書きだめです。
今日の分をもう一話投稿するかもしれません
「君の名前は?」
「…誰です?あなた」
「そこは重要じゃないんだ…君の力を騎士団に貸してほしい」
「騎士団?」
「あぁ、僕が率いる騎士団さ。君は優秀だと聞く。禁術まで覚えたとか…」
「誰から聞いたんです…」
「さぁ?来てくれ」
「さて、殺すわけにはいかないよな?」
「そうよね…」
魔人に寄生され、あまりいい状態ではないフレイ
「…来ないならこっちから行くわ」
フレイがするように、地面に両手を当てる
「…まさか、使えるのか?」
「すぐにわかるはずよ」
「!」
周りに生えている木の枝達が
鋭く形を変えていく
「避けれるかしら?」
「…なるほど」
「ハイド…」
枝が凶悪な形になり、こちらに向かい急激に成長していく
「これは…」
捌き切れない
「いつもどうりやるだけよ、怪我は任しなさい」
「ふざけんな…それしかないよな」
「…!」
自ら走っていくハイド
「まさか…全部切る気?」
「いいや…」
「致命傷にならない範囲でだ…!」
刀を振り下ろす
その一振りでまっすぐな道が切り開かれる
脇から向かってくる枝は一切気にしない
「…ッ!」
枝が肩を擦る
「今なら許してやるが!?」
「…」
まだ向かってくる枝たち
「あぁ…そうかよ…」
(仮に…近づかれても私をこの男から出す術は…)
「……よそ見してんじゃねぇ…!」
「!」
傷だらけのハイドがすぐ目の前まで来ていた
「…残念…」
「!グッ!」
足首に巻きつく植物
動きを止められる
「…終わり…」
「えぇ、そうね…」
「!」
「グアッ…!」
忍び寄っていたオリーヴァが、フレイの首を締め付ける
「もうこのまま折っちゃおうかしら…!」
「…きさ…!」
「…先に聞いておくことがある」
「…いつの間に…!」
「…もう一人、ハインツを閉じ込めた奴がいるんだな?どこにいる?」
「…言うとでも…!」
「………痛覚は共有してるな?」
「お、おいハイド」
「…すぐそこにいるわよ…」
「そうか…なら…」
「……あんまり吐かないでくれよ……」
「え?……グエッ!!」
動きを封じられたフレイの腹部に拳を叩き込むハイド
「……くっ…そ…オエエ…」
「わっ!出てきた!」
フレイの口から何と混じって出てくる黒い液体
「…液体と言うより…」
「スライムみたいな感じね…」
その黒いものは
「あっ!逃げた!」
「……今は術を掛けてる奴を探すぞ」
洞窟内
少しの光のなかで座り込む二人
「…あなたの"記憶"のこと、教えて頂いていいですか?
「…まぁいいだろう。世界を救う勇者だからな…」
「…」
「私は、この世界を支えている者の事を知っているのだ」
「支える"者"?」
「……彼は今、何歳になったか…"100歳"と少しか…」
「…何行ってるんです?」
「この世界を支えるには、"圧倒的な器"がいるのだ。神の魔力を受けつづけなければいかん…」
ハインツは彼の言葉を理解できなかった
「……えっと?」
「……"人柱"だよ……おや?」
男は何かに気が付き立ち上がる
「…術が解けてるな。お前の味方がよくやってくれたようだ」
「え……よっこいせ……みたいですね」
岩を少しだけずらせれた
「今更ですが、あなたの名前は?」
「…"ナワルピリ"…」
「そうですか」
岩を殴り、粉々に砕く
「あースッキリした…」
外の光が懐かしく感じられた
「…いないようだな」
「ですね…探します。それでは…」
「あぁ…頼んだぞ、世界を救ってくれ、勇者様よ」
外の森にはハイド達の姿がなかった
いや、一つ…一人だけいた
「…フレイ?」
ピクリとも動かないフレイが倒れていた
「おーい!生きてるー?」
「う、うーん……」
「だめだねこりゃ……仕方ないや…」
フレイは起きておき、ハイドオリーヴァの捜索に入る
「術が解けたって事は倒せたって事だろうけど…」
森の奥に入っていく
「……!これって…」
一枚の破れた布切れ
「…オリーヴァのマント布端…」
そして
「……!」
奥に続いて行っている赤い、血。
血の元を伝っていく
気がつくと走っていた
「……くそッ……」
「……」
「ハ、ハイド?オリーヴァ?」
血だまりで倒れるハイド
ハイドに治癒魔法を施す傷だらけのオリーヴァ
「…ハインツ…!ハイドが…!このままじゃ!」
ハイドを戦闘不能にしたであろう犯人が、一人、立っていた
「あんたがやったのか!?」
顔を隠していて見えない
男か女かもわからない
「そうなるな…僕はこれで退散するが、追って来ないでくれよ」
「逃がすか!」
魔力をは底をつきていたが、まだ剣は振るえる
「ハッ…その程度で勇者か…」
「…!」
見えない何かに吹き飛ばされるハインツ
「早くそいつを手当てしないと死ぬぞ…?まぁ僕には関係ないが…」
闇に消えていく
恐らくは男だろう
(そんなことより…!)
「ハイドは!生きてる!?」
「…傷は大体塞がったけど…血を流しすぎた…!」
「何があったの?」
「……術者を探していたら…突然あいつが現れて…そういえば術はもう解けたの?」
「多分、さっきの奴が…」
「…とりあえず街に戻りましょう」
「うーん……ハッ…!なんで寝てるんだ?俺…」
飛び起きるフレイ
「…あ、フレイ起きてるよ」
「生きてたのね……」
「…ハイドの奴どうしたんだ?血だらけじゃん」
ハインツに背負われているハイドに気がついた
「……待って、フードは?」
「フード?」
「あの女よ、学校長の」
「あぁ、そうだった…消えた?」
ネギエルの街
彼らは無人の宿に泊まっていた
外はもう暗くなっていた
「あー…そうか、おれやられたのか…」
「無事で何よりだよ、ハイド」
「…あぁ、めちゃくちゃ腹が減ったな…」
「無理もないわね…食料はまだ残ってるけど、今日の分だけね」
「明日にはもう次の街に行かないと…」
「なんでフレイがいるんだよ?」
さも勇者一行のようにいるフレイ
「えっ…寄りかかった船てきな…」
「それより、ハイドをボロボロにしたあいつは何なのかな」
「……あぁ……」
「えっと…ハイドは知ってるようだったわ…」
「まさか…連れ去られた騎士団の一人…?」
「あ、あぁ…そうだな…」
「名前は?」
「わからない…」
「知らないの?」
「いや…"偽名"なら知ってる…」
「言える?」
「ホルン、ホルンだ。あいつが俺に名乗った名前だ」