※この作品はR-18です。

太陽系魔法少女隊 触手エロパワーで人類を守り隊   作:purufeido

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海王星大気上層:敵との交差速度40km/s

敵との交戦まであと僅かとなった今、少女は目の前の光景に圧倒されてしまう。

 

すでに海王星の巨体は、ほとんど目の前に思えるほどに迫っていた。

 

 

 

視野角にしてすでに110度を超えた巨体の奥

 

魔法の力による超常的な知覚能力でガスの対流による流れさえ透けて見えているのではないか。

 

 

 

遠くから見た表面の艷やかさと異なり、不定形な流れが「視認」できるのがどうにも面白かった。

 

まるでチャンネルを変えるように、複数の観測方法による情報入手を切り替えられるのも飽きさせない。

 

 

 

戦闘のことを半ば忘れてしまうほどの集中に

 

---どうやらコレに乗っている間は冷静さを失いがちになってしまうな

 

などと、少女は自らの心情の揺らぎについて考察する。

 

 

 

そんなことをしている間に、もはや海王星大気上層の上端部

 

高度900キロメートル、気圧1ミリパスカル-1000万分の1地球表面気圧-にまで突入している。

 

 

 

まだ高度600キロまであと300キロメートルもあるなどとはヒトの速度感覚だ。

 

現在は秒速22.4キロメートル、仮にこの速度で垂直に向かえばわずか15秒前後しかかからない。

 

少女が杖の「ハンドル」を握る手が徐々に強くなっていく。その手には、いつの間にか汗が滲んでいた。

 

 

 

海王星からの重力が巨大な向心力となって少女の軌道を天体側へと捻じ曲げつつある。

 

 

 

---そろそろだな。

 

少女がそう思った瞬間、「目」を凝らして見ていた海王星の地平線から

 

魔法の情報処理能力により強調された「目標」の姿が浮かび上がるのが見えた。

 

 

 

その距離、およそ6000キロメートル。

 

それがお互いの速度差である秒速39キロメートルで突っ込んでくる。

 

交差まで150秒しか無い。

 

 

 

少女の超常の知覚能力が「目標」の姿を明確に脳裏へと映し出した。

 

 

 

それは、巨大な葉巻型をした物体であった。

 

長さはおよそ200メートル、その表面は無数の突起に覆われており、

 

そのひとつひとつの突起は、それぞれが独立した生命体であるかのように脈動していた。

 

 

 

少女の脳裏に協力者からの声が鳴り響く

 

「この状況では二重変身するネプ!メタモフルフォー トイ クルスタローイと唱えるネプ!」

 

 

 

少女は、その声に従い、呪文を唱える。

 

この期に及んでまで四の五の言っている時間はなかった。

 

 

 

そして、その言葉とともに、少女の体が光に包まれた。

 

その光は可視光波長の両端を2の24乗段階にデジタル周波数変調(1680万色にひかり)ながら少女の体を包み込み、その全身を魔法少女然とした衣装へと変貌させていく。

 

 

 

杖からは宇宙空間にも関わらずシンセサイザーのようなけたたましい電子音を鳴り響かせている。

 

 

 

その光と「音」が収まった時、そこには、先程までの少女然とした姿は残っていなかった。

 

代わりに現れたのは金属光沢めいた質感の艷やかな体。

 

顔も水晶のような二つの青いガラス質の「目」と思しき巨大な物体が大部分を埋め尽くしてる。

 

 

 

心臓のあるべき胸部も、同じく巨大な水晶に締められて女性らしい膨らみなど残されてはいない。

 

 

【挿絵表示】

 

 

それは、まるでかつて作られたアンドロイドを模したアート作品のようだった。

 

 

 

少女は、その手に握った杖をまっすぐに掲げて叫ぶ。

 

その叫びは、先程までの少女のものとは打って変わって機械的な音声となっていた。

 

 

 

---魔力消費が激しい代わりに、さらに体を強靭にするということか

 

言われずとも自らの能力を理解した少女に

 

「その姿なら30Gまでの持続的加速に耐えられるネプ!最大推力も3倍になってるネプ!最大消費魔力も3倍ネプ!」

 

と、協力者からの声が聞こえてくる。

 

 

 

---なるほど、つまりはこういうことか 少女は、その手を握りしめ、その拳をまっすぐに突き出す。

 

その動きに合わせるように、杖の先端に取り付けられた宝石状のユニットが輝きを放つ。

 

その輝きが最高潮に達した瞬間、少女はその腕を真っ直ぐに振り下ろした。

 

 

 

杖の先から複数の宝石が青くきらめきながら少女の周囲へと展開していく。

 

そうこうしているあいだに、両者の距離は1000キロメートルまで縮まっている。

 

 

 

-交差までわずか12秒前。

 

もはや交戦の最終段階に到達した。

 

