※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

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第二話 偵察

–––城下町–––

 

 

 

「おっ…おうぇえぇ…」

 

 

 

城下町で一番人気の酒場

 

その酒場はあらゆる人々が集い、常に賑やかだが

今日は別段騒がしかった。

 

 

 

今日だけ、赤獅子王騎士団の貸し切り状態だった

 

 

「も、もう無理、飲めねぇって…」

 

先ほどから顔が青く、一周まわって酒の酔いが覚めていた

 

「ここで酒を飲まねぇでどうする?ステージでダンスでも踊るか?」

 

 

 

「え!?もう飲めねぇって!!ちょっ…!」

 

 

ハイドを殺す勢いで酒を飲ませているのは、スティーブ•ノイベルク。

 

騎士団で一番の肉体派、切り込み隊長である。

 

肉体強化魔法が得意だ

 

 

 

 

「いやー、今年初めての入団者だからな!まぁ…まぐれで合格したみたいだが」

 

「あ?まぐれ?どういうこったよ」

 

「お前が戦ったのは、試験官の中でも一番腕が立つ奴だ。魔法も使えないのに勝てねぇよ」

「ま、そんなことより、メンバー紹介といっとくか。お前がこれから大きく関わりそうな奴だけ」

 

 

「…え、まぁいいけどさ」

 

 

 

からになったコップをテーブルに置き、スティーブは店内を見渡す

 

 

「うーん…先ずは、あいつだな。部屋の隅っこにいる奴がみえるか?」

 

「見えない程広く無いだろ」

 

「マスターがこっち見てるぞ」

 

 

 

部屋の隅に目を向けると、人の男が、一人で飲んでいた。

 

帽子を被っていて顔はよく見えなかった

 

が、一つ目立つものがあった

 

背中に、大弓を背負っていた

 

 

 

「グスタフ•ヴィンクラーだ。見ての通り、弓の名手だ。無口だが皆から信用されてる。次は…」

 

「短い」

 

 

再度店内を見渡し始めるスティーブ。

 

「副団長とは会ってるようだしな…そうだな…団長は留守だし…あ」

 

「どうした」

 

「一つ、注意しておいた方がいい人物がいる」

 

 

スティーブの目が少しだけ真面目になる

 

つい、緊張してしまう

 

「スッゲー変な奴がいるんだわ。これまた男なんだがな」

 

「へぇ…どんな奴だよ」

 

「魔法が得意でな、新人を変に改造する癖があるんだよ」

 

「いや改造ってなんだよ」

 

一気にバカらしくなる

 

「洗脳とか…意識を乗っ取るとか。いつの間にか居なくなるなよ、お前」

 

「呼んだか」

 

「あ、こいつこいつ」

 

気付くとスティーブは吹き飛んでいた。そのままカウンターに直撃する

 

突然の事で理解できないでいると、突然現れた男が手を向けてきていた。

 

 

(殺られる!?)

 

 

とっさに防御行動とる、が

 

 

「……なにやってるんだ君」

 

 

 

腕と腕の隙間から男を覗くと…

 

 

「…?」

 

 

握手だった

 

 

「ホルンだ。本名じゃない。明かす気も無い。だがよろしく」

 

 

「お、おう」

 

 

 

 

その握手に答えようとした瞬間。背後からものすごいスピードで椅子が飛んでくる

 

ホルンに向かっていたようだが、空中で静止する

 

 

「なにしやがんだホルン!」

 

酒まみれのスティーブ

 

 

「貴様が変な事を言うからだろうが…今度言ったら殺すぞ」

 

 

「あ?今のが殺す気が無かったって?じゃ一発お前の顔にぶち込んでやる」

 

 

「残念だが、今そんな事をしている場合じゃない」

 

 

「あ?」

 

 

「仕事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイド入団初日に初仕事

 

 

要約すると、隣国の仲良くない兵がこの城に近づいてるので。理由を聞き次第追い払えとの事

 

「あの辺りは魔物が多いが…副団長がスティーブとハイドを向かわせろとの事だ」

 

 

 

「俺の部隊とハイドか…お」

 

「いや、違う」

 

 

「あ?」

 

 

「二人で行ってこい」

 

 

スティーブは得に気にしなかったようだが、ハイドは驚きを隠せなかった

 

当然、下手をすれば戦争になりかねない場所に二人で行ってこいと言うのだから、当然だ。

 

 

 

「んじゃ、兵小屋に行って装備を整えるぞ」

 

 

「わ、わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬にまたがり、草原を駆ける二人。

 

外はすでに暗くなっており、少々危険だ

 

 

 

「山を越えた方が近いぞ、どうする?ハイド」

 

 

「こんな暗いのにか?松明だけじゃ道がわからないんじゃ…」

 

 

「安心しろ、見えなくても分かる」

 

 

少々この言葉に気がかかる…が、聞かなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この辺りだな……当然城の者が来るだろうが……」

 

 

「問題ないさ…いざとなれば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まじかよ」

 

 

 

「な、大丈夫だったろ」

 

 

松明二本だけで山を越えたスティーブとハイド

 

どうやっているのか、スティーブは暗闇の中で、木を次々躱して進んだのだ

 

 

 

「馬に負担をかけすぎたな…徒歩で行くぞ」

 

「わかったよ」

 

 

しかし、どうしても気になる

 

 

魔法を使っているのか…それとも…

 

 

 

 

「おい、スティーブ–––」

 

 

聞き出そうとした瞬間。

 

背後から強い衝撃が走り抜けた

 

 

 

「がっ…はっ…」

 

 

木に激突する

 

ダメージは大きいだろう

 

 

 

 

「な…ハイド!?魔物か…!」

 

 

 

振り返ると一つの岩…

 

 

【ゴダルド】

岩に特殊な魔法が施されたゴーレム。

造られた魔物である。

 

 

 

 

 

 

「丁度いい、見ておけ。生きてるならな」

 

背負っていた大剣を引き抜く。

自分の身長とほぼ同じ長さだ。

 

 

 

 

「"魔具"の力をな…」

 

 




やばい。ちょっと急ぎすぎたか

かと言って展開が遅いのもなぁ…
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