※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

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第二十六話 疑心暗鬼

 

 

ネギエルの街

 

 

四人は入口に集まっていた

 

 

 

「本当について来ないの?フレイ」

 

「勇者一行にスカウトされるのは嬉しいけど…先に行っておきたい場所ができてね!」

 

「どこよそれ?」

 

「秘密だ。けど、目的地が一緒ならまたすぐに会うだろうよ。じゃあな」

 

「そう?…行ったわね」

 

 

また三人に戻る

 

「僕たちも行こう」

 

「…あぁ」

 

誰もいない街に吹く風で滅入りそうだった

 

「次の街は…」

 

「…アルガルガだ…傭兵の街だな」

 

「よく知ってるねハイド」

 

「まぁな。急ごう。俺にも新しい目的ができた」

 

「?うん、行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここってどのあたりかな」

 

 

「森」

 

 

「それはわかってるよ…」

 

 

「おっと、今ので何体目だ?スプリガンだよ」

 

 

「ざっと100体目ですかな」

 

 

「そう…あ、思い出した。ここ"魔物の巣"だよ。どうりで多いわけだ」

 

 

「もうすぐ追いつきますな。勇者一行に…」

 

 

「それは僕たちもだよ…101匹目!」

 

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば…ハインツ、あの洞窟で何があった?」

 

「え…何も無かったよ。うん」

 

「…本当かよ」

 

「う、うん…」

 

「嘘ね…絶対」

 

「もう聞かないでおいて……」

 

 

 

 

 

「止まれーーー!」

 

「うわ!?」

 

「……検問か?」

 

 

山道を塞ぐように立っている三人の兵

 

 

「えーーと…通れます?」

 

 

 

 

 

 

「我らはアルガルガの兵だ」

 

「ある試験を合格しないと」

 

「通すことはできないのだ」

 

 

 

 

「…なんだよこいつらは…?」

 

「試験ってなんですか?」

 

 

 

 

 

「最近アルガルガの街を魔人が襲った」

 

「魔人は人と見分けがつかないと聞く」

 

「本当に人と証明しなければ通せない」

 

 

 

 

 

「変な奴らね…」

 

「…どう証明しろってんだ?」

 

 

 

 

「今からそなたらの首を切る」

 

「死ななければ魔人だと判断」

 

「死ねば正真正銘の人間だが」

 

 

 

剣を抜く三人

 

いや

 

 

 

「わかったよこの人たち賊だ」

 

「えー…魔女裁判みたいに理不尽ね…」

 

「…そういえばこの街って…」

 

 

六人。

 

 

 

 

数分後

 

 

「……おい、これで終わりか?」

 

 

「「「すいませんでした…」」」

 

 

「勇者様に喧嘩売る根性はあるのにね」

 

 

「「「え!?」」」

 

「…そういえば驚かれたこと無かったな」

 

「なんか新鮮」

 

「「「お願いがあります…」」」

 

「「「へ?」」」

 

 

 

 

【アルガルガ】

 

かつて小人達が住んでいたと言われる街

 

その小人が一体なんなのか、小人を少しでも見たと言う人はいない

 

非常に貧しい街で、人の死体がそこらに転がっている。

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

「お願いってなんですか」

 

正座をしている屈強な男が三人。

 

 

「この街の住民すべてに関わることで…」

 

「…おい?」

 

「「「なんですか?」」」

 

「…いや…何が問題なんだ?」

 

「街の者全員で作物を育ててるんですが…」

「最近ある魔物に畑を荒らされてまして…」

「止めようとした者にも犠牲者がでまして」

 

 

 

 

「魔物の退治か…!すごく勇者っぽいよね」

 

「正直さきを急ぎたいとこだけれど…仕方ないわね」

 

「そいつは何処にいるんだ?」

 

 

「…夜ですね、ほぼ毎日で」

「撃退はできるんですがね」

「もう元気がありませんで」

 

 

 

 

 

「結構…時間あるな…」

 

「それまでぶらつこうか」

 

 

 

 

 

 

小人はかつて、神々に大きく関わったとされている

 

神々のために物を提供していたという話もある

 