 

 

少女の知覚が、まるで1秒が1分ほどに引き伸ばされたかの高速化され

 

その牙を敵へと突き立てる準備を始めた。

 

 

 

それと同時に、物体表面の生物めいた突起から無数の物体が吐き出される。

 

やっと少女へと気づいたのか迎撃行動を取り出したのだろう。

 

 

 

-交差まで11秒

 

少女の周囲に浮かんだ宝石群が非実体にもかかわらず100グラムの魔法の質量を持ち

 

それぞれ秒速5キロメートルで目標方向へと吹き飛ばされる

 

 

 

一方で無数の物体は速度は秒速2キロメートルから10キロメートルまで

 

質量は1キログラムから1グラムまで幅広く扇状に投射されてきた。

 

重い物体ほど遅く、軽い物体ほど早く投射しているようだ。

 

 

 

-交差まで10秒

 

少女の杖の後端、5対の球体が瞬間的な加速をそれぞれ独立に繰り返しながら

 

ランダムな加速方向をもつ乱数加速運動による回避運動を始める。

 

 

 

対象は未だに全身から物体を射出しながらも

 

葉巻の後端から徐々に超高速のプラズマを吹き始める。

 

 

 

-交差まで9秒

 

乱数加速中の少女を凝集・収束された単一周波数の電磁波レーザーが強烈な出力で加熱し始めるも

 

瞬時に青い光のヴェールが少女を包み込み超常の力で電磁波を捻じ曲げて反らす

 

 

 

対象が複数の突起から秒速30万キロメートルの光速度で突進するレーザーを照射開始した。

 

同時に核融合推進装置のプラズマ流が本格的な加速を与え始める。

 

 

 

-交差まで8秒

 

少女の操る宝石群は、加速して回避を試みる対象を追跡するように加速を開始する。

 

 

 

対象はレーザーの効果が乏しいことを確認して照射を終了する。

 

 

 

-交差まで7秒

 

宝石の進行方向に対する目標の視線角度の変化率が、宝石の旋回率と同期する

 

いわゆる比例航法による目標への終端誘導が開始される。

 

 

 

対象は加速力を増減させるなど必死に回避行動を試みつつ物体射出は継続している。

 

 

 

-交差まで6秒

 

宝石のうち半数が目標に向けて速度差を増す方向へさらなる加速を開始する。

 

 

 

対象は側面の補助推進装置らしい孔からガスを噴射し加速方向を変化させようと試みる。

 

 

 

-交差まで5秒

 

つい1秒前に加速した宝石が、粉々に砕け散って1グラム大の宝石片の雲へと姿を変える。

 

 

 

対象は推進装置の出力を最大化して強引に少女の牙から逃れようとする。

 

 

 

-交差まで4秒

 

砕け散った宝石の雲が徐々に広がり破壊力密度と引き換えに危害範囲を広げていく

 

 

 

対象は更に加速力をまして最後の回避運動に入る

 

 

 

-交差まで3秒

 

少女へ向けて対象が放ったもっとも小型高速な投射体が届き始めるも

 

2重の防御ヴェールの第一層を貫通した投射体はそこで破壊力を使い尽くしてしまい

 

第二層で完全に弾き返され無力化されてしまう

 

 

 

対象は少しでも被害を軽減させようと最も強固な部位で防御しようとする

 

 

 

-交差まで2秒

 

宝石雲となった微小破片が、秒速45キロメートル近い猛烈な速度差で対象へと降り注ぐ

 

1グラムと言えども巨大な速度による運動エネルギーが破壊力となって

 

強靭な無定形炭素表皮を薄皮をむいていくように破壊しながら内部へと突き刺さっていく

 

 

 

続いて100グラム大を保ったままの宝石たちが対象の各所へ

 

重騎士のランスチャージの如く致命的な破壊効果をもたらして貫通する

 

 

 

対象は全体が無茶苦茶に破壊しつくされ機能を失う

 

 

 

-交差まで1秒

 

少女のもとへ比較的大型の投射体が届き始めるが

 

魔力を多めに使って強引に防御を成功させる

 

 

 

対象は破壊しつくされた全身から内部構造物や貯蔵物を吹き出し粉々に体を崩していく

 

 

 

対象がかつて放った最も大型の投射体は密度が低く容易に回避が成功する。

 

 

 

-交差まで0秒

 

 

 

少女と、もはや残骸となった対象が海王星大気上層で交差する。

 

わずか十秒の後に決着はついた

 

 

 

機械的な姿となっていた少女が再びもとの可憐な姿へと戻り

 

引き伸ばされれていた時間感覚もふたたび通常の速度となる

 

 

 

少女は脂汗に濡れきった手をしばらく握りしめると

 

「…戦闘後評価検討書とはどう書けばよいのだろうか?」

 

と、独り言をしたためた。

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