※この作品はR-18です。

黒のテスカトリポカ   作:被害者宅

29 / 64
第二十九話 満身創痍

彼は考えていた。

 

この勇者の剣で、魔力でどこまで"作れるか"

 

これまで刃や壁などのまっすぐなものしか作ってこなかった

 

試してみる価値はある。

 

(形が無い物を作る)

 

剣と魔力に集中する

 

形が無い物を形作るよう、意識する。

 

 

そして

 

 

燃え盛る

 

 

白き炎

 

 

 

「…!すごい、どうなってるんだ、これ」

 

 

 

全身を覆うように燃える白い炎

 

 

一番不思議だったのは、

 

 

(なんで?魔力が消費されてない?)

 

 

 

「!!」

 

 

再度、飛びかかるグローラー

 

 

この炎が一体なんなのか、確かめる

 

 

全身の炎を剣に集中させる

 

 

 

そして、

 

 

 

薙ぎ払う。

 

 

 

が、避けられる

 

 

やはりあのスピードは脅威だった

 

 

 

 

「!」

 

 

 

グローラーは体制を崩した

 

 

様子が明らかにおかしくなって行く

 

 

 

 

まるで、幻覚でも見ているかのように

 

 

 

もう一度、炎の大剣を振るった

 

 

白き炎がグローラーを飲み込み消滅させた

 

 

「終わっ…た?」

 

 

跡形も残っていなかった

 

 

 

ただ、不思議な事が一つ

 

 

 

あたりに炎が残っていないのだ

 

 

 

 

これだけの植物があってなに一つ燃えていない。

 

 

 

(もしかして…魔力にのみ干渉するのか?)

 

 

 

「まぁ、いいか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わった?ハインツ」

 

 

「オリーヴァ、ハイドは?」

 

 

 

「今は気を失ってるわ。当分、激しい運動は避けた方が良いわね」

 

 

 

「生きてるんだ…大穴空いてたよね…よかった」

 

 

 

「ところで…あなただれ?」

 

 

「あ…名前はローザ=ヴィッターニです…」

 

 

「…休める場所探そうか」

 

 

 

 

 

 

街外れ、廃屋

 

 

 

「ちょっとまって?ハインツ、その腕…!」

 

「え…?うわ!変な形に!」

 

グローラーの体当たりを食らったとき、曲がった左腕

 

忘れてしまっていたようだ

 

「骨折るのってこんなに痛いんだ…」

 

「はい…あなたも当分、左腕を動かさないこと…」

 

「まだ痛むんだけど」

 

「我慢よ。ところでローザさん…」

 

流れでついて来たようだ

 

「あそこで何をしていたのかしら?」

 

「いやー噂の魔物が気になりまして。あ、あの狼の事です」

 

 

「その噂ってどこから?」

 

「さぁ?さっぱり覚えてませんね、なんせ他にも色々な噂を…」

 

「君ってさ、魔物に詳しいの?」

 

「そりゃもう!魔物の知識に関して私の右に出るものは…」

 

 

「今日はもう休もうか」

 

「ええ」

 

「えぇぇ…」

 

 

 

 

 

みな、自分で気が付いていないが疲れきっていた

 

 

翌朝

 

 

 

「……もう朝?さっき目を閉じたばっかな気がする…」

 

 

一番に目を覚ましたのはハインツだった

 

他の皆はまだ目を閉じたままだった

 

 

(ハイドってあれから起きたのかな…死んでるんじゃ…)

 

 

今だ目を閉じたままのハイド。死んだように眠っている

 

 

(うわ、軽甲冑貫通したのかな…これ)

 

 

「……生きてますかー?」

 

 

「…生きてまーす…最悪の気分だ…」

 

どうやら起きていたようだ

 

「オリーヴァに感謝しなきゃね。僕もだけど」

 

その言葉を聞き、思い出したように自身の体を見る

 

「…!すごいな、塞げたのかよ、大穴開けられたのに」

 

「そうよ、私に感謝しなさい…眠たい…」

 

オリーヴァも二人の会話を聞いて起きて来た

 

 

「ただ、外は完治させれたけど、中はまだ傷が多いわ。当分の戦闘禁止ね」

 

「マジか…言われれば痛いな…」

 

 

「あ、皆さん起きていたんですね」

 

今度は目をこすりながら、眠たそうなローザが起きて来た

 

「お前まだいたのか……怪我は?」

 

「おかげさまでピンピンしてますよ!」

 

「……さっさと先に向かおうぜ」

 

「街の人ももう戻ってるだろうけど…うーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…足がうまく動かないな…」

 

「気をつけてね……ローザさん」

 

「なんでしょうか?」

 

「少しのあいだで良いから、勇者一行に入ってくれないかな?」

 

 

「へ?」

 

 

「おい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。