は、海上でお英・お雪と対決し、その醜悪な野望を砕かれる。
事件を通じ、自分の愚かさを痛感した太一郎は、ついにジェニファーを妻にする決意を固めたのだった。
第六回 太一郎、宝船に乗る。
心中も辞さぬ覚悟で、美樹は太一郎とジェニファーを待ち構えていた。
太一郎も決死の覚悟で美樹に相対し、ついに二人を同時に抱いて、子を産ませるために精を放ち尽くす。
恋情を打ち明けたお英を、お雪は親愛の情をもって受け入れ、女同士の情交に耽る。
お英から想いを寄せられている事を知り、どこか浮ついた気持ちの太一郎は、〈黒いデウス〉の正体を探るため、船で長崎に向かうのだった。
第七回 長崎の鬼
乞うご期待。