 

「そんな素敵な昔話があるのになぁ…」

 

「どこに行ってもひどい匂いね…」

 

「…作物を育てられてるのが奇跡だろ」

 

 

戦闘の場になるであろう場所の下見に来ていた三人

 

あたりに建物は少なく、あるのは一面に広がる緑と麦のようなものだった

 

 

「そういえばどんなのが来るか聞いてなかった」

 

「あの三兄弟どっか行っちゃったし…探す?」

 

「…お前らで探して来てくれ、俺は少し休む」

 

「傷は治せたけどかなり消耗したものね…」

 

「それじゃ、休んでてよ」

 

「……よっこらせ」

 

 

 

 

 

路地裏

 

ハインツとオリーヴァは夜に現れる魔物の情報を集めていた

 

 

「あのー…少しいいですか…?」

 

ハインツが傷だらけの男に、恐る恐る聞く

 

「あぁ!?…何か用か?」

衣類の隙間から光る物がちらついている

 

「その…夜に現れる魔物びついて少し…」(結構元気だ…)

 

「あぁそのことか……」

 

「お!何か知ってます?」

 

「そりゃな、奴は魔物って言って良いかわかんねぇが…殺せないんだよな」

 

「殺せないって…?」

 

「俺もわかんねぇよ、誰でも良いからさっさと始末してくればいいんだが…」

 

「どんな奴なんです?」

 

「犬…いや、狼か、デカイ狼だよ、木一本分くらいのな」

 

「狼……?」

 

「あ、俺用事あるから…頑張ってくれよ、勇者様」

そう言うと彼は手を振って去って行った

 

「もう広がってるみたいだね…」

 

「あの三人…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あー…寝てたのか、俺」

 

ハイドは、気が付けば、だるさが消え失せていた

 

「ったく、マズイな、もう暗くなりだしてるじゃないか…」

 

光が少なくなっている事に気がついた

 

 

「あいつら…一体なにやって…」

 

「あ、起きました?」

 

「…なんでお前がここにいるんだ…」

 

真横に立っている一人の女性

 

少しだけ少し懐かしい顔だった

 

「お久しぶりですね。ハイドさん」

 

 

 

その女の名前は"ローザ=ヴィッターニ"

 

ハイドが始めて遭遇した魔人、その時について来ていた女性だ

 

 

「…いや、なんでお前がここに…」

 

「忘れました?私は魔物の研究家ですよ!?ある魔物の噂を聞いてここまで…」

 

「あぁ…そう言えば…」

 

「なんかハイドさんが寝ていたのを発見して…気が付けば私も寝てました」

 

「うっ…マジかよ…まぁいい…お前はさっさとここから離れろ」

 

「もう夜ですもんね?眠って正解でしたね」

 

「…正確にいつ現れるかわかんないだぞ…興味本位で死ぬのか?」

 

「えー…そんなこと言ったって…第一」

 

「……」

 

「もう遅いみたいですし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しまった!もう暗くなってる!」

 

「避難の呼びかけって…結構ハードなのね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイドが草木の向こうに目を向けると、薄白い光が見える

 

それは確実に、こちらに向かっていた

 

 

「やはり…!狼でしたか!」

 

「何か知ってるんだったら、さっさと情報をよこせ…」

 

「あの狼は、昔に存在していたとされるフェンリルの子孫…」

 

【クローラー】

 

神々を脅かすほどの脅威だったフェンリル

 

ある戦争において神の一人に倒されるが、フェンリルの死体は各地に飛び去っていった

 

その肉片はやがて、フェンリルのように大きくはないが狼の形になり、各地をさまよっている

 

 

「って伝説があるんですが…本当にいるなんて…」

 

「それ以外に情報は…」

 

「そうですね…大したものは…人の手では殺せないってくらいでしょうか?」

 

「は?どう言うことだ?」

 

クローラーはこちらにゆっくりと向かっていた

 

「剣で切り裂けないとかなんとか…」

 

「…はぁ…だが、やるしかないな…」(撃退はしたって言ってたが)

 

 

彼は刀を構える

 

 

 

 

 

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