※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

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第二十七話 艱難辛苦

 

 

青い月の光があたりを照らす

 

 

 

「手はあるんですか?」

 

 

 

「まずは剣を振り抜いてみるだけだ…」

 

かと言って、得体の知れない奴を正面から相手する気は無い。

 

ならば

 

 

「あれ?ハイドさん?」

 

 

あたりは暗く、人を隠せる大きさの植物が密集している。

 

 

 

闇討ち。

 

 

 

彼はグローラーと呼ばれる魔物が、剣で斬り裂けない理由が分かった

 

(透けてやがる…)

 

 

 

向こうの景色が見えていた

 

少しの光で構成されているのだろうか

 

 

 

(物は試し…だな)

 

 

 

刀に光が反射しないよう、刀に巻いていた布を解く

 

 

何事もなく、あっさりと終わってくれ

 

 

そう思いながら刀を振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雑路

 

 

 

「ま、まさか道に迷うなんて…」

 

 

「すごく…情けないわね…」

 

 

残念な事になっていた

 

 

 

建物とは言えないような建物に囲まれ、一つの明かりも無い

 

 

「言い訳になるかな?」

 

 

「まって!向こうで何か光ったわ!」

 

 

「そっちかも!急ごうか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ッ!そう簡単にはいかないよな…」

 

 

その狼の目であろう部分が、いつのまにかこちらを睨みつけていた

 

 

「!?」

 

 

狼の尻尾が、体に巻きつく

 

 

「なんで触れるんだよッ!!」

 

 

尻尾は勢いをつけ

 

 

「…!」

 

 

飛ばされ

 

 

「ハイドさん!?いつのまに!」

 

 

「何も見てないのか…くそいてぇ…」

 

 

「血出てますよ!いま手当を…!」

 

 

「いいから…お前はさっさと逃げろ」

 

 

「でも…!」

 

 

「…そうだな…やっぱり逃げなくてもいいわ…」

 

 

「へ?」

 

 

 

 

 

「…どこでなにやってた…バックれってやつか?」

 

 

「待たせたね…ハイド」

 

 

「また怪我を…って、だれその女性?」

 

遅れたものの、無事に合流できた

 

「あの…グローラー?はかなり面倒な部類みたいだ…剣が効かない」

 

「つまり?」

 

 

 

「えっと…私の推測なんですけど」

 

ローザが何かしらの手がかりをくれるようだ

 

「言い伝えでは元は死体…霊体って物だと思うんですよ」

 

「まぁ…だいたい予想はつくけど…」

 

「魔法的なものしか干渉できないんじゃないですかね?」

 

「だろうな…あいつは問答無用で俺を縛り付けたが…任せたぞ、オリーヴァ、ハインツ」

 

 

 

 

 

 

「そっか…あくまでも伝説だけど」

 

「神の世界の狼…の死体…の霊と戦うのね」

 

 

剣を抜いて、ゆっくりと近づいてくるグローラーを睨む。

 

 

 

「よし!準備万端!」

 

魔力の刀身を作る

 

 

その時だ

 

 

「!」

 

 

「……なんか僕の事見てる?」

 

 

「来るぞ!」

 

 

 

 

先ほどまで重い足を引きずるように歩いていたグローラー

 

ハインツの魔力に反応したように、周りのものが薙ぎたをされるほどの速さで走ってくる

 

 

「ハイド!…と女性!逃げて!」

 

「いや、この程度のなら"防げる"!」

 

「え?」

 

 

魔力で"壁"を作るハインツ

 

 

「なによこれ…」

 

 

 

「!」

 

 

 

それに気がついたのか、グローラーは動きを当たる直前で停止する

 

 

「上!」

 

 

飛び上がるグローラー

 

 

 

全員の視線が空中の奴に集まる

 

 

瞬間

 

 

「ッッ!」

 

「コイツ…!」

 

 

 

突然、光る。

 

 

 

全員の視線が潰される

 

 

 

目を開くことができない

 

 

 

響く轟音

 

 

(…おかしい…)

 

 

目の痛みが少し引いて来た

 

 

 

まだ少し開きにくいが、無理やり開き開ける

 

 

 

「…ハインツは…?」

 

 

「狼もいない…?」

 

 

「い、いえ…それって血ですよね」

 

 

ハインツが立っていた場所

 

 

地面が大きく抉られ、血が落ちていた

 

 

 

「…!後ろ!まずいぞ!」

 

 

 

 

 

 

崩れた建物、左腕があらぬ方向へ曲がったハインツ、

 

 

口を大きく開いたグローラー。

 

 

「オリーヴァ!ローザ!」

 

 

「間に合わないわ!」

 

「私は無理ですよ!?」

 

 

「ちっ……!"届く"か!」

 

ハイドが取り出したのは、"魔具"

 

それは短く、黒く染まった短剣、いや、投げるにはちょうどいいナイフ。

 

 

"幻想の爪"

 

 

 

恐らく、魔力を帯びているものなら触れる事ができるはず

 

 

投げる。

 

 

「!」

 

 

避けられる

 

 

しっかりと見ていたのか…

 

だが

 

 

「引き離せた…」

 

 

 

 

 

 

「クソッ…!やるぞ…」

 

 

 

「今度こそ…なにか策あるんですよね」

 

 

 

「…」

 

 

 

「はぁ…」

 

 

 

「ある。手を貸してもらうぞ、ローザ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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